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シングルマザーがもらえる手当には何があるの?
シングルマザーの暮らしを「ちょっとずつ」良くする「ママモワ」より 現在、シングルマザーは100万人を超えており、政令都市の人口に迫ろうとしています。今やシンママは女性の「生き方」のひとつとも言えますが、やはり収入や生活費は気になるところ。ここではシングルマザーがもらえる、知っていると有利な手当と助成金についてご紹介します。 児童扶養手当 現在、シングルマザーは100万人を超えており、政令都市の人口に迫ろうとしています。いわゆる「母子手当」のことです。離婚などにより両親の片方からしか養育を受けられなくなった児童のために、地方自治体から支給される手当です。 収入によって細かく支給額が決められており、各自治体によっても違いがあるので、地域の役所に問い合わせてみましょう。支給額はどれくらい?ときどき「母子手当で食べていける」と思っている人がいますが、とんでもない話です。自治体や収入にもよりますが、最大でも子ども1人につき月額41,000円程度、2人目は5,000円、3人目以降は3,000円が加算されます。この金額だけで生活するのはさすがに難しいです。しかし、生活費の助けになることは間違いないので、離婚したらすぐに申請に行きましょう。 児童手当 母子家庭でなくても、もらえる手当です。申請をすれば婚姻中からでも支給されます。児童手当は、国が「子どもにかかる生活費を支援する」制度で、3歳未満なら1カ月15,000円の手当を受けることができます。3歳以上中学校修了までなら1カ月10,000円となります。ただし、所得制限があり、収入が多いほどもらえる額が減ります。婚姻しているときは、父親の口座に振り込まれることが多いため、離婚したら口座の変更を申請しに行きましょう。注意すべき点とは?注意が必要なのは、離婚したすぐ翌月からもらえる訳ではないということ。児童手当をもらうには役所への申請(父親への支給からの変更)が必要なため、支給はその翌月分からとなります。また、毎月支払われるのではなく、年に3回、4カ月分ごとの支給になるので、収入の計算には注意が必要です。 ひとり親家庭の住宅手当 20歳未満の児童を養育しているひとり親家庭の世帯主で、家賃を月額10,000円以上支払っている方などが対象となります。これは各自治体により支給条件が違いますので、お住まいの地域役所に問い合わせてください。 生活保護 生活に困窮している場合、国が「健康で文化的な最低限度の生活を保障する」という制度です。シングルマザーでなくても受け取ることができます。「最低限度の生活」は、地域によって基準が異なり、支給される金額は住んでいる場所や収入によって変わります。ただし、かなり厳しい条件がある生活保護を受給するには、かなり厳しい条件があります。例えば、病気や障害で母親が働けないなどの明確な理由が必要です。また、ある程度の財産となるものを持っていない(もしくは手放す)ことが条件となりますので、受給によって自分たちの将来がどう変わるのかをよく見極める必要があります。 オススメ記事≪実家暮らしのシングルマザーが注意したい、支援制度の落とし穴≫≪“働きたい”母に朗報!「認定こども園」が1年で倍増≫≪知らないと損するかも!?母子手当や支援制度の注意点≫≪母子家庭を支援する「母子手当」、いつからいつまで?≫ シングルマザーの暮らしを「ちょっとずつ」良くする「ママモワ」より 現在、シングルマザーは100万人を超えており、政令都市の人口に迫ろうとしています。今やシンママは女性の「生き方」のひとつとも言えますが、やはり収入や生活費は気になるところ。ここではシングルマザーがもらえる、知っていると有利な手当と助成金についてご紹介します。 児童扶養手当 現在、シングルマザーは100万人を超えており、政令都市の人口に迫ろうとしています。いわゆる「母子手当」のことです。離婚などにより両親の片方からしか養育を受けられなくなった児童のために、地方自治体から支給される手当です。 収入によって細かく支給額が決められており、各自治体によっても違いがあるので、地域の役所に問い合わせてみましょう。支給額はどれくらい?ときどき「母子手当で食べていける」と思っている人がいますが、とんでもない話です。自治体や収入にもよりますが、最大でも子ども1人につき月額41,000円程度、2人目は5,000円、3人目以降は3,000円が加算されます。この金額だけで生活するのはさすがに難しいです。しかし、生活費の助けになることは間違いないので、離婚したらすぐに申請に行きましょう。 児童手当 母子家庭でなくても、もらえる手当です。申請をすれば婚姻中からでも支給されます。児童手当は、国が「子どもにかかる生活費を支援する」制度で、3歳未満なら1カ月15,000円の手当を受けることができます。3歳以上中学校修了までなら1カ月10,000円となります。ただし、所得制限があり、収入が多いほどもらえる額が減ります。婚姻しているときは、父親の口座に振り込まれることが多いため、離婚したら口座の変更を申請しに行きましょう。注意すべき点とは?注意が必要なのは、離婚したすぐ翌月からもらえる訳ではないということ。児童手当をもらうには役所への申請(父親への支給からの変更)が必要なため、支給はその翌月分からとなります。また、毎月支払われるのではなく、年に3回、4カ月分ごとの支給になるので、収入の計算には注意が必要です。 ひとり親家庭の住宅手当 20歳未満の児童を養育しているひとり親家庭の世帯主で、家賃を月額10,000円以上支払っている方などが対象となります。これは各自治体により支給条件が違いますので、お住まいの地域役所に問い合わせてください。 生活保護 生活に困窮している場合、国が「健康で文化的な最低限度の生活を保障する」という制度です。シングルマザーでなくても受け取ることができます。「最低限度の生活」は、地域によって基準が異なり、支給される金額は住んでいる場所や収入によって変わります。ただし、かなり厳しい条件がある生活保護を受給するには、かなり厳しい条件があります。例えば、病気や障害で母親が働けないなどの明確な理由が必要です。また、ある程度の財産となるものを持っていない(もしくは手放す)ことが条件となりますので、受給によって自分たちの将来がどう変わるのかをよく見極める必要があります。 オススメ記事≪実家暮らしのシングルマザーが注意したい、支援制度の落とし穴≫≪“働きたい”母に朗報!「認定こども園」が1年で倍増≫≪知らないと損するかも!?母子手当や支援制度の注意点≫≪母子家庭を支援する「母子手当」、いつからいつまで?≫
2015.6.30
コラム くらし
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ジネコが調べる! 不妊治療と医療保険 みんなに合う保険って?
不妊治療中の方から、医療保険に関する投稿やお悩みが寄せられています。ジネコで、より詳しいアンケートを実施すると多くの方が困っているという結果が出ました!そこで、皆さんに合う保険が作れないか、ジネコがアクションしていきます! 困っている人多数!ジネコが保険について対策します ウェブ『ジネコ』には、医療保険に関する投稿やお悩みが寄せられています。そこで今回、不妊治療中の皆さんに、より詳しいアンケートを実施。アンケート1で「いつ医療保険に加入しましたか?」と聞いたところ、88・5%の方が不妊治療を始める前に加入されていました。一般的に、不妊治療に関わる疾病は原因が特定しにくいので、加入そのものが難しいようです。また、アンケート2「医療保険に加入したきっかけは?」をみると、59・4%の方が、ご自分の意志で加入されています。しかし、どんな保険が自分に合っているかは、わからないですよね。アンケート3のコメントでは、加入していても、不妊治療や流産などでは保険金が支払われないケースがあるようです。「支払われないなら加入の意味がないのでは……」という声もありますが、アンケート4「医療保険は必要ですか?」では、85・9%が必要と回答。でも、不妊治療もサポートしてくれるような、いい保険がない、というのが実感のようです。ジネコは、多くの方が医療保険について困っているという結果に驚くとともに、なにかできることはないかと考えました。 不妊治療中の方から、医療保険に関する投稿やお悩みが寄せられています。ジネコで、より詳しいアンケートを実施すると多くの方が困っているという結果が出ました!そこで、皆さんに合う保険が作れないか、ジネコがアクションしていきます! 困っている人多数!ジネコが保険について対策します ウェブ『ジネコ』には、医療保険に関する投稿やお悩みが寄せられています。そこで今回、不妊治療中の皆さんに、より詳しいアンケートを実施。アンケート1で「いつ医療保険に加入しましたか?」と聞いたところ、88・5%の方が不妊治療を始める前に加入されていました。一般的に、不妊治療に関わる疾病は原因が特定しにくいので、加入そのものが難しいようです。また、アンケート2「医療保険に加入したきっかけは?」をみると、59・4%の方が、ご自分の意志で加入されています。しかし、どんな保険が自分に合っているかは、わからないですよね。アンケート3のコメントでは、加入していても、不妊治療や流産などでは保険金が支払われないケースがあるようです。「支払われないなら加入の意味がないのでは……」という声もありますが、アンケート4「医療保険は必要ですか?」では、85・9%が必要と回答。でも、不妊治療もサポートしてくれるような、いい保険がない、というのが実感のようです。ジネコは、多くの方が医療保険について困っているという結果に驚くとともに、なにかできることはないかと考えました。
2011.3.10
コラム くらし
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環境にやさしい暮らしでお得 住宅関連のエコポイント&減税
エコ住宅の新築やエコリフォームをすると住宅エコポイントがもらえて、さらに所得税の還付や固定資産税の減額など優遇措置も。地球にやさしい暮らしで、お財布に嬉しい助成を受けましょう。 エコな暮らしを始めて住宅エコポイントをもらおう! 期間が延長され、今年末までの着工が対象に 家電エコポイントはいまや周知となりましたが、住宅エコポイントという言葉は初めて聞くという人もいるかもしれませんね。外壁や窓の断熱性能などで基準を満たした住宅の新築や、エコリフォームをすると発行されるのが住宅エコポイント。 地球温暖化対策の推進や経済の活性化を目的に作られた制度です。住宅エコポイントは商品券や地域の特産品と交換したり、追加工事の費用に充当することができます。 住宅エコポイントは平成22年3月にスタートした新しい制度で、22年12月31日までの工事が対象でしたが期間が延長され、23年の12月31日までに着工した工事についてエコポイントが発行されることになりました。 新築やリフォームを考えている人は今年がチャンスです。 23年1月以降の着工ではポイント付与の工事も増加 平成23年1月以降に着工したリフォームでは、これまでの窓、外壁、屋根・天井、床の断熱改修に加え、これらと一緒に行うことを条件に、太陽熱利用システム、節水型トイレ、高断熱浴槽の設置でもポイントがもらえることになりました。それぞれの工事でもらえるポイントは下記の表で確認してください。 それぞれの工事のポイントを足していき、一戸当たり最高30万ポイントまでもらうことができます。 住宅エコポイントの上手な活用方法 たまった住宅エコポイントは、平成26年3月31 日までが交換期限です。数ある商品の中から選ぶのも楽しいですが、おすすめのポイント活用法は家電量販店などの商品券と交換すること。販売店によってはポイントの1.2 倍分の商品券に換えられるところもあります。それで省エネ家電を購入すれば、3月31日までならまた家電エコポイントがもらえます。そうやってうまく回して使えればお得度もさらにアップします。 column 家電エコポイントは3月31日購入分まで!急いで! 「地上デジタル放送対応テレビ」、「エアコン」、「冷蔵庫」の省エネ家電を購入するともらえる家電エコポイント制度。2009 年5月からスタートしていますが、昨年12 月からは付与されるポイントが半減するということで、駆け込み購入が話題となりました。さらに今年の1 月1 日からは、「統一省エネラベル5★の家電のみが対象で、買い替えでリサイクルを行った場合」に限定されています。これまで付いていたリサイクル分の加算はなしに。昨年までと比べるとお得感は減りますが、それでも購入を検討しているなら、エコポイントがもらえるうちがベター。3月31日購入分まで対象、申請は5 月31 日まで。 住宅にまつわる減税があります! 省エネ改修は現金でも所得税が減税! 30万円を超える一定のエコリフォームは、ローンを組まずに現金で行っても所得税の還付が受けられる減税制度が、平成21年度から導入されています。リフォームの翌年に確定申告することで、最高20万円(あわせて太陽光発電を設置する場合は30万円)が所得税から控除されます。この減税制度は期限付きなので、改修は今が狙い時かも。 省エネ改修すると固定資産税も減額 持ち家の人が毎年必ず納める固定資産税も、エコリフォームすると減額になります。工事を行った翌年分の固定資産税額(120㎡相当分まで)が、3分の1減額されます。賃貸用の住宅ではないこと、改修工事費が30万円以上であること、窓の改修工事を含む工事であることなどが要件となっています。平成25年3月31日までに工事が行われた場合に、この減税が受けられます。 ローン減税も省エネ改修なら優遇 ローンを組んでエコリフォームを行った場合は、年末ローン残高の1%を5年間、所得税から控除することができます。特定の省エネ改修工事(改修後の住宅全体の省エネ性能が、省エネ基準相当に上がる工事)については上限200万円までは2%、それ以外の工事部分は1%で、控除期間は5年間。30万円以上の工事で、平成25年12月31日までに居住開始している場合に減税が受けられます。 エコ住宅の新築やエコリフォームをすると住宅エコポイントがもらえて、さらに所得税の還付や固定資産税の減額など優遇措置も。地球にやさしい暮らしで、お財布に嬉しい助成を受けましょう。 エコな暮らしを始めて住宅エコポイントをもらおう! 期間が延長され、今年末までの着工が対象に 家電エコポイントはいまや周知となりましたが、住宅エコポイントという言葉は初めて聞くという人もいるかもしれませんね。外壁や窓の断熱性能などで基準を満たした住宅の新築や、エコリフォームをすると発行されるのが住宅エコポイント。 地球温暖化対策の推進や経済の活性化を目的に作られた制度です。住宅エコポイントは商品券や地域の特産品と交換したり、追加工事の費用に充当することができます。 住宅エコポイントは平成22年3月にスタートした新しい制度で、22年12月31日までの工事が対象でしたが期間が延長され、23年の12月31日までに着工した工事についてエコポイントが発行されることになりました。 新築やリフォームを考えている人は今年がチャンスです。 23年1月以降の着工ではポイント付与の工事も増加 平成23年1月以降に着工したリフォームでは、これまでの窓、外壁、屋根・天井、床の断熱改修に加え、これらと一緒に行うことを条件に、太陽熱利用システム、節水型トイレ、高断熱浴槽の設置でもポイントがもらえることになりました。それぞれの工事でもらえるポイントは下記の表で確認してください。 それぞれの工事のポイントを足していき、一戸当たり最高30万ポイントまでもらうことができます。 住宅エコポイントの上手な活用方法 たまった住宅エコポイントは、平成26年3月31 日までが交換期限です。数ある商品の中から選ぶのも楽しいですが、おすすめのポイント活用法は家電量販店などの商品券と交換すること。販売店によってはポイントの1.2 倍分の商品券に換えられるところもあります。それで省エネ家電を購入すれば、3月31日までならまた家電エコポイントがもらえます。そうやってうまく回して使えればお得度もさらにアップします。 column 家電エコポイントは3月31日購入分まで!急いで! 「地上デジタル放送対応テレビ」、「エアコン」、「冷蔵庫」の省エネ家電を購入するともらえる家電エコポイント制度。2009 年5月からスタートしていますが、昨年12 月からは付与されるポイントが半減するということで、駆け込み購入が話題となりました。さらに今年の1 月1 日からは、「統一省エネラベル5★の家電のみが対象で、買い替えでリサイクルを行った場合」に限定されています。これまで付いていたリサイクル分の加算はなしに。昨年までと比べるとお得感は減りますが、それでも購入を検討しているなら、エコポイントがもらえるうちがベター。3月31日購入分まで対象、申請は5 月31 日まで。 住宅にまつわる減税があります! 省エネ改修は現金でも所得税が減税! 30万円を超える一定のエコリフォームは、ローンを組まずに現金で行っても所得税の還付が受けられる減税制度が、平成21年度から導入されています。リフォームの翌年に確定申告することで、最高20万円(あわせて太陽光発電を設置する場合は30万円)が所得税から控除されます。この減税制度は期限付きなので、改修は今が狙い時かも。 省エネ改修すると固定資産税も減額 持ち家の人が毎年必ず納める固定資産税も、エコリフォームすると減額になります。工事を行った翌年分の固定資産税額(120㎡相当分まで)が、3分の1減額されます。賃貸用の住宅ではないこと、改修工事費が30万円以上であること、窓の改修工事を含む工事であることなどが要件となっています。平成25年3月31日までに工事が行われた場合に、この減税が受けられます。 ローン減税も省エネ改修なら優遇 ローンを組んでエコリフォームを行った場合は、年末ローン残高の1%を5年間、所得税から控除することができます。特定の省エネ改修工事(改修後の住宅全体の省エネ性能が、省エネ基準相当に上がる工事)については上限200万円までは2%、それ以外の工事部分は1%で、控除期間は5年間。30万円以上の工事で、平成25年12月31日までに居住開始している場合に減税が受けられます。
2011.2.25
コラム くらし
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医療費控除や助成制度 押さえておきたい!もらえるお金
不妊治療や、病気にかからないために受ける検診、そして病気になってしまった時の治療費……。どれもお金がかかりますが、公的な助成制度もたくさんあります。上手に賢く活用しましょう。 不妊治療中にもらえる助成金を確認しよう 経済負担を軽減してくれる「特定不妊治療助成金」制度 不妊治療は身体的、精神的な負担が大きいうえ、保険外診療が多く、経済的な負担ものしかかってきます。「特定不妊治療助成金」は経済負担を軽減するため、夫婦の合算所得が730万円未満の場合、体外受精・顕微授精について1回15万円を年2回まで助成してくれる制度。通算5年まで助成を受けられます。 申請に必要な書類や申請方法、申請期限等は自治体によって異なるので、確認しましょう。申請期限は、東京都の場合、昨年4月1日から今年3月31日までに治療を終了した場合は今年の3月31日が申請期限。 ただし今年1月~3月までに治療を終了した場合は、23年度分として4月1日から6月30日の期間にも申請できます。治療を受けた人は忘れず申請を! 手術や入院した場合は「高額療養費」制度で負担減 不妊治療中に子宮筋腫やチョコレート嚢腫などの病気がみつかり、手術や入院が必要になることがあります。ひと月(1日~月末まで)の医療費が高額になり、限度額(一般所得者で8~9万円)を超えると、「高額療養費」制度が適用されて、超えた分を払い戻してもらえます。ただし「高額療養費」は健康保険が適用になる治療のみが対象なので、同じ月に受けた保険適用外の不妊治療や、入院時の食事代などは対象外です。 また、あらかじめ「限度額適用認定証」をもらっておけば、窓口に提示するだけで自己負担限度額のみの支払いで済みます。協会けんぽや国保などでは、認定証をホームページからダウンロードできるので、入院・手術が決まっている場合にはぜひ入手しておきましょう。1年間有効で、何度でも使えます。ちなみに、もし選べるなら入院・手術は同じ月内のほうが払い戻し金が多いのでお得です。 病気になったら、妊娠したらその時のために知っておこう 有給を使い切った時頼りになる「傷病手当金」不妊治療やその他の事情で有給は使い切ってしまったのに、急な病気やケガで仕事を休むことになった……。そんな時は「傷病手当金」の申請を。連続3日以上休むと4日目から、無給の場合、標準報酬日額の3分の2が支給されます。ただし、本人が企業や団体に勤務し、健康保険や共済組合に加入している場合のみが対象。休業中も何らかの手当てや報酬を受けている場合は、傷病手当金との差額分が給付されます。問い合わせは、勤務先の健康保険や共済組合の窓口まで。 妊娠し、役所に申請すると14回分の「妊婦健診費助成」が 妊娠・出産は病気ではないため、順調な経過をたどった場合、健診や出産費用は原則保険の適用外。出産までの健診回数は約15~16回で、金額はかなり高額になります。経済的負担を減らすための制度が「妊婦健診費助成」です。 妊娠が確定し、役所に申請すると母子手帳などとともに妊婦健診受診票が交付され、これを健診に持っていくと助成が受けられます。ただし自治体によって助成の内容や金額に幅があるので、医療機関の窓口で確認しましょう。 「出産育児一時金」制度で出産時の負担を大幅減 いざ出産となった時、分娩・入院費用はかなり高額。自然分娩の場合、病気ではないため保険の適用外になるからです。でもご安心を。企業の健康保険でも国民健康保険でも、加入している健康保険から「出産育児一時金」として、最低限42万円が支給されます。しかも健康保険から産院への「直接支払制度」や「受理代理制度」が導入されている産院なら、立て替える必要もなく、差額分を支払うだけでOK。保証金なども不要となり、出産のために準備しなければならない費用が大幅に軽減しています。 topics 高額医療と介護費用は合算して補助が受けられる! 高額療養費と同じように高額介護サービス費にも自己負担限度額が設定されていますが、この2つを合算して1年の自己負担額が67万円(一般所得者で70歳未満の人の場合)を超えていたら、申請することで超えた金額が戻ってくる「高額医療・高額介護合算制度」。同居のおじいちゃんが介護を受けている場合などは、累計額を計算してみましょう。合算の対象期間は、毎年8月1日から7月31日までの1年分なので、申請忘れのないように。 column がん予防の検診は自治体の制度を利用 日本人の死亡理由のトップを占めるがんについては、各自治体で検診の補助をしているケースがあります。例えば横浜市では胃がん検診、肺がん検診、大腸がん検診は40 歳以上を対象に年1回、子宮がん検診は20歳以上、乳がん検診は40歳以上を対象にそれぞれ2年に1回、低費用で受けられる制度があります。自分の居住地の自治体に確認してみましょう。 また特に女性特有のがんについては国の補助制度があり、子宮頸がん検診は20歳、25歳、30歳、35歳、40歳、乳がん検診は40歳、45歳、50歳、55歳、60歳の時に無料で検診を受けることができます。自治体からクーポンが送られてくるので、必ず受けましょう。21年度から始まった制度で、23年度も実施される見込みです。 ●市町村ごとのがん検診の情報が見られるリンク先一覧はこちら。 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/link.html 確定申告で「医療費控除」の申請を 不妊治療や病気などで医療費が多くかかった場合は、「医療費控除」の申告をして、所得税を還付してもらうことができます。家族はまとめて申告できるので、まずは1月から12月の家族全員分の医療費の領収書を集めましょう。交通費はメモ書きでOK。合計金額から保険で支払われたお金や助成金を引いた額が10万円(所得が200万円未満の人は所得の5%)を超えていたら、医療費控除が受けられます。医療費が多額で、還付金が夫の所得税額を超える場合は、超えた分を妻のほうで申告すると、妻も還付を受けることができます。(妻も収入があり所得税を納めている場合。ただし、妻も10万円を差し引かなくてはならない。) 【PR】医療費控除について知りたい! 田村秀子産婦人科医院 <2011年2月現在の情報です> 不妊治療や、病気にかからないために受ける検診、そして病気になってしまった時の治療費……。どれもお金がかかりますが、公的な助成制度もたくさんあります。上手に賢く活用しましょう。 不妊治療中にもらえる助成金を確認しよう 経済負担を軽減してくれる「特定不妊治療助成金」制度 不妊治療は身体的、精神的な負担が大きいうえ、保険外診療が多く、経済的な負担ものしかかってきます。「特定不妊治療助成金」は経済負担を軽減するため、夫婦の合算所得が730万円未満の場合、体外受精・顕微授精について1回15万円を年2回まで助成してくれる制度。通算5年まで助成を受けられます。 申請に必要な書類や申請方法、申請期限等は自治体によって異なるので、確認しましょう。申請期限は、東京都の場合、昨年4月1日から今年3月31日までに治療を終了した場合は今年の3月31日が申請期限。 ただし今年1月~3月までに治療を終了した場合は、23年度分として4月1日から6月30日の期間にも申請できます。治療を受けた人は忘れず申請を! 手術や入院した場合は「高額療養費」制度で負担減 不妊治療中に子宮筋腫やチョコレート嚢腫などの病気がみつかり、手術や入院が必要になることがあります。ひと月(1日~月末まで)の医療費が高額になり、限度額(一般所得者で8~9万円)を超えると、「高額療養費」制度が適用されて、超えた分を払い戻してもらえます。ただし「高額療養費」は健康保険が適用になる治療のみが対象なので、同じ月に受けた保険適用外の不妊治療や、入院時の食事代などは対象外です。 また、あらかじめ「限度額適用認定証」をもらっておけば、窓口に提示するだけで自己負担限度額のみの支払いで済みます。協会けんぽや国保などでは、認定証をホームページからダウンロードできるので、入院・手術が決まっている場合にはぜひ入手しておきましょう。1年間有効で、何度でも使えます。ちなみに、もし選べるなら入院・手術は同じ月内のほうが払い戻し金が多いのでお得です。 病気になったら、妊娠したらその時のために知っておこう 有給を使い切った時頼りになる「傷病手当金」不妊治療やその他の事情で有給は使い切ってしまったのに、急な病気やケガで仕事を休むことになった……。そんな時は「傷病手当金」の申請を。連続3日以上休むと4日目から、無給の場合、標準報酬日額の3分の2が支給されます。ただし、本人が企業や団体に勤務し、健康保険や共済組合に加入している場合のみが対象。休業中も何らかの手当てや報酬を受けている場合は、傷病手当金との差額分が給付されます。問い合わせは、勤務先の健康保険や共済組合の窓口まで。 妊娠し、役所に申請すると14回分の「妊婦健診費助成」が 妊娠・出産は病気ではないため、順調な経過をたどった場合、健診や出産費用は原則保険の適用外。出産までの健診回数は約15~16回で、金額はかなり高額になります。経済的負担を減らすための制度が「妊婦健診費助成」です。 妊娠が確定し、役所に申請すると母子手帳などとともに妊婦健診受診票が交付され、これを健診に持っていくと助成が受けられます。ただし自治体によって助成の内容や金額に幅があるので、医療機関の窓口で確認しましょう。 「出産育児一時金」制度で出産時の負担を大幅減 いざ出産となった時、分娩・入院費用はかなり高額。自然分娩の場合、病気ではないため保険の適用外になるからです。でもご安心を。企業の健康保険でも国民健康保険でも、加入している健康保険から「出産育児一時金」として、最低限42万円が支給されます。しかも健康保険から産院への「直接支払制度」や「受理代理制度」が導入されている産院なら、立て替える必要もなく、差額分を支払うだけでOK。保証金なども不要となり、出産のために準備しなければならない費用が大幅に軽減しています。 topics 高額医療と介護費用は合算して補助が受けられる! 高額療養費と同じように高額介護サービス費にも自己負担限度額が設定されていますが、この2つを合算して1年の自己負担額が67万円(一般所得者で70歳未満の人の場合)を超えていたら、申請することで超えた金額が戻ってくる「高額医療・高額介護合算制度」。同居のおじいちゃんが介護を受けている場合などは、累計額を計算してみましょう。合算の対象期間は、毎年8月1日から7月31日までの1年分なので、申請忘れのないように。 column がん予防の検診は自治体の制度を利用 日本人の死亡理由のトップを占めるがんについては、各自治体で検診の補助をしているケースがあります。例えば横浜市では胃がん検診、肺がん検診、大腸がん検診は40 歳以上を対象に年1回、子宮がん検診は20歳以上、乳がん検診は40歳以上を対象にそれぞれ2年に1回、低費用で受けられる制度があります。自分の居住地の自治体に確認してみましょう。 また特に女性特有のがんについては国の補助制度があり、子宮頸がん検診は20歳、25歳、30歳、35歳、40歳、乳がん検診は40歳、45歳、50歳、55歳、60歳の時に無料で検診を受けることができます。自治体からクーポンが送られてくるので、必ず受けましょう。21年度から始まった制度で、23年度も実施される見込みです。 ●市町村ごとのがん検診の情報が見られるリンク先一覧はこちら。 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/link.html 確定申告で「医療費控除」の申請を 不妊治療や病気などで医療費が多くかかった場合は、「医療費控除」の申告をして、所得税を還付してもらうことができます。家族はまとめて申告できるので、まずは1月から12月の家族全員分の医療費の領収書を集めましょう。交通費はメモ書きでOK。合計金額から保険で支払われたお金や助成金を引いた額が10万円(所得が200万円未満の人は所得の5%)を超えていたら、医療費控除が受けられます。医療費が多額で、還付金が夫の所得税額を超える場合は、超えた分を妻のほうで申告すると、妻も還付を受けることができます。(妻も収入があり所得税を納めている場合。ただし、妻も10万円を差し引かなくてはならない。) 【PR】医療費控除について知りたい! 田村秀子産婦人科医院
2011.2.25
コラム くらし
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野田聖子さんと民主党本部に聞いてみました1
野田聖子さんと民主党本部に聞いてみました1 ┃ 野田聖子さんと民主党本部に聞いてみました2 「不妊治療は国の経営に関わる社会の大きな柱です」 不妊治療に初めて、保険適用を明言 民主党が政権与党になりました。ジネコ読者にとって今、最大の関心事が、民主党がマニフェストに掲げた、不妊治療への保険適用です。この保険適用について、どう思われますか。 野田●とても画期的なことだと思います。何と言っても、初めて公約の中に不妊治療が登場し、保険適用が明言化されたのですから。10年以上、少子化や不妊治療の問題に取り組んできた私にとって、党の枠を越えて、とてもうれしいことです。ようやくこれで、第一歩が踏み出せるという思いですね。これまで私費で払うしかなかった不妊治療の費用は、1回の体外受精で通常、約50万円かかると言われ、大きな負担を患者さんに強いるものでした。保険適用になれば3割の負担で済みますから、患者さんはかなり楽になります。しかし、残りの7割を不妊に関係のない人が払うことになります。私はこれまで、不妊治療の保険適用について自民党内で働きかけをしてきましたが、実現できなかった理由の一つは、膨大な財源が必要だからでした。これに対し私は、?少子化対策の一環として、取り上げたらどうでしょう?と申し上げてきました。保険という形で国民にご負担いただく金額と、子どもが生まれてからの経済効果を天秤にかけたら、経済効果のほうが高いのではないかと。つまり?中長期的に見れば、保険の安定につながりますよ?と言ってきました。とはいえ、不妊治療を受けている人が実際どれだけいるかわからない状況に加え、不妊というメカニズムすら明らかになっていない現状をみれば、保険適用には時間がかかるな、少しずつ保険の枠を増やしていくのがいいのかなとも考えています。 ジネコ読者の声を聞くと、保険適用について、もろ手を挙げての賛成だけではなく、不安の声もあります。 野田●それは、当然のことだと思います。不妊治療は、とてもデリケートなものです。保険適用により、精神的なプレッシャーがかかることも考えられます。例えば子どもがいなくてもいいと考えている夫婦を取り巻く環境が、治療を始めるようプレッシャーをかけてくることも想定されます。そして何より、ドクターのレベルの問題が心配です。初めに保険適用ありきだとすると、不適切な病院も参入してくるようになります。日本産婦人科学会に登録されている施設がすべて、不妊治療を行えるわけですから。現状では不妊治療を行う施設の基準もなく、また本当に技術のあるドクターなのか、把握ができていません。ですから初めに保険適用ありきではなく、まず必要なのは、日本の不妊治療の現場の調査や研究会を作り、根本的な問題を解決することではないかと考えています。私はこれまでの取り組みや経験から、不妊治療の医療制度は前進させなければいけない問題だと強く思っていますので、党派を越えて協力していきたいですね。 負担が軽くなることへのジネコ読者の期待は大きいです。しかし病院を選ぶ側の読者にとって、治療レベルや取り組みに不安もあります。 野田●私は今、アメリカの不妊治療を勉強しているのですが、アメリカでは体外受精を3、4回やっても妊娠が無理な場合、次に卵子提供に移るということが、システムとして確立されています。私自身の経験から言えば、体外受精を重ねることが、果たしていいことなのかという思いがあります。私もそうでしたが、毎回不安との葛藤で治療のつらさから、精神的なダメージを引き起こす人も多いと思います。不妊治療は、肉体的にも精神的にもつらい治療です。それでも、子どもが欲しいからそのつらさに耐えているわけで、患者さんのそうしたつらさを思うデリカシーが、私はこの問題に関わる側にとても大切だと思います。保険があるから、何十回も体外受精をするのがいいかどうか、このあたりも今後の議論になると思いますね。とにかく今、必要なのは法律ではないでしょうか。患者さんが安心して治療を受けられるためにも、信頼できる治療環境を整備するための法律が不可欠です。これは、保険適用の前にしなければいけないことだと思います。 保険適用よりも、助成金制度での解決を 経済的な理由で、不妊治療を断念せざるを得ない夫婦がたくさんいるのも現実です。多額の費用がかかる、現在の不妊治療についてどう思われますか。 野田●不妊治療というのは、たとえば、風邪を引けばこの薬というのとまったく訳が違う、オーダーメードです。それを考えると立て替え、つまり助成金を満額出す制度を提案したいですね。たとえば1人につき5回まで、国が満額出すとか。私は数多く体外受精を行いましたが、今思うとそんなにやるべきだったのかと思うことがあります。自分の体を痛めつけることでもありますから。でも止め時という判断が、一番難しいのも事実です。保険適用により、費用的に、誰でも何回でもできるようになると、本人たちの精神的ダメージが激しく、離婚するカップルが増える懸念もあります。だからこそ不妊治療について、段階的なシステムを確立する必要があるのではないでしょうか。今の日本では飛躍的な意見かもしれませんが、将来的には私は卵子提供までOK、それも不妊治療の制度の枠にいれていかれればと思っています。これは欧米ではすでに取り入れられている制度です。最終的には代理母という、不妊治療に段階的なシステムを確立できればとも考えています。本当に子どもが欲しい夫婦であれば、その選択も一つの可能性として考えていくべきことだと思います。喜ばしいことは民主党のマニフェストが実現し、不妊治療が保険適用になれば、不妊治療自体がオープンになりますから、社会的に位置づけられるというメリットはあります。これはお金だけの問題ではなく、大事なのは、不妊治療を受け入れる社会を作ることです。隠れてではなく、堂々と不妊治療を受けられる社会を目指したいですね。 野田聖子さんと民主党本部に聞いてみました1 ┃ 野田聖子さんと民主党本部に聞いてみました2野田聖子さんと民主党本部に聞いてみました1 ┃ 野田聖子さんと民主党本部に聞いてみました2 「不妊治療は国の経営に関わる社会の大きな柱です」 不妊治療に初めて、保険適用を明言 民主党が政権与党になりました。ジネコ読者にとって今、最大の関心事が、民主党がマニフェストに掲げた、不妊治療への保険適用です。この保険適用について、どう思われますか。 野田●とても画期的なことだと思います。何と言っても、初めて公約の中に不妊治療が登場し、保険適用が明言化されたのですから。10年以上、少子化や不妊治療の問題に取り組んできた私にとって、党の枠を越えて、とてもうれしいことです。ようやくこれで、第一歩が踏み出せるという思いですね。これまで私費で払うしかなかった不妊治療の費用は、1回の体外受精で通常、約50万円かかると言われ、大きな負担を患者さんに強いるものでした。保険適用になれば3割の負担で済みますから、患者さんはかなり楽になります。しかし、残りの7割を不妊に関係のない人が払うことになります。私はこれまで、不妊治療の保険適用について自民党内で働きかけをしてきましたが、実現できなかった理由の一つは、膨大な財源が必要だからでした。これに対し私は、?少子化対策の一環として、取り上げたらどうでしょう?と申し上げてきました。保険という形で国民にご負担いただく金額と、子どもが生まれてからの経済効果を天秤にかけたら、経済効果のほうが高いのではないかと。つまり?中長期的に見れば、保険の安定につながりますよ?と言ってきました。とはいえ、不妊治療を受けている人が実際どれだけいるかわからない状況に加え、不妊というメカニズムすら明らかになっていない現状をみれば、保険適用には時間がかかるな、少しずつ保険の枠を増やしていくのがいいのかなとも考えています。 ジネコ読者の声を聞くと、保険適用について、もろ手を挙げての賛成だけではなく、不安の声もあります。 野田●それは、当然のことだと思います。不妊治療は、とてもデリケートなものです。保険適用により、精神的なプレッシャーがかかることも考えられます。例えば子どもがいなくてもいいと考えている夫婦を取り巻く環境が、治療を始めるようプレッシャーをかけてくることも想定されます。そして何より、ドクターのレベルの問題が心配です。初めに保険適用ありきだとすると、不適切な病院も参入してくるようになります。日本産婦人科学会に登録されている施設がすべて、不妊治療を行えるわけですから。現状では不妊治療を行う施設の基準もなく、また本当に技術のあるドクターなのか、把握ができていません。ですから初めに保険適用ありきではなく、まず必要なのは、日本の不妊治療の現場の調査や研究会を作り、根本的な問題を解決することではないかと考えています。私はこれまでの取り組みや経験から、不妊治療の医療制度は前進させなければいけない問題だと強く思っていますので、党派を越えて協力していきたいですね。 負担が軽くなることへのジネコ読者の期待は大きいです。しかし病院を選ぶ側の読者にとって、治療レベルや取り組みに不安もあります。 野田●私は今、アメリカの不妊治療を勉強しているのですが、アメリカでは体外受精を3、4回やっても妊娠が無理な場合、次に卵子提供に移るということが、システムとして確立されています。私自身の経験から言えば、体外受精を重ねることが、果たしていいことなのかという思いがあります。私もそうでしたが、毎回不安との葛藤で治療のつらさから、精神的なダメージを引き起こす人も多いと思います。不妊治療は、肉体的にも精神的にもつらい治療です。それでも、子どもが欲しいからそのつらさに耐えているわけで、患者さんのそうしたつらさを思うデリカシーが、私はこの問題に関わる側にとても大切だと思います。保険があるから、何十回も体外受精をするのがいいかどうか、このあたりも今後の議論になると思いますね。とにかく今、必要なのは法律ではないでしょうか。患者さんが安心して治療を受けられるためにも、信頼できる治療環境を整備するための法律が不可欠です。これは、保険適用の前にしなければいけないことだと思います。 保険適用よりも、助成金制度での解決を 経済的な理由で、不妊治療を断念せざるを得ない夫婦がたくさんいるのも現実です。多額の費用がかかる、現在の不妊治療についてどう思われますか。 野田●不妊治療というのは、たとえば、風邪を引けばこの薬というのとまったく訳が違う、オーダーメードです。それを考えると立て替え、つまり助成金を満額出す制度を提案したいですね。たとえば1人につき5回まで、国が満額出すとか。私は数多く体外受精を行いましたが、今思うとそんなにやるべきだったのかと思うことがあります。自分の体を痛めつけることでもありますから。でも止め時という判断が、一番難しいのも事実です。保険適用により、費用的に、誰でも何回でもできるようになると、本人たちの精神的ダメージが激しく、離婚するカップルが増える懸念もあります。だからこそ不妊治療について、段階的なシステムを確立する必要があるのではないでしょうか。今の日本では飛躍的な意見かもしれませんが、将来的には私は卵子提供までOK、それも不妊治療の制度の枠にいれていかれればと思っています。これは欧米ではすでに取り入れられている制度です。最終的には代理母という、不妊治療に段階的なシステムを確立できればとも考えています。本当に子どもが欲しい夫婦であれば、その選択も一つの可能性として考えていくべきことだと思います。喜ばしいことは民主党のマニフェストが実現し、不妊治療が保険適用になれば、不妊治療自体がオープンになりますから、社会的に位置づけられるというメリットはあります。これはお金だけの問題ではなく、大事なのは、不妊治療を受け入れる社会を作ることです。隠れてではなく、堂々と不妊治療を受けられる社会を目指したいですね。 野田聖子さんと民主党本部に聞いてみました1 ┃ 野田聖子さんと民主党本部に聞いてみました2
2010.12.16
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