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男性不妊への東洋医学的アプローチとは
男性不妊への東洋医学的アプローチとは 晩婚化が進む今、不妊症は増加の一途をたどっています。ところが、不妊の原因の半分は男性側にあるという確かなデータがあっても、それを知っている人は少ないのが現状です。それどころか「不妊治療は女性が受けるもの」と、男性が積極的に不妊検査を行うことも少ないのです。ほとんどの場合、女性が不妊検査を行った後、男性の検査も必要ですと言われて、渋々応じている状態です。 しかし、男性不妊は検査しなければ一歩も先に進みません。ただ、どうしても病院で検査することに抵抗感を持つ方は、自宅で行える市販の検査キットを使って精子の数を調べたり、検査キットを取り寄せて検査機関に郵送したりする方法もあります。また、精子の数や運動量は食べるものや日常のストレス、採取のプレッシャーなどが影響して数値が上下しますので検査は何度か行うことをおすすめします。 東洋医学での男性不妊治療は、原因によって改善可能な場合と不可能な場合があります。精液のなかに精子が見当たらない「無精子症」は、鍼灸治療で改善されることはありません。しかし、精子の数が少ない「乏精子症」は鍼灸治療が可能です。 東洋医学では「腎虚」が不妊の原因と考えます。これは生殖器を司る「腎」の働きが弱い状態を指します。そこで腎の働きを改善する漢方の補腎薬で足りないものを補いつつ、「腎兪」のツボに鍼灸を行って腎の働きを改善します。また、手足のツボなどを刺激することでストレスから乱れがちな自律神経を整えたり、全身の血流をよくする鍼灸も行います。 このように鍼灸で自律神経調整を行いますが、その効果を実感していただくために、当院では治療前後に自律神経のバランスをチェックしています。東洋医学の観点からは「良導絡自律神経測定法」(手足合計24箇所のツボに微弱電流を流して自律神経のバランスを視覚化する方法)を用い、西洋医学の観点からは企業のストレスチェックや精神科でも使用されている加速度脈波計を用いてチェックします。これらの検査によって、体感だけではなく視覚的にも効果を実感できます。男性は理論的な方が多いので、このような結果を見ていただくことで治療効果にご納得いただき、次の治療へのモチベーションを高めることができます。 治療は週1回、最低でも3か月は続けてください。初回の問診や治療だけではわからないことがたくさんあります。何度か通っていただくことで、患者さんの生活習慣や生活環境などがわかってきて、適切なアドバイスも行えます。また、新たな精子ができて成長し受精できるようになるまでには約70~80日間かかるため、効果が出始めるのは3か月以降になります。 最後に、不妊治療で最も大切なことは、夫婦仲が良く、普段からスキンシップをとれるような関係であることです。夫婦生活もそうですが、不妊治療は夫婦の仲がよいからこそ妊娠・出産につながっていきます。二人目不妊でいらっしゃる患者さんでよくあるのは、妻の意識が夫よりも子供の方にいってしまっているケースです。育児が大変な中、二人目以降を望む場合は、夫婦が互いに思いやり、どちらかに負担がかかりすぎないように工夫していくことも必要になってきます。このように、不妊は医学的な問題だけでは片づけられないことが影響する場合が多々あります。そのため当院では、それぞれの生活状況や患者様一人ひとりの思いをじっくりとお聴きするためのカウンセリングにも力を入れています。 α六甲道整骨院鍼灸院 森寺 邦隆 先生はり師 きゅう師 柔道整復師 医薬品登録販売者 機能訓練指導員 介護支援専門員(ケアマネージャー) アクレチックトレーナー スポーツコンディショニングスペシャリスト 子宝カウンセラー指導士 加圧トレーニングKSアドバイザー 巻き爪補正士 <外部サイト>店舗で相談してみる→ α六甲道整骨院鍼灸院 http://a4189.com/ 男性不妊への東洋医学的アプローチとは 晩婚化が進む今、不妊症は増加の一途をたどっています。ところが、不妊の原因の半分は男性側にあるという確かなデータがあっても、それを知っている人は少ないのが現状です。それどころか「不妊治療は女性が受けるもの」と、男性が積極的に不妊検査を行うことも少ないのです。ほとんどの場合、女性が不妊検査を行った後、男性の検査も必要ですと言われて、渋々応じている状態です。 しかし、男性不妊は検査しなければ一歩も先に進みません。ただ、どうしても病院で検査することに抵抗感を持つ方は、自宅で行える市販の検査キットを使って精子の数を調べたり、検査キットを取り寄せて検査機関に郵送したりする方法もあります。また、精子の数や運動量は食べるものや日常のストレス、採取のプレッシャーなどが影響して数値が上下しますので検査は何度か行うことをおすすめします。 東洋医学での男性不妊治療は、原因によって改善可能な場合と不可能な場合があります。精液のなかに精子が見当たらない「無精子症」は、鍼灸治療で改善されることはありません。しかし、精子の数が少ない「乏精子症」は鍼灸治療が可能です。 東洋医学では「腎虚」が不妊の原因と考えます。これは生殖器を司る「腎」の働きが弱い状態を指します。そこで腎の働きを改善する漢方の補腎薬で足りないものを補いつつ、「腎兪」のツボに鍼灸を行って腎の働きを改善します。また、手足のツボなどを刺激することでストレスから乱れがちな自律神経を整えたり、全身の血流をよくする鍼灸も行います。 このように鍼灸で自律神経調整を行いますが、その効果を実感していただくために、当院では治療前後に自律神経のバランスをチェックしています。東洋医学の観点からは「良導絡自律神経測定法」(手足合計24箇所のツボに微弱電流を流して自律神経のバランスを視覚化する方法)を用い、西洋医学の観点からは企業のストレスチェックや精神科でも使用されている加速度脈波計を用いてチェックします。これらの検査によって、体感だけではなく視覚的にも効果を実感できます。男性は理論的な方が多いので、このような結果を見ていただくことで治療効果にご納得いただき、次の治療へのモチベーションを高めることができます。 治療は週1回、最低でも3か月は続けてください。初回の問診や治療だけではわからないことがたくさんあります。何度か通っていただくことで、患者さんの生活習慣や生活環境などがわかってきて、適切なアドバイスも行えます。また、新たな精子ができて成長し受精できるようになるまでには約70~80日間かかるため、効果が出始めるのは3か月以降になります。 最後に、不妊治療で最も大切なことは、夫婦仲が良く、普段からスキンシップをとれるような関係であることです。夫婦生活もそうですが、不妊治療は夫婦の仲がよいからこそ妊娠・出産につながっていきます。二人目不妊でいらっしゃる患者さんでよくあるのは、妻の意識が夫よりも子供の方にいってしまっているケースです。育児が大変な中、二人目以降を望む場合は、夫婦が互いに思いやり、どちらかに負担がかかりすぎないように工夫していくことも必要になってきます。このように、不妊は医学的な問題だけでは片づけられないことが影響する場合が多々あります。そのため当院では、それぞれの生活状況や患者様一人ひとりの思いをじっくりとお聴きするためのカウンセリングにも力を入れています。 α六甲道整骨院鍼灸院 森寺 邦隆 先生はり師 きゅう師 柔道整復師 医薬品登録販売者 機能訓練指導員 介護支援専門員(ケアマネージャー) アクレチックトレーナー スポーツコンディショニングスペシャリスト 子宝カウンセラー指導士 加圧トレーニングKSアドバイザー 巻き爪補正士 <外部サイト>店舗で相談してみる→ α六甲道整骨院鍼灸院 http://a4189.com/
2017.4.3
コラム 不妊治療
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30代後半の自然妊娠には鍼治療と生活習慣の見直しを
30代後半の自然妊娠には鍼治療と生活習慣の見直しを 35歳を境に妊娠率は一段と低下します。染色体の異常も増え、流産する確立も高くなります。加齢と共に卵子が老化することは、避けては通れないものですから、自然妊娠が難しくなるのはしょうがないことだといえるでしょう。しかし、同じ年齢でも、夫婦共に身体の状態を良くしておき、生殖機能を高めておけば、妊娠・出産のチャンスは増えるのです。 睡眠の質が悪かったり、ストレスが多かったり、運動不足、消化不良などがあると、子宮環境、卵巣機能、造精機能が低下し、ホルモンバランスが乱れがちになります。これらが不妊の原因となり、年齢的なことに加えて、より一層妊娠を難しくするといえます。 このような状況下で、鍼治療は身体機能の向上に効果的です。併せて生活習慣の見直しをすること、補助としてサプリメントで不足しがちな成分を摂取することで妊娠する確率を高くするとされています。 自然妊娠が難しいと判断された場合、夫婦の器質的な疾患の有無を検討すると良いでしょう。 女性は卵管の癒着・閉塞がないかどうかを調べます。その間に鍼治療で子宮環境・卵巣機能を向上させ、癒着など起こしにくい身体の状態をキープして妊娠を目指します。 もう一つは甲状腺炎がないかを調べましょう。亢進症・低下症はいずれも女性ホルモンに大きく影響するので、服薬し数値を安定させながら、鍼治療によりホルモンのバランスを整えていくことで妊娠率を上げ、流産しづらい身体の状態にしていきます。 男性の不妊検査も重要です。これは精子の質が着床・流産の原因になるケースもあるからです。男性も鍼治療で身体の調子を整え、精子の質を向上していきます。 このような器質的な疾患がない、機能的原因不明の不妊の場合は、鍼治療で血流を良くし、ホルモンの機能や働きよくして、子宮環境・卵巣機能・造精機能の向上を図りながら妊孕力をつけていきます。 30代での出産と40代での出産では、身体の状況も気持ちも大きく違います。自然妊娠を望まれるのでしたら、夫婦で共に支えあい十分に会話をして、生活習慣など改善できる点を見直し、鍼治療を受けながら妊娠に臨んでみてはいかがでしょうか。 東京アンジュ治療院 川﨑有香 先生新しい命を育むチカラは本来皆さまに備わっていて、 鍼治療はその手助けになるものです。 不妊治療は「出口のないトンネル」と言われます。 高度生殖医療を受けてもなかなか妊娠せず、精神的・肉体的に、そして時間的・経済的にも大変苦労されている方が多くいらっしゃいます。 私達は、何よりも患者様の心に寄り添う治療を心がけ、スタッフ一丸となって研鑽しあい、治療技術の向上に努めております。 妊娠・出産に向けた体質改善を、医学的データに基づいた確かな治療でサポートいたします。 「鍼治療に興味はあったけれど、迷っているうちにお時間が経ってしまった。もっと早く来ていれば・・・」そんなお声も耳にします。 どうか思い切って一歩踏み出してみて下さい。 皆様が「トンネルから抜け出す」お手伝いをさせていただければ幸いです。 中医学の先生に師事、鍼灸を取得。 2011年不妊に特化した治療院にて鍼灸治療に従事。 2016年、東京アンジュ治療院、院長就任。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 東京アンジュ治療院 http://www.tokyo-ange.com/dr-infomation/ 30代後半の自然妊娠には鍼治療と生活習慣の見直しを 35歳を境に妊娠率は一段と低下します。染色体の異常も増え、流産する確立も高くなります。加齢と共に卵子が老化することは、避けては通れないものですから、自然妊娠が難しくなるのはしょうがないことだといえるでしょう。しかし、同じ年齢でも、夫婦共に身体の状態を良くしておき、生殖機能を高めておけば、妊娠・出産のチャンスは増えるのです。 睡眠の質が悪かったり、ストレスが多かったり、運動不足、消化不良などがあると、子宮環境、卵巣機能、造精機能が低下し、ホルモンバランスが乱れがちになります。これらが不妊の原因となり、年齢的なことに加えて、より一層妊娠を難しくするといえます。 このような状況下で、鍼治療は身体機能の向上に効果的です。併せて生活習慣の見直しをすること、補助としてサプリメントで不足しがちな成分を摂取することで妊娠する確率を高くするとされています。 自然妊娠が難しいと判断された場合、夫婦の器質的な疾患の有無を検討すると良いでしょう。 女性は卵管の癒着・閉塞がないかどうかを調べます。その間に鍼治療で子宮環境・卵巣機能を向上させ、癒着など起こしにくい身体の状態をキープして妊娠を目指します。 もう一つは甲状腺炎がないかを調べましょう。亢進症・低下症はいずれも女性ホルモンに大きく影響するので、服薬し数値を安定させながら、鍼治療によりホルモンのバランスを整えていくことで妊娠率を上げ、流産しづらい身体の状態にしていきます。 男性の不妊検査も重要です。これは精子の質が着床・流産の原因になるケースもあるからです。男性も鍼治療で身体の調子を整え、精子の質を向上していきます。 このような器質的な疾患がない、機能的原因不明の不妊の場合は、鍼治療で血流を良くし、ホルモンの機能や働きよくして、子宮環境・卵巣機能・造精機能の向上を図りながら妊孕力をつけていきます。 30代での出産と40代での出産では、身体の状況も気持ちも大きく違います。自然妊娠を望まれるのでしたら、夫婦で共に支えあい十分に会話をして、生活習慣など改善できる点を見直し、鍼治療を受けながら妊娠に臨んでみてはいかがでしょうか。 東京アンジュ治療院 川﨑有香 先生新しい命を育むチカラは本来皆さまに備わっていて、 鍼治療はその手助けになるものです。 不妊治療は「出口のないトンネル」と言われます。 高度生殖医療を受けてもなかなか妊娠せず、精神的・肉体的に、そして時間的・経済的にも大変苦労されている方が多くいらっしゃいます。 私達は、何よりも患者様の心に寄り添う治療を心がけ、スタッフ一丸となって研鑽しあい、治療技術の向上に努めております。 妊娠・出産に向けた体質改善を、医学的データに基づいた確かな治療でサポートいたします。 「鍼治療に興味はあったけれど、迷っているうちにお時間が経ってしまった。もっと早く来ていれば・・・」そんなお声も耳にします。 どうか思い切って一歩踏み出してみて下さい。 皆様が「トンネルから抜け出す」お手伝いをさせていただければ幸いです。 中医学の先生に師事、鍼灸を取得。 2011年不妊に特化した治療院にて鍼灸治療に従事。 2016年、東京アンジュ治療院、院長就任。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 東京アンジュ治療院 http://www.tokyo-ange.com/dr-infomation/
2017.4.1
コラム 不妊治療
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二人目不妊には育児ストレスを解消することが肝要
二人目不妊には育児ストレスを解消することが肝要 二人目不妊は様々な要因により起こるといわれています。 環境状況でいうならば、仕事に復帰したくても預ける場所を見つけられない、見つけられたとしても収入に見合わない金額を預ける場所に支払わなくてはいけない。育児に悩んだり、不安になったとき、赤ちゃんの世話を頼める家族や知人が身近にいないため、必要以上に孤独感を感じてしまう。この時、頼りになるのは夫ですが、仕事や付き合いで帰宅時間が遅い。家事、育児には無関心。話題の「イクメン」とは程遠い・・。など、生活におけるフラストレーションは多く存在します。 このような状況に置かれた新米ママは一人で悩んで精神的にも肉体的にも大変疲労してしまい、ホルモンのバランスや体調を崩してしまうことは想像に難くありません。 結果、妊娠しづらい状況になってしまうという場合も考えられるでしょう。 悩まれたら、まずは育児相談室や不妊専門の治療院などでカウンセリングを受けるなど、積極的に利用できる施設を活用しましょう。また、頼れる場所や人がいればできるだけ頼ってください。周囲に甘えることも時には必要です。 二人目不妊には一人目の育児のストレスや負担を解消することが肝要ですから、自分だけですべてを抱え込まないように心がけましょう。 東京アンジュ治療院 川﨑有香 先生新しい命を育むチカラは本来皆さまに備わっていて、 鍼治療はその手助けになるものです。 不妊治療は「出口のないトンネル」と言われます。 高度生殖医療を受けてもなかなか妊娠せず、精神的・肉体的に、そして時間的・経済的にも大変苦労されている方が多くいらっしゃいます。 私達は、何よりも患者様の心に寄り添う治療を心がけ、スタッフ一丸となって研鑽しあい、治療技術の向上に努めております。 妊娠・出産に向けた体質改善を、医学的データに基づいた確かな治療でサポートいたします。 「鍼治療に興味はあったけれど、迷っているうちにお時間が経ってしまった。もっと早く来ていれば・・・」そんなお声も耳にします。 どうか思い切って一歩踏み出してみて下さい。 皆様が「トンネルから抜け出す」お手伝いをさせていただければ幸いです。 中医学の先生に師事、鍼灸を取得。 2011年不妊に特化した治療院にて鍼灸治療に従事。 2016年、東京アンジュ治療院、院長就任。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 東京アンジュ治療院 http://www.tokyo-ange.com/dr-infomation/ 二人目不妊には育児ストレスを解消することが肝要 二人目不妊は様々な要因により起こるといわれています。 環境状況でいうならば、仕事に復帰したくても預ける場所を見つけられない、見つけられたとしても収入に見合わない金額を預ける場所に支払わなくてはいけない。育児に悩んだり、不安になったとき、赤ちゃんの世話を頼める家族や知人が身近にいないため、必要以上に孤独感を感じてしまう。この時、頼りになるのは夫ですが、仕事や付き合いで帰宅時間が遅い。家事、育児には無関心。話題の「イクメン」とは程遠い・・。など、生活におけるフラストレーションは多く存在します。 このような状況に置かれた新米ママは一人で悩んで精神的にも肉体的にも大変疲労してしまい、ホルモンのバランスや体調を崩してしまうことは想像に難くありません。 結果、妊娠しづらい状況になってしまうという場合も考えられるでしょう。 悩まれたら、まずは育児相談室や不妊専門の治療院などでカウンセリングを受けるなど、積極的に利用できる施設を活用しましょう。また、頼れる場所や人がいればできるだけ頼ってください。周囲に甘えることも時には必要です。 二人目不妊には一人目の育児のストレスや負担を解消することが肝要ですから、自分だけですべてを抱え込まないように心がけましょう。 東京アンジュ治療院 川﨑有香 先生新しい命を育むチカラは本来皆さまに備わっていて、 鍼治療はその手助けになるものです。 不妊治療は「出口のないトンネル」と言われます。 高度生殖医療を受けてもなかなか妊娠せず、精神的・肉体的に、そして時間的・経済的にも大変苦労されている方が多くいらっしゃいます。 私達は、何よりも患者様の心に寄り添う治療を心がけ、スタッフ一丸となって研鑽しあい、治療技術の向上に努めております。 妊娠・出産に向けた体質改善を、医学的データに基づいた確かな治療でサポートいたします。 「鍼治療に興味はあったけれど、迷っているうちにお時間が経ってしまった。もっと早く来ていれば・・・」そんなお声も耳にします。 どうか思い切って一歩踏み出してみて下さい。 皆様が「トンネルから抜け出す」お手伝いをさせていただければ幸いです。 中医学の先生に師事、鍼灸を取得。 2011年不妊に特化した治療院にて鍼灸治療に従事。 2016年、東京アンジュ治療院、院長就任。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 東京アンジュ治療院 http://www.tokyo-ange.com/dr-infomation/
2017.4.1
コラム 不妊治療
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初めての人もこれを読めば安心! 徳岡先生の不妊治療AtoZ (1)
不妊の原因がわからないといわれた時、女性の年齢によって治療方法は変わってくるのでしょうか。妊娠に近づくための年代による治療法の違いと理由について、とくおかレディースクリニックの徳岡晋先生に詳しくお聞きしました。
2017.3.28
コラム 不妊治療
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秋山芳晃先生のセルフメンテナンス・チェック
健康的な体で、元気な赤ちゃんを産むためには今から何をしておけばいいのでしょうか。妊娠する前に知っておくこと・やっておくことを秋山レディースクリニックの秋山芳晃先生に教えていただきました。
2017.3.26
コラム 不妊治療
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卵巣機能を改善する鍼灸について
卵巣機能を改善する鍼灸について AMH検査でわかるのは卵子の在庫の目安 卵巣予備機能を計測するAMH検査をご存知でしょうか。AMHとはアンチミューラリアンホルモンの略ですが、このアンチミューラリアンホルモンは発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンです。このホルモンの数値を計ることにより、原始卵胞から発育する前胞状卵胞数を予測することができるのです。 つまり、卵巣内にどれくらい卵の数が残っているか、また、卵巣の予備能がどれほどかを反映すると考えられています。統計学的にAMHは、35歳~37歳を境に急激に低下すると言われていますが、じつはかなり個人差があります。 また、AMHの数値のみからは妊娠のしやすさや卵の質はわかりません。数値が表すのはあくまでも卵子の在庫の目安です。ですから卵が順調に育つかどうかはAMHではなく、年齢に相関します。 生活習慣が卵巣機能の個人差をつくる 卵子の老化は実年齢に比例するため、同じAMHの値であっても、年齢が高くなればなるほど薬への反応は悪くなり、生産率(子供が生まれてくる確率)も低くなります。 AMHの数値に個人差があるのは、卵胞発育を制御している遺伝子発現に由来するものと考えられています。その発現因子は遺伝的因子、環境的因子、生活習慣因子などさまざまであると考えられていますが、現代女性の生活習慣の変化が大きいのではないかと思います。現代の女性の卵巣機能は長年の不摂生や悪い生活習慣が個人差の大きな原因である可能性は高いと感じています。 鍼灸で血流を改善すれば卵巣機能も改善する 卵子は大量の栄養供給を必要とします。その証拠に卵巣は濃密な微小血管で満たされています。大量の血液を必要とするため、卵巣は腹大動脈から分岐する卵巣動脈と子宮動脈から分枝する2本の卵巣枝によって供給を受けています。卵巣機能を改善するには、卵巣への血流を改善することが大切です。その血流を改善するのに最も適しているのが鍼灸だと言えるでしょう。 しかし、それには的確な鍼灸手技とテクニックが必要です。鍼灸師の間でも意外と知られていないのが奇経の働きです。卵巣機能にもっとも影響があるのは8つある奇経の一つであり任脈です。卵胞から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)に関連しています。奇経は十二正経を調整する役割を果たしており、奇経を調整することにより鍼灸の効き目は断然違ってきます。 卵巣機能の改善ですぐできることは、夜更かし、偏食、暴飲暴食、薄着と言った生活習慣の見直しです。それと並行して受けてほしいのが、卵巣への血流を良くする適切な鍼灸治療です。 アキュラ鍼灸院 徐大兼 先生 代々鍼灸師を営む家系の4代目として生まれる。大学卒業後、鍼灸の勉強を継続しつつ、健康食品、不動産、IT企業など、様々な企業経験を経て2002年にアキュラ鍼灸院を開業。世界で既に数千人の医師が実践する非常に画期的な頭皮鍼療法と伝統的治療を組み合わせた独自の治療法によって多くの難治症例の治療に成功。現在は不妊治療の分野にて養生・食育をベースに、オリジナルサプリメントの開発にも取り組んでいる。また、不妊鍼灸ネットワークを設立するなど、不妊鍼灸の啓蒙活動を積極的に行っている。著書に『カラダを温めれば不妊は治る!』があるほか、生活総合情報サイト「All About」にて不妊鍼灸ガイドを務める。 鍼灸師 日本不妊カウンセリング学会 認定 不妊カウンセラー 按摩マッサージ指圧師・柔道整復師 <外部サイト>店舗で相談してみる→ アキュラ鍼灸院 http://www.acuraclinic.com/j/ 卵巣機能を改善する鍼灸について AMH検査でわかるのは卵子の在庫の目安 卵巣予備機能を計測するAMH検査をご存知でしょうか。AMHとはアンチミューラリアンホルモンの略ですが、このアンチミューラリアンホルモンは発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンです。このホルモンの数値を計ることにより、原始卵胞から発育する前胞状卵胞数を予測することができるのです。 つまり、卵巣内にどれくらい卵の数が残っているか、また、卵巣の予備能がどれほどかを反映すると考えられています。統計学的にAMHは、35歳~37歳を境に急激に低下すると言われていますが、じつはかなり個人差があります。 また、AMHの数値のみからは妊娠のしやすさや卵の質はわかりません。数値が表すのはあくまでも卵子の在庫の目安です。ですから卵が順調に育つかどうかはAMHではなく、年齢に相関します。 生活習慣が卵巣機能の個人差をつくる 卵子の老化は実年齢に比例するため、同じAMHの値であっても、年齢が高くなればなるほど薬への反応は悪くなり、生産率(子供が生まれてくる確率)も低くなります。 AMHの数値に個人差があるのは、卵胞発育を制御している遺伝子発現に由来するものと考えられています。その発現因子は遺伝的因子、環境的因子、生活習慣因子などさまざまであると考えられていますが、現代女性の生活習慣の変化が大きいのではないかと思います。現代の女性の卵巣機能は長年の不摂生や悪い生活習慣が個人差の大きな原因である可能性は高いと感じています。 鍼灸で血流を改善すれば卵巣機能も改善する 卵子は大量の栄養供給を必要とします。その証拠に卵巣は濃密な微小血管で満たされています。大量の血液を必要とするため、卵巣は腹大動脈から分岐する卵巣動脈と子宮動脈から分枝する2本の卵巣枝によって供給を受けています。卵巣機能を改善するには、卵巣への血流を改善することが大切です。その血流を改善するのに最も適しているのが鍼灸だと言えるでしょう。 しかし、それには的確な鍼灸手技とテクニックが必要です。鍼灸師の間でも意外と知られていないのが奇経の働きです。卵巣機能にもっとも影響があるのは8つある奇経の一つであり任脈です。卵胞から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)に関連しています。奇経は十二正経を調整する役割を果たしており、奇経を調整することにより鍼灸の効き目は断然違ってきます。 卵巣機能の改善ですぐできることは、夜更かし、偏食、暴飲暴食、薄着と言った生活習慣の見直しです。それと並行して受けてほしいのが、卵巣への血流を良くする適切な鍼灸治療です。 アキュラ鍼灸院 徐大兼 先生 代々鍼灸師を営む家系の4代目として生まれる。大学卒業後、鍼灸の勉強を継続しつつ、健康食品、不動産、IT企業など、様々な企業経験を経て2002年にアキュラ鍼灸院を開業。世界で既に数千人の医師が実践する非常に画期的な頭皮鍼療法と伝統的治療を組み合わせた独自の治療法によって多くの難治症例の治療に成功。現在は不妊治療の分野にて養生・食育をベースに、オリジナルサプリメントの開発にも取り組んでいる。また、不妊鍼灸ネットワークを設立するなど、不妊鍼灸の啓蒙活動を積極的に行っている。著書に『カラダを温めれば不妊は治る!』があるほか、生活総合情報サイト「All About」にて不妊鍼灸ガイドを務める。 鍼灸師 日本不妊カウンセリング学会 認定 不妊カウンセラー 按摩マッサージ指圧師・柔道整復師 <外部サイト>店舗で相談してみる→ アキュラ鍼灸院 http://www.acuraclinic.com/j/
2017.3.16
コラム 不妊治療
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子宮内膜症治療には東洋医学で体質改善が有効
子宮内膜症治療には東洋医学で体質改善が有効 「子宮内膜症」は多くの女性に見られる子宮の病気です。時代とともに女性のライフスタイルが変化して、結婚年齢、出産年齢ともに高齢化し、子どもを産んでも、1人か2人、あるいは一生子どもをもたない女性も少なくないのが近年の状況です。 妊娠、出産で月経が中断されることがほとんどない現代女性は、生涯に経験する月経は400回ともいわれます。つまり月経回数が多ければ、それだけ子宮内膜症にかかるリスクも高くなるわけです。 子宮内膜症は不妊の原因になることもあるので、妊娠を考えている人は、症状を早い段階でキャッチして、治療することが大切です。 では、ここからは東洋医学的にみた子宮内膜症についてお話ししましょう。子宮内膜症を持つ女性の心身はよく似ており、瘀血(微小循環障害・局所の組織増殖や変性)、気滞(ストレスからくる心身のバランスの乱れ)、水毒(病理的な原因によって生じた体液の偏在、痰、飲、湿などという)などの、心身の失調と異常が多くみられます。 西洋医学では手術や薬物治療で治療を行こないますが、治療後2年以内に再発する方が約9割もいます。なぜそのような結果になるかといえば、月経血の逆流などによって生着した子宮内膜細胞をうまく処理できない要因が、もともと持っている体質的(免疫系―内分泌系―脳・神経系の様々なネットワークの乱れ)なことだから、改善が容易ではないのです。 しかし東洋医学はこのような体質改善が得意な分野ですから、子宮内膜症における漢方医療の役割はいろいろあるのです。 まず、子宮内膜症そのものを改善するため。次に現代医療の薬物療法(タナゾール療法やGnRHアナログ療法)に伴う副作用を軽減し、治療に耐え得る体力をつけ、治療を完了するため。さらに、現代医療の薬物療法の効果を高め、再発率を低下させるため。最後に現代医療の薬物療法後の妊娠率を高めるため。 治療は活血化剤、理気剤、利水剤と免疫賦活作用のあるものなどを組み合わせて行います。時間と気持ちに余裕のある人は、ぜひ、生薬を煎じる漢方薬を試みてください。自分のために自分でコトコト生薬を煎じる時間や香りは、総合的に心身にプラスになります。 さらに日々の生活でできるセルフケアもあります。 1.衣服は、身体を締め付けすぎないように。 2.冷房・暖房の空調下にいるときは少し工夫を。暖房で乾燥し過ぎると、粘膜が荒れるので加湿器が必要。冷房には、ひざかけ、靴下、スカーフなどで、冷気を避ける。健康に良い室温は25~28度。 3.飲食は身体を温めるものと冷やすものを意識して。ただし、冷房や冷蔵庫の普及した現在は、夏でも食事は身体を温めるものの方が良い。体を冷やす作用のある果物や生野菜は旬のものを少しだけに。 4.五色食を意識して食べる。五色食とは、赤(肉・魚・野菜)・白(穀物・いも頬・野菜・豆腐・魚・乳製品・果物)・黄(野菜・大豆製品・みそ・柑橘系果物・チーズなど)・緑(野菜)・黒(海草・きのこ・ゴマ・こんにやく・プルーンなど)。 5.日用品・下着・寝具などは、抗菌・防虫・防ダニ加工(有害化学物質)のないものが心身によい。 6.運動は有酸素運動を。20~30分のウォーキングがおすすめ。 7.入浴は手軽なセルフケア。38~40度くらいのぬるめのお湯の湯船に、おへそから心臓までの間の水位で、じんわり汗がでるまで10~20分ほどリラックスして浸かる。 安達漢方薬局 安達一生 先生安達漢方薬局の漢方療法で不妊治療を取り組まれる方の多くは、産婦人科の治療を数年行っても妊娠、または出産に恵まれなかったご夫婦です。 その方々が平成20年は1年間で63組妊娠に恵まれました。最高年齢は49歳です。妊娠率は約30%になります。 平成21年が67組、22年が76組、23年が81組、24年が93組のご夫婦が妊娠に恵まれました。その後も多くの方が妊娠・出産されています。かわいい赤ちゃんと一緒に報告に来られる方もあり、私どもが一番この仕事をしていてよかったと感じるひと時です。 不妊治療は、大半のケースにおいて漢方の力が頼りになるものです。ほどほどでいいですが、妊娠に対する正しい知識と理解を持って、希望の扉を開きましょう。 ・漢方療法推進会会員 ・不妊漢方カウンセラー ・漢方療法推進会中部支部ようしん会会員 ・日本フラボノイド研究会会員 ・日本中医薬研究会会員 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 安達漢方薬局 http://www.adachi-kanpo.co.jp/ 子宮内膜症治療には東洋医学で体質改善が有効 「子宮内膜症」は多くの女性に見られる子宮の病気です。時代とともに女性のライフスタイルが変化して、結婚年齢、出産年齢ともに高齢化し、子どもを産んでも、1人か2人、あるいは一生子どもをもたない女性も少なくないのが近年の状況です。 妊娠、出産で月経が中断されることがほとんどない現代女性は、生涯に経験する月経は400回ともいわれます。つまり月経回数が多ければ、それだけ子宮内膜症にかかるリスクも高くなるわけです。 子宮内膜症は不妊の原因になることもあるので、妊娠を考えている人は、症状を早い段階でキャッチして、治療することが大切です。 では、ここからは東洋医学的にみた子宮内膜症についてお話ししましょう。子宮内膜症を持つ女性の心身はよく似ており、瘀血(微小循環障害・局所の組織増殖や変性)、気滞(ストレスからくる心身のバランスの乱れ)、水毒(病理的な原因によって生じた体液の偏在、痰、飲、湿などという)などの、心身の失調と異常が多くみられます。 西洋医学では手術や薬物治療で治療を行こないますが、治療後2年以内に再発する方が約9割もいます。なぜそのような結果になるかといえば、月経血の逆流などによって生着した子宮内膜細胞をうまく処理できない要因が、もともと持っている体質的(免疫系―内分泌系―脳・神経系の様々なネットワークの乱れ)なことだから、改善が容易ではないのです。 しかし東洋医学はこのような体質改善が得意な分野ですから、子宮内膜症における漢方医療の役割はいろいろあるのです。 まず、子宮内膜症そのものを改善するため。次に現代医療の薬物療法(タナゾール療法やGnRHアナログ療法)に伴う副作用を軽減し、治療に耐え得る体力をつけ、治療を完了するため。さらに、現代医療の薬物療法の効果を高め、再発率を低下させるため。最後に現代医療の薬物療法後の妊娠率を高めるため。 治療は活血化剤、理気剤、利水剤と免疫賦活作用のあるものなどを組み合わせて行います。時間と気持ちに余裕のある人は、ぜひ、生薬を煎じる漢方薬を試みてください。自分のために自分でコトコト生薬を煎じる時間や香りは、総合的に心身にプラスになります。 さらに日々の生活でできるセルフケアもあります。 1.衣服は、身体を締め付けすぎないように。 2.冷房・暖房の空調下にいるときは少し工夫を。暖房で乾燥し過ぎると、粘膜が荒れるので加湿器が必要。冷房には、ひざかけ、靴下、スカーフなどで、冷気を避ける。健康に良い室温は25~28度。 3.飲食は身体を温めるものと冷やすものを意識して。ただし、冷房や冷蔵庫の普及した現在は、夏でも食事は身体を温めるものの方が良い。体を冷やす作用のある果物や生野菜は旬のものを少しだけに。 4.五色食を意識して食べる。五色食とは、赤(肉・魚・野菜)・白(穀物・いも頬・野菜・豆腐・魚・乳製品・果物)・黄(野菜・大豆製品・みそ・柑橘系果物・チーズなど)・緑(野菜)・黒(海草・きのこ・ゴマ・こんにやく・プルーンなど)。 5.日用品・下着・寝具などは、抗菌・防虫・防ダニ加工(有害化学物質)のないものが心身によい。 6.運動は有酸素運動を。20~30分のウォーキングがおすすめ。 7.入浴は手軽なセルフケア。38~40度くらいのぬるめのお湯の湯船に、おへそから心臓までの間の水位で、じんわり汗がでるまで10~20分ほどリラックスして浸かる。 安達漢方薬局 安達一生 先生安達漢方薬局の漢方療法で不妊治療を取り組まれる方の多くは、産婦人科の治療を数年行っても妊娠、または出産に恵まれなかったご夫婦です。 その方々が平成20年は1年間で63組妊娠に恵まれました。最高年齢は49歳です。妊娠率は約30%になります。 平成21年が67組、22年が76組、23年が81組、24年が93組のご夫婦が妊娠に恵まれました。その後も多くの方が妊娠・出産されています。かわいい赤ちゃんと一緒に報告に来られる方もあり、私どもが一番この仕事をしていてよかったと感じるひと時です。 不妊治療は、大半のケースにおいて漢方の力が頼りになるものです。ほどほどでいいですが、妊娠に対する正しい知識と理解を持って、希望の扉を開きましょう。 ・漢方療法推進会会員 ・不妊漢方カウンセラー ・漢方療法推進会中部支部ようしん会会員 ・日本フラボノイド研究会会員 ・日本中医薬研究会会員 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 安達漢方薬局 http://www.adachi-kanpo.co.jp/
2017.3.1
コラム 不妊治療
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排卵誘発剤で失敗した場合は最低3か月のお休みを
排卵誘発剤で失敗した場合は最低3か月のお休みを 「妊娠」はいくつもの要因が重なり合って成立するものです。近年は晩婚化の影響もあって、不妊に悩むカップルは7〜10組に1組以上と、増加の一途をたどっています。 妊活にはさまざまな方法がありますが、中医学ではどのような対応をしているのかお話しさせていただきます。 まず西洋医学の不妊治療でIVF(体外受精)をする人が現在増え、スタンダードとなっているクロミッドなどの内服の排卵誘発剤についてですが、中医学ではあまりメリットがあるとは思っていません。確かに排卵誘発剤は、排卵が遅れるためにタイミングが合わず、妊娠しにくい方には一定の効果があります。しかし、子宮内膜が薄くなる、排卵前後の経管粘液(おりもの)が少なくなるという副作用があります。AIH(人工授精)やIVFを4回以上行っても妊娠率は上昇せず、むしろ低下する可能性があります。 採卵は基本的に排卵誘発剤で日程を決めて卵を採る、そのために排卵誘発剤を使い、卵が1個だけでなく複数個大きくする。こうなると黄体期の子宮環境が悪くなり、これを繰り返していると、黄体機能不全になりかねません。そして卵巣機能にも一つの害となり、不良卵が生じてきます。 もちろん西洋医学が効率的な面もありますから、排卵誘発剤を一切使うなとは言いません。大切なのはTPOに合わせて使いこなすことです。 例えば、16歳〜18歳くらいまで初潮がこない人は、脳下垂体が機能していないことが考えられます。このようなケースは漢方薬ではなく、西洋医学の薬(ピルなど)で刺激を与え生理を起こすことが必要になります。 このようにクロミッドを服用することは必ずしも悪いことではないのです。ただし、うまくいかなかった時は、最低でも3か月は治療をお休みして欲しいのです。原子卵胞から成熟卵胞になるまで3か月かかりますから、続けて服用するといい卵ができないのです。 服用をお休みしている間はART(生殖補助医療)の準備周期として、中医学の周期療法を3か月間試してみてください。周期療法とは月経期、低温期、排卵期、高温期という4期の月経周期に合わせて、その時期に必要な漢方薬を服用して、体質改善を行い、月経リズムを正常にして、自然な妊娠、出産につなげる治療法です。 加えて生活養生も妊活には欠かせません。ダイエットなどで乱れた食生活を続けていたり、月経が止まった経験がある、極端に体重が少ないという方は、毎日の食事の見直しをして適正体重に戻しましょう。身長160センチで体重が45キロ(BMI=17.58 日本肥満学会の判断基準では18.5未満は低体重)だと、自然妊娠は難しくなってきます。人間は雑食ですから、穀類、野菜、肉・魚をバランスよく摂らなければなりません。 日本人は高温多湿な気候が影響しているためか、胃腸の弱い人が多い傾向にあります。そういう人は直接的な不妊治療を行う前に、胃腸の治療をすることが必要です。でなければ妊活用の薬が服用できないし、服用しても胃腸で吸収できないため効果が出づらくなるからです。まずは2か月ほど胃腸の漢方薬を服用しましょう。これだけで自然妊娠した20代の女性もいたくらいですから。 妊活は光の見えないトンネルのようで不安にもなるし、タイムリミットも決まっているため、即効性を求めてしまうのは無理もないことです。しかし、そのために体へ負担をかけ続けては本末転倒です。 例えば、高跳びで1mの高さを越えられない人が2mの高さからスタートしても無理な話です。最初は少なくとも1mからの練習が必要となるように、漢方で体の土台づくりをするのです。中医学で妊娠できる体質になることは遠い道のりのようで実は近道かもしれないのです。 大通漢方 店長 佐々木弘隆 先生カウンセリング専門の漢方薬局です。婦人科の疾患・不妊症・生活習慣病など、治りにくい病気や悩みを「体質改善」を通じて根本から改善していきましょう。 自然に妊娠しやすい健康な体をつくっていくことを第一に、一緒に考えていきましょう。 不妊カウンセラー、国際中医師がお手伝いします。 排卵誘発剤で失敗した場合は最低3か月のお休みを 「妊娠」はいくつもの要因が重なり合って成立するものです。近年は晩婚化の影響もあって、不妊に悩むカップルは7〜10組に1組以上と、増加の一途をたどっています。 妊活にはさまざまな方法がありますが、中医学ではどのような対応をしているのかお話しさせていただきます。 まず西洋医学の不妊治療でIVF(体外受精)をする人が現在増え、スタンダードとなっているクロミッドなどの内服の排卵誘発剤についてですが、中医学ではあまりメリットがあるとは思っていません。確かに排卵誘発剤は、排卵が遅れるためにタイミングが合わず、妊娠しにくい方には一定の効果があります。しかし、子宮内膜が薄くなる、排卵前後の経管粘液(おりもの)が少なくなるという副作用があります。AIH(人工授精)やIVFを4回以上行っても妊娠率は上昇せず、むしろ低下する可能性があります。 採卵は基本的に排卵誘発剤で日程を決めて卵を採る、そのために排卵誘発剤を使い、卵が1個だけでなく複数個大きくする。こうなると黄体期の子宮環境が悪くなり、これを繰り返していると、黄体機能不全になりかねません。そして卵巣機能にも一つの害となり、不良卵が生じてきます。 もちろん西洋医学が効率的な面もありますから、排卵誘発剤を一切使うなとは言いません。大切なのはTPOに合わせて使いこなすことです。 例えば、16歳〜18歳くらいまで初潮がこない人は、脳下垂体が機能していないことが考えられます。このようなケースは漢方薬ではなく、西洋医学の薬(ピルなど)で刺激を与え生理を起こすことが必要になります。 このようにクロミッドを服用することは必ずしも悪いことではないのです。ただし、うまくいかなかった時は、最低でも3か月は治療をお休みして欲しいのです。原子卵胞から成熟卵胞になるまで3か月かかりますから、続けて服用するといい卵ができないのです。 服用をお休みしている間はART(生殖補助医療)の準備周期として、中医学の周期療法を3か月間試してみてください。周期療法とは月経期、低温期、排卵期、高温期という4期の月経周期に合わせて、その時期に必要な漢方薬を服用して、体質改善を行い、月経リズムを正常にして、自然な妊娠、出産につなげる治療法です。 加えて生活養生も妊活には欠かせません。ダイエットなどで乱れた食生活を続けていたり、月経が止まった経験がある、極端に体重が少ないという方は、毎日の食事の見直しをして適正体重に戻しましょう。身長160センチで体重が45キロ(BMI=17.58 日本肥満学会の判断基準では18.5未満は低体重)だと、自然妊娠は難しくなってきます。人間は雑食ですから、穀類、野菜、肉・魚をバランスよく摂らなければなりません。 日本人は高温多湿な気候が影響しているためか、胃腸の弱い人が多い傾向にあります。そういう人は直接的な不妊治療を行う前に、胃腸の治療をすることが必要です。でなければ妊活用の薬が服用できないし、服用しても胃腸で吸収できないため効果が出づらくなるからです。まずは2か月ほど胃腸の漢方薬を服用しましょう。これだけで自然妊娠した20代の女性もいたくらいですから。 妊活は光の見えないトンネルのようで不安にもなるし、タイムリミットも決まっているため、即効性を求めてしまうのは無理もないことです。しかし、そのために体へ負担をかけ続けては本末転倒です。 例えば、高跳びで1mの高さを越えられない人が2mの高さからスタートしても無理な話です。最初は少なくとも1mからの練習が必要となるように、漢方で体の土台づくりをするのです。中医学で妊娠できる体質になることは遠い道のりのようで実は近道かもしれないのです。 大通漢方 店長 佐々木弘隆 先生カウンセリング専門の漢方薬局です。婦人科の疾患・不妊症・生活習慣病など、治りにくい病気や悩みを「体質改善」を通じて根本から改善していきましょう。 自然に妊娠しやすい健康な体をつくっていくことを第一に、一緒に考えていきましょう。 不妊カウンセラー、国際中医師がお手伝いします。
2017.2.20
コラム 不妊治療
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漢方の補腎薬と生活養生で着床障害を改善
漢方の補腎薬と生活養生で着床障害を改善 着床障害とは、子宮内に何らかの原因があり、受精卵が着床しない状態のことを言います。とくに移植の場合、体と卵の状態が成功を左右します。着床障害の原因はいろいろありますが、東洋医学で言えば「肝の気の流れ」の滞り、「脾の冷え」が挙げられます。 まず、肝の気の流れが滞る原因はストレスです。妊活中は仕事、治療や不安、夫との関係など、たくさんのストレスを抱えがちです。これが原因で肝の気の流れが悪くなると、卵や子宮内膜の状態にも悪影響が。妊活は一喜一憂しがちですが「半年頑張ってみよう」「少しずつ良くなっている」と前向きに考えてストレスを軽減しましょう。 次に脾が冷えるとは胃腸が冷えていることを意味します。どんなに食事に気をつけても、胃腸が冷えていると栄養が吸収されず、結果として血液に反映されないのです。このようなことから血の巡りが滞っている「瘀血」となって、子宮内膜が薄くて硬い状態になってしまいます。受精卵をしっかり着床させるにはフカフカで弾力のある子宮内膜が必要だからです。瘀血を改善するには漢方薬はもちろんですが、ウォーキングや湯船に浸かったり、お灸をするなど、体を温めることです。また、子宮内膜が水っぽい「痰湿」タイプの人も着床障害に。痰湿は水分が滞って巡りが悪い状態です。ですから子宮内膜の表面がブヨブヨしていることから着床が難しくなるのです。痰湿は先天的な体質の人が多いのですが、しょっぱい、油っぽい、甘いといった味の濃い食事を控えるようにすると改善されます。 加齢とともに卵巣などの生殖器のパワーは全体的に落ちてきます。これを東洋医学では「腎虚」と言います。「腎」とは生命力、活力の源。腎には人の成長や発育を促進したり、性行為、妊娠、出産などの生殖機能や、若々しさを維持する生命エネルギーの元となる物質、「精」が蓄えられています。ですから、腎精が十分にあれば、女性の月経・妊娠、出産、授乳は正常に機能します。逆に腎精が不足した「腎虚」という状態は、不妊や閉経などの原因となります。簡単に言えば「老化」のことですが、最近は男女問わず、若くても腎虚の方が多くみられます。 このようなことから、補腎効果のある漢方薬は妊活には不可欠なのです。さらに漢方薬の効果を高めるために生活養生も併せて行って欲しいのです。それは、体を冷やさないために、運動や冷たいも食べ物を控えて、温かいものを摂るようにする。ただし、女性の場合、食べることがストレス発散になる人もいますから、極端に食べ物の制限をかけるのは、かえってストレスとなる場合があるのでほどほどに。 漢方の寺岡薬局 子宝カウンセラー 寺岡 健 先生東邦大学薬学部卒業。 20代にオセアニア、北米、中南米、ヨーロッパ、アフリカ、中東、アジアと3年間かけて世界45カ国の文化や伝統医学を見聞。帰国後、日本の伝統医学である漢方に傾倒し、漢方の古典、実践を深く学んだ後、「漢方の寺岡薬局」を開業。 子宝カウンセラーとして店頭で活躍するのはもちろん、家族のつながりを考える映画上映会や産婦人科の先生を招いてのイベントを定期的に開催しています。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 漢方の寺岡薬局 http://www.teraoka-ph.co.jp/ 漢方の補腎薬と生活養生で着床障害を改善 着床障害とは、子宮内に何らかの原因があり、受精卵が着床しない状態のことを言います。とくに移植の場合、体と卵の状態が成功を左右します。着床障害の原因はいろいろありますが、東洋医学で言えば「肝の気の流れ」の滞り、「脾の冷え」が挙げられます。 まず、肝の気の流れが滞る原因はストレスです。妊活中は仕事、治療や不安、夫との関係など、たくさんのストレスを抱えがちです。これが原因で肝の気の流れが悪くなると、卵や子宮内膜の状態にも悪影響が。妊活は一喜一憂しがちですが「半年頑張ってみよう」「少しずつ良くなっている」と前向きに考えてストレスを軽減しましょう。 次に脾が冷えるとは胃腸が冷えていることを意味します。どんなに食事に気をつけても、胃腸が冷えていると栄養が吸収されず、結果として血液に反映されないのです。このようなことから血の巡りが滞っている「瘀血」となって、子宮内膜が薄くて硬い状態になってしまいます。受精卵をしっかり着床させるにはフカフカで弾力のある子宮内膜が必要だからです。瘀血を改善するには漢方薬はもちろんですが、ウォーキングや湯船に浸かったり、お灸をするなど、体を温めることです。また、子宮内膜が水っぽい「痰湿」タイプの人も着床障害に。痰湿は水分が滞って巡りが悪い状態です。ですから子宮内膜の表面がブヨブヨしていることから着床が難しくなるのです。痰湿は先天的な体質の人が多いのですが、しょっぱい、油っぽい、甘いといった味の濃い食事を控えるようにすると改善されます。 加齢とともに卵巣などの生殖器のパワーは全体的に落ちてきます。これを東洋医学では「腎虚」と言います。「腎」とは生命力、活力の源。腎には人の成長や発育を促進したり、性行為、妊娠、出産などの生殖機能や、若々しさを維持する生命エネルギーの元となる物質、「精」が蓄えられています。ですから、腎精が十分にあれば、女性の月経・妊娠、出産、授乳は正常に機能します。逆に腎精が不足した「腎虚」という状態は、不妊や閉経などの原因となります。簡単に言えば「老化」のことですが、最近は男女問わず、若くても腎虚の方が多くみられます。 このようなことから、補腎効果のある漢方薬は妊活には不可欠なのです。さらに漢方薬の効果を高めるために生活養生も併せて行って欲しいのです。それは、体を冷やさないために、運動や冷たいも食べ物を控えて、温かいものを摂るようにする。ただし、女性の場合、食べることがストレス発散になる人もいますから、極端に食べ物の制限をかけるのは、かえってストレスとなる場合があるのでほどほどに。 漢方の寺岡薬局 子宝カウンセラー 寺岡 健 先生東邦大学薬学部卒業。 20代にオセアニア、北米、中南米、ヨーロッパ、アフリカ、中東、アジアと3年間かけて世界45カ国の文化や伝統医学を見聞。帰国後、日本の伝統医学である漢方に傾倒し、漢方の古典、実践を深く学んだ後、「漢方の寺岡薬局」を開業。 子宝カウンセラーとして店頭で活躍するのはもちろん、家族のつながりを考える映画上映会や産婦人科の先生を招いてのイベントを定期的に開催しています。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 漢方の寺岡薬局 http://www.teraoka-ph.co.jp/
2017.2.13
コラム 不妊治療
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卵巣機能に関わる腎の機能を高めるために冷えとストレスの解消を
卵巣機能に関わる腎の機能を高めるために冷えとストレスの解消を 卵巣機能と年齢の関係を中医学ではどのように捉えているかご存知ですか?テレビの漢方薬のCMでも使われている「女性の体は7の倍数で変化する」という、中医学が考える女性の体の節目があります。この考え方からいうと、理想的な出産の時期は21歳から28歳となり、35歳からは卵巣の老化、つまり、卵子細胞の老化が始まり、卵子が精子と受精しても受精卵の分割がうまくいかなくなったり、着床がうまくいかなくなる傾向になります。 卵子の衰えは42歳を境に飛躍的に進んでいきます。それは肌や髪よりも早いと言えます。ですから、35歳までには第一子をなんとかもうけて欲しいのですが、これはあくまでも理想の話。現代は晩婚化が進み、そうも言えないのが現代の状況です。 つまり、35歳を過ぎて妊活をするときの鍵は加齢による卵巣機能の低下をいかに抑えるかだと言えます。 中医学では卵巣機能は「腎」という生命のエネルギーの源にコントロールされていると考えます。この腎の強さは先天的なものです。初潮が14歳以降だった人は卵巣機能が先天的に弱めであると言えます。しかし、いくら先天的に問題がなかった人でもその後の生活養生で卵巣機能が衰えることがあります。逆に先天的に腎が弱い人でも生活養生で強くすることが可能なのです。 腎に負担を与えるのは冷えとストレスです。先天的に腎の弱い人はもともと冷え性であることが多いのですが、アイスや清涼飲料水など、体温よりも冷たいものを飲み食いしたり、湯船に浸からずシャワーだけで済ませているような生活は冷え性の後天的要因になります。 生足で関節を冷やすのもNGです。冷えは骨と皮しかない関節から入ってきます。五本指ソックス、レッグウォーマーなどで、くるぶし、すね、膝の冷えを予防しましょう。下半身で冷やされた血液やリンパ液が脚の付け根から上半身に戻ってくると、卵巣も子宮も冷えてしまいます。これは手がかじかんでいるのと同じ状態。これでは元気な卵は育たず、受精卵のベッドになる子宮内膜は冷たいコンクリートの床のようになってしまいます。 次にストレスの問題です。ストレスとは生命維持からすると、危機が起きた時ということになります。この危機に対応しようと自律神経の交感神経が優位に働きます。交感神経は体を戦闘状態にします。戦いに必要な筋肉を動かしたり、生命に直接関係のある脳、心臓といった器官の血流を良くするために、毛細血管を縮めて戦いの時には使わない、子宮や卵巣などの器官への血流を絞ります。血液の量は限られていますから、体は自然と血流の優先順位を決めるのです。逆に体をリラックスさせて体全体に血液を送る指令を出すのが副交感神経です。 つまりストレスが慢性化して交感神経ばかりが働く状態が続くと、子宮や卵巣はつねに血液不足となっていることになります。ましてや卵巣・子宮は月経で毎月血液を失い、貧血になりやすい器官です。これでは元気な卵が作れるはずがなく、卵巣機能が低下していくのも当然のことと言えるでしょう。 このような状態の人には溜まったストレスを吐き出す漢方薬を服用してもらい、新たなストレスとため込まないために、カウンセリングを行い、視点を変える考え方のトレーニングを行います。考え方が変わってくると薬の効果もぐーんと上がります。 妊活は妊娠することが最終目的ではありません。赤ちゃんを迎えることで幸せな家族を作るという先の目的があるはずです。それをイメージしながら、小さなことからコツコツ積み上げていくことが本来の妊活ではないでしょうか。 マーシィー稲田薬局「健幸館」 北澤尚雄 先生赤ちゃんを授かるのに、必要なものは何でしょう? それは植物の種が発芽する時と同じです。光と空気と水と土が必要なのです。光と空気はどんな人にも平等に与えられていますね。次の「水」はとっても大切です。どんな水を飲むのか、私はちゃんと選びたいと思っています。そして最後の「土」がお母さん、お父さんの体質です。植物を育てたことがある人なら誰でも体験していること。「土づくり」は決定的に大切です。あなたに合った「土づくり」始めてみましょう。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ マーシィー稲田薬局「健幸館」 http://www.e-mercy.co.jp/kodakara/ 卵巣機能に関わる腎の機能を高めるために冷えとストレスの解消を 卵巣機能と年齢の関係を中医学ではどのように捉えているかご存知ですか?テレビの漢方薬のCMでも使われている「女性の体は7の倍数で変化する」という、中医学が考える女性の体の節目があります。この考え方からいうと、理想的な出産の時期は21歳から28歳となり、35歳からは卵巣の老化、つまり、卵子細胞の老化が始まり、卵子が精子と受精しても受精卵の分割がうまくいかなくなったり、着床がうまくいかなくなる傾向になります。 卵子の衰えは42歳を境に飛躍的に進んでいきます。それは肌や髪よりも早いと言えます。ですから、35歳までには第一子をなんとかもうけて欲しいのですが、これはあくまでも理想の話。現代は晩婚化が進み、そうも言えないのが現代の状況です。 つまり、35歳を過ぎて妊活をするときの鍵は加齢による卵巣機能の低下をいかに抑えるかだと言えます。 中医学では卵巣機能は「腎」という生命のエネルギーの源にコントロールされていると考えます。この腎の強さは先天的なものです。初潮が14歳以降だった人は卵巣機能が先天的に弱めであると言えます。しかし、いくら先天的に問題がなかった人でもその後の生活養生で卵巣機能が衰えることがあります。逆に先天的に腎が弱い人でも生活養生で強くすることが可能なのです。 腎に負担を与えるのは冷えとストレスです。先天的に腎の弱い人はもともと冷え性であることが多いのですが、アイスや清涼飲料水など、体温よりも冷たいものを飲み食いしたり、湯船に浸からずシャワーだけで済ませているような生活は冷え性の後天的要因になります。 生足で関節を冷やすのもNGです。冷えは骨と皮しかない関節から入ってきます。五本指ソックス、レッグウォーマーなどで、くるぶし、すね、膝の冷えを予防しましょう。下半身で冷やされた血液やリンパ液が脚の付け根から上半身に戻ってくると、卵巣も子宮も冷えてしまいます。これは手がかじかんでいるのと同じ状態。これでは元気な卵は育たず、受精卵のベッドになる子宮内膜は冷たいコンクリートの床のようになってしまいます。 次にストレスの問題です。ストレスとは生命維持からすると、危機が起きた時ということになります。この危機に対応しようと自律神経の交感神経が優位に働きます。交感神経は体を戦闘状態にします。戦いに必要な筋肉を動かしたり、生命に直接関係のある脳、心臓といった器官の血流を良くするために、毛細血管を縮めて戦いの時には使わない、子宮や卵巣などの器官への血流を絞ります。血液の量は限られていますから、体は自然と血流の優先順位を決めるのです。逆に体をリラックスさせて体全体に血液を送る指令を出すのが副交感神経です。 つまりストレスが慢性化して交感神経ばかりが働く状態が続くと、子宮や卵巣はつねに血液不足となっていることになります。ましてや卵巣・子宮は月経で毎月血液を失い、貧血になりやすい器官です。これでは元気な卵が作れるはずがなく、卵巣機能が低下していくのも当然のことと言えるでしょう。 このような状態の人には溜まったストレスを吐き出す漢方薬を服用してもらい、新たなストレスとため込まないために、カウンセリングを行い、視点を変える考え方のトレーニングを行います。考え方が変わってくると薬の効果もぐーんと上がります。 妊活は妊娠することが最終目的ではありません。赤ちゃんを迎えることで幸せな家族を作るという先の目的があるはずです。それをイメージしながら、小さなことからコツコツ積み上げていくことが本来の妊活ではないでしょうか。 マーシィー稲田薬局「健幸館」 北澤尚雄 先生赤ちゃんを授かるのに、必要なものは何でしょう? それは植物の種が発芽する時と同じです。光と空気と水と土が必要なのです。光と空気はどんな人にも平等に与えられていますね。次の「水」はとっても大切です。どんな水を飲むのか、私はちゃんと選びたいと思っています。そして最後の「土」がお母さん、お父さんの体質です。植物を育てたことがある人なら誰でも体験していること。「土づくり」は決定的に大切です。あなたに合った「土づくり」始めてみましょう。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ マーシィー稲田薬局「健幸館」 http://www.e-mercy.co.jp/kodakara/
2017.2.6
コラム 不妊治療
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伸びるおりもので排卵日がわかる?【排卵日のおりものの特徴】
伸びるおりもので排卵日がわかる?【排卵日のおりものの特徴】 2017/1/25 中村 嘉宏(なかむらレディースクリニック 院長) 相談者:neginさん(主婦 / 37歳) ここ数年見かけなかった伸びるおりものが、久しぶりに(それも大量に)出ました。昨日まではいつもどおり白くベタベタしていたのに、今日のお昼は卵白状に変わっていました。その後トイレに行くとペーパーにつかなくなっています。「排卵日のおりものは2~3日続く」といろんなサイトで書かれていますが、私の場合は普段伸びるおりものがないため、本日を1日目として、排卵は少し後と考えて良いのか、今がピークで排卵はすでに終わった、または終わりかけていると考えて良いのかわかりません。禁欲期間を持つためにこの3日は仲良ししていません。今夜で間に合うのかどうか…。病院で排卵チェックをされてらっしゃる方、伸びるおりものとエコーの排卵チェックで確認された日との関係などを教えていただけませんか? そもそも、おりものとは何でしょうか? 頚管(けいかん)腺から出る頚管粘液やバルトリン腺などから分泌される粘液が入り混じって、外部に排出されたものを「おりもの」といいます。その中の成分のひとつである頸管粘液は、月経周期によって分泌量や状態が変化します。 排卵日のおりものの特徴を教えてください。 排卵前の頚管粘液は白っぽいクリーム色で量が少なく粘り気がありません。排卵期になると、エストロゲンの影響で卵の白身のような透明で粘り気のある状態に変化し量も増えます。卵白のようなおりものが排卵期の特徴です。頚管粘液がこの状態の時に精子は子宮に侵入できます。排卵後は、黄体ホルモンの影響で透明から白濁した色に変わっていきます。基本的に排卵期のおりものは2〜3日続くことが多いですが、人によっては頸管粘液が頸管の中にとどまって外部に排出されないことがあります。タイミングが間に合う可能性は十分ありますので、機会はもっておくべきです。 頚管粘液の量と妊娠は関係していますか? 精子は頚管粘液を伝うようしにて子宮に侵入しますので、頚管粘液が少ない場合は、自然妊娠しにくくなる可能性があります。たとえば、円錐切除手術で頸管を切除した場合、頸管粘液が極端に少なくなり自然妊娠は難しくなります。このような場合は人工授精をおすすめします。 性交渉のタイミングについてアドバイスをお願いします。 性交渉のタイミングについては、卵白状のおりものを認識し始めてから2日に1回くらい機会をもつとタイミングが合わせやすくなります。排卵自体はエコーとホルモン検査でより正確に予測できます。 中村先生より まとめ 排卵期のおりもの(頸管粘液)は、一般的に2〜3日続きますが、人によっておりものとして分泌されないことも。エコーとホルモン検査でより正確な排卵日を予測し、タイミングを合わせることが、妊娠への一番の近道です。 [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 中村 嘉宏 先生(なかむらレディースクリニック) 大阪市立大学医学部卒業。 同大学院で山中伸弥教授(現CiRA所長)の指導で学位取得。大阪市立大学附属病院、住友病院、北摂総合病院産婦人科部長を経て、2013年より藤野婦人科クリニック勤務。2015年4月なかむらレディースクリニック開院。 ≫ なかむらレディースクリニック 伸びるおりもので排卵日がわかる?【排卵日のおりものの特徴】 2017/1/25 中村 嘉宏(なかむらレディースクリニック 院長) 相談者:neginさん(主婦 / 37歳) ここ数年見かけなかった伸びるおりものが、久しぶりに(それも大量に)出ました。昨日まではいつもどおり白くベタベタしていたのに、今日のお昼は卵白状に変わっていました。その後トイレに行くとペーパーにつかなくなっています。「排卵日のおりものは2~3日続く」といろんなサイトで書かれていますが、私の場合は普段伸びるおりものがないため、本日を1日目として、排卵は少し後と考えて良いのか、今がピークで排卵はすでに終わった、または終わりかけていると考えて良いのかわかりません。禁欲期間を持つためにこの3日は仲良ししていません。今夜で間に合うのかどうか…。病院で排卵チェックをされてらっしゃる方、伸びるおりものとエコーの排卵チェックで確認された日との関係などを教えていただけませんか? そもそも、おりものとは何でしょうか? 頚管(けいかん)腺から出る頚管粘液やバルトリン腺などから分泌される粘液が入り混じって、外部に排出されたものを「おりもの」といいます。その中の成分のひとつである頸管粘液は、月経周期によって分泌量や状態が変化します。 排卵日のおりものの特徴を教えてください。 排卵前の頚管粘液は白っぽいクリーム色で量が少なく粘り気がありません。排卵期になると、エストロゲンの影響で卵の白身のような透明で粘り気のある状態に変化し量も増えます。卵白のようなおりものが排卵期の特徴です。頚管粘液がこの状態の時に精子は子宮に侵入できます。排卵後は、黄体ホルモンの影響で透明から白濁した色に変わっていきます。基本的に排卵期のおりものは2〜3日続くことが多いですが、人によっては頸管粘液が頸管の中にとどまって外部に排出されないことがあります。タイミングが間に合う可能性は十分ありますので、機会はもっておくべきです。 頚管粘液の量と妊娠は関係していますか? 精子は頚管粘液を伝うようしにて子宮に侵入しますので、頚管粘液が少ない場合は、自然妊娠しにくくなる可能性があります。たとえば、円錐切除手術で頸管を切除した場合、頸管粘液が極端に少なくなり自然妊娠は難しくなります。このような場合は人工授精をおすすめします。 性交渉のタイミングについてアドバイスをお願いします。 性交渉のタイミングについては、卵白状のおりものを認識し始めてから2日に1回くらい機会をもつとタイミングが合わせやすくなります。排卵自体はエコーとホルモン検査でより正確に予測できます。 中村先生より まとめ 排卵期のおりもの(頸管粘液)は、一般的に2〜3日続きますが、人によっておりものとして分泌されないことも。エコーとホルモン検査でより正確な排卵日を予測し、タイミングを合わせることが、妊娠への一番の近道です。 [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 中村 嘉宏 先生(なかむらレディースクリニック) 大阪市立大学医学部卒業。 同大学院で山中伸弥教授(現CiRA所長)の指導で学位取得。大阪市立大学附属病院、住友病院、北摂総合病院産婦人科部長を経て、2013年より藤野婦人科クリニック勤務。2015年4月なかむらレディースクリニック開院。 ≫ なかむらレディースクリニック
2017.1.25
コラム 不妊治療
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生理の直前に体温が低下。妊娠の可能性はあるの?
生理の直前に体温が低下。妊娠の可能性はあるの? 2017/1/18 中村 嘉宏(なかむらレディースクリニック 院長) 相談者:ゆーさん(主婦/35歳) 生理直前に体温が下がっても妊娠された方はいますか? 妊娠を希望していますが、生理前にガクンと体温が下がってしまいました。でもまだ生理は来ていません。基礎体温が下がっても妊娠された方はいらっしゃいますか? 教えてください。 まず、基礎体温からどんなことがわかるのでしょうか? 基礎体温から、排卵日の予測や高温期の長さで黄体機能が保たれているかなどがわかります。人間の体温はその時の体調や外気などさまざまなものから影響を受けやすいため、ちょっとした条件の違いで基礎体温は変化します。あくまでも、おおまかな流れを知るためのものと考えていただくのがよいでしょう。 生理直前に基礎体温が下がる理由を教えてください。 排卵後から次の月経までは、排卵後の卵胞(黄体といいます)から分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)が基礎体温を上昇させます。妊娠が成立しないと、黄体がだんだん縮小し、プロゲステロンを分泌しなくなります。すると、プロゲステロンの作用で上昇していた体温も低下します。また、子宮内膜はプロゲステロンの作用により維持されているのですが、これがなくなることではがれ落ち、生理になります。生理直前になると基礎体温が下がるのは、プロゲステロンが低下するためです。 プロゲステロンに対する感受性は人によって違います。そのため、生理が始まってから体温が下がる人もいます。 妊娠した場合、生理直前の基礎体温はどうなるのでしょうか? ジネコに寄せられるコメントでは、基礎体温が下がった後、また上がって妊娠されたケースも見受けられます。これについてもいかがでしょうか。 着床した時にでてくるHCG(絨毛性性腺刺激ホルモン)が排卵後の卵胞である黄体を刺激して、プロゲステロンの分泌をうながします。これにより内膜が保たれ妊娠が成立します。体温は、いろいろな環境で変化するため、プロゲステロンが低下しなくても低くなることはあります。 つまり、体温が下がった後、また上がって妊娠するケースはがあってもおかしくはありませんし、実際に臨床上も経験します。だいたい高温期が3週間以上続いたら妊娠の可能性があります。 市販の妊娠検査薬で確認されるのもよいでしょう。ご心配であれば、しばらく様子をみて病院でより正確な検査をされてはいかがでしょうか。 中村先生より まとめ 基礎体温は、あくまでも大まかな体のリズムを知るためのもの。体温の微妙な上下変動は人によりさまざまで、体温が下がった後、また上がり妊娠することもあります。高温期が3週間以上続いたら妊娠の可能性があるでしょう。 [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 中村 嘉宏 先生(なかむらレディースクリニック) 大阪市立大学医学部卒業。 同大学院で山中伸弥教授(現CiRA所長)の指導で学位取得。大阪市立大学附属病院、住友病院、北摂総合病院産婦人科部長を経て、2013年より藤野婦人科クリニック勤務。2015年4月なかむらレディースクリニック開院。 ≫ なかむらレディースクリニック 生理の直前に体温が低下。妊娠の可能性はあるの? 2017/1/18 中村 嘉宏(なかむらレディースクリニック 院長) 相談者:ゆーさん(主婦/35歳) 生理直前に体温が下がっても妊娠された方はいますか? 妊娠を希望していますが、生理前にガクンと体温が下がってしまいました。でもまだ生理は来ていません。基礎体温が下がっても妊娠された方はいらっしゃいますか? 教えてください。 まず、基礎体温からどんなことがわかるのでしょうか? 基礎体温から、排卵日の予測や高温期の長さで黄体機能が保たれているかなどがわかります。人間の体温はその時の体調や外気などさまざまなものから影響を受けやすいため、ちょっとした条件の違いで基礎体温は変化します。あくまでも、おおまかな流れを知るためのものと考えていただくのがよいでしょう。 生理直前に基礎体温が下がる理由を教えてください。 排卵後から次の月経までは、排卵後の卵胞(黄体といいます)から分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)が基礎体温を上昇させます。妊娠が成立しないと、黄体がだんだん縮小し、プロゲステロンを分泌しなくなります。すると、プロゲステロンの作用で上昇していた体温も低下します。また、子宮内膜はプロゲステロンの作用により維持されているのですが、これがなくなることではがれ落ち、生理になります。生理直前になると基礎体温が下がるのは、プロゲステロンが低下するためです。 プロゲステロンに対する感受性は人によって違います。そのため、生理が始まってから体温が下がる人もいます。 妊娠した場合、生理直前の基礎体温はどうなるのでしょうか? ジネコに寄せられるコメントでは、基礎体温が下がった後、また上がって妊娠されたケースも見受けられます。これについてもいかがでしょうか。 着床した時にでてくるHCG(絨毛性性腺刺激ホルモン)が排卵後の卵胞である黄体を刺激して、プロゲステロンの分泌をうながします。これにより内膜が保たれ妊娠が成立します。体温は、いろいろな環境で変化するため、プロゲステロンが低下しなくても低くなることはあります。 つまり、体温が下がった後、また上がって妊娠するケースはがあってもおかしくはありませんし、実際に臨床上も経験します。だいたい高温期が3週間以上続いたら妊娠の可能性があります。 市販の妊娠検査薬で確認されるのもよいでしょう。ご心配であれば、しばらく様子をみて病院でより正確な検査をされてはいかがでしょうか。 中村先生より まとめ 基礎体温は、あくまでも大まかな体のリズムを知るためのもの。体温の微妙な上下変動は人によりさまざまで、体温が下がった後、また上がり妊娠することもあります。高温期が3週間以上続いたら妊娠の可能性があるでしょう。 [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 中村 嘉宏 先生(なかむらレディースクリニック) 大阪市立大学医学部卒業。 同大学院で山中伸弥教授(現CiRA所長)の指導で学位取得。大阪市立大学附属病院、住友病院、北摂総合病院産婦人科部長を経て、2013年より藤野婦人科クリニック勤務。2015年4月なかむらレディースクリニック開院。 ≫ なかむらレディースクリニック
2017.1.18
コラム 不妊治療
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血液力を高めて冷え性を改善することが妊娠力につながる
血液力を高めて冷え性を改善することが妊娠力につながる 冷え性とはどのような状態を言うのでしょうか。身体のほかの部分は暖まっているのに、ある部分だけ冷えているような感じが続くことです。言い換えると「血行不良」とも言えます。この冷えている感じが続くことが多いのは手や足の先など末端に多く見られます。血液の巡りが悪くて毛細血管まで暖かい血液が回らなかったり、外の気温の低さから毛細血管が縮み元に戻らず血行が悪くなると、血液の行き届きにくい手や足の先に影響がでます。 人間の身体は毛細血管を使って体温を外へ逃がさないようにする機能があります。 ところが、毛細血管に血液が行き渡らない状態が続くと、血管が収縮するためその部分は冷たくなってしまうのです。 毛細血管は全身の血管の99%を占め、酸素と栄養を体のすみずみまで送り届ける大切な働きをもっています。その毛細血管が加齢とともに減少していくのです。皮膚の毛細血管を調査した研究ですが、60~70代の人は20代に比べて、毛細血管が4割も減少していました。 そうならないために、毛細血管の減少や劣化を防ぐことですが、そのカギが「血液力」です。日ごろから十分な血流があると、健康な毛細血管を生み出してくれます。 冷え性の診断は末端のツボを押さえて行います。冷え性の方は血流が悪いので、末端のツボを押さえると血が巡らなくなります。このような状態では血管が収縮し血流も悪くなっていて十分な血液が体全体に巡っていません。もちろん、このような状態を続けていれば、毛細血管も減っていきます。 肝臓や肺など、臓器の毛細血管が減れば、さまざまな機能低下や病気が起こる可能性もあります。もちろん卵巣や子宮といった生殖器にも影響します。というのも、血流が悪いと体温が低くなってしまうからです。病原菌やウイルスに立ち向かってくれるリンパ球などの免疫細胞が元気に働くのは体温が37度くらい。それが1度下がるだけで働きは衰えてしまいます。つまり、冷え性は健康な状態ではないと言えるのです。冷え性の方が妊娠力をつけるには、まず、冷え性を治して健康度をアップすることです。 そのため当治療院では、鍼治療の前に軽いスクワットをしてもらうのですが、これが効果的です。また、鍼灸をしながら食事指導もしています。当治療院には管理栄養士がいますから、その方の体質に合わせた食事指導を行えます。食事は体の内側から健康にするので、鍼灸の効果も倍増します。特に妊活の方には玄米食をおすすめしています。 血液力、冷え性改善、妊娠力は、妊活にはどれも欠かせない要素です。そのために当治療院は鍼灸治療だけでなく、食事や運動などの生活習慣までオーダーメイドの治療が受けられます。 院長 永井奈津子 先生早稲田医療専門学校卒業 15年間 総合病院や老人施設での治療マッサージをおこなう。 神楽坂のサロンでアロマセラピーを実践。 日本橋人形町にセラピーサーナ(当院)を開業。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ サーナ治療院 http://therapysana.com/ 血液力を高めて冷え性を改善することが妊娠力につながる 冷え性とはどのような状態を言うのでしょうか。身体のほかの部分は暖まっているのに、ある部分だけ冷えているような感じが続くことです。言い換えると「血行不良」とも言えます。この冷えている感じが続くことが多いのは手や足の先など末端に多く見られます。血液の巡りが悪くて毛細血管まで暖かい血液が回らなかったり、外の気温の低さから毛細血管が縮み元に戻らず血行が悪くなると、血液の行き届きにくい手や足の先に影響がでます。 人間の身体は毛細血管を使って体温を外へ逃がさないようにする機能があります。 ところが、毛細血管に血液が行き渡らない状態が続くと、血管が収縮するためその部分は冷たくなってしまうのです。 毛細血管は全身の血管の99%を占め、酸素と栄養を体のすみずみまで送り届ける大切な働きをもっています。その毛細血管が加齢とともに減少していくのです。皮膚の毛細血管を調査した研究ですが、60~70代の人は20代に比べて、毛細血管が4割も減少していました。 そうならないために、毛細血管の減少や劣化を防ぐことですが、そのカギが「血液力」です。日ごろから十分な血流があると、健康な毛細血管を生み出してくれます。 冷え性の診断は末端のツボを押さえて行います。冷え性の方は血流が悪いので、末端のツボを押さえると血が巡らなくなります。このような状態では血管が収縮し血流も悪くなっていて十分な血液が体全体に巡っていません。もちろん、このような状態を続けていれば、毛細血管も減っていきます。 肝臓や肺など、臓器の毛細血管が減れば、さまざまな機能低下や病気が起こる可能性もあります。もちろん卵巣や子宮といった生殖器にも影響します。というのも、血流が悪いと体温が低くなってしまうからです。病原菌やウイルスに立ち向かってくれるリンパ球などの免疫細胞が元気に働くのは体温が37度くらい。それが1度下がるだけで働きは衰えてしまいます。つまり、冷え性は健康な状態ではないと言えるのです。冷え性の方が妊娠力をつけるには、まず、冷え性を治して健康度をアップすることです。 そのため当治療院では、鍼治療の前に軽いスクワットをしてもらうのですが、これが効果的です。また、鍼灸をしながら食事指導もしています。当治療院には管理栄養士がいますから、その方の体質に合わせた食事指導を行えます。食事は体の内側から健康にするので、鍼灸の効果も倍増します。特に妊活の方には玄米食をおすすめしています。 血液力、冷え性改善、妊娠力は、妊活にはどれも欠かせない要素です。そのために当治療院は鍼灸治療だけでなく、食事や運動などの生活習慣までオーダーメイドの治療が受けられます。 院長 永井奈津子 先生早稲田医療専門学校卒業 15年間 総合病院や老人施設での治療マッサージをおこなう。 神楽坂のサロンでアロマセラピーを実践。 日本橋人形町にセラピーサーナ(当院)を開業。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ サーナ治療院 http://therapysana.com/
2017.1.5
コラム 不妊治療
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Dr.浅田の不妊治療ガイド <後編>
不妊治療の基本はステップアップ。そのスピードや期間を調整する指針が「年齢、AMH、人生設計の3 要素」と、前編でお話された浅田レディースクリニックの浅田先生。後編ではさらに具体的な治療ガイドをご紹介します。 AMH値が低い場合妊娠率に一番差が出るのは実は30代半ば 代前半まででAMHが通常値であれば、普通にステップアップすればいいと思います。特に、20代から30代前半までならAMH値が少々低くても、患者さんがステップアップをゆっくり進めたいと言えば、それでも構わないと思います。ある程度の卵子があるうちは自然排卵しますし、若い人の場合、結果的に妊娠できないということはあまり想定していません。 しかし、30代半ばから後半でAMH値が低い場合、やはり早めのステップアップを考えるべきですし、最終的には体外受精に進むケースも増えます。 日本産科婦人科学会からもデータが出ていますが、20代と40代は、調節卵巣刺激でも低刺激でも妊娠率の成績は実はあまり変わりません。20代は少ししか卵子が採れなくても確率がいいから差が少なく、40代になるとどちらにしろ低いという意味で差は少なくなります。ところが30代、特に30代半ばくらいは一番大きな差があり、それぞれに合った治療法をきちんと選択していく必要があります。 当院の人工授精の目安は35歳まででだいたい5回まで、38歳で3回、40歳以上になると1~2回。これは、年齢が高くなるに従い、体内で受精卵ができる確率が低くなるゆえのマキシマムな期間ですが、条件が悪ければもっと早く進めることも考えます。 40代になったら、そこの確率の低さは体外受精でカバーして、受精卵をとにかくつくり、その受精卵が育つ確率だけにするべきだとも思います。それでも、染色体異常ほか細胞分裂がうまくいかなくなるなど、卵子の老化による要素もじわじわと増えてきて、受精卵の育つ確率は低くなり、結果的に若い人に比べると妊娠率が下がって流産率が上昇します。 さらに、40代の卵子は体外培養のストレスにより弱いので、余計なダメージを与えることを避けるため、胚盤胞培養にもこだわらないというのも当院の方針です。 前編でも述べましたが、当院では受精卵はすべて凍結します。これは高齢になるほど成熟卵と内膜の時期のずれが大きくなり、それも妊娠率を下げる要因となるためです。特にクロミフェンを使うと子宮内膜が薄くなるなど着床条件も悪くなることが多く、凍結融解胚移植で内膜調整したほうが常に妊娠率は高いです。2人目、3人目を考えているのでしたらなおさら、少しでも若い時の卵子を残しておくことをおすすめします。 多嚢胞性卵巣症候群はちょうどいい時期にしっかり採卵することが大事 AMH値が高いと多嚢胞性卵巣症候群が疑われますが、これは一概に悪いことではありません。 AMHすなわちアンチミュラーリアンホルモンには、原始卵胞から育つ卵子の成長を抑制する作用があるため、卵子が少しずつ育ってくるせいなのか、AMH値が高い場合、高齢でも卵子が多く残っている人が多くいます。その分、普通に体外受精ができますし、卵子が多い方は妊娠には有利になります。 また、AMHは卵子が育ってくる最後の成熟の過程も抑制するため、多嚢胞性卵巣症候群の人には中途半端に育った卵子が卵巣内にたくさんあります。そういった卵子は長い間、体内にとどまっていたせいか質が悪いなどと今まで言われていました。 実際、新鮮胚移植の時には、ある程度の数を採卵した時点で妊娠率が反転します。これは何が原因かというと、1個ずつの卵子が黄体ホルモンを少しずつ出すため、たくさん卵子があるとその総和として、子宮内膜が黄体ホルモンに多くさらされて、子宮内膜のほうが時間的に早く進んだ形になり、受精卵が遅れて、結果、着床率が落ちるということが真実だとわかってきました。 今は、卵子の数が多ければ凍結するクリニックが多いですが、卵巣過剰刺激症候群を危惧して早め早めに採卵しがちです。そうすると未成熟卵の割合が増えますし、少しでいいからと中途半端な数を採るとその分、妊娠率が落ちます。 しかし、ちょうどいい時期にきちんと採卵し、凍結融解胚移植を行えば、その数に見合っただけの妊娠率は出ますし、アンタゴニスト法で、最後にHCGではなくてアゴニスト製剤で排卵させれば、ほとんど卵巣過剰刺激症候群の心配もありません。むしろ一生に一回の採卵で十分、兄弟分以上の卵子が採れます。 多嚢胞性卵巣症候群は、卵子の成長率が悪いとか、胚盤胞到達率も落ちるとか散々悪く言われていましたが、今やそんな話は大嘘です。多嚢胞性卵巣症候群の人こそ、クリニックの実力が問われるケースとも言えますね。 Doctor's Advice! ● 30代半ば以降でAMH 値が低ければ 早めのステップアップを ● 多嚢胞性卵巣症候群は治療次第で むしろ高い妊娠率が望める 浅田レディースクリニック 浅田 義正先生名古屋大学医学部卒業。1993年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。2004年、浅田レディースクリニック開院。2006年、生殖医療専門医認定。2010年、浅田レディース名古屋駅前クリニック開院。≫ 浅田レディースクリニック 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.32 2016 Winter≫ 掲載記事一覧はこちら 不妊治療の基本はステップアップ。そのスピードや期間を調整する指針が「年齢、AMH、人生設計の3 要素」と、前編でお話された浅田レディースクリニックの浅田先生。後編ではさらに具体的な治療ガイドをご紹介します。 AMH値が低い場合妊娠率に一番差が出るのは実は30代半ば 代前半まででAMHが通常値であれば、普通にステップアップすればいいと思います。特に、20代から30代前半までならAMH値が少々低くても、患者さんがステップアップをゆっくり進めたいと言えば、それでも構わないと思います。ある程度の卵子があるうちは自然排卵しますし、若い人の場合、結果的に妊娠できないということはあまり想定していません。 しかし、30代半ばから後半でAMH値が低い場合、やはり早めのステップアップを考えるべきですし、最終的には体外受精に進むケースも増えます。 日本産科婦人科学会からもデータが出ていますが、20代と40代は、調節卵巣刺激でも低刺激でも妊娠率の成績は実はあまり変わりません。20代は少ししか卵子が採れなくても確率がいいから差が少なく、40代になるとどちらにしろ低いという意味で差は少なくなります。ところが30代、特に30代半ばくらいは一番大きな差があり、それぞれに合った治療法をきちんと選択していく必要があります。 当院の人工授精の目安は35歳まででだいたい5回まで、38歳で3回、40歳以上になると1~2回。これは、年齢が高くなるに従い、体内で受精卵ができる確率が低くなるゆえのマキシマムな期間ですが、条件が悪ければもっと早く進めることも考えます。 40代になったら、そこの確率の低さは体外受精でカバーして、受精卵をとにかくつくり、その受精卵が育つ確率だけにするべきだとも思います。それでも、染色体異常ほか細胞分裂がうまくいかなくなるなど、卵子の老化による要素もじわじわと増えてきて、受精卵の育つ確率は低くなり、結果的に若い人に比べると妊娠率が下がって流産率が上昇します。 さらに、40代の卵子は体外培養のストレスにより弱いので、余計なダメージを与えることを避けるため、胚盤胞培養にもこだわらないというのも当院の方針です。 前編でも述べましたが、当院では受精卵はすべて凍結します。これは高齢になるほど成熟卵と内膜の時期のずれが大きくなり、それも妊娠率を下げる要因となるためです。特にクロミフェンを使うと子宮内膜が薄くなるなど着床条件も悪くなることが多く、凍結融解胚移植で内膜調整したほうが常に妊娠率は高いです。2人目、3人目を考えているのでしたらなおさら、少しでも若い時の卵子を残しておくことをおすすめします。 多嚢胞性卵巣症候群はちょうどいい時期にしっかり採卵することが大事 AMH値が高いと多嚢胞性卵巣症候群が疑われますが、これは一概に悪いことではありません。 AMHすなわちアンチミュラーリアンホルモンには、原始卵胞から育つ卵子の成長を抑制する作用があるため、卵子が少しずつ育ってくるせいなのか、AMH値が高い場合、高齢でも卵子が多く残っている人が多くいます。その分、普通に体外受精ができますし、卵子が多い方は妊娠には有利になります。 また、AMHは卵子が育ってくる最後の成熟の過程も抑制するため、多嚢胞性卵巣症候群の人には中途半端に育った卵子が卵巣内にたくさんあります。そういった卵子は長い間、体内にとどまっていたせいか質が悪いなどと今まで言われていました。 実際、新鮮胚移植の時には、ある程度の数を採卵した時点で妊娠率が反転します。これは何が原因かというと、1個ずつの卵子が黄体ホルモンを少しずつ出すため、たくさん卵子があるとその総和として、子宮内膜が黄体ホルモンに多くさらされて、子宮内膜のほうが時間的に早く進んだ形になり、受精卵が遅れて、結果、着床率が落ちるということが真実だとわかってきました。 今は、卵子の数が多ければ凍結するクリニックが多いですが、卵巣過剰刺激症候群を危惧して早め早めに採卵しがちです。そうすると未成熟卵の割合が増えますし、少しでいいからと中途半端な数を採るとその分、妊娠率が落ちます。 しかし、ちょうどいい時期にきちんと採卵し、凍結融解胚移植を行えば、その数に見合っただけの妊娠率は出ますし、アンタゴニスト法で、最後にHCGではなくてアゴニスト製剤で排卵させれば、ほとんど卵巣過剰刺激症候群の心配もありません。むしろ一生に一回の採卵で十分、兄弟分以上の卵子が採れます。 多嚢胞性卵巣症候群は、卵子の成長率が悪いとか、胚盤胞到達率も落ちるとか散々悪く言われていましたが、今やそんな話は大嘘です。多嚢胞性卵巣症候群の人こそ、クリニックの実力が問われるケースとも言えますね。 Doctor's Advice! ● 30代半ば以降でAMH 値が低ければ 早めのステップアップを ● 多嚢胞性卵巣症候群は治療次第で むしろ高い妊娠率が望める 浅田レディースクリニック 浅田 義正先生名古屋大学医学部卒業。1993年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。2004年、浅田レディースクリニック開院。2006年、生殖医療専門医認定。2010年、浅田レディース名古屋駅前クリニック開院。≫ 浅田レディースクリニック 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.32 2016 Winter≫ 掲載記事一覧はこちら
2016.12.31
コラム 不妊治療
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アレルギー体質と不妊の因果関係に着目した妊活法に注目
アレルギー体質と不妊の因果関係に着目した妊活法に注目 妊活中の方がいい排卵をしているのに着床に至らないことがままあります。原因は黄体機能不全や子宮内膜が十分に育っていない、自立神経の乱れ、身体の冷えや貧血など、いろいろ考えられます。 これらの原因に加えて私が最近注目しているのは、アレルギーが原因で着床障害になっている可能性があるのではないかということです。これはあくまでも私の臨床経験から考えついたことで、アレルギーと不妊の因果関係に関しては、はっきりとした研究結果がないのが現状です。 しかし、アレルギーは鼻、のど、目など、粘膜に出ます。子宮内膜も粘膜のひとつですから、アレルギーが原因で着床できないケースもあるかもしれない……。そう考えて、アレルギーを持っている、ある患者さまの胚盤胞を移植する前後1週間、アレルギーを緩和する漢方薬を服用してもらったのです。すると、グレードの良くない胚盤胞だったにもかかわらず着床できたのです。 アレルギーがある方は漢方的に言うと、「陰虚体質」「瘀血体質」「神経敏感体質(ストレスが大きい)」「気虚体質」「血虚体質」などで、肌が乾燥していて痩せ型が多いようです。このようなタイプの場合、改善するために個々の症状に合わせた漢方薬を服用してもらう必要があります。 現代人は何らかのアレルギーを持っている方が少なくありません。アレルギー反応とは、異物を体内に入れないための反応です。受精は自分の卵子に精子が結合することです。つまり、受精卵はもともと母胎にはなかったものです。ですからアレルギー反応で受精卵を異物と認定し、子宮内膜と過敏に反応することも考えられるのです。 こうなると漢方薬などで体質改善をすることをおすすめしますが、妊活は時間に限りがあります。残りの時間が少ないとなると、どうしても焦る気持ちが強くなってストレスが溜まってしまいます。 「気力」と言う言葉がありますがこの「気」とは生命活動の根幹をなすエネルギー源のことです。「どうして赤ちゃんができないの?」と考えれば考えるほど、気は消耗していくのです。妊活では不安や悩みを抱えがちですが、妊娠するためには充実した気が不可欠。なるべく気を消耗させないためにも、ストレスは溜め込まないことです。 妊活にとって心強い味方の漢方薬は、考え方を変えることによってより効果を上げることができます。妊活に心身がくたびれてしまった方でも、体質改善していくと身体はもちろんですが心の状態も元気になっていき、考え方も変わっていくケースをたくさん見てきました。それが結果として待ち望んだ赤ちゃんを迎えることに繋がるのです。 生活の見直しも体質改善には必要です。例えば、陰虚体質の方は香辛料、カレー、アルコールは控えましょう。陰虚体質は体が水分不足で熱がこもり、冷やすことができなくなっているため、体を冷やすための潤いが必要です。しかし、香辛料やアルコールは熱をこもらせるのです。 体質改善はすぐに結果が出るものではありません。しかし、変えようとしなければ変わることもないのです。そのお手伝いをできるのが漢方薬ですが、妊活に繋がるのは漢方薬が半分、残りの半分は患者さんの考え方、そして生活改善や食養生だと思います。 薬剤師 渡邊英俊 先生薬剤師・鍼灸師・按摩マッサージ指圧師・教員免許を持つ。西洋医学を学び、中国人の中医師に師事し、北京で研修後、JR仙台駅東口から徒歩5分の地に「中医学と西洋医学の自然流薬局」を開局。 日本生殖医療心理カウンセリング学会認定「不妊相談士(不妊コンサルタント)」、日本不妊カウンセリング学会認定「不妊カウンセラー」を取得。 また、専門学校で「生薬学」「漢方製剤学」の非常勤講師をし、中医学(中国漢方医学)を教えている。「周期調節法」による不妊相談、アトピーの脱ステロイド時の漢方法などで、多数の患者様から支持を受けている。(予約制) NHKなどのテレビ・ラジオ出演、講演会でも活躍中!! <外部サイト>店舗で相談してみる→ 自然流薬局 http://www.shizenryu.jp/ アレルギー体質と不妊の因果関係に着目した妊活法に注目 妊活中の方がいい排卵をしているのに着床に至らないことがままあります。原因は黄体機能不全や子宮内膜が十分に育っていない、自立神経の乱れ、身体の冷えや貧血など、いろいろ考えられます。 これらの原因に加えて私が最近注目しているのは、アレルギーが原因で着床障害になっている可能性があるのではないかということです。これはあくまでも私の臨床経験から考えついたことで、アレルギーと不妊の因果関係に関しては、はっきりとした研究結果がないのが現状です。 しかし、アレルギーは鼻、のど、目など、粘膜に出ます。子宮内膜も粘膜のひとつですから、アレルギーが原因で着床できないケースもあるかもしれない……。そう考えて、アレルギーを持っている、ある患者さまの胚盤胞を移植する前後1週間、アレルギーを緩和する漢方薬を服用してもらったのです。すると、グレードの良くない胚盤胞だったにもかかわらず着床できたのです。 アレルギーがある方は漢方的に言うと、「陰虚体質」「瘀血体質」「神経敏感体質(ストレスが大きい)」「気虚体質」「血虚体質」などで、肌が乾燥していて痩せ型が多いようです。このようなタイプの場合、改善するために個々の症状に合わせた漢方薬を服用してもらう必要があります。 現代人は何らかのアレルギーを持っている方が少なくありません。アレルギー反応とは、異物を体内に入れないための反応です。受精は自分の卵子に精子が結合することです。つまり、受精卵はもともと母胎にはなかったものです。ですからアレルギー反応で受精卵を異物と認定し、子宮内膜と過敏に反応することも考えられるのです。 こうなると漢方薬などで体質改善をすることをおすすめしますが、妊活は時間に限りがあります。残りの時間が少ないとなると、どうしても焦る気持ちが強くなってストレスが溜まってしまいます。 「気力」と言う言葉がありますがこの「気」とは生命活動の根幹をなすエネルギー源のことです。「どうして赤ちゃんができないの?」と考えれば考えるほど、気は消耗していくのです。妊活では不安や悩みを抱えがちですが、妊娠するためには充実した気が不可欠。なるべく気を消耗させないためにも、ストレスは溜め込まないことです。 妊活にとって心強い味方の漢方薬は、考え方を変えることによってより効果を上げることができます。妊活に心身がくたびれてしまった方でも、体質改善していくと身体はもちろんですが心の状態も元気になっていき、考え方も変わっていくケースをたくさん見てきました。それが結果として待ち望んだ赤ちゃんを迎えることに繋がるのです。 生活の見直しも体質改善には必要です。例えば、陰虚体質の方は香辛料、カレー、アルコールは控えましょう。陰虚体質は体が水分不足で熱がこもり、冷やすことができなくなっているため、体を冷やすための潤いが必要です。しかし、香辛料やアルコールは熱をこもらせるのです。 体質改善はすぐに結果が出るものではありません。しかし、変えようとしなければ変わることもないのです。そのお手伝いをできるのが漢方薬ですが、妊活に繋がるのは漢方薬が半分、残りの半分は患者さんの考え方、そして生活改善や食養生だと思います。 薬剤師 渡邊英俊 先生薬剤師・鍼灸師・按摩マッサージ指圧師・教員免許を持つ。西洋医学を学び、中国人の中医師に師事し、北京で研修後、JR仙台駅東口から徒歩5分の地に「中医学と西洋医学の自然流薬局」を開局。 日本生殖医療心理カウンセリング学会認定「不妊相談士(不妊コンサルタント)」、日本不妊カウンセリング学会認定「不妊カウンセラー」を取得。 また、専門学校で「生薬学」「漢方製剤学」の非常勤講師をし、中医学(中国漢方医学)を教えている。「周期調節法」による不妊相談、アトピーの脱ステロイド時の漢方法などで、多数の患者様から支持を受けている。(予約制) NHKなどのテレビ・ラジオ出演、講演会でも活躍中!! <外部サイト>店舗で相談してみる→ 自然流薬局 http://www.shizenryu.jp/
2016.12.25
コラム 不妊治療
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冷え性を改善して血流をよくすれば不快な症状も改善される
冷え性を改善して血流をよくすれば不快な症状も改善される 鍼灸院を始めて35年になりますが、冷え性は体質改善することが解消法であるのは、以前から大きく変わりはありません。現代医学では冷えに対する治療法がほとんど見当たりませんが、東洋医学の鍼灸治療と日常生活をちょっと見直すことによって、冷え性がかなり改善する方が多く見られます。とくに、妊活中の方が冷え性を改善されたことから妊娠につながっていくケースもあります。 冷え性といっても原因はさまざまあるため、いろいろな角度から検証していく必要があります。まず、冷える部位がおなか、腰、臀部なのか、手足など末端なのか? 次に、おなかが固くなっているのかふにゃふにゃに柔らかいのか? そして、疲れやすい、便秘や下痢をしやすい、肩こりがある、生理痛がある、食欲不振といった症状はないか? 実は冷えが体の不快な症状を引き起こしている場合があるのです。ですから、どのような症状があるかで冷えの原因がわかり、そこからその方の体質もわかり、治療方針が決まっていくのです。 たとえば、胃腸系の働きが弱い方は、脾や胃の働きが悪くて栄養が摂れないから、血虚になっていることが多いのです。こうなると自律神経の働きも変わってきます。このような状態では、子宮や卵巣への血液が滞り、不妊の原因になってしまいます。このようなケースには、鍼灸で脾や胃の働きを活発にしたり、子宮や卵巣に温かい血液が流れるようにします。併せて自律神経の改善も行います。 血液の循環をよくすることで、胃・脾・肝・腎といった腹部臓器が活性化します。このことによって不妊の改善も期待できるのです。 鍼灸治療に併せて行ってほしいのが日常生活の改善です。夏場にエアコンをかけっぱなしにしたり、温度を下げすぎた部屋に長時間いると、体の表面から冷えてきます。また、冷えた室内と暑い屋外を出たり入ったりしていると、自律神経の乱れにもつながります。自律神経が乱れると体温調節がうまくいかない、体がだるい、疲れがとれない、イライラする、よく眠れないなどの症状が出ます。 また、体の冷えは血行を悪くします。夏場の薄着、アイスや冷たいジュース、ビールの摂りすぎは体全体を冷やしてしまいます。 現代生活は体が冷えやすい環境と言えます。日常生活を見直して、食事のバランスを工夫する、体を温めるなど、体を冷やさない、ストレスを解消するなど、自助努力も大切です。 また、当院では自宅で温灸を使って体を温めることを推奨しています。とくに足には婦人科の大切なツボがあるので、妊活の方には積極的に温灸の指導も行っています。 たくみ堂 河村 拓躬先生不妊の原因となっている体質を改善する為に、たくみ堂のはり治療は次ぎのような方法を用いて、施術しております。 使用するはりは、極細を用いて、心地良い刺激、そしてすべて使い捨てはりです。 ・卵巣機能回復処置法 卵巣の機能を活性化して質のよい卵ができるようにする。 ・免疫機能強化処置法 自覚症状のほとんどない、慢性扁桃炎の二次的炎症により、妊娠にとって大切な子宮や、卵巣で生じている障害を改善する。 ・血流促進処置法 腹部の瘀血(おけつ)改善と、骨盤部内、及び全身の血流を改善する。 ・内分泌系調整処置法 各種のホルモンが、バランス良く分泌されるように調整する。 ・自律神経調整処置法 交感神経と、副交感神経の働きを調整する。 以上の処置法を中心としてその他、粘膜消炎処置法、筋緊張緩和処置法(コリをほぐす)等、その人の体質に合わせた処置法を用いて、体質改善をいたします。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ たくみ堂 http://www.takumidou.com/ 冷え性を改善して血流をよくすれば不快な症状も改善される 鍼灸院を始めて35年になりますが、冷え性は体質改善することが解消法であるのは、以前から大きく変わりはありません。現代医学では冷えに対する治療法がほとんど見当たりませんが、東洋医学の鍼灸治療と日常生活をちょっと見直すことによって、冷え性がかなり改善する方が多く見られます。とくに、妊活中の方が冷え性を改善されたことから妊娠につながっていくケースもあります。 冷え性といっても原因はさまざまあるため、いろいろな角度から検証していく必要があります。まず、冷える部位がおなか、腰、臀部なのか、手足など末端なのか? 次に、おなかが固くなっているのかふにゃふにゃに柔らかいのか? そして、疲れやすい、便秘や下痢をしやすい、肩こりがある、生理痛がある、食欲不振といった症状はないか? 実は冷えが体の不快な症状を引き起こしている場合があるのです。ですから、どのような症状があるかで冷えの原因がわかり、そこからその方の体質もわかり、治療方針が決まっていくのです。 たとえば、胃腸系の働きが弱い方は、脾や胃の働きが悪くて栄養が摂れないから、血虚になっていることが多いのです。こうなると自律神経の働きも変わってきます。このような状態では、子宮や卵巣への血液が滞り、不妊の原因になってしまいます。このようなケースには、鍼灸で脾や胃の働きを活発にしたり、子宮や卵巣に温かい血液が流れるようにします。併せて自律神経の改善も行います。 血液の循環をよくすることで、胃・脾・肝・腎といった腹部臓器が活性化します。このことによって不妊の改善も期待できるのです。 鍼灸治療に併せて行ってほしいのが日常生活の改善です。夏場にエアコンをかけっぱなしにしたり、温度を下げすぎた部屋に長時間いると、体の表面から冷えてきます。また、冷えた室内と暑い屋外を出たり入ったりしていると、自律神経の乱れにもつながります。自律神経が乱れると体温調節がうまくいかない、体がだるい、疲れがとれない、イライラする、よく眠れないなどの症状が出ます。 また、体の冷えは血行を悪くします。夏場の薄着、アイスや冷たいジュース、ビールの摂りすぎは体全体を冷やしてしまいます。 現代生活は体が冷えやすい環境と言えます。日常生活を見直して、食事のバランスを工夫する、体を温めるなど、体を冷やさない、ストレスを解消するなど、自助努力も大切です。 また、当院では自宅で温灸を使って体を温めることを推奨しています。とくに足には婦人科の大切なツボがあるので、妊活の方には積極的に温灸の指導も行っています。 たくみ堂 河村 拓躬先生不妊の原因となっている体質を改善する為に、たくみ堂のはり治療は次ぎのような方法を用いて、施術しております。 使用するはりは、極細を用いて、心地良い刺激、そしてすべて使い捨てはりです。 ・卵巣機能回復処置法 卵巣の機能を活性化して質のよい卵ができるようにする。 ・免疫機能強化処置法 自覚症状のほとんどない、慢性扁桃炎の二次的炎症により、妊娠にとって大切な子宮や、卵巣で生じている障害を改善する。 ・血流促進処置法 腹部の瘀血(おけつ)改善と、骨盤部内、及び全身の血流を改善する。 ・内分泌系調整処置法 各種のホルモンが、バランス良く分泌されるように調整する。 ・自律神経調整処置法 交感神経と、副交感神経の働きを調整する。 以上の処置法を中心としてその他、粘膜消炎処置法、筋緊張緩和処置法(コリをほぐす)等、その人の体質に合わせた処置法を用いて、体質改善をいたします。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ たくみ堂 http://www.takumidou.com/
2016.12.21
コラム 不妊治療
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Dr.浅田の不妊治療ガイド <後編>
不妊治療の基本はステップアップ。そのスピードや期間を調整する指針が「年齢、AMH、人生設計の3 要素」と、前編でお話された浅田レディースクリニックの浅田先生。後編ではさらに具体的な治療ガイドをご紹介します。 AMH値が低い場合妊娠率に一番差が出るのは実は30代半ば 代前半まででAMHが通常値であれば、普通にステップアップすればいいと思います。特に、20代から30代前半までならAMH値が少々低くても、患者さんがステップアップをゆっくり進めたいと言えば、それでも構わないと思います。ある程度の卵子があるうちは自然排卵しますし、若い人の場合、結果的に妊娠できないということはあまり想定していません。 しかし、30代半ばから後半でAMH値が低い場合、やはり早めのステップアップを考えるべきですし、最終的には体外受精に進むケースも増えます。 日本産科婦人科学会からもデータが出ていますが、20代と40代は、調節卵巣刺激でも低刺激でも妊娠率の成績は実はあまり変わりません。20代は少ししか卵子が採れなくても確率がいいから差が少なく、40代になるとどちらにしろ低いという意味で差は少なくなります。ところが30代、特に30代半ばくらいは一番大きな差があり、それぞれに合った治療法をきちんと選択していく必要があります。 当院の人工授精の目安は35歳まででだいたい5回まで、38歳で3回、40歳以上になると1~2回。これは、年齢が高くなるに従い、体内で受精卵ができる確率が低くなるゆえのマキシマムな期間ですが、条件が悪ければもっと早く進めることも考えます。 40代になったら、そこの確率の低さは体外受精でカバーして、受精卵をとにかくつくり、その受精卵が育つ確率だけにするべきだとも思います。それでも、染色体異常ほか細胞分裂がうまくいかなくなるなど、卵子の老化による要素もじわじわと増えてきて、受精卵の育つ確率は低くなり、結果的に若い人に比べると妊娠率が下がって流産率が上昇します。 さらに、40代の卵子は体外培養のストレスにより弱いので、余計なダメージを与えることを避けるため、胚盤胞培養にもこだわらないというのも当院の方針です。 前編でも述べましたが、当院では受精卵はすべて凍結します。これは高齢になるほど成熟卵と内膜の時期のずれが大きくなり、それも妊娠率を下げる要因となるためです。特にクロミフェンを使うと子宮内膜が薄くなるなど着床条件も悪くなることが多く、凍結融解胚移植で内膜調整したほうが常に妊娠率は高いです。2人目、3人目を考えているのでしたらなおさら、少しでも若い時の卵子を残しておくことをおすすめします。 多嚢胞性卵巣症候群はちょうどいい時期にしっかり採卵することが大事 AMH値が高いと多嚢胞性卵巣症候群が疑われますが、これは一概に悪いことではありません。 AMHすなわちアンチミュラーリアンホルモンには、原始卵胞から育つ卵子の成長を抑制する作用があるため、卵子が少しずつ育ってくるせいなのか、AMH値が高い場合、高齢でも卵子が多く残っている人が多くいます。その分、普通に体外受精ができますし、卵子が多い方は妊娠には有利になります。 また、AMHは卵子が育ってくる最後の成熟の過程も抑制するため、多嚢胞性卵巣症候群の人には中途半端に育った卵子が卵巣内にたくさんあります。そういった卵子は長い間、体内にとどまっていたせいか質が悪いなどと今まで言われていました。 実際、新鮮胚移植の時には、ある程度の数を採卵した時点で妊娠率が反転します。これは何が原因かというと、1個ずつの卵子が黄体ホルモンを少しずつ出すため、たくさん卵子があるとその総和として、子宮内膜が黄体ホルモンに多くさらされて、子宮内膜のほうが時間的に早く進んだ形になり、受精卵が遅れて、結果、着床率が落ちるということが真実だとわかってきました。 今は、卵子の数が多ければ凍結するクリニックが多いですが、卵巣過剰刺激症候群を危惧して早め早めに採卵しがちです。そうすると未成熟卵の割合が増えますし、少しでいいからと中途半端な数を採るとその分、妊娠率が落ちます。 しかし、ちょうどいい時期にきちんと採卵し、凍結融解胚移植を行えば、その数に見合っただけの妊娠率は出ますし、アンタゴニスト法で、最後にHCGではなくてアゴニスト製剤で排卵させれば、ほとんど卵巣過剰刺激症候群の心配もありません。むしろ一生に一回の採卵で十分、兄弟分以上の卵子が採れます。 多嚢胞性卵巣症候群は、卵子の成長率が悪いとか、胚盤胞到達率も落ちるとか散々悪く言われていましたが、今やそんな話は大嘘です。多嚢胞性卵巣症候群の人こそ、クリニックの実力が問われるケースとも言えますね。 Doctor's Advice! ● 30代半ば以降でAMH 値が低ければ 早めのステップアップを ● 多嚢胞性卵巣症候群は治療次第で むしろ高い妊娠率が望める 浅田レディースクリニック 浅田 義正先生名古屋大学医学部卒業。1993年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。2004年、浅田レディースクリニック開院。2006年、生殖医療専門医認定。2010年、浅田レディース名古屋駅前クリニック開院。≫ 浅田レディースクリニック 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.32 2016 Winter≫ 掲載記事一覧はこちら 不妊治療の基本はステップアップ。そのスピードや期間を調整する指針が「年齢、AMH、人生設計の3 要素」と、前編でお話された浅田レディースクリニックの浅田先生。後編ではさらに具体的な治療ガイドをご紹介します。 AMH値が低い場合妊娠率に一番差が出るのは実は30代半ば 代前半まででAMHが通常値であれば、普通にステップアップすればいいと思います。特に、20代から30代前半までならAMH値が少々低くても、患者さんがステップアップをゆっくり進めたいと言えば、それでも構わないと思います。ある程度の卵子があるうちは自然排卵しますし、若い人の場合、結果的に妊娠できないということはあまり想定していません。 しかし、30代半ばから後半でAMH値が低い場合、やはり早めのステップアップを考えるべきですし、最終的には体外受精に進むケースも増えます。 日本産科婦人科学会からもデータが出ていますが、20代と40代は、調節卵巣刺激でも低刺激でも妊娠率の成績は実はあまり変わりません。20代は少ししか卵子が採れなくても確率がいいから差が少なく、40代になるとどちらにしろ低いという意味で差は少なくなります。ところが30代、特に30代半ばくらいは一番大きな差があり、それぞれに合った治療法をきちんと選択していく必要があります。 当院の人工授精の目安は35歳まででだいたい5回まで、38歳で3回、40歳以上になると1~2回。これは、年齢が高くなるに従い、体内で受精卵ができる確率が低くなるゆえのマキシマムな期間ですが、条件が悪ければもっと早く進めることも考えます。 40代になったら、そこの確率の低さは体外受精でカバーして、受精卵をとにかくつくり、その受精卵が育つ確率だけにするべきだとも思います。それでも、染色体異常ほか細胞分裂がうまくいかなくなるなど、卵子の老化による要素もじわじわと増えてきて、受精卵の育つ確率は低くなり、結果的に若い人に比べると妊娠率が下がって流産率が上昇します。 さらに、40代の卵子は体外培養のストレスにより弱いので、余計なダメージを与えることを避けるため、胚盤胞培養にもこだわらないというのも当院の方針です。 前編でも述べましたが、当院では受精卵はすべて凍結します。これは高齢になるほど成熟卵と内膜の時期のずれが大きくなり、それも妊娠率を下げる要因となるためです。特にクロミフェンを使うと子宮内膜が薄くなるなど着床条件も悪くなることが多く、凍結融解胚移植で内膜調整したほうが常に妊娠率は高いです。2人目、3人目を考えているのでしたらなおさら、少しでも若い時の卵子を残しておくことをおすすめします。 多嚢胞性卵巣症候群はちょうどいい時期にしっかり採卵することが大事 AMH値が高いと多嚢胞性卵巣症候群が疑われますが、これは一概に悪いことではありません。 AMHすなわちアンチミュラーリアンホルモンには、原始卵胞から育つ卵子の成長を抑制する作用があるため、卵子が少しずつ育ってくるせいなのか、AMH値が高い場合、高齢でも卵子が多く残っている人が多くいます。その分、普通に体外受精ができますし、卵子が多い方は妊娠には有利になります。 また、AMHは卵子が育ってくる最後の成熟の過程も抑制するため、多嚢胞性卵巣症候群の人には中途半端に育った卵子が卵巣内にたくさんあります。そういった卵子は長い間、体内にとどまっていたせいか質が悪いなどと今まで言われていました。 実際、新鮮胚移植の時には、ある程度の数を採卵した時点で妊娠率が反転します。これは何が原因かというと、1個ずつの卵子が黄体ホルモンを少しずつ出すため、たくさん卵子があるとその総和として、子宮内膜が黄体ホルモンに多くさらされて、子宮内膜のほうが時間的に早く進んだ形になり、受精卵が遅れて、結果、着床率が落ちるということが真実だとわかってきました。 今は、卵子の数が多ければ凍結するクリニックが多いですが、卵巣過剰刺激症候群を危惧して早め早めに採卵しがちです。そうすると未成熟卵の割合が増えますし、少しでいいからと中途半端な数を採るとその分、妊娠率が落ちます。 しかし、ちょうどいい時期にきちんと採卵し、凍結融解胚移植を行えば、その数に見合っただけの妊娠率は出ますし、アンタゴニスト法で、最後にHCGではなくてアゴニスト製剤で排卵させれば、ほとんど卵巣過剰刺激症候群の心配もありません。むしろ一生に一回の採卵で十分、兄弟分以上の卵子が採れます。 多嚢胞性卵巣症候群は、卵子の成長率が悪いとか、胚盤胞到達率も落ちるとか散々悪く言われていましたが、今やそんな話は大嘘です。多嚢胞性卵巣症候群の人こそ、クリニックの実力が問われるケースとも言えますね。 Doctor's Advice! ● 30代半ば以降でAMH 値が低ければ 早めのステップアップを ● 多嚢胞性卵巣症候群は治療次第で むしろ高い妊娠率が望める 浅田レディースクリニック 浅田 義正先生名古屋大学医学部卒業。1993年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。2004年、浅田レディースクリニック開院。2006年、生殖医療専門医認定。2010年、浅田レディース名古屋駅前クリニック開院。≫ 浅田レディースクリニック 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.32 2016 Winter≫ 掲載記事一覧はこちら
2016.12.19
コラム 不妊治療
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漢方薬で身体を立て直すことで卵子が元気になりホルモンの分泌も十分になる
漢方薬で身体を立て直すことで卵子が元気になりホルモンの分泌も十分になる 東洋医学的に卵巣の働きが悪いというのは、卵胞の発育やホルモン分泌の役割を担う、「腎」の力の不足が考えられます。 「腎」とは水分代謝の臓器である腎臓だけではなく、内分泌つまりホルモン分泌や生殖活動を行う役割もあると東洋医学では考えます。 「腎」の力のことを「腎精」というのですが、「精」とは体力や生命力や力強さを意味します。つまり、「腎精」の充実は、若々しい身体の維持、つまり卵巣機能の衰退を遅れさせたり、卵子の状態も安定し、ホルモン分泌も十分になるのです。 漢方薬の材料として用いる生薬には、それぞれアプローチする身体の部位があります。その中で「腎」にアプローチする生薬を中心に配合をしたものが「補腎薬」です。「補腎」とは冒頭に説明した「腎精」を養うことです。ですから、妊活の場合の「補腎薬」は、生殖機能の働きをよくしたり、ホルモンの分泌を盛んにすることができます。 西洋医学の不妊治療ではホルモン量が足りない場合、不足分を補充しますが、東洋医学では本来備わっている卵巣機能を活発にすることで、必要なホルモン量が分泌できる状態にもっていくことをめざします。 そのためには「補腎薬」も必要ですが、併せて生活養生も欠かせません。アンバランスな食事、ストレス、睡眠不足や不規則な生活などは要注意です。 当薬局にいらっしゃる方には、食事に気を遣われている方も多いのですが、食材の特性とその方の体質が合っていないケースもみられます。たとえば冷え性の方が、便秘解消のためにお腹を冷やす性質をも持ったヨーグルトやプルーンなどを毎日摂って冷えを助長しているなどです。 また、仕事のストレスで体調を崩したり、日常生活やご主人に対する不満から気分がすぐれない方も見受けられます。加えて十分な睡眠は妊活に限らず、美容・老化・免疫などはもちろん、体力を回復させるためにも不可欠です。シンデレラタイムといわれるPM10時~AM2時はしっかりと眠って「腎」を養ってください。 漢方薬の役割は、本来備わっている機能を最大限に発揮できるように、体調を整えて元気になる、消耗が大きい体力を補う、機能の働きを妨げる要因を排除することにあります。 「漢方薬で卵子の質が良くなる」というのは、漢方薬が直接卵子の状態を良くするというよりも、加齢を含めたさまざまな負荷により、良質の卵子をつくることができなくなっていた身体を漢方薬で立て直すことにより、結果として卵子の質が良くなるということだと私は考えています。 また最近気になるのは、夫婦関係がいまひとつ妊娠に向かっていない状況についてのご相談が増えていることです。理屈で割り切れないお互いの調和が取れれば充実感が得られ、心と身体のバランスも良くなり、それが結果としてホルモン分泌を良くするのではないかと思うのです。 疲れとストレスを抱えながら忙しく妊活し過ぎている方には、ぜひとも大切な命が宿るご自分の身体を大切にしていただきたいのです。そして赤ちゃんを授かる余裕と温かい気持ちでお過ごしいただきたいと願っています。 ご自身が疲れているのに卵だけは元気ということはないのです。心身が元気であってこそ卵も元気になるのです。 漢方薬の一陽館薬局 かしたに 陽子 先生女性のための漢方相談専門薬局として、相談スタッフ7名は全員女性。 不妊症・月経不調など女性特有の心身のトラブルについて相談が多く寄せられます。 輝く女性の笑顔のために一陽館薬局だからできること、女性だからこそ分かり合えることがあります。 おひとりお一人お悩みの症状も生まれ持った体質も生活環境も異なるわけですから漢方相談は個別相談が基本であり、その相談自体からオーダーメイドであることは当然のことであるという考えに立ってしっかりとお客さまに寄り添い、サポートしています。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 漢方薬の一陽館薬局 http://www.ichiyokan.jp 漢方薬で身体を立て直すことで卵子が元気になりホルモンの分泌も十分になる 東洋医学的に卵巣の働きが悪いというのは、卵胞の発育やホルモン分泌の役割を担う、「腎」の力の不足が考えられます。 「腎」とは水分代謝の臓器である腎臓だけではなく、内分泌つまりホルモン分泌や生殖活動を行う役割もあると東洋医学では考えます。 「腎」の力のことを「腎精」というのですが、「精」とは体力や生命力や力強さを意味します。つまり、「腎精」の充実は、若々しい身体の維持、つまり卵巣機能の衰退を遅れさせたり、卵子の状態も安定し、ホルモン分泌も十分になるのです。 漢方薬の材料として用いる生薬には、それぞれアプローチする身体の部位があります。その中で「腎」にアプローチする生薬を中心に配合をしたものが「補腎薬」です。「補腎」とは冒頭に説明した「腎精」を養うことです。ですから、妊活の場合の「補腎薬」は、生殖機能の働きをよくしたり、ホルモンの分泌を盛んにすることができます。 西洋医学の不妊治療ではホルモン量が足りない場合、不足分を補充しますが、東洋医学では本来備わっている卵巣機能を活発にすることで、必要なホルモン量が分泌できる状態にもっていくことをめざします。 そのためには「補腎薬」も必要ですが、併せて生活養生も欠かせません。アンバランスな食事、ストレス、睡眠不足や不規則な生活などは要注意です。 当薬局にいらっしゃる方には、食事に気を遣われている方も多いのですが、食材の特性とその方の体質が合っていないケースもみられます。たとえば冷え性の方が、便秘解消のためにお腹を冷やす性質をも持ったヨーグルトやプルーンなどを毎日摂って冷えを助長しているなどです。 また、仕事のストレスで体調を崩したり、日常生活やご主人に対する不満から気分がすぐれない方も見受けられます。加えて十分な睡眠は妊活に限らず、美容・老化・免疫などはもちろん、体力を回復させるためにも不可欠です。シンデレラタイムといわれるPM10時~AM2時はしっかりと眠って「腎」を養ってください。 漢方薬の役割は、本来備わっている機能を最大限に発揮できるように、体調を整えて元気になる、消耗が大きい体力を補う、機能の働きを妨げる要因を排除することにあります。 「漢方薬で卵子の質が良くなる」というのは、漢方薬が直接卵子の状態を良くするというよりも、加齢を含めたさまざまな負荷により、良質の卵子をつくることができなくなっていた身体を漢方薬で立て直すことにより、結果として卵子の質が良くなるということだと私は考えています。 また最近気になるのは、夫婦関係がいまひとつ妊娠に向かっていない状況についてのご相談が増えていることです。理屈で割り切れないお互いの調和が取れれば充実感が得られ、心と身体のバランスも良くなり、それが結果としてホルモン分泌を良くするのではないかと思うのです。 疲れとストレスを抱えながら忙しく妊活し過ぎている方には、ぜひとも大切な命が宿るご自分の身体を大切にしていただきたいのです。そして赤ちゃんを授かる余裕と温かい気持ちでお過ごしいただきたいと願っています。 ご自身が疲れているのに卵だけは元気ということはないのです。心身が元気であってこそ卵も元気になるのです。 漢方薬の一陽館薬局 かしたに 陽子 先生女性のための漢方相談専門薬局として、相談スタッフ7名は全員女性。 不妊症・月経不調など女性特有の心身のトラブルについて相談が多く寄せられます。 輝く女性の笑顔のために一陽館薬局だからできること、女性だからこそ分かり合えることがあります。 おひとりお一人お悩みの症状も生まれ持った体質も生活環境も異なるわけですから漢方相談は個別相談が基本であり、その相談自体からオーダーメイドであることは当然のことであるという考えに立ってしっかりとお客さまに寄り添い、サポートしています。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 漢方薬の一陽館薬局 http://www.ichiyokan.jp
2016.12.16
コラム 不妊治療
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基礎体温は体からの重要なメッセージを発信している
基礎体温は体からの重要なメッセージを発信している 最近、病院ではエコーなどの発達から、不妊治療に基礎体温を重視しなくなっているようですが、私が妊活の相談を受けたとき、まずおすすめするのが基礎体温表をつけることです。東洋医学での不妊の診断は、「生理、おりものの状態」「基礎体温」「問診」の3つをみるのです。 そのなかの基礎体温を今回はクローズアップしてみましょう。 なぜ、基礎体温が重要かというと、基礎体温から2つのことを知ることができるからです。まずひとつは、高温期の長さから排卵の状態をみることができる。次に基礎体温の波形からその人の体質をみることができて、漢方薬を選ぶときの参考になるのです。 基礎体温をつければ、妊娠するために必要なホルモンの分泌や卵胞の成熟、排卵日などに気づくことができ、妊娠できる身体づくりの取り組みポイントもわかりやすくなります。どのような漢方薬を服用すればいいのか、日常生活で気をつけることなど、具体的な対策が考えられます。赤ちゃんが授かりにくい理由もわかるようになります。つまり、基礎体温をつけることで、体からの重要なメッセージが解読できるのです。 基礎体温をつけることがストレスになるという方もいますが、最低でも3周期はつけてもらうと診断の参考になることを理解してもらい、協力してもらうようにしています。 通常、生理周期は28日とされ、それよりも短いか長いかで排卵が遅いか早いかも決まります。排卵が早い方は、代謝が高く、熱がこもり、水分が不足している状態です。逆に遅い方は、代謝が悪い、血流が悪い状態です。 このように生理周期の長短によって、服用する漢方薬は違ってきます。より正しい漢方薬を選ぶために基礎体温は欠かせないのです。 また、基礎体温の波形は、年齢、不妊治療(卵巣の刺激)によって変わるので、元々の状態を加味しておくことも大切です。そのためには、目が覚めたらすぐにベッドの中で基礎体温を計ることです。 さらに高温期、低温期がガタガタな方は自律神経が弱っている、ストレスをためている、胸が張るといった症状があることが少なくありません。このような方にはカウンセリングや肝の気の巡りをよくする〝疎肝薬〟などを服用すると、症状が和らぎます。 ※基礎体温のタイプなどさらに詳しいことは当店のホームページをごらんくださいhttp://kanpodou.com/modules/cure/?content_id=20 小島薬局漢方堂 小島 晃先生1990年東京薬科大学。3年間大手製薬会社で東京の大学病院を担当し、西洋医学の医療現場を学ぶ。高度に細分化された西洋医学の治療に疑問を感じ始めているとき、人間全体を見る中医学を知る。 東京・高円寺(現在は中野に移転)にあるイスクラ中医薬研修塾で1年間学び、1994年より小島薬局本店で漢方相談に従事する。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 小島薬局漢方堂 http://kanpodou.com 基礎体温は体からの重要なメッセージを発信している 最近、病院ではエコーなどの発達から、不妊治療に基礎体温を重視しなくなっているようですが、私が妊活の相談を受けたとき、まずおすすめするのが基礎体温表をつけることです。東洋医学での不妊の診断は、「生理、おりものの状態」「基礎体温」「問診」の3つをみるのです。 そのなかの基礎体温を今回はクローズアップしてみましょう。 なぜ、基礎体温が重要かというと、基礎体温から2つのことを知ることができるからです。まずひとつは、高温期の長さから排卵の状態をみることができる。次に基礎体温の波形からその人の体質をみることができて、漢方薬を選ぶときの参考になるのです。 基礎体温をつければ、妊娠するために必要なホルモンの分泌や卵胞の成熟、排卵日などに気づくことができ、妊娠できる身体づくりの取り組みポイントもわかりやすくなります。どのような漢方薬を服用すればいいのか、日常生活で気をつけることなど、具体的な対策が考えられます。赤ちゃんが授かりにくい理由もわかるようになります。つまり、基礎体温をつけることで、体からの重要なメッセージが解読できるのです。 基礎体温をつけることがストレスになるという方もいますが、最低でも3周期はつけてもらうと診断の参考になることを理解してもらい、協力してもらうようにしています。 通常、生理周期は28日とされ、それよりも短いか長いかで排卵が遅いか早いかも決まります。排卵が早い方は、代謝が高く、熱がこもり、水分が不足している状態です。逆に遅い方は、代謝が悪い、血流が悪い状態です。 このように生理周期の長短によって、服用する漢方薬は違ってきます。より正しい漢方薬を選ぶために基礎体温は欠かせないのです。 また、基礎体温の波形は、年齢、不妊治療(卵巣の刺激)によって変わるので、元々の状態を加味しておくことも大切です。そのためには、目が覚めたらすぐにベッドの中で基礎体温を計ることです。 さらに高温期、低温期がガタガタな方は自律神経が弱っている、ストレスをためている、胸が張るといった症状があることが少なくありません。このような方にはカウンセリングや肝の気の巡りをよくする〝疎肝薬〟などを服用すると、症状が和らぎます。 ※基礎体温のタイプなどさらに詳しいことは当店のホームページをごらんくださいhttp://kanpodou.com/modules/cure/?content_id=20 小島薬局漢方堂 小島 晃先生1990年東京薬科大学。3年間大手製薬会社で東京の大学病院を担当し、西洋医学の医療現場を学ぶ。高度に細分化された西洋医学の治療に疑問を感じ始めているとき、人間全体を見る中医学を知る。 東京・高円寺(現在は中野に移転)にあるイスクラ中医薬研修塾で1年間学び、1994年より小島薬局本店で漢方相談に従事する。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 小島薬局漢方堂 http://kanpodou.com
2016.12.12
コラム 不妊治療
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鍼灸治療と東洋医学的不妊カウンセリングが体外受精の効果につながる
鍼灸治療と東洋医学的不妊カウンセリングが体外受精の効果につながる 当治療室では体外受精に臨まれるカップルから相談を受けることが多く、鍼灸治療とカウンセリングの両方からアプローチを行い効果につなげています。当治療室、最大の特徴は「結果が出るために何をすればいいのか?」を、ただ鍼灸治療のみにこだわらず、養生、食事、そしていつ治療周期に入るのがよいのか、移植はどのような状況がよいのかということまで、患者さんと一緒に悩み考えていくことです。妊娠そして出産へとつなげるためには、東洋医学的な四診をしっかり行い、身体の状態を把握すること。採卵に際しては、よい卵や精子が採れることと最大の目標とし、子宮や生殖器を中心とした生命力が高まるようにアプローチします。子宮や卵巣は血流によって養われていきます。そのためには食べ物から生命力をしっかりと受け取る力があること。次に食物から受け取った生命力を、必要な場所にスムーズに運ぶことのできる血流があること。この2点が重要で当治療室の鍼灸治療の目標です。さらに体表観察から得られた情報で食事、養生指導も個別具体的に行っています。生命力がしっかりとあり、子宮卵巣の血流が充分に行き渡っていれば着床、妊娠にへとつながります。子宮内の血流アップにつながっていくような積極的なアプローチをしつつ、治療効果をアップさせるためにお灸の指導も個別具体的に時期に合わせておこないます。「養生のお灸指導」は当院の特色です。使用するのはセンネン灸タイプのお灸や、棒灸です。簡単な道具ですが、使う場所、使い方で治療効果が大きく変わります。とくに、お臍を温める棒灸は具体的な指導によって目を見張る効果をもたらします。しっかりと暖かさが染みるように温めていきます。面を温めるのではなく、一点を充分にしっかりと温めることがポイントです。また、身体の疲れや気持ちが落ち着かないなど、身体がストレス状態であると、血流が滞りがちになります。このような方にはストレスのない伸びやかな心身状態をつくる鍼灸治療に併せて、「東洋医学的不妊カウンセリング」を行います。東洋医学的不妊カウンセリングとは、①東洋医学的生命観、四診、弁証論治などの東洋医学的診立て、②生活記録、食事記録などの養生、生活指導、③西洋医学的不妊治療、夫婦の希望などや今までの不妊治療歴など、3つのポイントを踏まえながら行なうカウンセリングです。相談者の個々の状態に合わせて、さまざまな手法を行うのが当治療室の大きな特徴となっています。 ビッグママ治療室 米山 章子先生東海大学大磯病院東洋医学科にて研修研鑽を積み、平成9年「鍼灸リラクゼーショ ンビッグママ治療室」を開業 。平成20年たにぐち書店より「不妊!大作戦」を出版。平成23年不妊カウンセリング学会にて発表、奨励賞を受賞 。不妊治療などの講演にて不妊鍼灸治療の啓蒙活動を行っている。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ ビッグママ治療室 http://bigmama-odawara.jp/ 鍼灸治療と東洋医学的不妊カウンセリングが体外受精の効果につながる 当治療室では体外受精に臨まれるカップルから相談を受けることが多く、鍼灸治療とカウンセリングの両方からアプローチを行い効果につなげています。当治療室、最大の特徴は「結果が出るために何をすればいいのか?」を、ただ鍼灸治療のみにこだわらず、養生、食事、そしていつ治療周期に入るのがよいのか、移植はどのような状況がよいのかということまで、患者さんと一緒に悩み考えていくことです。妊娠そして出産へとつなげるためには、東洋医学的な四診をしっかり行い、身体の状態を把握すること。採卵に際しては、よい卵や精子が採れることと最大の目標とし、子宮や生殖器を中心とした生命力が高まるようにアプローチします。子宮や卵巣は血流によって養われていきます。そのためには食べ物から生命力をしっかりと受け取る力があること。次に食物から受け取った生命力を、必要な場所にスムーズに運ぶことのできる血流があること。この2点が重要で当治療室の鍼灸治療の目標です。さらに体表観察から得られた情報で食事、養生指導も個別具体的に行っています。生命力がしっかりとあり、子宮卵巣の血流が充分に行き渡っていれば着床、妊娠にへとつながります。子宮内の血流アップにつながっていくような積極的なアプローチをしつつ、治療効果をアップさせるためにお灸の指導も個別具体的に時期に合わせておこないます。「養生のお灸指導」は当院の特色です。使用するのはセンネン灸タイプのお灸や、棒灸です。簡単な道具ですが、使う場所、使い方で治療効果が大きく変わります。とくに、お臍を温める棒灸は具体的な指導によって目を見張る効果をもたらします。しっかりと暖かさが染みるように温めていきます。面を温めるのではなく、一点を充分にしっかりと温めることがポイントです。また、身体の疲れや気持ちが落ち着かないなど、身体がストレス状態であると、血流が滞りがちになります。このような方にはストレスのない伸びやかな心身状態をつくる鍼灸治療に併せて、「東洋医学的不妊カウンセリング」を行います。東洋医学的不妊カウンセリングとは、①東洋医学的生命観、四診、弁証論治などの東洋医学的診立て、②生活記録、食事記録などの養生、生活指導、③西洋医学的不妊治療、夫婦の希望などや今までの不妊治療歴など、3つのポイントを踏まえながら行なうカウンセリングです。相談者の個々の状態に合わせて、さまざまな手法を行うのが当治療室の大きな特徴となっています。 ビッグママ治療室 米山 章子先生東海大学大磯病院東洋医学科にて研修研鑽を積み、平成9年「鍼灸リラクゼーショ ンビッグママ治療室」を開業 。平成20年たにぐち書店より「不妊!大作戦」を出版。平成23年不妊カウンセリング学会にて発表、奨励賞を受賞 。不妊治療などの講演にて不妊鍼灸治療の啓蒙活動を行っている。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ ビッグママ治療室 http://bigmama-odawara.jp/
2016.11.17
コラム 不妊治療