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37週で血圧が急上昇、赤ちゃんに高血圧の影響はありますか?

コラム 妊娠・出産

37週で血圧が急上昇、赤ちゃんに高血圧の影響はありますか?

2018.4.13

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相談者:ちょさん(主婦/35歳)


初産の高齢妊婦です。先週土曜、37週で検診に行ったら血圧が158―92と、急に高くなっていました。足の浮腫は少し前からあったのですが、それもかなりひどくなってしまい……。先生には「中毒症だね。これ以上ひどくなったら入院、帝王切開もあります」と言われました。明日また受診する予定です。現在は家で、醤油や塩を使わない食事をして、足を高くして横になり、安静にしています(家事は軽くやっています)。
あと少しで出産というところでこのような状態になり、赤ちゃんに何かあったらと思うと不安で仕方ありません。今のところ赤ちゃんの発育は順調なのですが、高血圧のせいで急に赤ちゃんの具合が悪くなってしまうこともあるのでしょうか。



血圧が急に上昇したのは?


この状態は妊娠高血圧症候群と言えます。以前は妊娠中毒症といわれていたもので、もともと血圧が高くなかった人が妊娠中に「収縮期血圧140mmHg/拡張期90mmHg」以上のとなった場合、妊娠高血圧症候群と診断されます。
なぜ妊娠中に血圧が高くなってしまうのか、免疫が原因であるという説やいろいろな化学物質が出るからなど、諸説いわれていますが、明確な原因はまだ解明されていません。


 


 


リスクが高いのはどのような人ですか?


妊娠前に正常な血圧でも急に上昇することがあり、なかなか予測が難しいというのが実情です。妊娠の20週台になることはそれほど多くないのですが、36週を超えると血圧が上がってしまうというケースは珍しくありません。特に初産の方は経産婦よりリスクが高いといわれています。
また、年齢が高い方も注意が必要ですね。最近は高齢妊娠が増えているので、それに伴って妊娠高血圧症候群になる方が増加している印象があります。ちょさんは高齢にさしかかる年齢という条件に加え、初産なので、リスクが高まったのではないでしょうか。


 


 


妊娠中の血圧上昇が母子に与える影響は?


急に悪化することがあり、なかには母子の生命に関わる状態となることもあります。妊娠を終了することが一番の治療となるため、重症の場合には早期の分娩が必要に。そのため、帝王切開となることもあります。
妊娠高血圧症候群は胎盤への血流が悪化するため、赤ちゃんに行く血液も減少してしまい、胎盤機能不全という状態となって、赤ちゃんの心拍数が低下する原因となることも。また、赤ちゃんが生まれる前に胎盤が剥がれてしまう常位胎盤早期剥離のリスクもあり、この場合、大量に出血してしまうので母子ともに非常に危険な状態となります。このような状況になる前に分娩となることが望まれるでしょう。
いつ悪化するかわからないので、ちょさんは入院が必要になるのではないでしょうか。病院で注意深く見守りながら、すぐ分娩にならないようなら帝王切開になることもあるかと思います。


 


 





村林先生より まとめ



妊娠高血圧症候群は、基本的に薬でコントロールすることが難しく、妊娠を終了すること、つまり分娩することが一番の治療になります。原因がまだ不明で予防も難しいのですが、妊娠糖尿病と同様に肥満や高血圧がリスク要因となることもあるので、妊娠する前から食事などに気を配り、健康的な生活を心がけることが大切だと思います。






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お話を伺った先生のご紹介

村林 奈緒 先生(俵IVFクリニック)


浜松医科大学、三重大学大学院医学系研究科(博士課程)卒業。浜松医科大学「生殖周産期医学講座」特任准教授。俵IVFクリニックでは不妊治療全般に加え、毎週月曜日・木曜日・金曜日の午後、生殖周産期外来(妊娠初期の健康管理)を担当。

≫ 俵IVFクリニック

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