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「赤ちゃんが小さい」と言われたら。胎児発育不全の定義や原因、予防法が知りたい!

インタビュー 妊娠・出産

「赤ちゃんが小さい」と言われたら。胎児発育不全の定義や原因、予防法が知りたい!

赤ちゃんの成長が遅れていると、「胎児発育不全では?」と不安になる妊婦さんがいます。正しい知識を渡邉征雄先生に伺いました。

2018.11.7

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お腹の赤ちゃんの成長が標準よりも遅れていると、「胎児発育不全では?」と不安になる妊婦さんがいます。正しい知識を知っておきましょう。稲毛とらのこ産婦人科院長の渡邉 征雄先生に詳しく伺いました。




「胎児発育不全」の診断基準は? 小さくても元気なら大丈夫な場合も


定期健診でお腹の赤ちゃんについて、「ちょっと小さめですね」と医師から言われることはそれほどめずらしいことではありません。とはいえ、そのひと言で不安になり、すぐに「胎児発育不全」を疑ってしまうお母さんもいるようです。



胎児発育不全(FGR) とは、子宮内で赤ちゃんの発育が遅れたり停止したりしてしまう病気で、妊娠30週頃までの超音波検査で分かる推定体重を目安に診断されます。全妊娠の10%前後に見られ、そのうち出産後に障害などの問題が起きるのは5%前後です。



定義としては、産婦人科学会や超音波学会のガイドラインに明記されている「超音波胎児計測の標準化と日本人の基準値」を用い推定体重が‐1.5 SD以下というのが目安になります。推定体重は、超音波検査の画像により赤ちゃんの頭、お腹、太ももの3カ所の太さを測り、計算式に当てはめて算出されます。



ただ、推定体重は画像の見え方や医師の判断によって15~18%の誤差が出ると言われており、1回だけの検査でちょっと小さかったからと言って、胎児発育不全と診断されることは、通常ではほとんどありません。体重が少なくても元気に成長していれば問題がないこともあります。元気であることの最終的な判断は推定体重だけでなく、頭やお腹の大きさの推移や、へその緒と頭の血流、胎盤の検査、さらに必要に応じて羊水検査や染色体検査などにより行われます。



妊婦健診で超音波計測をした際に、医師は推定体重をみて「少し小さいようですね」とだけお伝えするわけです。誤差がありますし、次の検査で正常範囲になることもありますので、経過を見ていくというのが大事です。


胎児発育不全になった場合、考えられる原因はさまざま


胎児発育不全には、さまざまな要因があります。大きくは①母体側、②赤ちゃん側、③胎盤・へその緒、の3つに分けることができます。



まずお母さん側の要因は、妊娠高血圧症候群や妊娠前からの糖尿病・腎臓病、甲状腺や自己免疫疾患など内科的な病気があったり、たばこや飲酒などの生活習慣による影響です。ほかにもお母さんがとても小柄だったり、お母さん自身も小さく産まれたというケース、また極端に痩せていたりすると胎児発育不全になる場合があります。


赤ちゃん側の要因としては、双子の場合は小さくなりやすいですし、お母さんを通して風しんやトキソプラズマなどに感染する胎児感染、染色体の異常などがあります。



胎盤・へその緒の要因は、前置胎盤など胎盤の位置の異常や、胎盤の血管の詰まり、へその緒のねじれや付着部の異常などで、赤ちゃんに栄養を送るための血流が悪くなって胎児発育不全が起こります。


完全に予防する方法はないが、気をつけるべきことは


胎盤発育不全にはさまざまな原因があり、特に赤ちゃん側や胎盤・へその緒の要因を予防する方法は今のところありません。しかし、お母さんについて言えば、少なからず予防につながる方法はあります。



たとえばもともと持病がある人は、妊娠の時期を主治医に相談しておくことが大切です。自己判断で勝手に薬をやめてしまうと病気が悪化し、赤ちゃんの発育に影響が出ることがあります。また、薬を気軽に飲んでしまう人がいますが、これもハイリスクです。薬は必ず医師から処方してもらいましょう。さらにたばこや飲酒は赤ちゃんのことを考えて、きっぱりやめましょう。風しんは妊娠前に家族と共に予防接種をしておくことが推奨されており、トキソプラズマは妊娠中、猫の糞への接触を避けたり、生肉を食べないよう十分に注意してください。(但し、いずれも抗体のある方は該当しません)



そして最近特に気になるのは、体重制限を厳しくし過ぎて痩せすぎになってしまっている妊婦さんです。SNSなどによる影響もあるのかもしれませんが、見た目を気にし、太ることを極端に警戒している人が多くいます。しかし、妊婦さんがきちんと栄養をとらないとお腹の赤ちゃんは育ちません。できる限りバランスのとれた食事をとっていただきたいところです。


メッセージ
妊娠中は喜びや期待と同時に、さまざまな不安を感じることがあると思います。しかし、妊娠自体は病気ではありません。あまり細かなことを気にせず、ふだん通りに過ごしていただければよいと思います。もし、不安に感じることがあったらなるべく健診の時に聞いておきましょう。聞き忘れがないように、メモしておくと良いかもしれません。
インターネットにもたくさんの情報がのっていますが、人によって気にするポイントが違うので、あまり解決にはならないと思います。疑問に思ったことはその都度医師に質問することをおすすめします。


お話を伺った先生のご紹介

渡邉 征雄 先生(稲毛とらのこ産婦人科 院長)


日本大学医学部を卒業後、日本大学板橋病院産婦人科で勤務を経て、日本大学大学院を卒業。医学博士。都立広尾病院産婦人科医長、都立墨東病院産婦人科医長を歴任後、平成28年6月より「稲毛とらのこ産婦人科」院長に就任。「とらのこ」の名は、トラのお母さんがとても母性が強く、子トラを大事に守り、かわいがって育てる気質に由来するそうです。奥様である、医師で副院長の渡邉悠久美先生との間には、まだ小さいお子さんが3人。にぎやかななかにも楽しい毎日で、オフの日は趣味だった仲間との野球も今はお休みし、お子さんと遊ぶ時間を何より大切にするというイクメン・ドクターです。

≫ 稲毛とらのこ産婦人科

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