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胚盤胞のグレードは良好でも、着床しません。ほかの方法も検討すべき?

コラム 不妊治療

胚盤胞のグレードは良好でも、着床しません。ほかの方法も検討すべき?

「病院を変えてまた自然誘発でしたり、初期胚移植やSEET法などの別の方法も考えたほうがいいでしょうか。」

2016.8.24

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胚盤胞のグレードは良好でも、着床しません。ほかの方法も検討すべき?



相談者:るんるんさん(35歳)
胚盤胞がたくさんできるのに妊娠しません
片側卵管閉塞のため体外受精を始めました。アンタゴニストで誘発し23個採卵から18個の受精卵に、そのうち10個が胚盤胞まで到達しすべて凍結しました。1回目は4AA移植で化学流産、2回目は4AA、3回目は4BAでどちらも結果は陰性でした。すべてアシストハッチングありで見た目は良好胚でした。残りの7個も4AB 4BAと良い状態なのですが、このまま単純に1個ずつ移植するだけでいいものか悩んでいます。ホルモン値や子宮内膜にも問題ありません。たくさん受精卵ができるので卵子の質が落ちるのでしょうか。病院を変えてまた自然誘発でしたり、初期胚移植やSEET法などの別の方法も考えたほうがいいでしょうか。



 片側卵管閉塞はありますが、ホルモン値や子宮内膜には問題ありません。胚盤胞の数も、グレードも良好ですが、3度の体外受精で妊娠しませんでした。まだ7個の胚盤胞がありますが、このまま同じ病院での移植を続けるべきか、とのご相談です。


堀川先生:アンタゴニスト法で23個採卵できているとのことですから、治療状況としては良好と思われます。数からしても、卵子の質が落ちているとも考えにくいのではないでしょうか。18個の受精卵、10個の胚盤胞というのも35歳という年齢では問題ありません。
結論から言って、もしも転院をお考えだとしても、残りの7個の胚盤胞すべてを移植し終わってからでも遅くはないと思います。1回目は化学流産とのことですし、まだ3回なので着床障害とも言い切れません。患者さん側からすれば、毎回同じように移植しているように思われるかもしれませんが、医師も漫然と同じことを繰り返しているわけではありません。前回の結果を踏まえて、移植の位置やタイミングなどを微調整しているはずです。ご年齢も35歳ですし、もう少しの間様子を見てもよいのではないでしょうか。


 胚盤胞のグレードは、高いほうが妊娠しやすいのでしょうか。


堀川先生:胚盤胞のグレードにはガードナー(Gardner)分類がよく使われ、「4AA」「4BA」といった表し方をしますが、あくまでも形態からグレードは決められます。もちろん見た目が良い胚であることに越したことはなく、3より4、CよりもBやAのほうが好ましいと考えられ、良い胚から優先的に移植されます。しかし、グレードが低いからといって妊娠しないということではなく、逆にグレードが高いからといって妊娠するとも限らないのが実状です。


 るんるんさんは着床障害を疑い、「SEET法」なども検討されています。


堀川先生:着床しなかった場合の大部分は、母体に原因があるのではなく、受精卵の遺伝
子や染色体に何らかの異常があるためではないかと推測されますが、染色体を調べる着床前診断は、現在は倫理的な観点から、原則的には反復不成功という理由だけでは国内ではできないことになっています。海外ではすでに行っている国もあるので、日本でのガイドラインの改正が待たれるところです。「SEET法」については、私自身は懐疑的なので当クリニックでも取り入れていません。国内でも一部の施設でしかやってない治療法ですし、海外ではあまり注目されていないといっていいでしょう。以前から同じようなもので「スクラッチ法」があり、あえて子宮内膜に傷をつけて刺激を与えるといった方法もあります。でも、どちらも「確率された治療法」というより、着床しづらい患者さんに施す「アイデア」と私はとらえています。
しかし、妊娠するためならどんなことでも試してみたい、というお気持ちはよくわかります。病院ごと、医師ごとに治療方針や考え方は異なり、「SEET法」についてもあくまでも私の意見です。もし、「やってみたい」と思われる治療法があるのでしたら、それを得意とする施設を選んで、事前にきちんと納得できるまで説明を受けるといいでしょう。





高崎ARTクリニック 堀川 隆 先生

琉球大学医学部卒業。国立国際医療センター、国立成育医療センター不妊診療科勤務を経て、2009年12月より高崎ARTクリニック院長に就任。国際医療センター勤務時より内視鏡手術・生殖補助医療に従事。成育医療センターでは難治性不妊治療・加齢と不妊についての研究に取り組む。

≫ 高崎ARTクリニック




 




出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.31 2016 Autumn
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