HOME > 子育て・教育 > その他 > いま、知っておきたい。子どものADHD基礎知識。
HOME > 子育て・教育 > その他 > いま、知っておきたい。子どものADHD基礎知識。

いま、知っておきたい。子どものADHD基礎知識。

コラム 子育て・教育

いま、知っておきたい。子どものADHD基礎知識。

webマガジン

2016.9.15

あとで読む



「子どものADHD」と聞く機会が以前より増えたかもしれません。
Doctors Meでも子どものADHDについて、質問をいただくことがあります。


Q.相談者からの質問
息子が8歳なのですが精神科などにかかって診断してもらうことは可能なのでしょうか。


A.医師からの回答
お子さまにADHDの疑いがあるかもしれないとご心配なのですね。
普通の精神科ではなく、子供の発達を扱う小児(児童)精神科でご相談することをお勧めします。


今回は子どものADHDとはどのようなことが現れるのかなど、基本的なことについて医師に聞きました。


子どものADHDとは、どのような状態ですか?


ADHDとは、発達障害の一つです。
・注意:Attention
・欠陥:Deficit
・多動・過活動性:Hyperactivity
・障害:Disorder
上記のそれぞれの頭文字をとったもので、日本語では注意欠陥・多動性障害と呼ばれています。
具体的には以下のような症状がみられます。

1.注意の欠如
物事に対する注意が継続できない、うっかりミスが多い、落とし物や忘れ物が多い

2.多動・過活動
本来そうすべきではない場所、場面において身体を落ち着きなく動かす、うろうろ歩き回る、ずっと話し続ける

3.衝動のコントロールができない
・周りの状況を見ずに思ったことを口に出してしまう
・手を挙げてあてられるまで待つことができず大声で発言してしまう
・友だちにしょっちゅうちょっかいを出す
ADHDにはこういった特徴が見られます。
しかし、子どもが落ち着きがないこと、うっかりしていたり集中力が持続しないことは、ごく普通のことでもあります。ADHDに該当するかどうかは、経験豊かな専門医が、慎重に判断すべきものです。


癖や性格と、ADHDの見分け方はありますか?


単に元気が良すぎたり、いろいろなものに興味があって注意力が散漫であるのは、癖や性格によるものです。ADHDとは診断されないことが多いと思います。

【ADHDと診断される場合】
・症状が一時的なものではなく、少なくとも半年以上は継続している
・家庭や保育園や幼稚園、学校など複数の場所で人との関係に何らかの問題を起こしている
・本人も周囲も、現在の状況に困惑している
・改善のために何らかの治療的な介入や特別な支援を必要とするような場合


子どものADHDは病院の何科へ相談したらいいのでしょうか?


ADHDの専門は小児神経科、あるいは児童精神科などです。

ただし、ADHDの認知は、日本ではまださほど広がっているとはいえず、どこの病院でも診断や治療が受けられるわけではありません。
できれば、発達障害の専門外来がある病院やADHDの詳しい医師がいる病院を選んで受診するようにするとよいでしょう。

ADHDの疑いで受診をした場合は、知能検査や心理検査、ご両親からの今までの子ども生活歴の聞き取りなど、時間をかけて詳しく検査を進めていくことになります。


子どものADHDを予防することはできるのでしょうか?


ADHDは発達障害の一つの型で、生まれ持った体質のようなものと考えられます。
また、例えば生育環境が影響するものでは、全くありません。

現在の医療では、予防することはできません。


子どもがADHDと診断されたら、親はどう接したらいいでしょうか?


ADHDの子どもにとって、日々の日課を順調にこなすということは難しいことです。そのことで本人もご両親もストレスを感じる場合が多いようです。

有効な方法としては、小さな子が日課をこなすことができたら、カレンダーに好きなキャラクターのシールを貼るといった、わかりやすいごほうびを準備する方法などがあります。

また、本人は決して意図的に症状による行動をとっているわけではありません。ネガティブな発言や注意はできるだけ抑えるようにしましょう。

もちろん体罰は厳禁です。
ただでさえ困っている本人に不安感や恐怖感を植え付け、将来的に暴力というストレスのはけ口を与えてしまう可能性もあります。


【医師からのアドバイス】


まずは、ご両親もしっかり理解し、本人に手を差し伸べてあげることが何よりも重要なことです。
ADHDは癖や性格ではありません。ひとつの障害であること、本人にはどうしようもないものであることを、まず保護者の方が理解します。

学校など、外では本人には大きなストレスがかかっていることが多いのです。家庭は本人が心が安らげる場所であるよう、ご両親の理解と努力が必要です。

しかし、保護者の方が努力してばかりでは、疲弊してしまうこともあります。専門機関などと協力しながら病気と向き合っていけるといいですね。

(監修:Doctors Me 医師)





あとで読む

この記事に関連する記事

この記事に関連する投稿

女性のためのジネコ推薦商品

最新記事一覧

Page
top