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不妊治療で有名な病院のスピーディーな治療に不安を感じています

不妊治療で有名な病院のスピーディーな治療に不安を感じています

2011夏

2011.6.1

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どのくらいのスピードで、どのような治療を、いつまで行うのか。ご夫婦がクリニックや医師の治療方針を納得したうえで治療していくためにも治療計画は大切なことの一つです。
今回は、年齢が若い方や、2人目不妊の方、計画的に治療を進めたい方など、さまざまなケースのご相談をお聞きしながら治療計画の立て方について考えます。


治療のスピードについていけない……。
専門医の早急な治療への戸惑いはどうするべきか、
広島HARTクリニックの高橋先生にお聞きしました。



結婚してもうすぐ1年になります。不妊治療で有名な病院に転院したところ、やはり排卵が遅れているということで、2回目の診察でヒューナーテストと卵胞の確認後、すぐにHCG製剤を3000単位注射され、翌日にタイミングをとるように言われました。先生は、一日でも早く子どもを授けてくださろうとしていたのだと思いますが、私は、問題も特定されておらず、まだ治療に対する心構えもできていなかったので不安です。これほどスピーディーな処置は他の病院でも普通なのでしょうか?

先生からアドバイス!
●スピーディーな処置は専門医なら当然
●不妊症は病であるという「病識」があるかどうか
●医師が治療方針を説明するべき
●自己決定で治療できるクリニックを探す



ジネコ:転院先の専門医の治療のスピードについていけず、不安を感じているというご相談です。
高橋先生:そこはやはり難しいところだと思いますね。転院をくり返し、当院のような体外受精専門クリニックへ来られた患者さんでも、こういう方は結構いらっしゃいます。スピーディーな処置は専門医であれば当然のことです。多くの専門医は私と同じ考え方でしょう。もし、それを望まないのであれば、あるいは自然妊娠を期待するのであれば、まだ治療をしなくてもいいのではないか……ということになります。
これは、子どもができないことに対するご本人の「病識」の問題ではないでしょうか。病識とは、自分が病的な状態であることを認識するということです。糖尿病とか高血圧症の人でも、「医学的に数値が異常なのであなたは病気ですよ」と言われても、症状が出ない限り、本人は病気だと思わない場合もありますよね。これが「病識がない」という状態です。
それと同じように、普通に性交渉を持ちながら1年以上たっても妊娠しない場合、不妊症と診断されますが、ご本人たちが「私たちはまだ子どもはそれほど欲しいと思っていないんです」という人は、病気とは思わないのです。
ジネコ:「すぐにHCG製剤を投与」されたことについては、いかがですか。
高橋先生:私は、それほど強引な治療ではないと思いますね。ヒューナーテストをするということは、排卵直前だったのでしょう。卵胞も確認したということですし、HCG注射を打てば、その2日後あたりに完全に排卵しますので、そのタイミングでもう一度、夫婦生活を促したのだと思います。「翌日にタイミングをとるように」とはそういうことです。
ただ、ここでの問題は、医師がその治療方針をきちんと患者さんに説明して理解が得られていたかということです。患者さんが、基本的には人工的な治療ではなく、自然に近い形の妊娠を望んでいるのであれば、これはやはり患者さんのご希望に沿わない治療であるということを医師は認めないといけないでしょうね。
ジネコ:治療には問題はないが、おそらく治療方針の説明をせずに行ったことがよくなかったということですね。
高橋先生:はい。このあたりをどうするかというのは、本来、初診の段階できちんと患者さんに希望を聞き、治療計画として伝えるべきことだと思います。専門クリニックなら、こういうパターンでのスピーディーな治療は決して稀なことではありません。スピーディーな治療がいい・悪いということではなく、不妊症治療の基本は、やはり患者さんの意向が本位なのです。ですからまず患者さん側から選択したい治療方針をハッキリ伝えるべきです。逆に、それに応えてもらえないような施設なら転院を考えたほうがいい。
ですから、自己決定による治療法を受け入れてもらえるかどうか、初期の段階で確認することが大事です。ただ、一般の婦人科ではそこまでの準備ができていないことが多いのも事実なので、教育を受けた看護師やカウンセラーなど、スタッフの態勢が整っているクリニックを探すことも大切だと思います。初診を要予約としているかどうかは一つの基準ですね。5分程度の診察ではできないと思います。初診にしっかり時間を割き、治療方針を十分説明してくれるクリニックをおすすめします。
ジネコ:先生のクリニックでは、治療計画についてどう説明されていますか。
高橋先生:不妊症は、たとえばがんのように命に関わる進行性の病ではありませんが、高齢になるほど卵子に起因する原因不明の不妊のケースが増えることを考えれば、進行性の病ととらえていただいてもいいでしょう。ただ、どこも悪くない、原因不明の不妊というのが一番やっかいです。むしろ、卵管が悪い、精子が少ない、排卵の周期が不順など、原因がわかっている人のほうが対処しやすいし、体外受精の妊娠率も高いのです。
先ほどお話しした「病識」がない方の場合、おそらく一般の婦人科ではずっとどこも悪くないと言われてきたはず。半年、1年と通院したけれど妊娠できない。それで転院したら急に治療のスピードが速くなり、「どこも悪くないのになぜ?」というふうになるわけです。
ただ、患者さん本人にいかに自分の「病気」を認識し、納得してもらうかというのが、我々専門医の一番の義務だと私は思っています。「これから行う治療はこうで、その治療をすればこういう結果が得られ、それがダメなら次はこういう方法になる」と、当院では問題が解決できるまでの過程を含め、治療方針を初診時に説明するようにしています。




広島HARTクリニック 高橋 克彦先生

慶應義塾大学医学部卒業。インターン時代に立ち会ったお産に感激し、産婦人科医を目指す。1990年に日本初の体外受精専門外来クリニック、高橋産婦人科を開業。後に広島HARTクリニックと改名。2000年、東京HARTクリニック開設。

≫ 広島HARTクリニック




 







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