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43歳でも不育症検査を受けたほうがいいでしょうか?どんな検査をするのですか?【蔵本 武志先生】

43歳でも不育症検査を受けたほうがいいでしょうか?どんな検査をするのですか?【蔵本 武志先生】

2012春

2012.11.12

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相談者
まりさん(43歳)からの投稿
■43歳でも不育症検査を受けたほうがいいでしょうか?どんな検査をするのですか?
39歳の時に人工授精で妊娠しましたが、8週で稽留(けいりゅう)流産。41歳から体外受精を行い、5回目の移植で妊娠しましたが、心拍確認後10週で不全流産しました。不妊治療の医師からは不育症検査ができると言われましたが、地元の総合病院では「原因がわかっても打つ手がなく、高齢だからしかたがない」と言われて検査をすすめられませんでした。私なりに不育症検査について調べましたが、あまりよく理解できません。高齢でも不育症検査を受ける意味はありますか?また、どのような検査があるのでしょうか。ちなみに、不妊治療で一通りの検査を受けましたが不妊原因は不明でした。



ジネコ:まりさんは2回流産していますが、2回で不育症と断定できるものですか?


蔵本先生:一般的に、妊娠された方の約15%が流産し、流産や死産を2回以上くり返す場合は不育症といわれています。2回だと反復流産、3回以上くり返す場合は習慣流産となります。年齢が高くなると卵子の質がどうしても低下してしまうので、受精・妊娠しても出産まで至らずに流産してしまう確率が高くなります。


ジネコ: 不育症の原因は何でしょうか?


蔵本先生:流産の原因で一番多いのが受精卵の染色体異常であり、流産原因のおよそ7割近くを占めるといわれています。それから、胎盤で血栓が生じるケースも考えられます。抗リン脂質抗体症候群ですと、末梢の細い血管に小さな血栓が生じやすく、妊娠初期の胎盤に小さな血栓がたくさんできて、胎児への血行が悪くなり流産してしまいます。習慣流産の方の3~15%は、この抗リン脂質抗体症候群です。また、血液を固まらせる凝固系の異常も血栓を招き、流産の原因になることがあるといわれています。さらに子宮奇形も原因に挙げられます。


ジネコ:まりさんの場合は、どのケースが考えられますか?


蔵本先生:はっきりとはいえませんが、年齢や体外受精の回数から見て、おそらく胚の染色体異常の可能性が高いと思われます。人間の染色体は23組計46本で成り立っています。しかし、この数に異常があると流産を引き起こすことがあります。また、流産をくり返す方の2~4%程度にご夫婦どちらかの染色体の構造異常があります。しかし、親が染色体の構造異常の保※因者であっても半数以上の方は出産が可能です。


ジネコ: では、具体的にはどのような工夫をしていけばいいでしょうか。


蔵本先生:子宮内膜の状態が着床に 適しているかどうかを超音波でみて、もし薄いようであれば、しっかり厚くしてから受精卵を戻す。胚盤 胞を凍結されているのでしたら、自然周期ではなく、ホ ルモン補充周期 で戻されたほうがいいかと思いま す。当院では以前、自然周期で戻す方法をとっていましたが、それでは なかなかうまく着床されない方もい らっしゃいました。そこでホルモン 補充周期で戻すようにしたところ、 妊娠率がぐんと上がったんです。こ の結果から、今は原則、ホルモン補充周期で戻すようにしています。 ホルモン補充周期では、エストロ ゲンの貼り薬とE2の飲み薬を使って 子宮内膜を厚くしていきます。それでも改善しない場合はHMG製剤の 注射もします。内膜が8mmくらいま で厚くなることを目指したいのですが、どうしても厚くならないという場合は、バイアグラⓇの座薬を使ったり、ビタミンCやEの薬を2~3カ月くらい飲んでいただきます。


ジネコ:  不育症の検査はどのようなものですか?受けるべきか迷っていらっしゃいますが。


蔵本先生:検査はやはり受けたほうがいいです。まりさんの場合、胚の染色体異常が疑われますが、それは流産直後に流産した胎児を検査しないと断定できません。まずは抗リン脂質抗体症候群や血液凝固系かどうか、血液検査をしてみるのがいいでしょう。次のステップへの判断材料として、血液検査を受けてみることをおすすめします。もし、抗リン脂質抗体症候群が原因の場合は、血栓予防に低用量アスピリンを服用したり、ヘパリンの在宅自己注射を行います。血液の凝固系異常が流産の原因である場合も、低用量アスピリンなどの投与を行います。次に、ご夫婦の染色体を調べてみてはいかがでしょうか。ただし、染色体異常に対する治療は特にありません。まれに染色体が別の染色体にくっつくなどの構造異常が見られますが、その場合は着床前診断による体外受精を行うことがあります。



蔵本 武志先生
蔵本武志先生久留米大学医学部卒業、山口大学大学院修了。山口県立中央病院産婦人科副部長、済生会下関総合病院産婦人科部長を経て、1990年オーストラリア・PIVETメディカルセンターへ留学。帰国後、1995年蔵本ウイメンズクリニック開院。O型・おうし座。今年2月から導入した電子カルテシステムや自動予約システム、自動支払機により、患者さんの待ち時間を大幅に短縮。春からは新しいスタッフも増え、より充実した医療体制が組まれている。





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