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妊娠するためには主人の糖尿病、バセドウ病を改善したほうがいい?

コラム 不妊治療

妊娠するためには主人の糖尿病、バセドウ病を改善したほうがいい?

「主人(43歳)に、「乏精子症」「2型糖尿病」「バセドウ病」の持病があります。乏精子症により、不妊治療をしています。ショート法での採卵、顕微授精、新鮮胚移植を3回行いましたが妊娠しません。」

2013.6.19

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相談者

ごーちんさん(33歳)
■ 主人(43歳)に、「乏精子症」「2型糖尿病」「バセドウ病」の持病があります。乏精子症により、不妊治療をしています。ショート法での採卵、顕微授精、新鮮胚移植を3回行いましたが妊娠しません。1回目よりも2回目、2回目よりも3回目のほうが精子の状態がよくないので、先生もどうしたものかとおっしゃっています。妊娠しないのは持病と関係があるからなのか、また、精子の状態が改善する治療法があれば教えてください。

ジネコ:ご主人の持病と不妊症に、関係があるのでしょうか?


田中先生:男性側に原因がある場合、自然妊娠の可能性はほぼゼロです。しかし顕微授精は、採取した精子を卵子に直接注入する方法ですから、精子の数が少なく動きが悪かったり、もしくはまったく動いていないとしても、影響はありません。まして、糖尿病やバセドウ病と、精子の造成能力とは、何ら関係がないと断言してもいいでしょう。
あえて言えば、性欲が弱くなるとか、EDになりやすいとか、そういった影響はあるかもしれません。糖尿病に関しては、不妊症と直接的に関係するのは、むしろ女性の場合です。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、明らかに糖尿病が原因となりますが、男性が糖尿病だからといって不妊症だということにはなりません。


ジネコ:では、妊娠しない原因は何でしょうか?


田中先生:ご主人の持病については、健康状態を改善するという意味で、しっかり内科で治療をしてください。子どもが生まれた後、父親として、夫として、家庭を支えなければなりませんから。ただ、不妊症だけに限れば、現在のご主人の精子でも顕微授精ができるので、持病はまったく関係ありません。それよりも、卵子の質に問題があると考えるほうが自然でしょう。それとこの医師は、なぜ凍結胚移植をしなかったのかが疑問です。
現在の統計上、新鮮胚よりも凍結胚のほうが着床しやすいことが実証されています。これは、凍結胚のほうが質がいい、ということではありません。凍結すると、どうしても質は落ちてしまいますから。しかし凍結しておくことで、自然周期に戻せる、というメリットがあります。採卵時には排卵誘発剤を使って卵子の数を増やし、質の高い卵子を得やすくしますが、ショート法は強力なホルモン剤を使用するため、子宮の環境や着床環境は悪くなります。その場合、体外受精後にいったん胚を凍結しておいて、子宮内膜が自然の状態に戻るまで待ってから移植すれば着床する可能性が高まるということです。ごーちんさんにも、この凍結胚移植をぜひ試みてほしいですね


ジネコ:凍結胚移植をしていれば、結果は違っていたかもしれないですね


田中先生:その通りです。ただし、凍結に耐えられるのは90点以上のグレードの高い胚のみ。ですから、まず卵子の質を上げる必要があります。ごーちんさんの治療歴を拝見すると、排卵誘発法は3回ともショート法ですね。まずは、排卵誘発法を変えるべきではないでしょうか。


ジネコ:どのような排卵誘発法が考えられますか?


田中先生:受精はしているので、ここから先は卵子の質を上げることを考えていただきたいです。まず、月経開始から3日目までの胞状卵胞の数とE2、LH、FSHの値を測り、その数値に基づいて一番適した排卵誘発法を選ぶのが最善です。
大切なのは、妊娠するかしないかということです。そして、もし1回目に妊娠できなくても、その結果の反省材料を2回目に反映させる。2回の反省材料を3回目に反映させる。そうすることで、妊娠をゴールとした時に、そのゴールには確実に近付けるはずです。
しかしながら、ごーちんさんの治療はワンパターンで、3回もショート法をくり返し行っています。
それと、これはとても重要なポイントですが、34歳以下のグループでのショート法は、他の排卵誘発法より低値となります。33歳ならばロング法かアンタゴニスト法がベスト。
ファーストチョイスがショート法であり、しかも3回も同じ治療法を行っていることから考えると、この医師から「いい卵子を採る」という熱意はあまり感じられません。ですから、思いきって病院を変えることも1つの方法かもしれません。


ジネコ:持病との因果関係ではなく、治療を見直すべきということですね。


田中先生:最初にお話しした通り、顕微授精ができさえすれば、精子の状態はほとんど影響ないので、ご主人の持病は不妊要因にはなりません。それよりも、信頼できる専門医のもとで、今後の方針をじっくりと話し合いながら治療を進めることが大事だと思います。
それと、不妊には関係がなくても、ご主人の持病ともしっかり向き合って、治療していただきたいと思います。2型糖尿病もバセドウ病も現在これまでの治療データの医療では完治させることは難しいですが、不妊治療を経て授かったお子さんを育てていくためにも、ご夫婦が末永く幸せに暮らしていくためにも、ぜひ健康維持に努めていただきたいですね


田中 温 先生
順天堂大学医学部卒業。越谷市立病院産科医長時代、診療後ならという条件付きで不妊治療の研究を許される。度重なる研究と実験は毎日深夜にまで及び、1985年、ついに日本初のギフト法による男児が誕生。1990年、セントマザー産婦人科医院開院。日本受精着床学会副理事長。2009年~ 2011年までJISARTの理事長に就任。現在、老化卵子の細胞質(核)を取り除き、若い卵子の細胞質と入れ替える「細胞質置換」の研究を継続中。「自分の卵子を使って細胞質だけを入れ替える技術。不妊治療の可能性が広がると確信しています」。



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