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人工授精後に必ず起こる腹痛の原因はなんでしょうか?

コラム 不妊治療

人工授精後に必ず起こる腹痛の原因はなんでしょうか?

【医師取材】人工授精の後に腹痛があるということですが、痛みを引き起こす原因としてどのようなことが考えられるのでしょうか?秋山レディースクリニックの秋山芳晃先生にお聞きしました。

2013.6.20

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相談者

みっこさん(34歳)
■ 人工授精後、高温期7 日目くらいから毎回必ず下腹部痛があります。痛みは生理痛と同じく、子宮が収縮しているような痛さ。1 日中痛いわけではなく、日に数回、数秒間起こります。高温期7 日目から生理の始まる2 日前までこのような症状がありますが、何か問題があるのでしょうか。主治医には「卵巣が少し腫れているからでしょう」と言われましたが、明らかに卵巣の腫れの痛みとは異なります。この痛みがあると必ずリセットしているので、高温期中盤で「今回もダメだったんだ」とがっかりしてしまいます。

 


ジネコ:人工授精の後に下腹部痛があるということですが、痛みを引き起こす原因として、どのようなことが考えられますか?


秋山先生:人工授精の後にお腹が痛くなる場合、以下の4つの原因が考えられるのではないかと思います。


1つ目は、人工授精の処置そのものによるもの。通常よく行われている子宮内人工授精の場合だと、精子浮遊液を注入するカテーテルが子宮の天井部分に当たったり、カテーテルの挿入を助けるために子宮の入り口を機械で引っ張ったりすることもあるので、子宮が収縮してお腹が痛くなることがあります。


 


また、感染や精液・精子洗浄液成分による腹膜の刺激などにより、腹痛が起こる可能性もあります。特に腹腔内精子注入などでは起こりやすくなると考えられます。いずれも、処置を受けている最中や終了後まもなく症状が出ることが多いと思われるので、みっこさんの場合、比較的時間が経ってから症状が出ていることを考えると、これらが腹痛の原因になっていることは考えにくいかもしれません。


 


2つ目は、排卵誘発にともなうもの。排卵誘発のための薬を使用することにより、排卵後に卵巣が腫れることがあります。このため、排卵後、あるいは排卵前から徐々にお腹が張るような痛みが出てくることも。みっこさんの場合、何個排卵しているのかわかりませんが、行っている卵巣刺激の内容から推測すると複数個の排卵があると思われますので、排卵後に卵巣が腫れる可能性はあります。多嚢胞性卵巣症候群であるということも考えると、主治医の先生がおっしゃるように、これが下腹部痛の原因の1つになっているのではないかと思われます。


 


3つ目は、排卵後のホルモンの変化によるもの。排卵後に黄体ホルモンが増加すると、骨盤の中は血流が豊富になり、充血したような状態になります。そのため、下腹部の鈍痛や不快感が生理まで続くことがあるんですね。みっこさんは高温相7日目から生理が来る2日前まで痛みがあるということですから、このようなホルモンの変化による症状である可能性も考えられます。


 


4つ目は、排卵後の子宮収縮によるもの。子宮の筋肉は平滑筋という腸などと同じ種類の筋肉なのですが、不定期に収縮することがあります。性交渉を持った時や激しい運動をした時など、子宮が動くような物理的な刺激を与えた時に起こることが多く、特に子宮筋腫や子宮腺筋症などがある人に起こりやすくなると考えられていますが、何も異常がなくてもある程度の頻度で起こっているといわれています。生理痛のような本当に子宮が収縮するような感覚の痛みであれば、このような原因も否定できないかもしれません。




 


ジネコ:痛みがあると必ずいい結果にならないそうですが、もし子宮が収縮していれば、それが妊娠を妨げているのでしょうか。


 


秋山先生:着床の時期に子宮の筋肉が収縮しているとすれば、妊娠の成立を妨げている可能性があることは否定できませんが、普通に妊娠されている方の中にも、特に強い自覚症状がなく、同じようなことが起こっていることはあると思います。それがどのくらいの程度で妊娠の不成功に関わっているかという正確なデータは、今のところありません。


みっこさんの場合、残念なことにこれまでいい結果が出ていらっしゃらないので、あたかもその痛みが生理が来てしまう前兆のように感じてしまっているのではないでしょうか?


心理的な部分の影響も大きいと思われますので、「そうだ」と思い込んで深刻に考えないほうがいいのでは。かえってストレスがたまり、妊娠にも悪い影響を与えてしまう気がします。


 


ジネコ:今後も痛みが続く場合は、どう対処していけばいいですか?


 


秋山先生:激しい運動や性交渉がきっかけになっているようであれば、控えたほうがいいかもしれません。また、あまり強い痛みをくり返すようなら、鎮痛剤を服用することでプロスタグランジンという子宮収縮の原因となる物質の産生を抑えることができます。ほかに、生理痛の時などに使う平滑筋の収縮を抑える漢方薬などもあるので、主治医の先生とよく相談して対処されてみてはいかがでしょうか。


みっこさんはこれまでタイミング療法3回を経て、人工授精に6回トライされているとのこと。そろそろ次の治療に進む時期に来ているかもしれません。


これまで結果が出なかったのは子宮の収縮が原因ではなく、もしかしたらほかの原因が潜んでいることも考えられます。体外受精に進むことで、これまでわからなかった不妊の原因が解明することもありますので、治療のステップアップも1つの選択肢ではないかと思います。


 




 


お話を伺った先生のご紹介

秋山 芳晃 先生(秋山レディースクリニック)


東京慈恵会医科大学卒業。東京慈恵会医科大学附属病院、国立大蔵病院に勤務後、父親が営んでいた産科医院を継ぎ、不妊症・不育症診療に特に力を入れたクリニックとして新たに開業。電子カルテを導入してから会計が早くなるなど、院内の作業効率が大幅にアップ。診察中の入力はまだスタッフの補助が必要とのことですが、患者さんにとっても良い影響が出ているようです。

≫秋山レディースクリニック

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