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【特集】学校では教えてくれない子宮の病気

コラム 女性の健康

【特集】学校では教えてくれない子宮の病気

子宮へのいたわりを知ることで防げる病気があります。病気にならないよう予防に意識をもつことが大切です。"いつか産みたい"と思っていれば若い時からその“いつか"に子宮を備えておく必要があります。不妊の原因になる子宮の病気についてお聞きしました。

2020.6.5

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※2020年5月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.46 2020 Summer」の記事です。


お話を伺った先生のご紹介

福井 敬介 先生(福井ウィメンズクリニック)


日本大学医学部卒業。卒業と同時に愛媛大学産科婦人科に入局。愛媛大学大学院医学専攻科修了。2000年愛媛大学産科婦人科学助教授。2001年、「高度な生殖医療をより身近な医療として不妊カップルに提供したい」と福井ウィメンズクリニックを開設する。

≫ 福井ウィメンズクリニック

晩婚化で不妊治療も増加。パートナーと早めの検査・治療が肝です!


不妊のカップルは約10組に1組と言われていますが、近年、妊娠を考える年齢が上昇していることもあって、この割合は高くなる傾向にあります。また、年齢によるものばかりではなく、月経不順や無月経期間が長く排卵に問題がある場合、子宮内膜症や子宮筋腫などの疾患により妊娠しにくくなることがわかっています。

排卵がなかったり、子宮内膜症を起こしていたり、過去に骨盤腹膜炎などにかかったことがあると妊娠しにくいことがわかっています。子宮の異常には子宮奇形といった生まれつきのものや、子宮筋腫や子宮内膜症などの後天的なものがあります。これらの子宮の異常があると受精卵が着床できなかったり、流産の原因になることがあります。


 


生理で進行する子宮内膜症。痛みに悩み、約半数が不妊症の原因にも


女性の晩婚化とともに、不妊原因として増えてきた「子宮内膜症」。とはいえ、不妊症は子宮内膜症の症状の一つではありますが、すべての人が不妊症というわけではありません。

子宮内膜症は、本来は子宮の内側にしか存在しないはずの子宮内膜組織が、卵巣や腹膜などの子宮以外の場所で増殖、剝離を繰り返す病気です。月経が始まってからみられるようになり、10代で子宮内膜症になる人はごくわずかですが、20代、30代と年齢が上がるほど増加します。また、月経周期が短く、月経の期間が長い人のほうが子宮内膜症になりやすいともいわれ、また遺伝的な要素もあるといわれています。自覚症状で最も頻度の高いものが月経痛です。月経の回数を重ねるごとに痛みが強くなっていくのが特徴で、月経のたびに寝込んでしまう人も少なくありません。病気の進行に伴い腰痛や下腹痛、性交痛、排便痛などの訴えも多く見られます。不正性器出血がある、月経が長引く、月経痛が強いなどの症状がある場合は、早めに検査を受けましょう。

治療法には、手術と薬物療法があります。手術には病巣部のみを切除し子宮や卵巣の正常部位を温存する保存手術と、子宮、卵巣および卵管などをすべて摘出する根治手術があります。薬物療法には鎮痛薬や漢方薬で痛みなどを緩和する対症療法と、ホルモン剤による内分泌療法があります。本人がどのようなライフスタイルを送りたいかにより治療法も変わるので、医師とよく相談をして決めていくことになります。

子宮内膜症で不妊症の場合、軽症で卵管の癒着がない、もしくは癒着があっても軽度であれば、まずは無治療での妊娠を試みますが、それで妊娠が成立しなければ排卵誘発や人工授精、体外受精などが行われます。卵巣チョコレート囊胞では、囊腫のみを摘出し、卵巣の正常な部分はできるだけ残します。手術後は再発の可能性もあるため、できるだけ早い妊娠を目指します。


 




早期発見で治療も可。若い頃から検診を。健康な体で妊娠・出産へ


ブライダルチェックとは主に結婚を控えた女性のための婦人科検診と思われがちですが、結婚予定がない方や既に結婚している方でも受けられる検査です。妊娠出産に影響するような婦人科系の疾患がないかをチェックします。将来的に子どもを産みたいと思っているなら、結婚する前でも今のところその予定がなくても検査だけでも受けておくと安心です。不妊の原因は、年齢が大きく関係しているとよくいわれますが、若い方でも体に異常があるとそれが妊娠を妨げます。早いうちに検査をして治療したほうが将来のためになります。
また、女性側だけが病気や不妊症の検査を受けて異常がなくても、男性側に何らかの病気や不妊症がある可能性はゼロではありません。近年では当クリニックでも無精子症をはじめとした精子の異常がないかを調べ、男性不妊の有無について検査を受ける方が増えています。

また子宮がん検診は20歳以上あるいは40歳以上の女性を対象に、無料あるいは一部負担で、1~2年に1回、検診が受けられるように自治体がその検診を補助しています。検診時には体のお悩みや気になることを専門医に気軽に相談できるチャンスととらえるといいでしょう。若いうちから定期的に検診を受けることで、自分の体や健康状態を客観的に見つめ直すよいきっかけになるかもしれません。


 


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.46 2020 Summer
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