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【助成金】もれなくきっちり受けとろう!助成金の基礎知識

コラム くらし

【助成金】もれなくきっちり受けとろう!助成金の基礎知識

2019年に行った不妊治療経験者2000人アンケートの声をもとに、企画・取材を行ってお伝えするシリーズ第3弾はお金のこと。治療費の負担を少しでも減らすべく不妊治療の助成に詳しいファイナンシャル・プランナーの宮野真弓さんにお話を伺いました。

2020.8.31

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2019年に行った不妊治療経験者2000人アンケートの声をもとに、企画・取材を行ってお伝えするシリーズ第3弾は、特に多くの声が上がっていたお金のことについて。治療費の負担を少しでも減らすべく、不妊治療の助成に詳しいファイナンシャル・プランナーの宮野真弓さんにお話を伺いました。


※2020年8月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.47 2020 Autumn」の記事です。


アドバイス・監修

宮野真弓さん(ファイナンシャル・プランナー)


FPオフィスみのりあ代表。証券会社、銀行、独立系FP会社での勤務を経て、独立。不妊治療により3人の男の子を出産した。自身の経験をもとに、「妊活、妊娠、出産、育児をハンデにしない社会の実現」をめざし、子どもを望む方や育児中の方などへ向けた講演や個別相談を行っている。

家計に大きくのしかかる治療費の負担


不妊治療を始めようと思った時、または、一般不妊治療から高度生殖医療へのステップアップを考えた時、誰もが気になるのが治療費のこと。保険のきかない自由診療も多い不妊治療では、実際に支払う金額がかなり高額になることもあるからです。
2019年冬号で紹介したアンケート結果では、「これまでにかけた治療費の総額は?」という質問に対して、最も多かったのが100万~300万円未満という回答(37%)。さらに、10人に1人が300万円以上かけているということがわかりました。「世帯年収の3~4割は不妊治療に消えている」、「高度不妊治療に進めば授かる可能性はあるのに、治療費が高額なためステップアップができない」、「治療のために仕事を辞めたが、前年の所得が制限越えのため、助成が受けられない」、などといった声が上がっていました。
ファイナンシャル・プランナーの宮野真弓さんは、ご自身も3年間の不妊治療の末、体外受精・顕微授精で3人のお子さんを出産されていますが、治療中は長期化や高額化に不安があったといいます。「不妊治療がすぐに保険適用になるというのは難しいかもしれませんが、自治体や企業の助成は徐々に充実してきています。さまざまな助成金をしっかり受け取れば、負担を減らすことができます」と言います。ご自身の経験も踏まえて、さまざまな助成制度や還付金のこと、そして押さえておきたいポイントを教えていただきます。


高額な体外受精には特定不妊治療助成が


このコロナ禍で収入が減り、治療費を捻出するのが厳しいからと、不妊治療を見合わせるご夫婦が出てきています。しかし、助成金をうまく活用すれば、やりくりが可能になることもあります。今年は、新型コロナウイルスの影響を受けた世帯が多いことから、所得制限が緩和されることも決まっているので、諦めずにもう一度確認してみましょう。
まず、条件が合えば誰でも受け取ることができるのが、国からの助成金。「特定不妊治療費助成事業」といわれるもので、体外受精、顕微授精といった、治療費が高額になりがちな不妊治療が対象です。さらに、都道府県、市区町村によっては独自の助成制度を設けているところもあり、それぞれ設定した助成が国の助成に上乗せされていきます。つまり、住んでいる場所と条件次第で、国+都道府県+市区町村の3つから助成金を受け取れる可能性もあるということなのです。たとえば、東京都の港区では、国と都の助成に上乗せで、上限30万円まで、治療にかかった金額を受け取れます。


自治体によって特色が分かれる助成内容


東京都や京都市のように、人工授精など一般不妊治療を支援する事業として、助成金を設けているところもあります。東京都は不妊検査費用も上限5万円として助成しています。京都市は一般不妊治療に対する助成に加えて不育症に対しても自己負担の2分の1(上限10万円)を助成しています。
驚くほど助成が充実している自治体もあります。たとえば、北海道上川郡東川町。第一子の不妊治療にかかった費用を全額補助しています。ほかにも、過疎化が進み、若い世代に住民になってほしいと望む地域などで、子育て支援の一環として不妊治療の助成を手厚くしているところが多いようです。不妊治療への助成の手厚さはトップの考えによるところが大きく、たとえば、富山県は知事が不妊治療の助成に熱心で、全国に先駆けて約10年前から助成金制度を導入しています。
金額の上乗せだけでなく、年齢制限、所得制限を緩和している自治体も多くあります。たとえば、東京都港区、高知県は年齢制限がないので、不妊治療開始時の年齢が43歳以上でも助成対象となっています。きっちりしっかり助成を受けるためにも、まずは住んでいる自治体の助成制度を確認しておきましょう。なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響で治療を延期した人たちに合わせて、国も助成の年齢条件を「44歳未満」と1歳緩和しています。



国の助成

★特定不妊治療費助成事業
■対象となる治療 体外受精および顕微授精(特定不妊治療)
■対象者
1)特定不妊治療以外の治療法によって妊娠の見込みがないか、または極めて少ないと医師に診断された法律上の婚姻をしている夫婦
2)治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満である夫婦
■所得制限 730万円(夫婦合算)*今年度は制限の緩和があります。
■給付内容
1)1回につき、15万円(凍結胚移植などについては7.5万円)
通算助成回数は、初めて助成を受けた際の治療期間の初日における妻の年齢が40歳未満であるときは6回(40歳以上であるときは通算3回まで)
2)1)のうち、初回の治療に限り30万円(凍結胚移植は除く)
3)特定不妊治療のうち精子を精巣または精巣上体から採取するための手術を行った場合は、1回につき15万円(初回のみ30万円)


都道府県の助成の例

<東京都の場合>
★特定不妊治療費助成事業
■対象者
法律上、婚姻している夫婦に加え、事実婚夫婦も助成を受けられる。
■所得制限 905万円(夫婦合算)
■給付内容
2回目以降、新鮮胚移植5万円、凍結胚移植10万円が国の助成にプラスされる。

★不妊検査等助成事業
■所得制限 なし
■給付内容 不妊検査及び一般不妊治療に要した費用に関して5万円を上限に助成。


市区町村の助成の例

<東京都港区の場合>
★特定不妊治療費助成事業
■対象者
年齢制限 なし(ただし、令和3年度からは妻の年齢が43歳以上で開始した治療は対象外)
■所得制限 なし
■給付内容
1)1年度あたり30万円が上限で、都の助成金にプラスされる。
2)通算5年度まで(各年度あたり助成上限額に達するまで)
3)特定不妊治療のうち精子を精巣または精巣上体から採取するための
手術を行った場合は、1年度あたり15万円が上限で、都の助成金にプラスされる。

<京都府京都市の場合>
★一般不妊治療費助成事業
医療費の自己負担額を2分の1助成。ただし、助成額が1年度の治療につき、
1人あたり6万円(人工授精を含む場合は10万円)を限度とする。
★不育症治療費助成事業
医療費の自己負担額を2分の1助成。ただし、助成額が1回の妊娠につき、1人あたり10万円を限度とする(事実婚夫婦含む)。

<群馬県高崎市の場合>
■対象者 年齢制限なし ■所得制限 730万円未満(夫婦合算)
★特定不妊治療の助成
1回につき、初回30万円、2,3回目は国の助成金に5万円上乗せ。7回目以降は10万円の助成。
★男性不妊治療の助成
初回治療30万円、2~6回目まで上限15万円、7回目以降上限10万円
★交通費助成
県内医療機関 /1回につき2000円 県外医療機関 /1回につき1万円





出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.47 2020 Autumn
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