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自然周期採卵の場合、HCGを打つ最適なタイミングは?

コラム 不妊治療

自然周期採卵の場合、HCGを打つ最適なタイミングは?

排卵に導くLHサージを起こすために使うHCG注射。最適なタイミングで打つためにはどのような判断が必要になるのでしょうか。臼井医院不妊治療センターの臼井彰先生にお話を伺いました。

2020.10.15

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※2020年8月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.47 2020 Autumn」の記事です。


Dona(45歳)からの相談
● HCGを打つタイミングについて
前回、低刺激で採卵したのですが、D19で卵胞が19mmと18mm、10mm2つでE2が839pg/ml、P4が2.7ng/mlで、P4が高く待てない数値といわれ、当日HCGを打ち、2日後に採卵。卵子が2個採れたものの、どちらも未成熟でした。今回は刺激を休む意味も込めて完全自然周期採卵にしました。昨日D13で卵胞16mmと7mm、E2が220 pg/ml、P4が1.2 ng/ml、LH尿検査は反応なしでした。自然周期なので待てない数値といわれ、昨晩D21にHCGを打ちましたが、打つタイミングが早い気がして悶々としています。前回より卵胞が小さく、P4の数値も低いので、もう1日くらい待ってもよかったのではないでしょうか。

Advice
●自然周期なら毎月採卵にトライできる。
●ホルモン値をみて注射の時期を決定。
●採卵時期を延ばすことで成熟卵を期待。

お話を伺った先生のご紹介

臼井 彰 先生(臼井医院不妊治療センター)


東邦大学医学部卒業。東邦大学大森病院で久保春海教授の体外受精グループにて研究・診察に従事。医局長を経て、1995 年より現在の東京・亀有にて産婦人科医院を開業。

≫ 臼井医院不妊治療センター

HCGは卵巣に直接働きかけてLHサージを起こす薬です


完全自然周期採卵とはどのような方法なのでしょうか。

排卵誘発剤などの薬をまったく使わず、自然妊娠とほとんど同じ状態で採卵を目指す方法です。採れる卵子の数は基本的には1個で、ロング法やショート法などの高刺激法と比べると少ないのですが、毎月採卵にチャレンジできるというメリットがあるんですね。デメリットとしては排卵を予測するのが少し難しく、ホルモン値の的確な解析が必要だったり、通院回数が増えることがあります。
Donaさんは、卵巣に残っている卵子の数を示すといわれているAMH(抗ミュラー管ホルモン)の値が0・93 ng /mlとのこと。年齢が高いので低い数値ですが、1 ng /ml以下でも刺激して採れる卵子の数が増える方もいらっしゃいます。卵子が採れる可能性があるのなら、できるだけ多くの数を確保したいので、当院では最初から自然周期による採卵を選択することはほとんどありませんが、「刺激をしても採卵数が増えない」「違うやり方でトライしたい」という場合にはご提案することがあります。

HCGはどんな目的で使うお薬ですか。

HCGは卵胞の成熟を促し、排卵へと進ませるLHサージを起こすために打つ注射薬。LHサージを起こす薬として、ほかにGnRHアゴニストの点鼻薬があります。これは脳の下垂体という部分に作用してLHサージを起こしますが、HCGは卵巣に直接作用してLH効果を出していくもの。下垂体の機能が悪い方でも使える薬ですが、卵巣が腫れやすい方に使うとOHSS(卵巣過剰刺激症候群)になるリスクが高まるので、患者さんによっては注意が必要になります。


LH値が2桁に上がってくると排卵してしまう人が多い


HCGを打つタイミングが早かったのではないかと心配されていますが、打つ時期は何を基準に判断しているのでしょうか。

当院の場合は卵胞の大きさとE2やLHなどの血中ホルモン値をみてHCGを打つタイミングを決めています。卵胞径はだいたい18~20 mm、E2値は1個の卵胞あたり200~300pg /ml、LH値は10 mIU/ mlより低いかどうか。数値が2桁に上がってくると排卵してしまう人が多いので、30、40くらいになったら急がなくてはいけません。
P4は値が上がったからといってすぐに排卵するかどうかは何ともいえませんね。自然な形だと1 ng /mlを超えると排卵した状況だと考えられますが、排卵誘発をしたり、DHEAというサプリメントを飲んでいると値が上がってしまうことがあるので、当院では参考程度にしています。
排卵前か排卵済みなのか、今注射を打つべきかの判断はやはりLH値が重要なポイントになってくるかと思います。

ホルモン値を細かくみていくことが重要なんですね。

ただし、細かくみていってもうまくいかないこともあります。特に年齢が高い方の場合、タイミングがうまく見極められなかったり、排卵するギリギリのところを狙えたとしても、採れた卵子の状態がよくなかったケースも少なくないですね。
また、あくまでも自然な形なので、周期によって状況が変わることもあります。一喜一憂せず、ダメだったら次の周期でやり直すという気持ちで臨まれるといいのでは?
成熟卵が採れないようなら、採卵のタイミングをもう少し延ばしてみてもいいかもしれません。通常ならHCG投与後36時間後に採卵をするところ、38~39時間後に設定してみるなど。また、アンタゴニストでLHサージを抑えつつ、HMGでもっと卵子を成熟させて、最後にHCGを使うという方法もあります。同じ自然周期でも少しずつやり方をアレンジして、ご自身に合う形を探していっていただきたいですね。


先生から
HCG注射を打つタイミングは卵胞の大きさとホルモン値をみて決めていきます


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出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.47 2020 Autumn
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