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胚盤胞を3回移植しても妊娠しません。何か検査が必要ですか?

コラム 不妊治療

胚盤胞を3回移植しても妊娠しません。何か検査が必要ですか?

「今の病院では、移植の方法は1 つだけとのこと。このまま移植の回数を重ねたほうがよいのか、何か検査などが必要なのか、迷って焦っています。」

2013.10.16

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相談者
とまとさん(38歳)
■ 昨年、不妊治療クリニックで主人の非閉塞性無精子症がわかり、MD-TESEで精子を採取し、凍結しました。昨年末の採卵では16個採れて13個受精し、すべて凍結しました。生理周期は30~35日。AMH値はわかりませんが、卵巣年齢は若いといわれています。今年に入り、ホルモン補充周期で3回移植を行いました。凍結胚融解後は脱出胚盤胞2回、胚盤胞1回で12Aから22Aのグレードでした。しかし3回とも着床した様子はありませんでした。今の病院では、移植の方法は1 つだけとのこと。このまま移植の回数を重ねたほうがよいのか、何か検査などが必要なのか、迷って焦っています。



ジネコ:ご主人が非閉塞性無精子症で、MD-TESEをされたそうです。


小田原先生:男性側の因子からいいますと、非閉塞性無精子症は、精管が詰まっているわけではないけれど精子が少ない、もともと睾丸でつくられている精子がよくないという状態です。この症状ではなかなかいい精子が採れないケースもありますが、ご主人の場合、実際に精子がたくさん採れたということですから、状況としてはよかったと思います。
また、精子の中心体がしっかりとした機能を持っていないと受精や卵割に影響を及ぼすこともありますし、精子側の要因も胚盤胞の発育に関わっているといわれています。とまとさんご夫婦の場合は、最終的に胚盤胞まで育っているので、精子側の要因というのはある程度克服されていると判断できます。
今後するべきなのは、もうしているかもしれませんが、男性側の染色体の検査です。精子の状態が悪い場合、染色体の問題が合併していることも。たとえば染色体の転座や逆位があると、受精卵の質や着床率に影響するものもあるかもしれません。


ジネコ:ほかに、着床しない要因として何が考えられますか?


小田原先生:女性側に関しては、卵巣年齢が若く、実際ある程度の数の卵子が採れているので、おそらくAMH値もかなりいいレベルなのだと思います。ただ、実年齢が38歳ということは、やはりある程度、卵子の質が低下しているケースもあります。
一見いい胚盤胞でも、卵子側の質の問題で妊娠しないケースはあります。「12A、22A」というのは通われているクリニック独自のグレードの表し方のようなので、どの程度なのかわかりませんが、いずれにせよ我々は胚のよし悪しを形態的に判断するしかありません。形のいい胚でも染色体の異常があることがあり、着床率が下がる場合があります。
一方で、採卵16個という過程で、過剰反応を示したりする場合には、背景として多嚢胞性卵巣や、それに似たような病態がある場合があります。次の移植の前に、LH-RHテストや糖の負荷試験を行うなど、チェックは必要かと思います。
検査でも問題がなく、いい胚を内膜のいい状態で戻してもなかなか妊娠しない場合は、次は着床不全を疑います。着床不全そのものの検査というのはないのですが、習慣性流産が症状として近いので、その検査である甲状腺機能や、免疫性因子のスクリーニングテストをしたり、当院であれば子宮の中のサイトカインといわれる免疫物質も調べます。
移植は、反復成功例のあるシート法や、移植前に子宮の内膜に小さな傷を加えるという方法を試みてもいいかもしれません。これらの方法はエビデンスが確立されたものではありませんが、とまとさんは凍結胚があと10個残っていますから、いろいろ試してみるといいと思います。



小田原 靖 先生
東京慈恵会医科大学卒業、同大学院修了。1987年、オーストラリア・ロイヤルウイメンズホスピタルに留学し、チーム医療などを学ぶ。東京慈恵会医科大学産婦人科助手、スズキ病院科長を経て、1996年恵比寿に開院。AB型・みずがめ座。今回の取材時は、8月のクリニック移転の準備で大忙しだった先生。「日本の基準となるような施設やシステムを作りたいという思いと、現実のすり合わせが大変でした。それでも自分が理想とするクリニックができたと思います。実際に動いてくれたスタッフに感謝しています」。






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