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体外受精3回とも 胚が2日目以降育たずに移植ができませんでした

コラム 不妊治療

体外受精3回とも 胚が2日目以降育たずに移植ができませんでした

「AMH値も低く、少しでも妊娠に役立てばと、ビタミンE、葉酸、コエンザイムQ10などのサプリメントも摂っていますが、ほかに自分で心掛けるべきことなどはありますか。」

2013.11.29

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相談者
☆にこ☆さん(35歳)
■ 今年に入って3回体外受精にチャレンジしました。ショート法・アンタゴニスト法で、毎回7~8個ほど採卵できますが、成熟卵が少なく、受精しても染色体異常を起こしたり、正常受精卵でもフラグメントが多く、胚が2日目以降育たないために3回とも移植できませんでした。現在の病院からは「これ以上治療法はないので」との理由で転院を提案されています。AMH値も低く、少しでも妊娠に役立てばと、ビタミンE、葉酸、コエンザイムQ10などのサプリメントも摂っていますが、ほかに自分で心掛けるべきことなどはありますか。



ジネコ:胚が2日目以降育たない原因は?


柏崎先生:この方はまだ35歳ですが、AMHの値が1.99と年齢の割に低いです。そこからみても、卵子の質が低下しているのではないかと推測されます。質が下がると、せっかく受精しても成長しにくい。フラグメントの原因はまだはっきりしておらず、染色体や遺伝子異常ともいわれますが、受精卵にフラグメントが多くなるのも、卵子の質の低下が一つの原因と思われます。


ジネコ:これ以上同じ病院で治療を続けても、妊娠は望めないでしょうか?


柏崎先生:まだ可能性はあると思います。まず、トライしてほしいのは、低刺激法での採卵です。内服のクロミッド®や自然周期といった初歩的な治療に、いったん戻してみてはいかがでしょうか。「押してもだめなら、引いてみる」ように、目先を変えるというのも一つの手だと思います。現在通われている病院では、毎回7~8個を採卵しているとのこと。そこから想像するに、かなりの高刺激で採卵しているのではないでしょうか。もちろんこの治療法も間違いではなく、私でも35歳の患者さんであれば、最初は高刺激で採卵します。でも、医師によって見解が異なるところですが、AMHの値が低い患者さんに対してたくさん刺激を与えても、良い結果が得られないことのほうが多いというのが一般論です。まだ時間的にも余裕があるので、低刺激で、卵子の「数」より「質」を期待してみるのもいいかもしれません。もう一つは、移植のタイミングを変えてみてはいかがでしょうか。移植は、受精してから5日目の卵子を子宮内に戻す胚盤胞移植が一般的です。通常、胚は2~3日目で4~8分割になり、4日目でおよそ16分割になります。16分割になるとそれぞれの細胞同士が密着し、細胞がぎっしりと詰まった状態になります。この状態の胚が、「胚盤胞」。自然妊娠の場合、受精から5~6日かけて胚盤胞まで育った卵子が、子宮内に戻ってきて子宮内膜に着床します。つまり、「胚盤胞移植」は、受精してから5日ほど経った「胚盤胞」のほうが子宮内膜に着床しやすいのではないか、という発想から生まれた移植法です。しかし、この方の場合は2日目以降は育たないとのこと。でも、逆を言えば2日目までは育っているのですから、思いきって胚盤胞になる5日目を待たずに体内に戻す、というのも一つの方法。非主流ではありますが、試してみる価値はあると思います。インターネットなどから得られる情報は正直に言って玉石混交ではありますが、やってみたいと思う治療法があるのなら、主治医に積極的に提案してかまいません。どうか、「もしもこの治療法を試していれば、妊娠したかもしれない」といった後悔が残ることがないようにしてください。主治医も、「この治療法はこういう理由であなたには合わない」「こういったリスクをともなう」といった解説はするかもしれませんが、患者さんが「どうしてもやりたい!」と強く望むなら、その意見を無視することはありません。


ジネコ:卵子の“質”を高めるために、自身で努力できることはありますか?


柏崎先生:それがわかれば、不妊治療も少しは楽になるのですが、残念ながら“これが効く!”というものはありません。ただ、「生活のリズムを整えること」は卵巣を健康にし、妊娠に良い影響を及ぼすのではないかと、個人的には考えています。卵巣に指令を出しているのは、脳の下垂体というところ。その下垂体を支配しているのは視床下部と、二段構えで卵巣はコントロールされています。視床下部の働きは体内時計に左右されやすいため、規則正しい生活を心掛けると、卵巣機能も安定しやすいと考えられます。早寝早起きでなくともかまいませんが、せめて起床・就寝と三度の食事だけは、時間を決めてみるといいでしょう。さらに、この時間帯は散歩、この時間帯は昼寝、この時間帯は入浴、と日課で生活リズムをつくると体内時計が整いやすくなります。サプリメントも、自身の体調が良くなるといった効果を感じられるのであれば続けてかまいませんが、葉酸をはじめとしたビタミンなどに、妊娠しやすくなる作用、卵子の質を高める作用はありません。「できれば飲みたくないけれど、妊娠に少しでも役立つなら」と嫌々飲んでいるのならやめていいと思います。ストレスが妊娠の大きな妨げになるのは、言うまでもありませんから。


ジネコ:現在の主治医から「これ以上治療法はない」と転院をすすめられています。


柏崎先生:ご質問からはどういった状況で転院をすすめられたのかわかりませんが、主治医との信頼関係が築けているのなら「なぜ転院すべきなのか、どういった病院に転院すべきか」といった質問を、まずはしてみてください。今やどこの病院でも、培養技術や培養方法、施設による差はほとんどないと思います。転院して変わるとしたら、採卵のタイミングと誘発方法くらいでしょうか。医師が自分の立場を知って、もっと高次の施設をすすめることはよくありますが、その場合、どこに転院するかは、患者さんが求めれば、適当なアドバイスをしてくれて、紹介状などを書いてくれるはずですので、遠慮なく申し出てもいいかと思います。また、患者さんご自身で調べられてどこに転院したいかの希望があれば、その旨を伝えてもいいのではないでしょうか。



柏崎 祐士 先生
京都府立医科大学医学部卒業。2000年まで日本大学板橋病院で主に不妊治療に従事し、その間、米国エール大学医学部産婦人科で研修。その後、「かしわざき産婦人科」副院長に。日本生殖医学会生殖医療専門医、日本産科婦人科学会認定医。O型・おとめ座。「今年の夏休みは、何もしないでぼーっとしているのが最大の至福の時間でした。気分転換に毎日、2回も駅前のスタバに通い、おかげでほとんどメニューは制覇。ささやかだけど、今の最大の楽しみです(笑)」と先生。




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