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グレード3BBの凍結胚。フラグメントがあっても問題ありませんか?

グレード3BBの凍結胚。フラグメントがあっても問題ありませんか?

グレード3BBの凍結胚。フラグメントがあっても問題ありませんか?

2014.1.21

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相談者
おーちゃんさん(31歳)
■ ロング法で15個採卵でき、11個は受精しましたが、凍結できたのはたった1個。14個中の2個はレスキューICSIで、1個は桑実胚までいったものの凍結できず。6、4、2細胞までいった卵もありました。結局、凍結できた1個はグレード3BBの胚盤胞で、フラグメントありです。次回は最初から顕微授精にしたほうがいいと言われました。主人の精子には問題ないようですが、卵子に問題があるのでしょうか?現在は卵巣が腫れて、移植は見送り中ですが、たった1個の凍結胚、グレードは良くないうえ、フラグメントもあり、融解に耐えられるのか不安です。



ジネコ:まず、フラグメントとは何か、教えてください。また、それは不妊の原因になるのでしょうか?


浅田先生:フラグメントというのは、簡単に言うと、細胞分裂した時に飛び散った細胞の切れ端です。これは、また細胞に吸収されることもありますし、そういうものがあっても育つ受精卵はいくらでもあります。それに、若い人の受精卵ほどフラグメントは多く、年齢が高くなるほどフラグメントが少なくて、ある意味きれいです。つまり、フラグメントがあること自体、受精卵が若くて元気の良い証拠ともいえます。もちろん、フラグメントが多すぎるのは良くありませんが、細胞同士の接着が障害されるほどフラグメントが多ければ、それが邪魔をして桑実胚や胚盤胞までは到達しません。ですから、胚盤胞になったものでフラグメントがあっても、特に心配されるような問題ではないと思います。


ジネコ:おーちゃんさんは、基本的な検査では特に異常がなく、卵子もたくさん採れるようですが妊娠できず、次回は顕微授精をすすめられています。


浅田先生:検査でわかる基本的な不妊原因というのは、きちんと精子があるか、排卵しているか、卵管が通っていて、その卵管の卵子を取り込む機能が正常かということだけです。しかし、精子があって排卵できて、卵管が正常だとしても、精子と卵子が出会えても受精卵にならないこともあるし、受精後の受精卵の成長が途中で止まってしまうものも数多くあります。また、子宮にうまく着床できないということも原因に入ります。要するに、いくら検査をして異常がないといっても、そういったお腹の中で起こっていることのすべては、実際には目には見えませんし、検査だけでは不妊原因のすべてはわからないのです。そういったことを踏まえたうえで、何が大きな原因と考えられるかといえば、卵子がうまく育たず、排卵がうまくいっていない、それから育った卵子がうまく卵管に取り込まれないという部分だと私は思います。体外受精とは、その点を補助するものです。そして、もう一つの大きな原因は年齢です。いわゆる卵子の老化ということですが、それは人工授精でも体外受精でも顕微授精でも、改善できないことです。顕微授精というのは、受精卵の中を良くするとか、細胞分割や胚盤胞到達率を良くするための方法ではありません。あくまでも受精の手段です。ですから、体外受精の結果が悪いから顕微授精をしよう、という方針はちょっと違うのかなと思いますね。


ジネコ:先生は、おーちゃんさんの所見を見て、どう診断されますか?


浅田先生:人工授精を8回していて妊娠できないということは、自然妊娠により近い補助をするだけの人工授精では、乗り越えられない障害があると診るべきだと思います。また、ロング法で15個も採卵できたということは、どちらかというと多嚢胞性卵巣に近いのではないでしょうか。AMH値は調べていないようなので詳しくはわかりませんが、おそらく、卵巣予備能が良くて卵子がたくさん育つ方なのだと思います。そうなると大抵の場合、OHSSを危惧して早めに採卵しがちになります。つまり、見た目が成熟卵でも、細胞質が未熟な卵子をたくさん採ったのではないでしょうか。そうすると、おのずと成績は悪くなってしまいがちです。成熟卵を採るには時間と刺激の長さが必要ですが、その間には卵胞ホルモンが分泌し、それにともなって黄体ホルモンも出てきます。しかし、黄体ホルモンが早く出すぎると内膜が早く変化して、着床がうまくいかなくなります。つまり、刺激を強くすると卵子がたくさん採れて成熟卵も多くなりますが、逆に着床率は下がっていきます。新鮮胚移植というのは、その交差点の一番良いところ、ほどほどに成熟卵が採れて、内膜も黄体化していないところで戻していたわけですが、凍結技術が上がった今となっては、卵子を採ることに専念できるので、大切なのは、きちんとした成熟卵を採ることです。そして凍結融解胚移植を行えば、内膜の状態と受精卵が一番いい状態で戻せるため、妊娠率が高いのです。ですから当院では現在、新鮮胚移植は行っていません。100%、凍結融解胚移植です。


ジネコ:今後はどのようにすればいいでしょうか?


浅田先生:おーちゃんさんは現在、ロング法を行っているようですが、刺激法を変えてみてはどうでしょうか。ロング法は自分(内因性)のLH、FSHを完全に抑え込んでしまうので、排卵させる時にはHCGを使う必要がありますが、HCGを使うとOHSSになりやすくなります。おーちゃんさんのような場合は、アンタゴニスト法で成熟するまで待って、GnRHアゴニストを使って排卵させたほうがいいと思います。そうすれば、OHSSはまず心配ないと思いますし、もう少し成熟度の高い卵子が採れて、受精の結果も胚の成長もうまくいくかもしれません。



浅田 義正 先生
名古屋大学医学部卒業。1993年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。2004年、浅田レディースクリニック開院。2006年、生殖医療専門医認定。2010年、浅田レディース名古屋駅前クリニック開院。日本生殖医学会が未成熟卵子の凍結保存を社会的適応として容認した昨今、「慎重に扱うべき問題だと思いますが、それによって若い世代が卵子のことを本質的に知る教育的なものになれば。決して商業的には扱ってほしくないですね」と先生。






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