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ピルの服用によって卵巣機能が悪くなることはあるのでしょうか?

ピルの服用によって卵巣機能が悪くなることはあるのでしょうか?

ピルの服用によって卵巣機能が悪くなることはあるのでしょうか?

2014.3.5

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相談者
たまこさん(年齢記入なし)
■ 採卵移植周期後に陰性で、生理が来てから3日目で採血をしたところ、FSH:7.84、LH:5.83、E2:46.66でした。残卵胞があるかもしれないとのことで、プラノバール®でリセットしました。生理が来て3日目の採血はFSH:12.89、LH:5.92、E2:5.46とボロボロでした。またソフィアA®でリセットをかけて次の周期で採卵すると言われたのですが、数値が戻るとは思えません。以前も、ソフィアA®でリセットをかけた時に、FSHが6から7に上がりました。ピルによってどんどん卵巣機能が悪くなるということはあるのでしょうか?自然にリセットする時は、いつも数値はいいです。また、ピル後の生理の経血量は少ないといわれますが、今回はとても多かったです。



ジネコ:たまこさんは、2種類のピルを処方され、卵巣機能への影響を気にされています。


浅田先生:ホルモン剤は、自分の体にもともと持っているホルモンがうまく作用しない場合に、それを補ったり調整したりするために使うことが多いので、内科や外科で使う薬とは少し意味合いが違います。体の中にあるものと似た成分で、多少摂りすぎても悪いものではないので、安心して飲んでいいと思います。ピルで卵巣機能が悪くなるということは絶対にありません。ただ、つわりの時などもそうですが、ホルモンが急に増えれば体調が悪くなるのは当然なのです。


ジネコ:「プラノバール®」や「ソフィアA®」というピルには、どんな特徴があるのですか?


浅田先生:低用量ピルに比べればホルモンの含有量が多いので、副作用は多少強いと思います。吐き気や、黄体ホルモンが多いとむくみも出ます。最初は強い副作用が出る場合もありますし、慣れるまでに少し時間がかかることもありますが、慣れれば大丈夫ですよ。


ジネコ:この薬は何のために使うのでしょうか?


浅田先生:体外受精をする際には、同じ成熟度の卵子をたくさん採る必要があります。卵子の成熟度がバラバラだと妊娠率が低くなってしまいますし、使える卵子の数が減ってしまうからです。そこで、黄体ホルモンを投与すると、中途半端に卵子が育つのを防ぐことができるのです。たまこさんは前の周期に、ホルモン周期で生理を来させるために、ピルを使っているということでしょう。もう1つ大事なポイントは、前の周期に排卵があると、その後、黄体ができます。次の周期にも黄体の活動が下火になって生理が来るのですが、生理になった後に注射をすると、注射の成分で黄体を再び元気にしてしまうことがあるのです。黄体ホルモンが少しずつ出ることで、子宮内膜の着床条件を悪くして妊娠率を下げる可能性があるので、前の周期に排卵をさせないという目的もあります。1つ気になるのは、「リセット」という表現だと、卵子の成長の初めから全部調節できるような誤解を生みますが、「リセット」とは要するにホルモンの値を調節しているだけなんですね。卵子は、半年もしくは半年以上前に原始卵胞から育ち始めます。卵子になる最後の1カ月の仕上げをするのが排卵誘発です。ですから、卵巣の刺激をするためのホルモンのリセットであって、卵胞の発育そのものがリセットされるわけではないということは、知っておいてほしいと思います。そこからどんな刺激をして、FSH、LHを調整しながら卵子を採っていくかというのが医師の腕の見せどころです。


ジネコ:たまこさんのFSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体化ホルモン)、E2(卵胞ホルモン)の数値の変化についてはどう思われますか?


浅田先生:これはほとんど誤差の範囲内ですね。FSHやLHは、前周期のホルモンの状態で簡単に変わります。ずっと出ているホルモンではないので、たまたま高い数値で出てしまうこともありますし、変動するので、数値の差にあまり意味はありません。さらに、ピルを服用することで十分な女性ホルモンが出ていると勘違いさせて、脳下垂体からのFSH、LHの分泌を抑えるので、たくさん投与すれば当然数値は低くなるのです。私の考えでは、FSH、LH、E2の値のわずかな変化で次の周期を予想しようとすることは間違いだと思います。FSH、LHが目安にならないので、私はアンチミューラリアンホルモン(AMH)を調べています。


ジネコ:ピル使用後の、経血量が多かったことは?


浅田先生:ピルのホルモンに反応して子宮内膜が厚くなり、生理でそれが剥がれ落ちれば、薬剤の量に比例した経血量になります。同じ薬剤を投与しても、細胞増殖能力には違いがありますから、普段よりも内膜が厚くなる人もいれば、あまり厚くならない人もいるでしょう。ピルのホルモン+自分の体が出しているホルモン、あるいは治療の関係で出てきたホルモンでしっかり内膜が作られれば、人によっては内膜が厚くなるということです。


ジネコ:先生なら、今後どう治療しますか?


浅田先生:まず、体外受精の前周期としては、生理3日目にFSH、LH、E2を測っておき、エストロゲンだけを投与します。エストロゲンが高くなればその反動でFSH、LHの分泌量が低くなるので、卵胞の発育を抑えるんですね。それから1週間後にエコーを見て、もう1回ホルモン値を測ります。そうすると、反応の良い人は、卵子の育つ力が強ければ、服用したホルモン以上のホルモン値が出てくるのです。もともと卵子の育ちが悪い人の場合は、1週間経っても数値はほとんど変わりません。そこからその後の2週間に何をするかということです。反応の悪そうな人には最後の1週間だけ黄体ホルモンを投与したり、よく育つ人は2週間投与するなどして、変化を見ます。既製のピルは最初から黄体ホルモンが入っていて、卵巣の活動を抑えすぎるので使いません。一人ひとりの状況を見ながら、投与量を調節するのが私のやり方です。年齢が書いていないのではっきりとは言えませんが、たまこさんはクロミッド®で4個採卵できたそうなので、卵巣の予備能はそれほど悪くないと思います。3個の成熟卵もありますし、2個は胚盤胞になったというのも悪くありません。今後は、まずAMHを測って、予備能をきちんと評価することが必要だと思います。



浅田 義正 先生
名古屋大学医学部卒業。1993年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。2004年、浅田レディースクリニック開院。2006年、生殖医療専門医認定。2010年、浅田レディース名古屋駅前クリニック開院。尊敬する先生から「良い服を着なさい」とアドバイスを受けてから、それまであまり興味のなかったファッションに関心を持つようになり、最近はお気に入りのブランドもあるという、お洒落な浅田先生。






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