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どのような卵巣刺激が向いているのか教えてください

コラム 不妊治療

どのような卵巣刺激が向いているのか教えてください

「胚移植後(治療を始めてからの?)の経血の量が減ってきています。妊娠に影響はありますか?黄体の薬の影響でしょうか。」

2014.3.7

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相談者
ミルクさん(42歳)
排卵誘発はアンタゴニストを2回、低刺激を2回行い、それぞれ4~6個の卵子が採れました。胚盤胞を2回、初期胚を1回移植しましたが、妊娠に至りません。採卵数も少ないほうなのでしょうか?毎回、すべて受精はしています。AMHの値は3.42です。今後、どのような治療が向いているのか教えてください。なお、胚移植後(治療を始めてからの?)の経血の量が減ってきています。妊娠に影響はありますか?黄体の薬の影響でしょうか。また、精子の運動率が基準のぎりぎりで、顕微授精しかしてもらえません。体外受精は無駄でしょうか?



ジネコ:アンタゴニスト法と低刺激による卵巣刺激で4回の排卵誘発を行ったものの結果が出なかったことから、排卵誘発法について疑問を感じていらっしゃるようです。


苔口先生:アンタゴニスト法、低刺激、いずれの刺激法においても、受精してきちんと胚盤胞まで育っていますので、治療方針としては間違っていないと思います。ですが、治療の鉄則として、今までとまったく同じ方法をくり返すのはよくないと思いますので、私からは2つの方法をご提案します。まず一つは、ロング法を試してみてはどうかということ。刺激法を変えるということですね。ロング法は、比較的若い患者さんを対象に行う刺激法と思われていますが、高年齢の方にロング法を試みて妊娠率がアップしたというデータがあります。簡単にいえば、アンタゴニスト法はご自身のホルモンはそのままに、上から注射で補っていく方法で、ロング法はご自身のホルモンのレベルを少し下げて、その上から注射で補っていく方法。もしかしたら、以前に注射の多い治療がつらかったという経験がおありかもしれませんが、以前とは異なるアプローチになるので、良い結果につながる可能性があります。もう一つは、同じ低刺激でも内服する薬を替えてみること。もし、以前の治療でたくさん注射が必要なアンタゴニスト法がつらかったのであれば、ロング法より低刺激がいいのかもしれません。今までセロフェン®、クロミッド®療法をされていたので、次はフェマーラ®を使った低刺激法はいかがでしょうか。


ジネコ:なるほど。受精の方法としては、やはり通常の体外受精よりも顕微授精が望ましいでしょうか?ご主人の精液所見があまり良くないということです。


苔口先生:ご主人のデータを拝見しますと、SMI(精子自動性指数)の値がかなり低値です。当院でも、体外受精の際に補助的にSMI値を調べていますが、50以下の場合は受精率がかなり落ちますので、顕微授精をおすすめします。ご主人の4という値は、ほとんどまっすぐに進んでいる精子がいないといってもいい状態。あとは、PMSC(直進運動精子濃度)ですが、こちらも0.2とかなり低値です。体外受精の場合、精子はまっすぐに走る力を持っているほうが受精しやすいですよね。SMIが50以上とかであれば、スプリットといって、半分を体外受精、半分を顕微授精と分けて受精させる方法もご提案しますが、この所見ですとデータが低すぎるため、境界にありません。精液のデータは体調やストレスにも左右されることが多いので、当院では体外受精当日も計測していますが、おそらく4から改善して50になることは考えにくい。やはり、確実に受精させることができる顕微授精が必要ではないでしょうか。


ジネコ:移植法についてはいかがですか?


苔口先生:排卵誘発の際にクロミフェンと注射を使っているので、おそらくその影響ではないでしょうか。黄体補充の薬の影響ではないと思います。経血量が減っているのは、クロミフェンの抗エストロゲン作用の影響が続いていて、子宮内膜が薄くなっている可能性が高いですね。


ジネコ:採卵数が少ないのではないかという懸念もあるようですが。


苔口先生:年齢が現在42歳ということで、採卵数はやはり10個程度が妥当な数でしょう。ロング法などに比べると、アンタゴニスト法の場合は、やはり採卵数が減少すると思います。ただし、先日、学会でも発表させていただいたところですが、たとえ卵子がたくさん採れたとしても、妊娠率は低刺激の場合とさほど変わりはありません。成熟した卵子が10個採れたとしても、それがすべて妊娠に結びつくかというとそうではなく、結局、妊娠の可能性は質の良い卵子1~2個に集約されてしまうということです。また、一口に低刺激といっても、厳密にはアンタゴニスト法か低刺激かという2つに1つの選択肢ではありません。低刺激法、というハッキリとした定義などないのです。注射の数にしてもアンタゴニスト法であれば7~8本くらい、低刺激は通常2本くらいが一般的だと思いますが、低刺激でも4本以上注射をした場合に妊娠率がアップしたというような報告もあります。当院でも患者さんの状況によって内服薬の種類や、注射の量、本数などが決まります。排卵誘発、受精、移植、いずれの治療法も、大切なのは同じ治療をくり返すことなく、状況に応じて前の治療と変えてみること。そして、ミルクさんも担当の医師と相談しながらなるべく体の負担とならないような治療を選択していってほしいと思います。



苔口 昭次 先生
1984年、宮崎医科大学を卒業。卒業と同時に岡山大学医学部産婦人科学教室に入局。高知県立中央病院産婦人科勤務、神戸掖済会病院産婦人科部長を経て、2004年9月より英ウィメンズクリニック勤務、2013年3月に院長就任。卵管鏡下卵管形成手術(FT)に関して国内有数の実績があり、国内およびアメリカ生殖医療学会にて発表の経験も豊富。心身統合医療にも精通する。B型・おひつじ座。休日は神戸•六甲山のトレッキングなど、自然の中へ出掛けることが一番のリフレッシュ法だそう。






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