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低刺激で採卵当日に排卵…。私の場合、排卵誘発はショート法しかないの?

コラム 不妊治療

低刺激で採卵当日に排卵…。私の場合、排卵誘発はショート法しかないの?

「アンタゴニスト法などほかの方法はないのか、それともショート法で3回妊娠できているので、このまま続けたほうが良いのか、教えてください。」

2014.12.4

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相談者

沈丁花 さん(42歳)


低刺激で排卵済み、ショート法しかないでしょうか?高齢ですが、1年に一度妊娠できているため、流産を繰り返しても諦められずにいます。これまで低刺激で2回行い、採卵当日に排卵してしまっています。排卵済みをふせぐためにアンタゴニストや座薬を使うこともあるそうですが、私の場合は「アンタゴニストを使うと卵胞が縮んでしまう」「排卵済みを防ぐには高刺激にするしかない」と医師に言われました。他はずっとショート法で、採卵数にばらつきがありますが、その都度、新鮮初期胚移植は行えています。アンタゴニスト法などほかの方法はないのか、それともショート法で3回妊娠できているので、このまま続けたほうが良いのか、教えてください。




-- 沈丁花さんは39歳の時からこれまで7回採卵を行い、1回目から4回目まではショート法、5・6回目はクロミッド(R)+HMG注射による低刺激法、7回目はまたショート法による卵巣刺激を行っています。低刺激法の時は2回とも採卵時に排卵済みになってしまったということですが、なぜこのようなことが起こってしまうのでしょうか。


臼井先生: 排卵済みになってしまうことは珍しいことではないと思います。特に低刺激法だからということではなく、アンタゴニスト法の場合でも、排卵のサインであるLHサージが早めに来てしまう方もいらっしゃいます。ただ当院の場合、2回も排卵済みが続いてしまうというケースはあまりないですね。

はっきりとした原因があるというより、偶然であることが多いのでは。年齢が高くなるとホルモンの状態が不安定になったり、お薬が効きにくくなる場合もあるので、なかなか予測通りにいかないこともあります。しかし、1回そのようなことが起きれば、次は繰り返さないように予防策が打てるのではないでしょうか。


-- 沈丁花さんもおっしゃっているように、アンタゴニストや座薬を使うということでしょうか。


臼井先生: 確かにアンタゴニストを使うことはあります。すでに使っている場合でもしっかり効いていないという思われる時は、最後の段階で量を倍に増やすなどの措置をとることも。そうすると効く方が多いですね。

座薬については、これはおそらくボルタレン(R)というお薬のことだと思います。排卵というのは人間の体にとって炎症の1つなので、それを防ぐという意味で抗炎症作用のあるボルタレン(R)のような座薬を使います。

当院では、排卵済みになってしまうという場合、両方とも選択肢に入りますね。どちらを使うかの判断基準としては、アンタゴニストは排卵を抑えるお薬なんですが、その力が強すぎてしまうことも。ですから、初めてという方にはあまり使わないようにしています。ボルタレン(R)にはそこまで強い効果はないですし、注射ではないので痛みもありません。お薬の量も少なくなるということでアンタゴニストよりハードルは低く、どのような方にも使えるやり方ではないでしょうか。


-- 担当の先生がおっしゃっている「アンタゴニストを使うと卵胞が縮む」というのは、お薬の効果が強すぎるから、ということなんですね。


臼井先生: 「縮むというのは卵胞の育ちが悪くなるということだと思います。防ぐためには、アンタゴニストを使ったらHMGの注射も足してあげる。そうすると、卵胞もちゃんと育つことが多いですね。


-- では、排卵済みを防ぎ、妊娠に近づくためには最終的にどのような卵巣刺激法を選択すればいいのでしょうか。これまではショート法が多かったようですが。


臼井先生: 卵巣の予備能をみるAMH(抗ミュラー管ホルモン)の数値はわからないということですね。ショート法を選択されて、39歳の時に15個、40歳で10個と3個、41歳で6個、42歳で3個卵子が採れています。ご年齢の割には多く採れて、残念ながら流産という結果に終わっていますが、5回のうち3回妊娠もされています。この過程から考えればショート法は沈丁花さんに合っており、先生もこの方法にこだわるお気持ちもわかるような気がしますね。

しかし、やはり加齢による卵巣機能の低下のためか、採れる数がだんだん少なくなってきています。お薬を強めにたくさん使っても、卵巣が反応しなくなってきているのではないでしょうか。

ショート法で強めの刺激をすれば採れる卵子の数は増えるのですが、最後はHCGで切り替えなければいけません。OHSS(卵巣過剰刺激症候群)になってしまうリスクもあるので、当院では行っていないんですね。沈丁花さんも初回は15個採れて、それも新鮮胚移植をしているのでOHSSになる確率は非常に高かったと思うのですが、現在はおそらく卵巣の反応が鈍く、ショート法を行ってもそのリスクは少ないでしょう。

しかし、採れる卵子の数が減ってきているのなら、そんなに高い刺激をしても意味はない気がします。注射をたくさんしても3個であれば、体にも経済的にも負担が減る低刺激で3個目指したほうがいいと思うんですね。


-- 排卵済みを防ぎながら低刺激をしていく方法がベストということでしょうか。


臼井先生: 排卵済みを心配されるようであれば、前述したようにアンタゴニストを加えていく。アンタゴニストもいろいろな使い方があります。通常のアンタゴニスト法は、最初からHMGを使って途中からアンタゴニストに切り替えるのですが、沈丁花さんの場合、基本は低刺激で最後だけアンタゴニストを使う方法をとればいいのではないでしょうか。座薬ではおそらく効き目が弱いと思うので、排卵済みを防ぐためにはやはりアンタゴニストを選択されたほうがいいと思います。

ずっと同じ刺激法でしたら、違う方法をとることで体の反応が変わり、結果が出る方も。そういう意味でも変えてみたほうがいいかもしれませんね。これまで卵子は採れているのですから、やり方を工夫すればまだ妊娠される可能性はあると思います。




臼井 彰先生


東邦大学医学部卒業。東邦大学大森病院で久保春海教授の体外受精グループにて研究・診察に従事。医局長を経て、1995年より現在の東京・亀有にて産婦人科医院を開業。ファンクラブに入るほどジャイアンツの大ファンの臼井先生。以前は優勝すると、球場近くの公園でビールかけをしていましたが、最近は風邪を引いてしまうので飲むだけ(!?)で我慢しているとか。




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