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8回移植しましたが化学流産の繰り返し。移植を続けても大丈夫?

8回移植しましたが化学流産の繰り返し。移植を続けても大丈夫?

2015春

2015.3.12

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相談者
えみたんさん(34歳)
2人目不妊です。再婚で治療開始2年半、卵管閉鎖です。一度目の採卵で16個採れたのですが、受精6個、新鮮胚5個でした。6個とも6回の胚移植までいったものの陰性で、そのうち2回着床しかけて化学流産しました。今回2回目の採卵(ロング法)し、18個のうち受精12個、顕微授精1個でした。最終数は6個で、顕微授精させた卵はダメでした。リンス法での新鮮胚の移植結果は陰性7回目です。今回8回目の胚盤胞グレードAで化学流産しました。HCGの数値が3.4しかなく、ネットで調べるとHCGの数値が100ないと妊娠は難しいという意見が多かったのですが、先生は20あればいいとのことでした。それでも全然足りてないのですが、化学流産を8回中4回。先生には「着床していないと全然数値が出ないから、着床しかけているから大丈夫」といわれました。本当にこのまま移植を続けて結果が出るのでしょうか?



えみたんさんは8回の判定すべてが陰性でした。これまでの治療法についてご意見をお聞かせください。


向田先生:えみたんさんは34歳で、卵管閉鎖のため体外受精を受けており、1回目の採卵16個、2回目の採卵18個と十分卵子は採取できているので、卵巣機能は基本的に問題ないと思われます。また出産経験があることより、子宮も問題ないと思われます。質問内容からは具体的にどのような治療を受けておられるのか判りませんが、基本的に同じ方法を繰り返されているのではないかと思います。

採卵されるすべての卵子が良質ということは一般的になく、1回に10個以上採卵される場合でも、挙児に至る卵はその一部であったり、またはその周期には存在しないことも起こり得ます。全ての受精卵を1個ずつ移植し、8回胚移植を行ったのに挙児にならない点は精神的にもつらい状況と思いますが、これらの中に挙児に至る卵はなかった可能性があり、卵が得られる34歳で出産既往もあることから可能性は十分あると思います。


では、えみたんさんは今後どのような治療を進めたらいいでしょうか?アドバイスもお願いします。


向田先生:これまで陰性だったというのは、その周期に採れた卵子の質が良くなかったと判断し、ロング法からアンタゴニスト法へと誘発法を変更してみます。たくさん卵子が採れるタイプの人は、エストロゲンという女性ホルモンの値が高くなり、卵巣も腫大していることが多いため、新鮮胚での移植は着床率の点からも適切とは言えません。この場合お勧めするのは、受精卵を採卵後5~6日目まで培養し、胚盤胞に達した胚のみを低温保存し、その後の周期に移植する凍結保存胚融解移植法があります。着床しやすい状態の子宮内膜を準備するため、ホルモン剤の内服や貼付法を用いるか、または自然排卵周期でアレンジします。更に子宮鏡を用いて子宮内腔に異常がないかどうか、チェックするのも有益と考えられます。34歳という年齢と排卵誘発による反応が良い卵巣という点から、上記の方法により妊娠する可能性は高いと思われます。

体外受精という1回につき高額な治療費を要する治療を受けておられるので、新鮮胚移植周期を行いたい、得られた受精卵は1個ずつすべて移植に向けたい、と思われるかもしれませんが、30歳以上になってくると、たくさん卵が取れたとしても若い時に比べて妊娠・出産に至る良い質の卵の割合は低下してきます。えみたんさんの様に、たとえ16個や18個採卵できたとしても、出生児に至る卵子が必ずあるとは限りません。胚盤胞に達しているからといっても、260日後に出産に至る保証はないのが現状です。

一度の採卵で得られた胚盤胞を形態的に良いものから1~2個ずつ凍結保存し、3回から4回移植しても良い結果が出なければ次の採卵に向けるべきでしょう。形態の良い胚から順番に移植するので7回目や8回目の移植に用いられる胚の質は決して高いとは言えません。そうやって時間とお金を費やすよりは次の周期に方法を変えてトライするべきでしょう。最終的に治療施設を変えることで、治療方針、培養環境、採卵移植技術の違うアプローチを試みるのも有効な選択肢だと思います。


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.25 2015 Spring
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向田 哲規先生


高知医科大学卒業。同大学産婦人科医局に入り、不妊治療・体外受精を専門にするため、1987年、アメリカ・マイアミ大学生殖医療体外受精プログラムに在籍、1990年から5年間NY・NJ州のダイヤモンド不妊センターに在籍後、1996年より広島HARTクリニックに勤務し、現在院長として臨床に従事する。「昨年・今年と広島HARTクリニックに海外から訪問者が複数来られ、クリニックの見学だけでなく、世界遺産が2つある広島の良さも知って頂くようアレンジし、日々の臨床と同じく『おもてなし』の心で対応しながら、日本・広島の良さを伝えるようにしています。」





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