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正しい排卵日検査薬の使い方

正しい排卵日検査薬の使い方

2015春

2015.3.12

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正しい排卵日検査薬の使い方



尿をとるだけで簡単に排卵日を予測できる排卵日検査薬。妊娠をめざす女性にとって頼もしい味方です。一方で『ジネコ』には、使い方や検査結果の精度について疑問が多数寄せられています。排卵日検査薬を正しく知って上手に活用するポイントを、たんぽぽレディースクリニックあすと長町の吉田英宗先生に教えていただきました。



排卵日検査薬はおおまかな目安を知る便利なアイテム


排卵のサインは、脳下垂体から分泌する黄体化ホルモン(LH)の急上昇LHサージです。このLHサージを自宅で尿検査によって簡単に調べることができるのが、排卵日検査薬。とても便利ですが、ウェブ『ジネコ』の投稿でも「病院の検査結果と違う場合がある」といった不安の声も聞かれます。一般不妊治療の際に排卵検査薬を積極的に取り入れているという、たんぽぽレディースクリニックあすと長町の吉田先生に、その活用法を伺いました。

「排卵日検査薬は、尿をスポイトで採って検査キットに落とすだけで排卵日の予測ができます。病院に来る前に自宅で簡単に測ることができ、身近なアイテムとして有効だと思います。基礎体温よりも精度が増します。月経周期が不安定な人は、基礎体温だけでは排卵日がわかりにくい場合があるからです。
当院では、一般不妊治療で来院された患者さん全員に診療中に使用しています。排卵しているかどうか、排卵日検査薬とともに、血液検査や超音波検査で卵胞のチェックを行うなど、その他の検査と併せて総合的に取り入れています。その上で患者さんには、検査薬はあくまで一つの手法であると話しています。当院で使用しているのは、判定プレートの色の濃度で判断するタイプですが、ラインが出てくるタイプや海外の輸入品をインターネットで入手する患者さんも目立ちます。検査結果には個人差もあり、全員にくっきり陽性反応が出るとは限りません」

排卵日検査薬だけを頼りにしてはいけないということですね。

「はいそうです。極端な例ですが、卵巣の機能が低下し始めた40代の女性のケースでは、LHの基礎値が高いために排卵日検査薬では、つねにうっすらと陽性反応が出続けてしまいます。診察を受けると、卵胞は育っていません。また、多嚢胞性卵巣症候群のなかにもE2(卵胞ホルモンのエストロゲン)の値が上がり、LHサージに影響して陽性反応が出るケースがあります。こちらも診察を受けると卵胞は育っていません」

検査キットの結果が「病院の検査結果と違う場合がある」という声を多く聞かれますが、このようなことも一因と考えられそうです。


すべてのチャンスを大事に排卵日検査薬が役立つ


排卵日検査薬を自宅で正しく使う際のポイントを教えてください。

「LHサージは個人差が大きく、同じ人でも周期が異なり、朝と夜でもバラつきがでてきます。可能なら1日2回、または昼間に1回検査をするといいのでは。無理をせず、ストレスにならないようにしましょう。また自宅では、LHサージが開始から終わりまでのどの段階なのか判定が難しいのも事実です。昨日は反応がなかったのに今日は陽性反応が出た。そんな場合は、なるべく早めに性交渉を持つことをおすすめします。寿命が短い卵子に比べ、精子の寿命は2~3日と長い。精子が先に卵管に待機して排卵になるのが理想です。
当院では、排卵日検査薬はタイミング指導だけでなく、人工授精や体外受精でも補助的に活用しています。人工授精では、陽性反応が出たら36時間後に来院してもらうなど、ピンポイントでねらいます。卵管の閉塞がない、男性に不妊の因子がない場合はステップアップして体外受精を行いますが、採卵と採卵のあいだの期間でもチャンスを逃さない、すべてのチャンスを大事にしたいと思っています。採卵すると次の採卵まで一定期間をあけます。その際、卵巣の状態を診るために来院してもらいますが、もしその時に卵胞が育っていれば性交渉をおすすめしています。排卵日検査薬も併用します。体外受精ではどうしても気が張ってしまいがちです。中間点のホッとする時期に妊娠するケースも見られます」

排卵日検査薬は日々の診療にも役立っているんですね。精神的なストレスはやはり大敵と?

「ストレスがあるといい卵胞は育ちません。リラックスすることがなにより大切です。つい最近の事例を紹介しましょう。体外受精を行っている高齢の方が、旅行などして3カ月間治療から離れ、リフレッシュ後に来院された時のこと。前回は3個しか育たなかった卵胞が、今回は12個に増えました。また、科学的根拠はありませんが、猛暑が続くと卵胞の育ちが悪い。ここ数年、仙台は夏が暑く、寒暖差が影響しているようですね」

最後に不妊治療を行う女性に向けてアドバイスをお願いします。

「不妊治療は、どうしても出口が見えにくくなります。夫婦で取り組む作業ですが、そのためだけの夫婦になってほしくはありません。男性は女性をいたわり、女性も男性に求め過ぎないやさしさが大切です。時には治療を忘れて夫婦で楽しむ。ふだんから仲良しでいることも重要な要素です。排卵日検査薬は自分で手軽にできる、利便性が高く画期的なツールです。あくまで妊娠のための入口と考えて、振りまわされずに上手に使いましょう」



【排卵日検査薬って?】
尿中のLHの分泌量の変化を調べることで、排卵日を予測します。使い方は、採尿してスポイトで診断カセットのフィルターに落とすだけ。検査紙の中央に現れるスポットの色の濃淡で排卵日を判断します。LHの量が多いほどスポットの色が濃くなり、プラス=陽性を示します。数分で判定可能。調剤薬局や病院で購入できます。



出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.25 2015 Spring
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吉田 英宗先生【たんぽぽレディースクリニックあすと長町】


1990年東北大学産科学婦人科学教室入局。山形県立新庄病院、東北大学病院、吉田レディースクリニックなどを経て、2011年たんぽぽレディースクリニックあすと長町を開院。ヨークシャーテリアとチワワを飼う愛犬家の顔も。





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