-
妊娠への近道は、健康な体づくりにアリ 春から体質改善はじめませんか?
元気な赤ちゃんを授かるには、女性の体ができるだけ健康であることが大切。 そこで、健康な体づくりをするコツを、本誌でもおなじみの 俵史子IVFクリニックをはじめ、さまざまなクリニックで指導を行っている、 体質改善の専門家・金山尚裕先生にアドバイスしていただきました。 金山 尚裕 先生 浜松医科大学医学部産婦人科学教室教授。 専門は不妊・周産期医療。 女性の生活習慣病治療のスペシャリスト。俵史子IVFクリニックでは、月1回の体質改善外来と、ART説明会で生活習慣についての講義を担当。他のクリニックでも体質改善の指導を行っている。 肥満や痩せ、冷えなどが不妊の原因になることも 金山先生は不妊治療専門クリニックで「体質改善外来」を担当されているということですが、不妊と体質改善はどのような関係があるのでしょうか。「不妊治療をしていらっしゃる方は、どうしても卵巣や子宮の状態ばかりが気になると思いますが、実は妊娠するためには、血圧や体重、冷えなど、全身の状態をみていくことが大切なんですね。たとえば、不妊因子の一つとして排卵障害がありますが、これは卵巣の問題だけではなく、インスリンが高いということも大きな原因になっています。間食で甘いものを多く摂ったり、運動が足りない人はインスリンが必要以上に産生されて、排卵に悪い影響を及ぼします」 外来では実際にどのようなことを指導されているのですか。「初診時には、血圧と体重は必ずチェックします。改善が必要な方には、食事、運動、入浴、呼吸法などを指導して、不妊治療と併行して妊娠しやすい体づくりを目指していきます。 食事に関しては、基本として大切なのは、朝昼晩の食事のバランス。朝と昼で1日のカロリーの60%を摂り、夜は控えめに。それから、胚芽米や黒いパン、パスタなど、なるべくインスリンを上げないような食品を選ぶこと。また、野菜を多めに摂ることも重要で、特に冷えがある人は、根菜類をしっかり摂って血液の循環が改善されるよう、指導します。 運動や入浴については、ウォーキングなどの有酸素運動を、できれば週4回以上やってください、と言っています。肥満ぎみの方はもちろん、痩せ型の方も運動をして筋肉を増やすことが大切なのです。忙しくて運動の時間がとれないという方には、半身浴をおすすめしています。また、腹式呼吸も痩身や血流改善に効果的なので、簡単にできる方法を指導していますよ」 より健康体になることが妊娠への近道です 指導をしていて、体質改善の効果を実感されることはありますか。「同じ条件で不妊治療を行っても、肥満や痩せなどの体質を改善された方は明らかに妊娠しやすくなっていますね。また、さらに全身の状態を整えるために、体質改善プラス、サプリメントなども活用していただいています。葉酸や、血流を促すアルギニンなど、女性にとって必要な栄養素を効率よく摂取することも、妊娠しやすい体づくりの一つになると思いますので」 妊娠するためにはまず、いい土壌=体を作ることが大切なのですね。「妊娠というのは、実は肺炎や盲腸と同じような炎症反応なんです。炎症は、体のエネルギーレベルをかなり高くする必要がありますから、健康体でなければ起こりません。ですから、より健康になることが妊娠への近道。そのために、もう一度ご自身の全身の状態をチェックしていただきたいですね」 金山先生の研究成果から生まれたサプリメント「エンゼルストーク」 特に妊娠を考えるご夫婦に摂ってほしい栄養素が「アルギニン」と「葉酸」。この2つを同時に摂ることができるのが「エンゼルストーク」です。これは、金山先生が中心となり、アルギニンを研究する中で生まれました。ノンカフェイン、すっきり爽やかなグレープフルーツ味で、どなたにでも安心してお召し上がりいただけます。 エンゼルショップ http://www.angelstork.com/ 元気な赤ちゃんを授かるには、女性の体ができるだけ健康であることが大切。 そこで、健康な体づくりをするコツを、本誌でもおなじみの 俵史子IVFクリニックをはじめ、さまざまなクリニックで指導を行っている、 体質改善の専門家・金山尚裕先生にアドバイスしていただきました。 金山 尚裕 先生 浜松医科大学医学部産婦人科学教室教授。 専門は不妊・周産期医療。 女性の生活習慣病治療のスペシャリスト。俵史子IVFクリニックでは、月1回の体質改善外来と、ART説明会で生活習慣についての講義を担当。他のクリニックでも体質改善の指導を行っている。 肥満や痩せ、冷えなどが不妊の原因になることも 金山先生は不妊治療専門クリニックで「体質改善外来」を担当されているということですが、不妊と体質改善はどのような関係があるのでしょうか。「不妊治療をしていらっしゃる方は、どうしても卵巣や子宮の状態ばかりが気になると思いますが、実は妊娠するためには、血圧や体重、冷えなど、全身の状態をみていくことが大切なんですね。たとえば、不妊因子の一つとして排卵障害がありますが、これは卵巣の問題だけではなく、インスリンが高いということも大きな原因になっています。間食で甘いものを多く摂ったり、運動が足りない人はインスリンが必要以上に産生されて、排卵に悪い影響を及ぼします」 外来では実際にどのようなことを指導されているのですか。「初診時には、血圧と体重は必ずチェックします。改善が必要な方には、食事、運動、入浴、呼吸法などを指導して、不妊治療と併行して妊娠しやすい体づくりを目指していきます。 食事に関しては、基本として大切なのは、朝昼晩の食事のバランス。朝と昼で1日のカロリーの60%を摂り、夜は控えめに。それから、胚芽米や黒いパン、パスタなど、なるべくインスリンを上げないような食品を選ぶこと。また、野菜を多めに摂ることも重要で、特に冷えがある人は、根菜類をしっかり摂って血液の循環が改善されるよう、指導します。 運動や入浴については、ウォーキングなどの有酸素運動を、できれば週4回以上やってください、と言っています。肥満ぎみの方はもちろん、痩せ型の方も運動をして筋肉を増やすことが大切なのです。忙しくて運動の時間がとれないという方には、半身浴をおすすめしています。また、腹式呼吸も痩身や血流改善に効果的なので、簡単にできる方法を指導していますよ」 より健康体になることが妊娠への近道です 指導をしていて、体質改善の効果を実感されることはありますか。「同じ条件で不妊治療を行っても、肥満や痩せなどの体質を改善された方は明らかに妊娠しやすくなっていますね。また、さらに全身の状態を整えるために、体質改善プラス、サプリメントなども活用していただいています。葉酸や、血流を促すアルギニンなど、女性にとって必要な栄養素を効率よく摂取することも、妊娠しやすい体づくりの一つになると思いますので」 妊娠するためにはまず、いい土壌=体を作ることが大切なのですね。「妊娠というのは、実は肺炎や盲腸と同じような炎症反応なんです。炎症は、体のエネルギーレベルをかなり高くする必要がありますから、健康体でなければ起こりません。ですから、より健康になることが妊娠への近道。そのために、もう一度ご自身の全身の状態をチェックしていただきたいですね」 金山先生の研究成果から生まれたサプリメント「エンゼルストーク」 特に妊娠を考えるご夫婦に摂ってほしい栄養素が「アルギニン」と「葉酸」。この2つを同時に摂ることができるのが「エンゼルストーク」です。これは、金山先生が中心となり、アルギニンを研究する中で生まれました。ノンカフェイン、すっきり爽やかなグレープフルーツ味で、どなたにでも安心してお召し上がりいただけます。 エンゼルショップ http://www.angelstork.com/
2016.1.21
コラム 不妊治療
-
後悔しない不妊治療
2015年6月28日に行われたジネコ 妊活セミナーより 後悔しない不妊治療 現状を知り、ベストを尽くすことが大切 「すべての患者さんに赤ちゃんを」との思いで不妊治療を提供しています。しかし、厳しい現状もあります。そこで大事なのは、現状を理解して選択していくことです。日本では年間約103万人が誕生しています。母親の出産年齢のピークは、1990年が25〜29歳。2012年は30〜34歳と明らかに高齢化しています。一方、不妊夫婦の割合は約15%です。不妊症とは、妊娠を望むご夫婦が1年以上を経ても子どもに恵まれない場合をいいます。不妊症でなければ、排卵日とその2日前に夫婦生活をすれば半年で89%、1年以内に99%は妊娠します。逆を言えば、この通りにして妊娠しなければ、何らかの原因があるということ。これを20歳前後の早い時期に一般知識として知っていれば、不妊症の患者さんは減少するでしょう。不妊の原因は明らかにわかることよりも、原因不明のほうが多いと感じています。原因不明は主に3つです。(1)精子と卵子が出会っていない(2)精子と卵子が出会っているが受精しない(3)受精はするが卵や胚の質により着床しない。また、高度生殖医療(ART)に進まれる方は全出生児の27人に1人です。融解凍結移植の技術が上がり、体外受精と顕微授精の成功率も増加しています。とはいえ、高齢化とともに成功率は低下し、流産率が上昇しています。参考までに2014年の当院のART実績(医師1名)は、採卵総数771件、通常の体外受精580件、顕微授精(split・TESE含む)191件。胚移植458件のうち、子宮内の胎動を確認できたのが246件(54%)。実際に分娩したのは195件です。医師にとっての不妊治療は患者さんと一緒に戦っているのと同じです。成功するためには、状況と現場を知り、戦略を練ってベストを尽くす。ベストを尽くしてこそ、次のステージに向き合えるというのが僕の考えです。 私がいつも考えていること。こだわっていること。 当院では、次の6つにこだわっています。(1)できる限りひと本来の妊孕能力を使う(2)顕微授精は適応を厳格に守る(3)身体的、経済的、精神的にやさしい治療を考える(4)孵化補助(assisted haching)をしない(5)子宮卵管造影は放射線を使用しない(6)子宮内膜症や子宮腺筋症は高度な判断が必要排卵障害のない方に排卵誘発剤を使用せず、基本的に自然妊娠を目指してもらいます。なかでもタイミングは基本で、夫婦生活はスキンシップです。どんな治療をしていても排卵日前に夫婦生活を多くするよう伝えています。夫婦生活をきちんとしている方は、体外受精に進んでも卵管や精子に重大な要因がない限り、その間にサプライズが起こります。また、子宮内膜症や子宮腺筋症については慎重に取り扱う必要があります。手術によって卵も一緒に摘出されるリスクが大きいため、手術をするかしないか、またタイミングをしっかり検討する必要があります。手術を提案されている場合は、一人の医師の意見だけでなく、不妊治療の専門医に相談されることをおすすめします。さらに、最も治療が厳しいのは卵がないケース。それが40歳未満に生理がなくなる早発閉経です。超難治性の不妊症のひとつで、いつも苦渋の選択をしています。しかし、卵がまったく見えなくても、若ければ妊娠するケースもあります。当院ではARTで3人、タイミングで4名が出産に至りました。ダメもとという気持ちを持ちつつ、治療を受けられることをおすすめします。絶望的だと思われても可能性は決してゼロではありません。かつて不妊治療の相談医をしていた時に、他の施設で不要な治療を受け、不妊治療が非常に難航するケースを山ほど見てきました。私の座右の銘は、徳川家康の遺訓「及ばざるは過ぎたるよりまされり」。彼は別の意味で使っているのですが、医療の世界で「やりすぎはかえって有害だ」というのは非常に重みのある言葉です。少しでも良い方向に導けるよう、いつもこの言葉を胸に患者さんと向き合っています。 ■ 妊活セミナーレポート ■ 卵子の真実 その1 男性の立場から伝える妊活で幸せ夫婦になる方法 病態によっては「手術」も妊娠率を上げる重要な選択肢に 卵子の質に影響する要素と改善法 2015年12月20日開催 妊活セミナーご報告レポート 女性のための健康生活マガジン JINEKO ジネコ妊活セミナー 2015年6月28日に行われたジネコ 妊活セミナーより 後悔しない不妊治療 現状を知り、ベストを尽くすことが大切 「すべての患者さんに赤ちゃんを」との思いで不妊治療を提供しています。しかし、厳しい現状もあります。そこで大事なのは、現状を理解して選択していくことです。日本では年間約103万人が誕生しています。母親の出産年齢のピークは、1990年が25〜29歳。2012年は30〜34歳と明らかに高齢化しています。一方、不妊夫婦の割合は約15%です。不妊症とは、妊娠を望むご夫婦が1年以上を経ても子どもに恵まれない場合をいいます。不妊症でなければ、排卵日とその2日前に夫婦生活をすれば半年で89%、1年以内に99%は妊娠します。逆を言えば、この通りにして妊娠しなければ、何らかの原因があるということ。これを20歳前後の早い時期に一般知識として知っていれば、不妊症の患者さんは減少するでしょう。不妊の原因は明らかにわかることよりも、原因不明のほうが多いと感じています。原因不明は主に3つです。(1)精子と卵子が出会っていない(2)精子と卵子が出会っているが受精しない(3)受精はするが卵や胚の質により着床しない。また、高度生殖医療(ART)に進まれる方は全出生児の27人に1人です。融解凍結移植の技術が上がり、体外受精と顕微授精の成功率も増加しています。とはいえ、高齢化とともに成功率は低下し、流産率が上昇しています。参考までに2014年の当院のART実績(医師1名)は、採卵総数771件、通常の体外受精580件、顕微授精(split・TESE含む)191件。胚移植458件のうち、子宮内の胎動を確認できたのが246件(54%)。実際に分娩したのは195件です。医師にとっての不妊治療は患者さんと一緒に戦っているのと同じです。成功するためには、状況と現場を知り、戦略を練ってベストを尽くす。ベストを尽くしてこそ、次のステージに向き合えるというのが僕の考えです。 私がいつも考えていること。こだわっていること。 当院では、次の6つにこだわっています。(1)できる限りひと本来の妊孕能力を使う(2)顕微授精は適応を厳格に守る(3)身体的、経済的、精神的にやさしい治療を考える(4)孵化補助(assisted haching)をしない(5)子宮卵管造影は放射線を使用しない(6)子宮内膜症や子宮腺筋症は高度な判断が必要排卵障害のない方に排卵誘発剤を使用せず、基本的に自然妊娠を目指してもらいます。なかでもタイミングは基本で、夫婦生活はスキンシップです。どんな治療をしていても排卵日前に夫婦生活を多くするよう伝えています。夫婦生活をきちんとしている方は、体外受精に進んでも卵管や精子に重大な要因がない限り、その間にサプライズが起こります。また、子宮内膜症や子宮腺筋症については慎重に取り扱う必要があります。手術によって卵も一緒に摘出されるリスクが大きいため、手術をするかしないか、またタイミングをしっかり検討する必要があります。手術を提案されている場合は、一人の医師の意見だけでなく、不妊治療の専門医に相談されることをおすすめします。さらに、最も治療が厳しいのは卵がないケース。それが40歳未満に生理がなくなる早発閉経です。超難治性の不妊症のひとつで、いつも苦渋の選択をしています。しかし、卵がまったく見えなくても、若ければ妊娠するケースもあります。当院ではARTで3人、タイミングで4名が出産に至りました。ダメもとという気持ちを持ちつつ、治療を受けられることをおすすめします。絶望的だと思われても可能性は決してゼロではありません。かつて不妊治療の相談医をしていた時に、他の施設で不要な治療を受け、不妊治療が非常に難航するケースを山ほど見てきました。私の座右の銘は、徳川家康の遺訓「及ばざるは過ぎたるよりまされり」。彼は別の意味で使っているのですが、医療の世界で「やりすぎはかえって有害だ」というのは非常に重みのある言葉です。少しでも良い方向に導けるよう、いつもこの言葉を胸に患者さんと向き合っています。 ■ 妊活セミナーレポート ■ 卵子の真実 その1 男性の立場から伝える妊活で幸せ夫婦になる方法 病態によっては「手術」も妊娠率を上げる重要な選択肢に 卵子の質に影響する要素と改善法 2015年12月20日開催 妊活セミナーご報告レポート 女性のための健康生活マガジン JINEKO ジネコ妊活セミナー
2015.12.22
コラム 不妊治療
-
卵子の真実 妊活セミナーレポート③
2015年8月29日に行われたジネコ 妊活セミナーより 卵子は進化をたどる 人類もいろんな動物も、受精卵が分割し、胎児となっていく初期は同じような姿をしています。私たち一人ひとりの発生は、35億年前から始まった生物の進化の過程をたどって産まれてきています。我々はお母さんのお腹の中では水の中で生きています。卵子は進化をたどっているのです。それは、1866年にエルンスト・ヘッケルが提唱した反復説の「個体発生は系統発生を繰り返す(ある動物の発生の過程は、その動物の進化の過程を繰り返す形で行われる)」ということに他なりません。国立遺伝学研究所の所長さんは、見学する子供たちに必ず言う言葉があるそうです。それは、「自殺してはいけません。その瞬間に35億年間に渡って連綿と受け継がれてきた遺伝子が絶たれてしまいます。あなたが今ここに生きていることは本当に奇跡なのだから、命を大切にしましょう」-。私たちは35億年前から始まったバトンリレーを誰もがしています。バトンリレーだけを目的に生きているわけではありませんが、命のバトンリレーは私たちの大切な役目です。バトンリレーには、テイクオーバーゾーンというバトンを手渡せる範囲があります。またその区間には限りがあります。命の引継ぎには大きな制限があります。テイクオーバーゾーンは個人差があります。それが生殖年齢です。私たちは壮大な宇宙に生まれた奇跡の存在です。不妊治療を通して、貴重な命を大切にし、次世代のためにDNAのバトンを渡していきましょう。 セミナー参加者から寄せられたQ&A Q.40歳以上の受精卵が胚盤胞まで育つ確率は?また胚盤胞移植で成功するにはどんなグレードがあったらよいですか?A.まず、胚盤胞にすると妊娠率が上がると誤解している人が多くいますが、実はそうではありません。胚盤胞まで育てるというのは元気な卵を選ぶということに意義があるのです。つまり、卵がたくさんある中でいい卵をさらに選出するために胚盤胞まで育て、その時点で育たない卵はカットしているわけですから、採卵から考えると胚盤胞移植での妊娠率はむしろ下がっています。とはいえ、20代であれば、10個くらい受精卵があれば6割くらいは胚盤胞まで到達します。凍結できるある程度いいグレードの胚盤胞は4~5割といったところです。これは年齢によってどんどん低くなります。40歳以上になれば胚盤胞になる率は2~3割です。凍結できるグレードとなれば1割くらいです。高齢になってくると、体外培養に対する卵のストレスが強くなって胚盤胞になる率が低くなるのです。しかし、ほとんど胚盤胞にならなかった人の卵を3日目の分割期で移植すればきちんと妊娠率は出ます。ですから、高齢になればなるほど胚盤胞移植にこだわってはいけないと思います。長い間、培養すればするほど卵に負担がかかります。ましては培養の技術が悪ければ、余計卵を悪くしてダメにしてしまいます。また、胚盤胞は膨らんだり縮んだりしているので、グレード判定はあまり重要ではありません。当院では全例凍結融解胚移植になっていますので、6日目にできたものでも7日目にできた胚盤胞でも、凍結しておいて5日目の内膜に移植すればちゃんと妊娠率が出ます。新鮮胚移植で、6、7日目の胚盤胞を6,7日目の内膜に戻しても、妊娠しません。そのところはいろんな技術でカバーできるようになっています。 Q.現在40歳。男性不妊があり、顕微授精に進んでいます。よい受精卵を作るために卵子の質を上げるために今からできることを教えてください。A.40歳とか年齢に関わらず、飛び抜けて効果が上がるとは言えませんが、唯一ご自分でできることは血液の循環を良くすることくらいです。女性が排卵するときには視床下部というところから出たホルモンが脳下垂体に行き、脳下垂体からのホルモンが卵巣に行き、卵子を育てます。そしてその間を繋いでいるのが血液の循環です。排卵誘発剤も血液の中で分解される間にどれだけ卵巣を通ったかでその効き目が違います。下肢の静脈は体にかえってくる時には卵巣のすぐ横を通っているので、足の冷たい人は常に卵巣を冷やしていることにもなります。同じ注射を打っても、冷え性を治す、血流を良くすることで少しは効果が上がる可能性はありますが、その効果は極めて限定的です。やはり一番大事なことは、その人の予備能に見合った受精卵をたくさん作ることです。きちんと刺激をして、成熟した卵の数を採ることが妊娠率の向上に繋がります。例えば卵が10個採れて、2個成熟卵だったとしたら、それは成熟率が悪いということになり、妊娠率も悪くなります。10個取れたら8個くらいは成熟卵が採れるくらいの成熟率にこだわることが大切です。卵胞の大きさだけではなくて、なかのホルモン構成などもきちんと見て、一番いい時期に採卵して成熟率のいい卵を採ることが妊娠率の向上に繋がると思います。 Q.卵管が両方詰まっていると言われました。卵管造影検査や通水でもやはり通りが悪いようです。妊娠は難しいのでしょうか。治す方法はありますか?A.卵管というのは精子が通っていって、卵子と出会う場所です。精子が通るには、5ミクロンあれば大丈夫。つまりかなり細くても問題ありません。しかし、受精卵になった後、その受精卵が戻ってくる際には、120ミクロン(0.1mm)くらいなければ詰まってしまい、そこで止まってしまえば子宮外妊娠という可能性もあります。また、卵管では、精子は自分で通っていきますが、受精卵は卵管上皮の細かい毛のようなものの運動で運ばれていきます。ですから、卵管が詰まる、なにか炎症があるというのは、細くなっているとかそういうことだけではなくて卵管上皮の繊毛運動が障害されているという可能性も考えられます。つまり卵管は通ればいいというわけではありません。通すだけの治療法はありますが、それで妊娠率が上がるというわけではありません。体外受精ができる今となっては、その治療もそれほど有効ではないと思われます。 ≫ 卵子の真実 その1 ≫ 卵子の真実 その2 ■ 妊活セミナーレポート ■ 男性の立場から伝える妊活で幸せ夫婦になる方法 後悔しない不妊治療 病態によっては「手術」も妊娠率を上げる重要な選択肢に 卵子の質に影響する要素と改善法 浅田レディースクリニック 女性のための健康生活マガジン JINEKO ジネコ妊活セミナー 2015年8月29日に行われたジネコ 妊活セミナーより 卵子は進化をたどる 人類もいろんな動物も、受精卵が分割し、胎児となっていく初期は同じような姿をしています。私たち一人ひとりの発生は、35億年前から始まった生物の進化の過程をたどって産まれてきています。我々はお母さんのお腹の中では水の中で生きています。卵子は進化をたどっているのです。それは、1866年にエルンスト・ヘッケルが提唱した反復説の「個体発生は系統発生を繰り返す(ある動物の発生の過程は、その動物の進化の過程を繰り返す形で行われる)」ということに他なりません。国立遺伝学研究所の所長さんは、見学する子供たちに必ず言う言葉があるそうです。それは、「自殺してはいけません。その瞬間に35億年間に渡って連綿と受け継がれてきた遺伝子が絶たれてしまいます。あなたが今ここに生きていることは本当に奇跡なのだから、命を大切にしましょう」-。私たちは35億年前から始まったバトンリレーを誰もがしています。バトンリレーだけを目的に生きているわけではありませんが、命のバトンリレーは私たちの大切な役目です。バトンリレーには、テイクオーバーゾーンというバトンを手渡せる範囲があります。またその区間には限りがあります。命の引継ぎには大きな制限があります。テイクオーバーゾーンは個人差があります。それが生殖年齢です。私たちは壮大な宇宙に生まれた奇跡の存在です。不妊治療を通して、貴重な命を大切にし、次世代のためにDNAのバトンを渡していきましょう。 セミナー参加者から寄せられたQ&A Q.40歳以上の受精卵が胚盤胞まで育つ確率は?また胚盤胞移植で成功するにはどんなグレードがあったらよいですか?A.まず、胚盤胞にすると妊娠率が上がると誤解している人が多くいますが、実はそうではありません。胚盤胞まで育てるというのは元気な卵を選ぶということに意義があるのです。つまり、卵がたくさんある中でいい卵をさらに選出するために胚盤胞まで育て、その時点で育たない卵はカットしているわけですから、採卵から考えると胚盤胞移植での妊娠率はむしろ下がっています。とはいえ、20代であれば、10個くらい受精卵があれば6割くらいは胚盤胞まで到達します。凍結できるある程度いいグレードの胚盤胞は4~5割といったところです。これは年齢によってどんどん低くなります。40歳以上になれば胚盤胞になる率は2~3割です。凍結できるグレードとなれば1割くらいです。高齢になってくると、体外培養に対する卵のストレスが強くなって胚盤胞になる率が低くなるのです。しかし、ほとんど胚盤胞にならなかった人の卵を3日目の分割期で移植すればきちんと妊娠率は出ます。ですから、高齢になればなるほど胚盤胞移植にこだわってはいけないと思います。長い間、培養すればするほど卵に負担がかかります。ましては培養の技術が悪ければ、余計卵を悪くしてダメにしてしまいます。また、胚盤胞は膨らんだり縮んだりしているので、グレード判定はあまり重要ではありません。当院では全例凍結融解胚移植になっていますので、6日目にできたものでも7日目にできた胚盤胞でも、凍結しておいて5日目の内膜に移植すればちゃんと妊娠率が出ます。新鮮胚移植で、6、7日目の胚盤胞を6,7日目の内膜に戻しても、妊娠しません。そのところはいろんな技術でカバーできるようになっています。 Q.現在40歳。男性不妊があり、顕微授精に進んでいます。よい受精卵を作るために卵子の質を上げるために今からできることを教えてください。A.40歳とか年齢に関わらず、飛び抜けて効果が上がるとは言えませんが、唯一ご自分でできることは血液の循環を良くすることくらいです。女性が排卵するときには視床下部というところから出たホルモンが脳下垂体に行き、脳下垂体からのホルモンが卵巣に行き、卵子を育てます。そしてその間を繋いでいるのが血液の循環です。排卵誘発剤も血液の中で分解される間にどれだけ卵巣を通ったかでその効き目が違います。下肢の静脈は体にかえってくる時には卵巣のすぐ横を通っているので、足の冷たい人は常に卵巣を冷やしていることにもなります。同じ注射を打っても、冷え性を治す、血流を良くすることで少しは効果が上がる可能性はありますが、その効果は極めて限定的です。やはり一番大事なことは、その人の予備能に見合った受精卵をたくさん作ることです。きちんと刺激をして、成熟した卵の数を採ることが妊娠率の向上に繋がります。例えば卵が10個採れて、2個成熟卵だったとしたら、それは成熟率が悪いということになり、妊娠率も悪くなります。10個取れたら8個くらいは成熟卵が採れるくらいの成熟率にこだわることが大切です。卵胞の大きさだけではなくて、なかのホルモン構成などもきちんと見て、一番いい時期に採卵して成熟率のいい卵を採ることが妊娠率の向上に繋がると思います。 Q.卵管が両方詰まっていると言われました。卵管造影検査や通水でもやはり通りが悪いようです。妊娠は難しいのでしょうか。治す方法はありますか?A.卵管というのは精子が通っていって、卵子と出会う場所です。精子が通るには、5ミクロンあれば大丈夫。つまりかなり細くても問題ありません。しかし、受精卵になった後、その受精卵が戻ってくる際には、120ミクロン(0.1mm)くらいなければ詰まってしまい、そこで止まってしまえば子宮外妊娠という可能性もあります。また、卵管では、精子は自分で通っていきますが、受精卵は卵管上皮の細かい毛のようなものの運動で運ばれていきます。ですから、卵管が詰まる、なにか炎症があるというのは、細くなっているとかそういうことだけではなくて卵管上皮の繊毛運動が障害されているという可能性も考えられます。つまり卵管は通ればいいというわけではありません。通すだけの治療法はありますが、それで妊娠率が上がるというわけではありません。体外受精ができる今となっては、その治療もそれほど有効ではないと思われます。 ≫ 卵子の真実 その1 ≫ 卵子の真実 その2 ■ 妊活セミナーレポート ■ 男性の立場から伝える妊活で幸せ夫婦になる方法 後悔しない不妊治療 病態によっては「手術」も妊娠率を上げる重要な選択肢に 卵子の質に影響する要素と改善法 浅田レディースクリニック 女性のための健康生活マガジン JINEKO ジネコ妊活セミナー
2015.12.15
コラム 不妊治療
-
卵子の真実 妊活セミナーレポート②
2015年8月29日に行われたジネコ 妊活セミナーより 不妊症や不妊治療における、いくつかの勘違い 体外受精や顕微授精は変な子が産まれる確率が高い? いいえ。現在、体外受精で産まれた子供は世界中で5~600万人いると言われていますが、特有な障害があるという統計はありません。不妊治療で遺伝子操作は一切行われません。体外受精や自然妊娠に関わらず、遺伝子は勝手に組みかえられ、その中で染色体異常が起きたり、障害を持った子供が産まれたりするのです。 生活習慣は不妊に影響する? いいえ。逆に、妊娠に悪いと言われることを行うことで避妊できますか? ストレスは不妊を招く? 自律神経の中枢と排卵の一番上位の視床下部の中枢というのは非常に近いところにあるため、自然排卵には影響します。しかし、不妊治療においては、視床下部ではなく下垂体以下のホルモンをコントロールするため、ストレスは成績に影響しません。 不妊原因の半分は男性因子? いいえ、それはすでに古い考えです。もともと不妊治療とは多くは男性不妊を治療をしているものです。顕微授精も本来は男性不妊の治療法です。女性に対する負担が大きいということや男女平等という観点から、男性不妊という言葉が盛んに言われるようになっていますが、精子の数や運動率を改善するエビデンスのある治療法は、今のところ全くありません。現在の高度生殖医療では受精卵を作るところまでは可能です。しかし、受精卵が育つかどうかは、カップルの遺伝子の組み合わせ、遺伝子の偶然の組み換え、遺伝子発現などの問題になります。従って、男性不妊、女性不妊と分けて説明すること自体が、極めて不自然です。これまで私が妊娠率、出生率に関わる因子を調べてきた上でも、男性の年齢、精子の濃度、運動率、射出精子か精巣精子かなど極めて関与が薄く、ほとんど影響がないといえます。 不妊症と不育症は違う? 卵の大きな異常があれば妊娠反応が出る前にダメになります。その異常が少なければ、妊娠反応が出た後にダメになります。もっと異常が少なければ死産になったり障害を持って産まれてくることがあります。そういう意味で、不妊症と不育症はダメになる時期が違うだけで同じことだといえます。不育症だけに有効な検査や治療はほとんどありません。つまり、重要なのは卵が育つかどうかであって、不育症に対するエビデンスのある治療法はありません。主役はあくまでも卵なのです。 いい卵を移植したのに妊娠できないの着床障害? そうではありません。多くの受精卵は、胚盤胞まで育った次の日くらいにはすでに着床しているものです。着床してから育つかどうかが重要です。そして受精卵それ自体の見た目からは無事に育つかどうかが分からないから移植するのです。見た目が悪い卵というのは、染色体異常の率も高いですから、いい卵を戻すのは当然です。 子宮環境は内膜を厚くすることが一番重要? 受精卵には、子宮内膜の厚みではなく、子宮内の低酸素環境が一番重要です。当院の培養器では1人の受精卵ごとに完全個別培養を行っています。その培養器の中は酸素5%、CO2 6%、窒素89%で保たれています。また、子宮内膜が厚くならない人には、抗酸化剤を投与して移植することもあります。 ≫ 卵子の真実 その1 ≫ 卵子の真実 その3 ■ 妊活セミナーレポート ■ 男性の立場から伝える妊活で幸せ夫婦になる方法 後悔しない不妊治療 病態によっては「手術」も妊娠率を上げる重要な選択肢に 卵子の質に影響する要素と改善法 浅田レディースクリニック 女性のための健康生活マガジン JINEKO ジネコ妊活セミナー 2015年8月29日に行われたジネコ 妊活セミナーより 不妊症や不妊治療における、いくつかの勘違い 体外受精や顕微授精は変な子が産まれる確率が高い? いいえ。現在、体外受精で産まれた子供は世界中で5~600万人いると言われていますが、特有な障害があるという統計はありません。不妊治療で遺伝子操作は一切行われません。体外受精や自然妊娠に関わらず、遺伝子は勝手に組みかえられ、その中で染色体異常が起きたり、障害を持った子供が産まれたりするのです。 生活習慣は不妊に影響する? いいえ。逆に、妊娠に悪いと言われることを行うことで避妊できますか? ストレスは不妊を招く? 自律神経の中枢と排卵の一番上位の視床下部の中枢というのは非常に近いところにあるため、自然排卵には影響します。しかし、不妊治療においては、視床下部ではなく下垂体以下のホルモンをコントロールするため、ストレスは成績に影響しません。 不妊原因の半分は男性因子? いいえ、それはすでに古い考えです。もともと不妊治療とは多くは男性不妊を治療をしているものです。顕微授精も本来は男性不妊の治療法です。女性に対する負担が大きいということや男女平等という観点から、男性不妊という言葉が盛んに言われるようになっていますが、精子の数や運動率を改善するエビデンスのある治療法は、今のところ全くありません。現在の高度生殖医療では受精卵を作るところまでは可能です。しかし、受精卵が育つかどうかは、カップルの遺伝子の組み合わせ、遺伝子の偶然の組み換え、遺伝子発現などの問題になります。従って、男性不妊、女性不妊と分けて説明すること自体が、極めて不自然です。これまで私が妊娠率、出生率に関わる因子を調べてきた上でも、男性の年齢、精子の濃度、運動率、射出精子か精巣精子かなど極めて関与が薄く、ほとんど影響がないといえます。 不妊症と不育症は違う? 卵の大きな異常があれば妊娠反応が出る前にダメになります。その異常が少なければ、妊娠反応が出た後にダメになります。もっと異常が少なければ死産になったり障害を持って産まれてくることがあります。そういう意味で、不妊症と不育症はダメになる時期が違うだけで同じことだといえます。不育症だけに有効な検査や治療はほとんどありません。つまり、重要なのは卵が育つかどうかであって、不育症に対するエビデンスのある治療法はありません。主役はあくまでも卵なのです。 いい卵を移植したのに妊娠できないの着床障害? そうではありません。多くの受精卵は、胚盤胞まで育った次の日くらいにはすでに着床しているものです。着床してから育つかどうかが重要です。そして受精卵それ自体の見た目からは無事に育つかどうかが分からないから移植するのです。見た目が悪い卵というのは、染色体異常の率も高いですから、いい卵を戻すのは当然です。 子宮環境は内膜を厚くすることが一番重要? 受精卵には、子宮内膜の厚みではなく、子宮内の低酸素環境が一番重要です。当院の培養器では1人の受精卵ごとに完全個別培養を行っています。その培養器の中は酸素5%、CO2 6%、窒素89%で保たれています。また、子宮内膜が厚くならない人には、抗酸化剤を投与して移植することもあります。 ≫ 卵子の真実 その1 ≫ 卵子の真実 その3 ■ 妊活セミナーレポート ■ 男性の立場から伝える妊活で幸せ夫婦になる方法 後悔しない不妊治療 病態によっては「手術」も妊娠率を上げる重要な選択肢に 卵子の質に影響する要素と改善法 浅田レディースクリニック 女性のための健康生活マガジン JINEKO ジネコ妊活セミナー
2015.12.12
コラム 不妊治療
-
卵子の真実 妊活セミナーレポート その①
2015年8月29日に行われたジネコ 妊活セミナーより 卵子の真実~最新不妊治療の現場から~ 生理があれば妊娠できる、妊娠は努力次第でなんとかなる、いくつになっても不妊治療はできる-。もしそう思っているなら、すべて間違いです。妊娠の本質を卵子から理解しましょう。最新の不妊治療の現場から、妊活をする上で知っておいてほしい卵子の真実をお伝えします。 -すべては卵子から始まる- 産みたいのに産めない、卵子の4大衝撃 卵子には4つの衝撃的な真実があります。正しく妊活するためには、まずはそれらを知ることが大切です。 ①卵子老化の衝撃 男女の一番の違いとは、精巣と卵巣の違いに他なりません。精巣は精子を作るところですが、卵巣は卵子を保存するところであって、卵巣で卵子を新しく作ることは決してありません。それどころか、卵子は実年齢とともに加齢します。アンチエイジングできない代表が卵子なのです。 ◎卵子が加齢した結果、起こること ・染色体分離・遺伝子の発現などがうまくいかず、異常な細胞が増える。 ・妊娠率が下がり、流産率が上がる。40歳で妊娠したら2回に1回は流産するのが事実。妊娠の一般的な限界は42、43歳。 ↓ しかし、これはある意味、妊娠・出産という負担から母体を守る大切な仕組みです。 ②卵子減少の衝撃 卵子のイメージは砂時計です。卵子は老化すると同時に、その人がもともと持って産まれた卵子の数以上に増えることは決してありません。むしろ、生殖期には1ヶ月に1000個ずつ減少していきます。これは不妊治療をするしないに関わらず、卵子の持つ大きな特徴です。 ③妊孕性(にんようせい)低下の衝撃 妊孕性とは、妊娠する能力のこと。女性が一番妊娠しやすいのは22~23歳といわれ、その後はどんなに健康に過ごしても、卵子は古くなり、数も減り、妊孕性もどんどん低下していきます。最終妊娠年齢と閉経年齢のピークの差は約10年といわれています。閉経10年前にはすでに妊娠することはほとんど不可能だといえます。生理があってもいつの間にか妊孕性がなくなっているのが事実です。 ④個人差の衝撃 卵巣の中にどれくらいの卵子が残っているか=卵巣予備能を知る目安となるのが、AMH(アンチミューラリアンホルモン)検査。不妊治療で重要視されるのは、年齢とこの卵巣予備能ですが、AMH値には非常に個人差があります。 ◎AMHの特徴 ・AMH値には年齢ごとの正常値や平均値がない。たとえ年齢が若くてもAHMが低い=卵巣予備能が低く、早発閉経が疑われる場合も数多くある。 ・AMH値が0でも妊娠できないというわけではない。卵巣予備能が低くても、受精卵さえできれば、実年齢ごとの妊娠率が望める。ただし、治療できる時間は短いことが分かる。 ・AMH値は妊孕性の目安にはならないが、採れる卵の数が予測でき、治療の目安となる。 ・AMH値は、体外受精で採れる卵の数とよく相関する。 ・若い時期に高AMH値であっても、閉経年齢にはあまり影響がない。 ↓ AMHを、30歳になったら未婚・既婚を問わず測りましょう。人生設計をする上での重要な指針になるはずです。 妊娠率は卵子の年齢で決まる 先に述べたように、卵子は実年齢とともに老化します。30歳の人の卵子はお腹の中で30年、40歳の場合は40年保存されてきた卵子です。 卵巣には他の細胞と違って、自己複製能力と様々な細胞に分化する能力を持つ幹細胞の性質を持った卵母細胞がありません。ですから、卵巣内で卵子を作ることができないのはもちろん、卵子の若返りは不可能です。 また、子宮は受精卵の環境をサポートしているだけ。子宮側でいくら努力しても妊娠率を上げることはできません。子宮の環境がよほど悪ければ妊娠率を下げる可能性はあります。逆に言えば、若い時の卵子であれば、その年齢時に比例した妊娠率が望めます。凍結しておいた受精卵を他人の子宮に移植しても同じ結果です。昨今、若い時に採卵した卵子を凍結保存しておくことが注目されるのは、そのためです。 良い卵子が選ばれて排卵するわけではない 月経周期と卵胞の成長は無関係です。卵子は月経が始まってから成長するわけではなく、卵子の元になる原始卵胞から約6ヵ月かけて成長します。そして、たまたまその排卵時に成熟してきた卵胞が排卵します。本来、人には、卵子の選択制御機構は組み込まれていません。 また、卵巣の中には質の揃った卵子があり、それぞれが同じように育っていくと思ったら間違いです。むしろ、もともとダメな卵が多い中で、かろうじて生き残っている使える卵子が偶然育ってくるのが真実です。ですから、育ってきた卵子の質がバラバラなのも当たり前なのです。 残っている卵子をいかに有効に使うか、生かすかが不妊治療の要 お腹の中の体温で長い間、保存されてきて壊れずに残っている卵子というのは、食品に例えれば、腐らないように長期間塩漬けにされている状態と同じです。その卵子を利用して不妊治療をする際には、30歳の卵、40歳の卵それぞれに応じた塩抜き加減が必要です。 要は、ずっと休眠状態にあった遺伝子の再稼動を行うのが、しっかりと成熟した卵を採るという作業です。そしてそういったいい状態の成熟卵を採ることこそが、ドクターの実力が問われるところです。その上で、胚培養室の実力で卵に負荷をかけずに受精卵を作り、上手に培養していくことが大事なのです。 妊娠の成否は遺伝子の発現で決まる 同じ年齢で、同じ見た目の受精卵があっても、なかなか妊娠できない人、すぐに妊娠できる人がいます。それは究極的には2人の遺伝子の組み合わせが、妊娠の成否を決めるからです。 同じカップルの受精卵であっても、1個ずつの受精卵は兄弟の差を持ち、1つずつに品質や能力の違いがあります。その中には、ダメになる受精卵もあれば、赤ちゃんまでいける受精卵もあります。 また、同じ年齢でも、5個に1個、50個に1個、500個に1個、それぐらい赤ちゃんまで育つには差があると感じています。ただ、500個に1個であっても、その1個が1番最初に来るのか何番目にくるのかは分かりません。ですから、結果がすぐに伴わなくても、受精卵さえできればしばらくは治療を続けることをおすすめします。 妊娠・出産までに卵子はいくつ必要か ヨーロッパとアメリカの学会の全データを集計した場合、赤ちゃんがうまれるには平均25.1個、38歳未満で6~16個の卵子が必要だと報告されています。体外受精で1回につき15個くらい採卵できるのであれば、平均、2回の治療で赤ちゃんができるということです。これが1回につき1個ずつ採卵する治療のやり方であれば、2年以上かかってしまいます。 ≫ 卵子の真実 その2 ≫ 卵子の真実 その3 ■ 妊活セミナーレポート ■ 男性の立場から伝える妊活で幸せ夫婦になる方法 後悔しない不妊治療 病態によっては「手術」も妊娠率を上げる重要な選択肢に 卵子の質に影響する要素と改善法 2015年12月20日開催 妊活セミナーご報告レポート 浅田レディースクリニック 女性のための健康生活マガジン JINEKO ジネコ妊活セミナー 2015年8月29日に行われたジネコ 妊活セミナーより 卵子の真実~最新不妊治療の現場から~ 生理があれば妊娠できる、妊娠は努力次第でなんとかなる、いくつになっても不妊治療はできる-。もしそう思っているなら、すべて間違いです。妊娠の本質を卵子から理解しましょう。最新の不妊治療の現場から、妊活をする上で知っておいてほしい卵子の真実をお伝えします。 -すべては卵子から始まる- 産みたいのに産めない、卵子の4大衝撃 卵子には4つの衝撃的な真実があります。正しく妊活するためには、まずはそれらを知ることが大切です。 ①卵子老化の衝撃 男女の一番の違いとは、精巣と卵巣の違いに他なりません。精巣は精子を作るところですが、卵巣は卵子を保存するところであって、卵巣で卵子を新しく作ることは決してありません。それどころか、卵子は実年齢とともに加齢します。アンチエイジングできない代表が卵子なのです。 ◎卵子が加齢した結果、起こること ・染色体分離・遺伝子の発現などがうまくいかず、異常な細胞が増える。 ・妊娠率が下がり、流産率が上がる。40歳で妊娠したら2回に1回は流産するのが事実。妊娠の一般的な限界は42、43歳。 ↓ しかし、これはある意味、妊娠・出産という負担から母体を守る大切な仕組みです。 ②卵子減少の衝撃 卵子のイメージは砂時計です。卵子は老化すると同時に、その人がもともと持って産まれた卵子の数以上に増えることは決してありません。むしろ、生殖期には1ヶ月に1000個ずつ減少していきます。これは不妊治療をするしないに関わらず、卵子の持つ大きな特徴です。 ③妊孕性(にんようせい)低下の衝撃 妊孕性とは、妊娠する能力のこと。女性が一番妊娠しやすいのは22~23歳といわれ、その後はどんなに健康に過ごしても、卵子は古くなり、数も減り、妊孕性もどんどん低下していきます。最終妊娠年齢と閉経年齢のピークの差は約10年といわれています。閉経10年前にはすでに妊娠することはほとんど不可能だといえます。生理があってもいつの間にか妊孕性がなくなっているのが事実です。 ④個人差の衝撃 卵巣の中にどれくらいの卵子が残っているか=卵巣予備能を知る目安となるのが、AMH(アンチミューラリアンホルモン)検査。不妊治療で重要視されるのは、年齢とこの卵巣予備能ですが、AMH値には非常に個人差があります。 ◎AMHの特徴 ・AMH値には年齢ごとの正常値や平均値がない。たとえ年齢が若くてもAHMが低い=卵巣予備能が低く、早発閉経が疑われる場合も数多くある。 ・AMH値が0でも妊娠できないというわけではない。卵巣予備能が低くても、受精卵さえできれば、実年齢ごとの妊娠率が望める。ただし、治療できる時間は短いことが分かる。 ・AMH値は妊孕性の目安にはならないが、採れる卵の数が予測でき、治療の目安となる。 ・AMH値は、体外受精で採れる卵の数とよく相関する。 ・若い時期に高AMH値であっても、閉経年齢にはあまり影響がない。 ↓ AMHを、30歳になったら未婚・既婚を問わず測りましょう。人生設計をする上での重要な指針になるはずです。 妊娠率は卵子の年齢で決まる 先に述べたように、卵子は実年齢とともに老化します。30歳の人の卵子はお腹の中で30年、40歳の場合は40年保存されてきた卵子です。 卵巣には他の細胞と違って、自己複製能力と様々な細胞に分化する能力を持つ幹細胞の性質を持った卵母細胞がありません。ですから、卵巣内で卵子を作ることができないのはもちろん、卵子の若返りは不可能です。 また、子宮は受精卵の環境をサポートしているだけ。子宮側でいくら努力しても妊娠率を上げることはできません。子宮の環境がよほど悪ければ妊娠率を下げる可能性はあります。逆に言えば、若い時の卵子であれば、その年齢時に比例した妊娠率が望めます。凍結しておいた受精卵を他人の子宮に移植しても同じ結果です。昨今、若い時に採卵した卵子を凍結保存しておくことが注目されるのは、そのためです。 良い卵子が選ばれて排卵するわけではない 月経周期と卵胞の成長は無関係です。卵子は月経が始まってから成長するわけではなく、卵子の元になる原始卵胞から約6ヵ月かけて成長します。そして、たまたまその排卵時に成熟してきた卵胞が排卵します。本来、人には、卵子の選択制御機構は組み込まれていません。 また、卵巣の中には質の揃った卵子があり、それぞれが同じように育っていくと思ったら間違いです。むしろ、もともとダメな卵が多い中で、かろうじて生き残っている使える卵子が偶然育ってくるのが真実です。ですから、育ってきた卵子の質がバラバラなのも当たり前なのです。 残っている卵子をいかに有効に使うか、生かすかが不妊治療の要 お腹の中の体温で長い間、保存されてきて壊れずに残っている卵子というのは、食品に例えれば、腐らないように長期間塩漬けにされている状態と同じです。その卵子を利用して不妊治療をする際には、30歳の卵、40歳の卵それぞれに応じた塩抜き加減が必要です。 要は、ずっと休眠状態にあった遺伝子の再稼動を行うのが、しっかりと成熟した卵を採るという作業です。そしてそういったいい状態の成熟卵を採ることこそが、ドクターの実力が問われるところです。その上で、胚培養室の実力で卵に負荷をかけずに受精卵を作り、上手に培養していくことが大事なのです。 妊娠の成否は遺伝子の発現で決まる 同じ年齢で、同じ見た目の受精卵があっても、なかなか妊娠できない人、すぐに妊娠できる人がいます。それは究極的には2人の遺伝子の組み合わせが、妊娠の成否を決めるからです。 同じカップルの受精卵であっても、1個ずつの受精卵は兄弟の差を持ち、1つずつに品質や能力の違いがあります。その中には、ダメになる受精卵もあれば、赤ちゃんまでいける受精卵もあります。 また、同じ年齢でも、5個に1個、50個に1個、500個に1個、それぐらい赤ちゃんまで育つには差があると感じています。ただ、500個に1個であっても、その1個が1番最初に来るのか何番目にくるのかは分かりません。ですから、結果がすぐに伴わなくても、受精卵さえできればしばらくは治療を続けることをおすすめします。 妊娠・出産までに卵子はいくつ必要か ヨーロッパとアメリカの学会の全データを集計した場合、赤ちゃんがうまれるには平均25.1個、38歳未満で6~16個の卵子が必要だと報告されています。体外受精で1回につき15個くらい採卵できるのであれば、平均、2回の治療で赤ちゃんができるということです。これが1回につき1個ずつ採卵する治療のやり方であれば、2年以上かかってしまいます。 ≫ 卵子の真実 その2 ≫ 卵子の真実 その3 ■ 妊活セミナーレポート ■ 男性の立場から伝える妊活で幸せ夫婦になる方法 後悔しない不妊治療 病態によっては「手術」も妊娠率を上げる重要な選択肢に 卵子の質に影響する要素と改善法 2015年12月20日開催 妊活セミナーご報告レポート 浅田レディースクリニック 女性のための健康生活マガジン JINEKO ジネコ妊活セミナー
2015.12.10
コラム 不妊治療
-
女性の大敵!今年の冷え対策はどうする?
ひんやりする季節ですね。読者の皆さんも、体が冷えないようにさまざまな対策をしています。体を温める食べものや飲み物を摂っている方は、アンケートでは7割超え。体の中から温まる、ショウガ入りのドリンク、ココア、健康茶などが人気です。夜はお好みの入浴剤をチョイスして、お風呂でゆったりリラックスタイムを楽しむのは定番コースのようです。インナーなど衣類で冷え対策する方は8割超えでした。足先や下半身全体の冷え防止にオススメなのは、やっぱりくつ下やレッグウォーマーなど。冷えをダイレクトに感じる手先や首もとを温めるのも必須ですね。ファッションにも馴染みそうなデザインがますます充実してきているので、おしゃれを楽しみながら冷え対策をしましょう。 温活習慣 冷えとりグッズ Selection もうすぐやってくる本格的な冬。冷えやすい女性にとってはつらい季節です。でもしっかりと対策すれば大丈夫。体の中から、そして外から上手に温めて冷えを撃退し、健康で快適に冬を乗り越えましょう。 体の中から温め 食べ物や飲み物で体の中から温めることはとても大切。しょうがやスパイスなどの食材を積極的にとり入れましょう。またぬるめのおふろは血流を促進し、体の芯からじっくりと温めてくれます。 ぽかぽか蒸ししょうが黒豆茶 蒸ししょうが×黒豆の女性に嬉しい健康茶徳之島産の黄しょうがと北海道産の黒豆で作ったノンカフェインのヘルシー茶。黒豆は蒸したものと焙煎したもの2種類をブレンドすることで、香ばしさにコクをプラス。マグカップなら180mlのお湯で約3分、350mlのボトルなら約5分で抽出できます。 蒸ししょうがパウダー パッと振りかけるだけで簡単にしょうがをプラスしょうがを蒸して乾燥させることで、温活習慣に適した辛み成分ショウガオールの含有量がアップ。パウダーなのでいつものドリンクや料理にパパッと振りかけるだけで、簡単にしょうがをプラスできます。原材料は徳島県産の黄しょうが100%。豊かな香りと味が特長です。 薬用入浴剤 温温湯(おんおんとう)医薬部外品 天然生薬配合で芯まで温め植物オイルでお肌しっとり女性のからだに嬉しい生薬を贅沢に配合した薬用入浴剤。トウガラシやショウキョウ(しょうが)の力で、ぬるめのお湯(38~40℃)でもゆっくりつかることで体を芯まで温め、自然な発汗を促します。またホホバ、ケイヒの植物オイル配合で湯上りのお肌も潤います。 体の外から温め 外気が冷たくなるこれからの季節。体を冷やさないように服装から気をつけることが大切。もっとも冷えやすい足もとは特にしっかりガード。また太い 血管が集中する首まわりを温めると効率よく全身がじんわり温まっていきます。 ふわのびネックウォーマー 空気の層と天然シルクが首もとの温かさをキープ締めつけて血流をさまたげると冷えの原因になります。特許取得の筒状編成体の特殊な2重編みは、温かい空気の層をつくり、締め付けずゆるすぎない、 ふんわりとしたやさしい着け心地を実現しました。 冷えとりゆったり2重編みくつした もう重ね履きはいらない!1足で2足分の温かさ肌面シルク、表面コットンの2重編みで、足底にはクッション性のよい、ふわふわコットンパイルを内臓。はき口部分と足の甲部分の着圧を従来品よりゆるく改良。締めつけないのに歩いてもずれにくい、ほどよい着圧で1日中ゆったり履けて足もとから体を温めます。 ふわのびひざまでウォーマー 足首からひざ上までロング丈のレッグウォーマー約48cmのロング丈で足首からふくらはぎ、太い血管の通るひざ裏まで、ぐーんと伸びてすっぽり包み込みます。足首の方にくしゅっとさせて履くと、かわいいうえに足首の温かさがさらにアップ。肌面シルク100%の2重編みが空気の層をつくって、からだをやさしく温めます。 蓄熱充電式のぽかぽか湯たんぽ お湯の入れ替え不要!充電式で長時間ぽかぽか約20分充電するだけで布団の中なら約6時間、膝上での使用なら約3~4時間、心地よい温かさをキープするお湯いらずの湯たんぽ。じんわりやさしく体を温めてくれます。温風を出さないので肌が乾燥しにくいのも嬉しいところ。 ウール混のカバーのねこにも癒されそう。 ご紹介した冷えとりグッズはこちらからチェック! 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.27 2015 Winter≫ 掲載記事一覧はこちら ■ あわせて読みたい ■ 冷え性なのに汗っかきなので温めると逆に冷えてしまう。なにか対策はある? 半身浴や運動も効果無い40年来の冷え性。33歳以降の月経変化。気になるこの2点は改善できるの? 冷え性や月経不順、イライラや落ち込みを解消して、妊娠力を上げたいのですが 女性のための健康生活マガジン JINEKO 専門家に相談してみる ひんやりする季節ですね。読者の皆さんも、体が冷えないようにさまざまな対策をしています。体を温める食べものや飲み物を摂っている方は、アンケートでは7割超え。体の中から温まる、ショウガ入りのドリンク、ココア、健康茶などが人気です。夜はお好みの入浴剤をチョイスして、お風呂でゆったりリラックスタイムを楽しむのは定番コースのようです。インナーなど衣類で冷え対策する方は8割超えでした。足先や下半身全体の冷え防止にオススメなのは、やっぱりくつ下やレッグウォーマーなど。冷えをダイレクトに感じる手先や首もとを温めるのも必須ですね。ファッションにも馴染みそうなデザインがますます充実してきているので、おしゃれを楽しみながら冷え対策をしましょう。 温活習慣 冷えとりグッズ Selection もうすぐやってくる本格的な冬。冷えやすい女性にとってはつらい季節です。でもしっかりと対策すれば大丈夫。体の中から、そして外から上手に温めて冷えを撃退し、健康で快適に冬を乗り越えましょう。 体の中から温め 食べ物や飲み物で体の中から温めることはとても大切。しょうがやスパイスなどの食材を積極的にとり入れましょう。またぬるめのおふろは血流を促進し、体の芯からじっくりと温めてくれます。 ぽかぽか蒸ししょうが黒豆茶 蒸ししょうが×黒豆の女性に嬉しい健康茶徳之島産の黄しょうがと北海道産の黒豆で作ったノンカフェインのヘルシー茶。黒豆は蒸したものと焙煎したもの2種類をブレンドすることで、香ばしさにコクをプラス。マグカップなら180mlのお湯で約3分、350mlのボトルなら約5分で抽出できます。 蒸ししょうがパウダー パッと振りかけるだけで簡単にしょうがをプラスしょうがを蒸して乾燥させることで、温活習慣に適した辛み成分ショウガオールの含有量がアップ。パウダーなのでいつものドリンクや料理にパパッと振りかけるだけで、簡単にしょうがをプラスできます。原材料は徳島県産の黄しょうが100%。豊かな香りと味が特長です。 薬用入浴剤 温温湯(おんおんとう)医薬部外品 天然生薬配合で芯まで温め植物オイルでお肌しっとり女性のからだに嬉しい生薬を贅沢に配合した薬用入浴剤。トウガラシやショウキョウ(しょうが)の力で、ぬるめのお湯(38~40℃)でもゆっくりつかることで体を芯まで温め、自然な発汗を促します。またホホバ、ケイヒの植物オイル配合で湯上りのお肌も潤います。 体の外から温め 外気が冷たくなるこれからの季節。体を冷やさないように服装から気をつけることが大切。もっとも冷えやすい足もとは特にしっかりガード。また太い 血管が集中する首まわりを温めると効率よく全身がじんわり温まっていきます。 ふわのびネックウォーマー 空気の層と天然シルクが首もとの温かさをキープ締めつけて血流をさまたげると冷えの原因になります。特許取得の筒状編成体の特殊な2重編みは、温かい空気の層をつくり、締め付けずゆるすぎない、 ふんわりとしたやさしい着け心地を実現しました。 冷えとりゆったり2重編みくつした もう重ね履きはいらない!1足で2足分の温かさ肌面シルク、表面コットンの2重編みで、足底にはクッション性のよい、ふわふわコットンパイルを内臓。はき口部分と足の甲部分の着圧を従来品よりゆるく改良。締めつけないのに歩いてもずれにくい、ほどよい着圧で1日中ゆったり履けて足もとから体を温めます。 ふわのびひざまでウォーマー 足首からひざ上までロング丈のレッグウォーマー約48cmのロング丈で足首からふくらはぎ、太い血管の通るひざ裏まで、ぐーんと伸びてすっぽり包み込みます。足首の方にくしゅっとさせて履くと、かわいいうえに足首の温かさがさらにアップ。肌面シルク100%の2重編みが空気の層をつくって、からだをやさしく温めます。 蓄熱充電式のぽかぽか湯たんぽ お湯の入れ替え不要!充電式で長時間ぽかぽか約20分充電するだけで布団の中なら約6時間、膝上での使用なら約3~4時間、心地よい温かさをキープするお湯いらずの湯たんぽ。じんわりやさしく体を温めてくれます。温風を出さないので肌が乾燥しにくいのも嬉しいところ。 ウール混のカバーのねこにも癒されそう。 ご紹介した冷えとりグッズはこちらからチェック! 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.27 2015 Winter≫ 掲載記事一覧はこちら ■ あわせて読みたい ■ 冷え性なのに汗っかきなので温めると逆に冷えてしまう。なにか対策はある? 半身浴や運動も効果無い40年来の冷え性。33歳以降の月経変化。気になるこの2点は改善できるの? 冷え性や月経不順、イライラや落ち込みを解消して、妊娠力を上げたいのですが 女性のための健康生活マガジン JINEKO 専門家に相談してみる
2015.12.9
コラム 不妊治療
-
男性の立場から伝える妊活で幸せ夫婦になる方法
2015年8月29日に行われたジネコ 妊活セミナーより 男性の立場から伝える妊活で幸せ夫婦になる方法 不妊治療には大変なこともありますが、最終的に子供が産まれる産まれないに関わらず、夫婦二人で乗り越えていけばとてもすばらしい経験になります。しかし、時として不妊治療は子供を産むことだけが目的になってしまい、お互いの気持ちに鈍感になってしまうことがあります。今から7年前、私自身も再婚同士で結婚し、不妊治療をしていました。最終的に私たち夫婦は不妊治療をやめる決断をしましたが、不妊治療を通して、夫婦が幸せに生きるために大切なことを数多く実体験しました。そんな自身の体験もきっかけのひとつに、現在は男(夫)の気持ちと女(妻)のあり方を伝える夫婦再生カウンセラーとして、1000組を越えるご夫婦の相談にのっています。今セミナーでは、私自身の経験も交え、特に男性(夫)の立場から、ご夫婦がより幸せな妊活をするために今一度、考えてほしいこと、そして実践的な方法をお伝えしたいと思います。 子供がほしいのは誰か-相談できる環境づくり 妊活はご夫婦で行うものですが、実際の治療においては、最終的に妊娠・出産という役割を担う女性(妻)がメインになって進めることが多いと思います。要は、女性は男性と一緒に妊活という山に登ろうと思っていますが、男性からすると、山登りのリードをしているのは実は妻であって、自分は無力。でもできるだけ、妻の望む方向に付いていき、なんとか協力したいと思っているというのがほとんどの実態だと思います。そこのところを、お二人で確かめ合ったことはありますか?その部分がすれ違ったまま治療が長引くと、女性は次第に自分だけが1人で頑張っているような孤独感や不満が募るというパターンが多いように思います。そのようなパターンに陥らないためにも、妊活において、女性は男性に相談できる環境を自ら作り、子供がほしい気持ちをお互いに確かめ合いながら妊活を進めることが大切です。 実際にやってみよう! 幸せ夫婦になるためのワーク①「ご機嫌な言葉を使おう」約5分間、ご夫婦がペアになって、お互いのいいところを言葉に出して褒め合います。お互いに相談し合える環境を作るために、まず大切なのは日常からの"言葉がけ"です。嬉しいとかありがとうという気持ちを言葉にして出していく。それは妊活の初期段階でとても大事ことです。そして、それがだんだんできなくなっていくことが、お互いに不満を募らせ、気持ちがすれ違ってしまう原因になっているのも確かです。例えば女性は、今回のような妊活セミナーに夫が一緒に来ていたら、「嬉しい」「ありがとう」という言葉をかけていますか? 夫婦のことなんだから夫が一緒に来るのはあたりまえと思っているとしたら、少し考え直してみませんか。先に述べたように、妊活のリードをしているのは女性で、男性はその後を付いていっている実態がほとんどなのです。そして、実は男性はそんな些細な言葉をもらうだけで、すごく嬉しいのです。妻が自分の努力を見てくれている、自分のことをかわってくれていると感じることができるのです。それが、相談に乗るという環境に落ち着いていく最初の一歩です。こういった言葉がけは、特に不協力的な夫に対しても効果的です。幸せ夫婦になるためのワーク② 「不安なことを話そう」約5分間、ご夫婦がペアになって、お互いの不安を言葉に出して言い合います。 「なんでわかってくれないの?」-。妊活を進める中でのジレンマで、ついそんな言葉を夫にかけてしまうことはありませんか? その言葉をもっと素直に「不安なの」に変えてみましょう。要は、夫に、俺がいないとダメだな、と思わせることが大事なのです。そうすることで、男性は、自分が何ができるのだろうと考えることができます。 また、男性自身が自分の不安を解消するためにどうしていいかわからないということもありますから、二人で不安を言い合う機会を作ることで、お互いが楽になります。女性側はさらに一歩進んで、具体的にどうすれば自分の不安が解消されるのかを言葉にすることもおすすめします。例えば「一緒にセミナーについてきてくれると安心する」「話を聞いてくれると嬉しい」など。男性は、女性が想像する以上に女性の気持ちをわかっていないものなのです。 覚えておきたい、夫が嬉しい三原則 夫婦再生カウンセリングの現場で、女性(妻)に必ず伝えるのがこの3つの「夫が嬉しい三原則」です。①俺のことわかってくれているな②俺がいないとダメだな③俺のことを一番に思ってくれているつまり、女性(妻)は男性(夫)に、この3つの思いを持たせることができれば、妊活においても、普段の夫婦生活においても幸せで円満な関係を築くことが可能だと実感します。もちろん、男性においても、自分のことを一番大切に考えてほしいならば、相手のことを一番に考える。そんな意識を持つことが二人の関係をより良いものにするのは間違いありません。 心は勝手に伝わらない 今回紹介したワークはすべて気持ちを言葉にする、ということがポイントです。気持ちは黙っていては伝わりません。嬉しいね、今日も1日お疲れ様でした、おかえり、ありがとう、そんな言葉を日常的に出すことで、男性(夫)は女性(妻)を守ろう、支えようという思いが強まるものなのです。それがお互いに不安や心配事も増える妊活中なら尚更のこと。妊活によって、夫婦の絆がより深まるようぜひ実践していただければと思います。 ■ あわせて読みたい ■ 卵子の真実 その1 後悔しない不妊治療 病態によっては「手術」も妊娠率を上げる重要な選択肢に 卵子の質に影響する要素と改善法 春、新しいこと始めよう!~IVFのこと、よく知りたいなら二人で説明会に出かけよう!~ 2015年12月20日開催 妊活セミナーご報告レポート 女性のための健康生活マガジン JINEKO ジネコ妊活セミナー 2015年8月29日に行われたジネコ 妊活セミナーより 男性の立場から伝える妊活で幸せ夫婦になる方法 不妊治療には大変なこともありますが、最終的に子供が産まれる産まれないに関わらず、夫婦二人で乗り越えていけばとてもすばらしい経験になります。しかし、時として不妊治療は子供を産むことだけが目的になってしまい、お互いの気持ちに鈍感になってしまうことがあります。今から7年前、私自身も再婚同士で結婚し、不妊治療をしていました。最終的に私たち夫婦は不妊治療をやめる決断をしましたが、不妊治療を通して、夫婦が幸せに生きるために大切なことを数多く実体験しました。そんな自身の体験もきっかけのひとつに、現在は男(夫)の気持ちと女(妻)のあり方を伝える夫婦再生カウンセラーとして、1000組を越えるご夫婦の相談にのっています。今セミナーでは、私自身の経験も交え、特に男性(夫)の立場から、ご夫婦がより幸せな妊活をするために今一度、考えてほしいこと、そして実践的な方法をお伝えしたいと思います。 子供がほしいのは誰か-相談できる環境づくり 妊活はご夫婦で行うものですが、実際の治療においては、最終的に妊娠・出産という役割を担う女性(妻)がメインになって進めることが多いと思います。要は、女性は男性と一緒に妊活という山に登ろうと思っていますが、男性からすると、山登りのリードをしているのは実は妻であって、自分は無力。でもできるだけ、妻の望む方向に付いていき、なんとか協力したいと思っているというのがほとんどの実態だと思います。そこのところを、お二人で確かめ合ったことはありますか?その部分がすれ違ったまま治療が長引くと、女性は次第に自分だけが1人で頑張っているような孤独感や不満が募るというパターンが多いように思います。そのようなパターンに陥らないためにも、妊活において、女性は男性に相談できる環境を自ら作り、子供がほしい気持ちをお互いに確かめ合いながら妊活を進めることが大切です。 実際にやってみよう! 幸せ夫婦になるためのワーク①「ご機嫌な言葉を使おう」約5分間、ご夫婦がペアになって、お互いのいいところを言葉に出して褒め合います。お互いに相談し合える環境を作るために、まず大切なのは日常からの"言葉がけ"です。嬉しいとかありがとうという気持ちを言葉にして出していく。それは妊活の初期段階でとても大事ことです。そして、それがだんだんできなくなっていくことが、お互いに不満を募らせ、気持ちがすれ違ってしまう原因になっているのも確かです。例えば女性は、今回のような妊活セミナーに夫が一緒に来ていたら、「嬉しい」「ありがとう」という言葉をかけていますか? 夫婦のことなんだから夫が一緒に来るのはあたりまえと思っているとしたら、少し考え直してみませんか。先に述べたように、妊活のリードをしているのは女性で、男性はその後を付いていっている実態がほとんどなのです。そして、実は男性はそんな些細な言葉をもらうだけで、すごく嬉しいのです。妻が自分の努力を見てくれている、自分のことをかわってくれていると感じることができるのです。それが、相談に乗るという環境に落ち着いていく最初の一歩です。こういった言葉がけは、特に不協力的な夫に対しても効果的です。幸せ夫婦になるためのワーク② 「不安なことを話そう」約5分間、ご夫婦がペアになって、お互いの不安を言葉に出して言い合います。 「なんでわかってくれないの?」-。妊活を進める中でのジレンマで、ついそんな言葉を夫にかけてしまうことはありませんか? その言葉をもっと素直に「不安なの」に変えてみましょう。要は、夫に、俺がいないとダメだな、と思わせることが大事なのです。そうすることで、男性は、自分が何ができるのだろうと考えることができます。 また、男性自身が自分の不安を解消するためにどうしていいかわからないということもありますから、二人で不安を言い合う機会を作ることで、お互いが楽になります。女性側はさらに一歩進んで、具体的にどうすれば自分の不安が解消されるのかを言葉にすることもおすすめします。例えば「一緒にセミナーについてきてくれると安心する」「話を聞いてくれると嬉しい」など。男性は、女性が想像する以上に女性の気持ちをわかっていないものなのです。 覚えておきたい、夫が嬉しい三原則 夫婦再生カウンセリングの現場で、女性(妻)に必ず伝えるのがこの3つの「夫が嬉しい三原則」です。①俺のことわかってくれているな②俺がいないとダメだな③俺のことを一番に思ってくれているつまり、女性(妻)は男性(夫)に、この3つの思いを持たせることができれば、妊活においても、普段の夫婦生活においても幸せで円満な関係を築くことが可能だと実感します。もちろん、男性においても、自分のことを一番大切に考えてほしいならば、相手のことを一番に考える。そんな意識を持つことが二人の関係をより良いものにするのは間違いありません。 心は勝手に伝わらない 今回紹介したワークはすべて気持ちを言葉にする、ということがポイントです。気持ちは黙っていては伝わりません。嬉しいね、今日も1日お疲れ様でした、おかえり、ありがとう、そんな言葉を日常的に出すことで、男性(夫)は女性(妻)を守ろう、支えようという思いが強まるものなのです。それがお互いに不安や心配事も増える妊活中なら尚更のこと。妊活によって、夫婦の絆がより深まるようぜひ実践していただければと思います。 ■ あわせて読みたい ■ 卵子の真実 その1 後悔しない不妊治療 病態によっては「手術」も妊娠率を上げる重要な選択肢に 卵子の質に影響する要素と改善法 春、新しいこと始めよう!~IVFのこと、よく知りたいなら二人で説明会に出かけよう!~ 2015年12月20日開催 妊活セミナーご報告レポート 女性のための健康生活マガジン JINEKO ジネコ妊活セミナー
2015.12.8
コラム 不妊治療
-
ルトラール®|不妊治療の薬
不妊治療の治療法は人によってさまざまで、治療に応じていろいろな薬が使われます。ここでは、なぜ使うのか、どんなふうに効くのかなどを解説していきます。 ルトラール® 排卵・受精後の子宮内膜が受精卵を受け入れやすく、着床しやすくなるように用いる経口の黄体ホルモン剤。一般名はクロルマジノン酢酸エステル。無月経や月経周期の異常などの場合に用いられる。排卵後2~6日目くらいから6~10日間続けて補充する。 出典:女性のための健康生活マガジン jineko ■ あわせて読みたい ■ 排卵前にルトラール(R)を飲むように言われましたが問題ありませんか? 排卵後、ルトラール(R)を飲んでいるのに体温が下がりました 排卵後の黄体補充でルトラール(R)5日間の処方は短すぎませんか? 女性のための健康生活マガジン JINEKO 専門家に相談してみる 不妊治療の治療法は人によってさまざまで、治療に応じていろいろな薬が使われます。ここでは、なぜ使うのか、どんなふうに効くのかなどを解説していきます。 ルトラール® 排卵・受精後の子宮内膜が受精卵を受け入れやすく、着床しやすくなるように用いる経口の黄体ホルモン剤。一般名はクロルマジノン酢酸エステル。無月経や月経周期の異常などの場合に用いられる。排卵後2~6日目くらいから6~10日間続けて補充する。 出典:女性のための健康生活マガジン jineko ■ あわせて読みたい ■ 排卵前にルトラール(R)を飲むように言われましたが問題ありませんか? 排卵後、ルトラール(R)を飲んでいるのに体温が下がりました 排卵後の黄体補充でルトラール(R)5日間の処方は短すぎませんか? 女性のための健康生活マガジン JINEKO 専門家に相談してみる
2015.11.16
コラム 不妊治療
-
クロミッド®|不妊治療の薬
不妊治療の治療法は人によってさまざまで、治療に応じていろいろな薬が使われます。ここでは、なぜ使うのか、どんなふうに効くのかなどを解説していきます。 クロミッド® 一般名はクロミフェンクエン酸塩。排卵誘発剤の1つ。副作用に卵巣過剰刺激による卵巣腫大がある。多嚢胞性卵巣症候群には無効の場合が多い。 出典:女性のための健康生活マガジン jineko ■ あわせて読みたい ■ ホルモン補充周期で移植を予定。クロミッド®使用後は移植に悪影響がある? 人工授精をするのにクロミッド®を使うか自然かで悩んでいます。 両側卵管を切除し、FSHも高め。クロミッド®による排卵誘発しか無理でしょうか? 女性のための健康生活マガジン JINEKO 専門家に相談してみる 不妊治療の治療法は人によってさまざまで、治療に応じていろいろな薬が使われます。ここでは、なぜ使うのか、どんなふうに効くのかなどを解説していきます。 クロミッド® 一般名はクロミフェンクエン酸塩。排卵誘発剤の1つ。副作用に卵巣過剰刺激による卵巣腫大がある。多嚢胞性卵巣症候群には無効の場合が多い。 出典:女性のための健康生活マガジン jineko ■ あわせて読みたい ■ ホルモン補充周期で移植を予定。クロミッド®使用後は移植に悪影響がある? 人工授精をするのにクロミッド®を使うか自然かで悩んでいます。 両側卵管を切除し、FSHも高め。クロミッド®による排卵誘発しか無理でしょうか? 女性のための健康生活マガジン JINEKO 専門家に相談してみる
2015.11.13
コラム 不妊治療
-
フェマーラ®|不妊治療の薬
不妊治療の治療法は人によってさまざまで、治療に応じていろいろな薬が使われます。ここでは、なぜ使うのか、どんなふうに効くのかなどを解説していきます。 フェマーラ® エストロゲンの生成を阻害することを利用して排卵を誘発するアロマターゼ阻害薬の1つ。低卵巣刺激法で使用する。保険適用外使用。 出典:女性のための健康生活マガジン jineko ■ あわせて読みたい ■ フェマーラ®周期での採卵。卵胞の発育が遅い場合、薬の追加は必要ですか? 42歳で両側卵管閉塞、卵の数も少なめです。どんな治療ができますか? 3度目の流産。今後の治療はどうすればいいですか? 女性のための健康生活マガジン JINEKO 専門家に相談してみる 不妊治療の治療法は人によってさまざまで、治療に応じていろいろな薬が使われます。ここでは、なぜ使うのか、どんなふうに効くのかなどを解説していきます。 フェマーラ® エストロゲンの生成を阻害することを利用して排卵を誘発するアロマターゼ阻害薬の1つ。低卵巣刺激法で使用する。保険適用外使用。 出典:女性のための健康生活マガジン jineko ■ あわせて読みたい ■ フェマーラ®周期での採卵。卵胞の発育が遅い場合、薬の追加は必要ですか? 42歳で両側卵管閉塞、卵の数も少なめです。どんな治療ができますか? 3度目の流産。今後の治療はどうすればいいですか? 女性のための健康生活マガジン JINEKO 専門家に相談してみる
2015.11.10
コラム 不妊治療
-
プレマリン®|不妊治療の薬
不妊治療の治療法は人によってさまざまで、治療に応じていろいろな薬が使われます。ここでは、なぜ使うのか、どんなふうに効くのかなどを解説していきます。 プレマリン® 経口のエストロゲン(卵胞ホルモン)製剤。不妊治療では、黄体機能不全による不妊症に用いられたり、、頸管粘液の分泌を促したり、子宮内膜を厚くする目的で使われることが多い。 出典:女性のための健康生活マガジン jineko 【PR】不妊治療は秋山レディースクリニック ■ あわせて読みたい ■ FSHが高値ですが薬による治療で自然排卵は望めますか? 注射を受けるにつれて卵胞の状態や体調が悪くなっている気がします 早発卵巣機能不全の治療中。妊娠の可能性やほかの治療法はありますか? 女性のための健康生活マガジン JINEKO 専門家に相談してみる 不妊治療の治療法は人によってさまざまで、治療に応じていろいろな薬が使われます。ここでは、なぜ使うのか、どんなふうに効くのかなどを解説していきます。 プレマリン® 経口のエストロゲン(卵胞ホルモン)製剤。不妊治療では、黄体機能不全による不妊症に用いられたり、、頸管粘液の分泌を促したり、子宮内膜を厚くする目的で使われることが多い。 出典:女性のための健康生活マガジン jineko 【PR】不妊治療は秋山レディースクリニック ■ あわせて読みたい ■ FSHが高値ですが薬による治療で自然排卵は望めますか? 注射を受けるにつれて卵胞の状態や体調が悪くなっている気がします 早発卵巣機能不全の治療中。妊娠の可能性やほかの治療法はありますか? 女性のための健康生活マガジン JINEKO 専門家に相談してみる
2015.11.9
コラム 不妊治療
-
プラノバール®|不妊治療の薬
不妊治療の治療法は人によってさまざまで、治療に応じていろいろな薬が使われます。ここでは、なぜ使うのか、どんなふうに効くのかなどを解説していきます。 プラノバール® 中用量ピルの1つ。性腺刺激ホルモン抑制作用をもつ。黄体ホルモンと卵胞ホルモンからなる混合ホルモン剤で、女性ホルモンのバランスを整える。卵巣機能不全による不妊症、無月経、機能性子宮出血などに用いられる。副作用として、吐き気や嘔吐、乳房の張りや痛みなどが起こることがある。 出典:女性のための健康生活マガジン jineko ■ あわせて読みたい ■ 副作用があるのですがプラノバール(R)の服用は必要? 多嚢胞性卵巣症候群で 生理がきません。薬に頼らずに済む方法は? ピルの服用によって卵巣機能が悪くなることはあるのでしょうか? 女性のための健康生活マガジン JINEKO 専門家に相談してみる 不妊治療の治療法は人によってさまざまで、治療に応じていろいろな薬が使われます。ここでは、なぜ使うのか、どんなふうに効くのかなどを解説していきます。 プラノバール® 中用量ピルの1つ。性腺刺激ホルモン抑制作用をもつ。黄体ホルモンと卵胞ホルモンからなる混合ホルモン剤で、女性ホルモンのバランスを整える。卵巣機能不全による不妊症、無月経、機能性子宮出血などに用いられる。副作用として、吐き気や嘔吐、乳房の張りや痛みなどが起こることがある。 出典:女性のための健康生活マガジン jineko ■ あわせて読みたい ■ 副作用があるのですがプラノバール(R)の服用は必要? 多嚢胞性卵巣症候群で 生理がきません。薬に頼らずに済む方法は? ピルの服用によって卵巣機能が悪くなることはあるのでしょうか? 女性のための健康生活マガジン JINEKO 専門家に相談してみる
2015.11.6
コラム 不妊治療
-
高齢不妊|不妊の原因
女性には「妊娠適齢期」があるって知っていましたか?結婚から妊娠・出産の時期、子供は何人欲しいかなど人によっても年齢によっても、皆さま一人ひとりが違う人生の計画。誰もがあたりまえに描く夢を叶えるために、まずは自分の体の本質を知りましょう。 浅田レディースクリニック 浅田 義正先生名古屋大学医学部卒業。1993年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。2004年、浅田レディースクリニック開院。2006年、生殖医療専門医認定。2010年、浅田レディース名古屋駅前クリニック開院。浅田先生は国内でAMHをもとに治療方針を決めた先駆者。≫ 浅田レディースクリニック 高齢不妊 ~人には「妊娠適齢期」がある~ 〝生理があるから妊娠できる〟は勘違い 現在、「結婚適齢期」や「高年初産」という言葉は死語になっていますが、実は妊娠には「妊娠適齢期」があります。女性のライフスタイルや人生設計が変わり、結婚適齢期がなくなっても、「妊娠適齢期」や「分娩適齢期」には、まったく変化がありません。平均寿命に関係なく、女性の生殖年齢は大昔からまったく変わっていないのです。たとえば、生理があるうちは妊娠できると思っている人がとても多いのですが、とんでもない勘違いです。だいたい閉経の10年前から妊娠できなくなります。排卵がなくなった後も、卵の周囲の細胞が10年ほどホルモンをつくり続けるので、それで生理があるだけです。肝心の健全な卵はなくなっているので、妊娠には至りません。だいたい51~52歳で閉経しますから、41~42歳が妊娠の限界です。もちろん、閉経も人によって10年ほどの幅があるので、妊娠可能の上限にも幅があります。それでも、35~45歳くらいの間に、健全な卵としての消費期限というか、限界が訪れます。女性の平均寿命が86歳になろうが、40歳の人が30歳の若さに見えようが、閉経の年齢は延びていきません。卵巣の寿命も大昔から変わっていません。江戸時代なら、女性は閉経するあたりで死んでいました。20年前なら35歳以上でお産する人は高齢出産ということで心配し、それなりの姿勢で対処したのが、今は35歳でも心配せず、40代でも普通に妊娠・出産できるという錯覚をしています。40代で赤ちゃんができたという有名人の例も珍しくありませんが、たいていはそれなりの努力や治療をしているはずです。医学はとても進歩して、体外受精や顕微授精という高度生殖医療技術も進み、出産までのプロセスでの危険を防ぐ医療も進化しています。その一方で、勘違いと錯覚のために、みすみす赤ちゃんを持つチャンスを逃している人が増えています。妊娠できた人でも、もうちょっと早く来院してくれていたらもっと楽に妊娠できたのに、という人も非常に多いのです。とてももったいないことです。生殖年齢=妊娠適齢期を延ばすことは、ドクターにも現代の医学にも超えられない壁です。その厳しいともいえる事実を知ることから、すべては始まるのです。 本質を知って早く目的地へ 不妊症の人は7~10人に1人といわれています。本人の問題、家族の関係、社会的な要因などいろんなことで不妊症は成り立っているのですが、一番大きな原因として晩婚化、晩産化があります。1985年では7割近くが20代で出産をしていました。今では、20代が3割から4割ぐらいになり、30代、40代での出産が増加しています。どなたもそうなのですが、好き好んで晩婚化、晩産化してきたわけではないはずです。早く結婚した方がいいかなと思いつつ、遅れてきてしまった、周りをみてもまだ結婚していないのでまだ大丈夫と思ってきてしまった人が多いのです。10年前だったら簡単に妊娠できた人が、今非常に苦労して妊娠しています。長い不妊治療で経済的に疲労したり、いろいろストレスを感じたり、体力的にも出産・子育ての限界を感じる前の、妊娠しやすい時に妊娠して欲しいと思います。どんなに医学が進み、生殖医療が進んでも、医学でできること、できないことがあります。今の医学ではどうにもできない事が、妊娠の本質なのです。そのかわり、そこさえ何とかなれば、つまり皆様のお腹の中に、まだ卵子が残ってさえいれば、あとは医学の力で何とかできます。精子がどうであれ、子宮や卵管に問題があれ、ほとんどのことがクリアできます。妊娠の本質をきちんと理解すれば、より早く目的地に着くための手段を迷わずに選ぶ事ができるのです。 女性の平均寿命と閉経年齢の変化 平均寿命(余命)の延長 出典:Asada with Jineko.net 【PR】不妊でお悩みなら。田村秀子産婦人科医院 ■ あわせて読みたい ■ 高齢でも胚盤胞まで育つでしょうか? 良好胚でも成功しないのは高齢で「着床の窓」がずれているから? 不妊治療歴10年。最後に治療をするならどんな方法がありますか? 40代の不妊治療~知っておきたい!40代の不妊治療の心得は?~ 浅田レディースクリニック 女性のための健康生活マガジン JINEKO 女性には「妊娠適齢期」があるって知っていましたか?結婚から妊娠・出産の時期、子供は何人欲しいかなど人によっても年齢によっても、皆さま一人ひとりが違う人生の計画。誰もがあたりまえに描く夢を叶えるために、まずは自分の体の本質を知りましょう。 浅田レディースクリニック 浅田 義正先生名古屋大学医学部卒業。1993年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。2004年、浅田レディースクリニック開院。2006年、生殖医療専門医認定。2010年、浅田レディース名古屋駅前クリニック開院。浅田先生は国内でAMHをもとに治療方針を決めた先駆者。≫ 浅田レディースクリニック 高齢不妊 ~人には「妊娠適齢期」がある~ 〝生理があるから妊娠できる〟は勘違い 現在、「結婚適齢期」や「高年初産」という言葉は死語になっていますが、実は妊娠には「妊娠適齢期」があります。女性のライフスタイルや人生設計が変わり、結婚適齢期がなくなっても、「妊娠適齢期」や「分娩適齢期」には、まったく変化がありません。平均寿命に関係なく、女性の生殖年齢は大昔からまったく変わっていないのです。たとえば、生理があるうちは妊娠できると思っている人がとても多いのですが、とんでもない勘違いです。だいたい閉経の10年前から妊娠できなくなります。排卵がなくなった後も、卵の周囲の細胞が10年ほどホルモンをつくり続けるので、それで生理があるだけです。肝心の健全な卵はなくなっているので、妊娠には至りません。だいたい51~52歳で閉経しますから、41~42歳が妊娠の限界です。もちろん、閉経も人によって10年ほどの幅があるので、妊娠可能の上限にも幅があります。それでも、35~45歳くらいの間に、健全な卵としての消費期限というか、限界が訪れます。女性の平均寿命が86歳になろうが、40歳の人が30歳の若さに見えようが、閉経の年齢は延びていきません。卵巣の寿命も大昔から変わっていません。江戸時代なら、女性は閉経するあたりで死んでいました。20年前なら35歳以上でお産する人は高齢出産ということで心配し、それなりの姿勢で対処したのが、今は35歳でも心配せず、40代でも普通に妊娠・出産できるという錯覚をしています。40代で赤ちゃんができたという有名人の例も珍しくありませんが、たいていはそれなりの努力や治療をしているはずです。医学はとても進歩して、体外受精や顕微授精という高度生殖医療技術も進み、出産までのプロセスでの危険を防ぐ医療も進化しています。その一方で、勘違いと錯覚のために、みすみす赤ちゃんを持つチャンスを逃している人が増えています。妊娠できた人でも、もうちょっと早く来院してくれていたらもっと楽に妊娠できたのに、という人も非常に多いのです。とてももったいないことです。生殖年齢=妊娠適齢期を延ばすことは、ドクターにも現代の医学にも超えられない壁です。その厳しいともいえる事実を知ることから、すべては始まるのです。 本質を知って早く目的地へ 不妊症の人は7~10人に1人といわれています。本人の問題、家族の関係、社会的な要因などいろんなことで不妊症は成り立っているのですが、一番大きな原因として晩婚化、晩産化があります。1985年では7割近くが20代で出産をしていました。今では、20代が3割から4割ぐらいになり、30代、40代での出産が増加しています。どなたもそうなのですが、好き好んで晩婚化、晩産化してきたわけではないはずです。早く結婚した方がいいかなと思いつつ、遅れてきてしまった、周りをみてもまだ結婚していないのでまだ大丈夫と思ってきてしまった人が多いのです。10年前だったら簡単に妊娠できた人が、今非常に苦労して妊娠しています。長い不妊治療で経済的に疲労したり、いろいろストレスを感じたり、体力的にも出産・子育ての限界を感じる前の、妊娠しやすい時に妊娠して欲しいと思います。どんなに医学が進み、生殖医療が進んでも、医学でできること、できないことがあります。今の医学ではどうにもできない事が、妊娠の本質なのです。そのかわり、そこさえ何とかなれば、つまり皆様のお腹の中に、まだ卵子が残ってさえいれば、あとは医学の力で何とかできます。精子がどうであれ、子宮や卵管に問題があれ、ほとんどのことがクリアできます。妊娠の本質をきちんと理解すれば、より早く目的地に着くための手段を迷わずに選ぶ事ができるのです。 女性の平均寿命と閉経年齢の変化 平均寿命(余命)の延長 出典:Asada with Jineko.net 【PR】不妊でお悩みなら。田村秀子産婦人科医院 ■ あわせて読みたい ■ 高齢でも胚盤胞まで育つでしょうか? 良好胚でも成功しないのは高齢で「着床の窓」がずれているから? 不妊治療歴10年。最後に治療をするならどんな方法がありますか? 40代の不妊治療~知っておきたい!40代の不妊治療の心得は?~ 浅田レディースクリニック 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.10.28
コラム 不妊治療
-
ヒューナー検査|不妊検査
不妊症の原因を見つけ、治療につなげるには、まず体の状態を把握することが不可欠です。そのために、初診から約1カ月をかけて、一般的な検査をします。
2015.10.16
コラム 不妊治療
-
ドクターが解説 !!生殖医療用語「子宮腺筋症」
難しい用語がいろいろと出てくる不妊治療の現場。治療でよく聞く用語だけど、あまり正確に知らないものも多いのでは?勘違いや思い込みを防ぐためにもしっかり確認しておきましょう。クリニックの先生に用語の解説をしていただきました。 子宮腺筋症 子宮腺筋症とは、子宮内膜に似た組織が女性ホルモンであるエストロゲンの影響を受け、子宮の筋層に不均一に広がり、子宮が硬く腫れていく疾患です。月経を重ねるたびに激しくなっていき月経痛、過多月経(月経量が多い)が特徴的な症状です。進行とともに貧血、肛門痛や慢性の骨盤痛も出現してきます。症状の程度、年齢、妊娠を希望するかによって、治療法を選択します。激しい痛みには消炎鎮痛剤(NSAIDsなど)、過多月経による貧血には止血剤、鉄剤を投与します。これらでうまく対処できない場合には、低用量ピルやジエノゲスト、GnRHアゴニストなどで、病巣が拡大するのを抑え、症状を緩和します。しかし治癒するわけではないので、薬を中断すると症状がまた出現します。根治するには子宮をすべて摘出することが必要です。また高周波切除器を用いて病巣を取り除く子宮腺筋症核出術が先進医療として最近、認可されました。一般的な方法ではありませんが、子宮を温存でき、症状や不妊症の改善が認められるとの報告があります。 はなおかIVFクリニック品川 花岡 正智先生東邦大学医学部卒。三井記念病院にて初期研修。三井記念病院産婦人科、国立成育医療センター周産期診療部レジデント、後に臨床研究員を経て、はなおかレディースクリニック院長 ドクターが解説 !!生殖医療用語 一覧 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.27 2015 Autumn≫ 掲載記事一覧はこちら ■ あわせて読みたい ■ 妊娠を考えている場合、子宮腺筋症の有効な治療法とは? 子宮腺筋症と診断され、癒着と痛みがひどいです。人工授精を進めてもいい? 子宮腺筋症の持病がありAMH値も低めですがどうすれば妊娠できますか? クラミジア 女性のための健康生活マガジン JINEKO 難しい用語がいろいろと出てくる不妊治療の現場。治療でよく聞く用語だけど、あまり正確に知らないものも多いのでは?勘違いや思い込みを防ぐためにもしっかり確認しておきましょう。クリニックの先生に用語の解説をしていただきました。 子宮腺筋症 子宮腺筋症とは、子宮内膜に似た組織が女性ホルモンであるエストロゲンの影響を受け、子宮の筋層に不均一に広がり、子宮が硬く腫れていく疾患です。月経を重ねるたびに激しくなっていき月経痛、過多月経(月経量が多い)が特徴的な症状です。進行とともに貧血、肛門痛や慢性の骨盤痛も出現してきます。症状の程度、年齢、妊娠を希望するかによって、治療法を選択します。激しい痛みには消炎鎮痛剤(NSAIDsなど)、過多月経による貧血には止血剤、鉄剤を投与します。これらでうまく対処できない場合には、低用量ピルやジエノゲスト、GnRHアゴニストなどで、病巣が拡大するのを抑え、症状を緩和します。しかし治癒するわけではないので、薬を中断すると症状がまた出現します。根治するには子宮をすべて摘出することが必要です。また高周波切除器を用いて病巣を取り除く子宮腺筋症核出術が先進医療として最近、認可されました。一般的な方法ではありませんが、子宮を温存でき、症状や不妊症の改善が認められるとの報告があります。 はなおかIVFクリニック品川 花岡 正智先生東邦大学医学部卒。三井記念病院にて初期研修。三井記念病院産婦人科、国立成育医療センター周産期診療部レジデント、後に臨床研究員を経て、はなおかレディースクリニック院長 ドクターが解説 !!生殖医療用語 一覧 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.27 2015 Autumn≫ 掲載記事一覧はこちら ■ あわせて読みたい ■ 妊娠を考えている場合、子宮腺筋症の有効な治療法とは? 子宮腺筋症と診断され、癒着と痛みがひどいです。人工授精を進めてもいい? 子宮腺筋症の持病がありAMH値も低めですがどうすれば妊娠できますか? クラミジア 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.10.13
コラム 不妊治療
-
体外授精移植後の鍼灸治療の進め方は?
相談者 チキチキ さん(41歳) 胃が弱いのと当帰芍薬散で逆流性食道炎を発症したので、なるべく漢方の服用は避けて鍼灸のみ行っていますが、イマイチ効果を感じられません。通っている鍼灸院は体外受精の移植後の鍼灸はやらない方針です。はたしてそれでいいのかも不安です。○ 低温期と高温期の差が小さい(0.3 度未満)○ 高温期の上昇が遅い○ 月経血の量が少なく、月経期間が短い○ PMS(月経前症候群)がひどい○ 高プロラクチン血症である○ 足腰のだるさや冷えを感じる○ 稽留流産したことがある 鍼灸治療は妊娠の手助けになるので不妊治療に詳しい鍼灸院選びが重要になる 鍼灸院によって治療方針はさまざまです。体外受精の移植後に鍼灸をしない理由として最も考えられるのは、着床して妊娠したのに、鍼灸によって流産する恐れがあるためだと思います。移植後または妊娠初期には、鍼を打ってはいけないツボがあるので、それは気をつけなければいけません。そのことからも、不妊治療に詳しい専門の鍼灸院選びがとても重要になります。逆に言えば、症状に合っている鍼灸治療を受けることはむしろ、妊娠の手助けになるのです。 鍼灸で着床可能な期間内に子宮内膜を良好な状態に整えた方が着床率は高まる 体外受精の移植後、胚盤胞の場合は3日間に受精卵が子宮内膜に着床するか否かが勝負になります。また、初期分割胚の場合は、治療が少し長くなることもあります。着床可能な期間内には、なるべく子宮内膜を良好な状態に整えた方が、着床率が高まると考えます。胚盤胞の移植をする場合には、着床率、妊娠率を高めるために、移植当日から3日間連続で行う着床治療があります。鍼灸治療によって、これまで分泌されたホルモンのうち、5割しか卵巣に届かなかったのが7~8割届くようになれば、卵巣の働きが以前より活発になります。また、着床を後押ししてくれる黄体ホルモンの分泌も旺盛になり、結果として着床率や妊娠率が高まると考えられます。着床するためにもうひとつ大切なことは、子宮内膜の状態です。鍼灸によって子宮内膜表面の血行が良くなると、内膜がフカフカの厚みを持ち、着床環境が良くなることで着床率が高まるのです。 時間を有効に使うために鍼灸治療で体の状態を整えることが妊娠への近道 チキチキさんの基礎体温は、低温期と高温期の二相差が小さく(0.3度未満)、高温期の上昇が遅いので、まずは体質を改善してから、採卵や移植することをおすすめします。また、月経血量が少なく月経期間が短い、月経前症候群がひどく、足腰のだるさや冷えなどの症状は、鍼灸治療を続けることでかなり改善されると思います。41 歳という年齢だからとあせる必要はないのですが、時間を有効に使うために、まずは体の状態をしっかり整えることが妊娠への近道だと思います。 和田 滉美先生 長春中医薬大学中医学部卒業。中国中医研究院講師。北京骨傷学院附属病院内科医師。日本獨協医科大学附属越谷病院小児科研究員を経て、2006年に桃仁堂中医鍼灸院を開院。一人ひとりの体質や症状に合わせたきめ細かい治療、病院選びをはじめとする丁寧なアドバイス、妊娠後の安胎・安産治療もサポート。多くの女性から信頼を寄せられている。 ■ よく読まれている記事 ■ 流産や不妊治療を経験して、妊娠や出産が当たり前ではないことに気づいた her story|不育症を乗り越えてー 8回移植を行っても妊娠に至りません。続けても見込みはある? アメリカで不妊治療中。タイミング療法のやり方に少し疑問を感じます 2人目の子どもを望んで 不妊治療を始めたものの、治療のつらさに限界を感じる日々。 相談者 チキチキ さん(41歳) 胃が弱いのと当帰芍薬散で逆流性食道炎を発症したので、なるべく漢方の服用は避けて鍼灸のみ行っていますが、イマイチ効果を感じられません。通っている鍼灸院は体外受精の移植後の鍼灸はやらない方針です。はたしてそれでいいのかも不安です。○ 低温期と高温期の差が小さい(0.3 度未満)○ 高温期の上昇が遅い○ 月経血の量が少なく、月経期間が短い○ PMS(月経前症候群)がひどい○ 高プロラクチン血症である○ 足腰のだるさや冷えを感じる○ 稽留流産したことがある 鍼灸治療は妊娠の手助けになるので不妊治療に詳しい鍼灸院選びが重要になる 鍼灸院によって治療方針はさまざまです。体外受精の移植後に鍼灸をしない理由として最も考えられるのは、着床して妊娠したのに、鍼灸によって流産する恐れがあるためだと思います。移植後または妊娠初期には、鍼を打ってはいけないツボがあるので、それは気をつけなければいけません。そのことからも、不妊治療に詳しい専門の鍼灸院選びがとても重要になります。逆に言えば、症状に合っている鍼灸治療を受けることはむしろ、妊娠の手助けになるのです。 鍼灸で着床可能な期間内に子宮内膜を良好な状態に整えた方が着床率は高まる 体外受精の移植後、胚盤胞の場合は3日間に受精卵が子宮内膜に着床するか否かが勝負になります。また、初期分割胚の場合は、治療が少し長くなることもあります。着床可能な期間内には、なるべく子宮内膜を良好な状態に整えた方が、着床率が高まると考えます。胚盤胞の移植をする場合には、着床率、妊娠率を高めるために、移植当日から3日間連続で行う着床治療があります。鍼灸治療によって、これまで分泌されたホルモンのうち、5割しか卵巣に届かなかったのが7~8割届くようになれば、卵巣の働きが以前より活発になります。また、着床を後押ししてくれる黄体ホルモンの分泌も旺盛になり、結果として着床率や妊娠率が高まると考えられます。着床するためにもうひとつ大切なことは、子宮内膜の状態です。鍼灸によって子宮内膜表面の血行が良くなると、内膜がフカフカの厚みを持ち、着床環境が良くなることで着床率が高まるのです。 時間を有効に使うために鍼灸治療で体の状態を整えることが妊娠への近道 チキチキさんの基礎体温は、低温期と高温期の二相差が小さく(0.3度未満)、高温期の上昇が遅いので、まずは体質を改善してから、採卵や移植することをおすすめします。また、月経血量が少なく月経期間が短い、月経前症候群がひどく、足腰のだるさや冷えなどの症状は、鍼灸治療を続けることでかなり改善されると思います。41 歳という年齢だからとあせる必要はないのですが、時間を有効に使うために、まずは体の状態をしっかり整えることが妊娠への近道だと思います。 和田 滉美先生 長春中医薬大学中医学部卒業。中国中医研究院講師。北京骨傷学院附属病院内科医師。日本獨協医科大学附属越谷病院小児科研究員を経て、2006年に桃仁堂中医鍼灸院を開院。一人ひとりの体質や症状に合わせたきめ細かい治療、病院選びをはじめとする丁寧なアドバイス、妊娠後の安胎・安産治療もサポート。多くの女性から信頼を寄せられている。 ■ よく読まれている記事 ■ 流産や不妊治療を経験して、妊娠や出産が当たり前ではないことに気づいた her story|不育症を乗り越えてー 8回移植を行っても妊娠に至りません。続けても見込みはある? アメリカで不妊治療中。タイミング療法のやり方に少し疑問を感じます 2人目の子どもを望んで 不妊治療を始めたものの、治療のつらさに限界を感じる日々。
2015.7.29
コラム 不妊治療
-
不妊治療、離婚、そして新たなスタート……
いろいろな経験をしてきたからこそ自然と相手を思いやれるように。 これからも笑顔で暮らしていこうね。 中学生の頃に出会い、長い間、友人関係だったピカさんとサトシさん。 お互いに離婚を経験し、自然と二人は一緒にいるように。そして、以前はうまくいかなかった不妊治療もスムーズに進み始めます。 離婚を経て始まった新たな生活 24歳の時に4歳年上の男性と結婚したピカさん(41歳)。父の死を機に子どもを望みますが、しばらく経っても妊娠の兆候は現れず、不妊治療をスタート。治療を続けるうちに、二人の気持ちはどんどんズレていき、やがて離婚という悲しい結末に...。それでも愛し合っていたピカさんとご主人は離婚した1年後、ピカさんが33歳の時に再び籍を入れます。しかし、二人の間に一度空いてしまった溝を埋めることはやはり難しく、6年後の39歳の時、ピカさんは2度目の結婚生活を諦め、彼と決別することを選択します。2つバツがついてしまったピカさん。別に悪いことをしたわけではないけれど、やっぱり周りの目が気になったといいます。「前の主人と暮らしていた家にそのまま住めるはずだったのですが、いろいろな事情でダメになってしまったんです。ご近所の目が気になるから、実家にも戻りにくいし...。離婚後、住むところがなくなってしまったんですね」途方に暮れたピカさんは、中学生の頃からの友人であるサトシさん(42歳)に相談。「サトシとは中学の頃に一度おつき合いした仲。彼の前の奥さんも私の前の主人もお互いに知っていて、結婚してからも交流を続けていました」お互いバツ2同士で、ピカさんのこれまでの事情もよくわかっているサトシさん。「深い意味もなく、じゃあ、一 緒に住んじゃおうかー、ということになったんです」ルームシェアをする友達同士という感じ。気心が知れているピカさんと同居することに、サトシさんもまったく抵抗を感じなかったそうです。 やっぱり子どもが欲しい!体外受精に望みをかけて 仲の良い友人というスタンスに変わりはなかったけれど、半年、1年と一緒に暮らすうちに、二人はお互いにかけがえのない存在だと気づきます。「恋愛とはちょっと違うかもしれないけれど、サトシは一生の茶飲み友達。もう30年も一緒にいる夫婦みたいですが、けじめをつけるために籍を入れることにしたんです」その時、ピカさんは4 0歳。妊娠にはギリギリといわれる年齢になっていましたが、前の結婚でどうしても叶えられなかった、「子どもを産みたい」 という気持ちが再び心にわいてきたといいます。「その頃、月経不順があって、生理が止まらない時期があったんですね。婦人科で診てもらうことになり、ホルモンの検査も一応受けたのですが、その結果にびっくり!以前の不妊治療ではずっとホルモンのバランスが悪いといわれていたのですが、今はとても状態が良く、先生から“これならすぐに妊娠できちゃうよ”って言われたんです」ピカさんが前の結婚生活でトライした不妊治療は人工授精まで。「前は、まだ年齢が若かったのに、一度も陽性反応は出ませんでした。今の年齢なら自然妊娠はおろか、人工授精でも難しいかなと思い、初めから体外受精を視野に入れた不妊治療をしようと考えたんです」「できるところまでやってみてもいいんじゃない?」というサトシさんの言葉にも後押しされ、ピカさんは体外受精も受けられる不妊治療専門クリニックを受診しました。「不妊治療の検査を一からやり直したら、左の卵管が詰まっていることがわかりました。“早く赤ちゃんを”という気持ちが強かったので、片方の排卵を待ってチャレンジするよりも、最初から体外受精を受けることを望みました」40歳という年齢も考慮し、排卵誘発は低刺激法に。クロミッド®の飲み薬+注射で、6個の卵子が採れました。「そのうち5個が受精して、全部胚盤胞になりました。やはりホルモンの状態が良かったのか、この年齢では優秀な結果だったかもしれませんね。すぐにでも妊娠できると思って移植に臨んだのですが、1回目は新鮮胚移植で不成功。2回目は凍結胚盤胞を自然周期で戻したのですが、それも着床には至りませんでした」念のため、ピカさんは不育症の検査を受けることに。ナチュラルキラー細胞の値が少し高く、自分の体を守るために受精卵を攻撃してしまう可能性があるかもしれないと考え、それを抑えるための注射も打ちました。「早く、早く!」と焦る気持ちを抑えながら、次の移植を待っていたというピカさん。「3回目はホルモン補充周期で凍結胚盤胞を戻しました。それでやっと、夢にまで見た陽性反応が出たんです!」 相手を想うからこその自然な思いやり クリニックに通い出してから5カ月後の妊娠判定。実は二人は、妊娠しなくても、採卵は1回だけにしようと決めていたそうです。「もう彼女に痛い思いをさせたくなかったので、2回目はやらせたくなかったんです。4日に1回注射を打ちに行くとか、調子が悪くなってつらそうにしているのを見ていたので。僕が代わってあげたいけれどそれはできない。横で見ていることしかできないのが歯がゆいですよね。前の結婚でもピカは4年間不妊治療をしている。これ以 上体を痛めつけてほしくなかったんです」(サトシさん)治療中、サトシさんはピカさんになるべく負担をかけないよう、気遣ってくれたそう。「すごく自然体で、頼まなくても病院の送り迎えをしてくれたり、私の調子が悪い時はサッと台所に立ってくれたり。自然にそういうことができる人なんですね」サトシさんは前の2回の結婚で3人のお子さんをもうけているので、子づくり・子育てではピカさんの大先輩。「僕は、前の子どもの時に立ち会い出産を経験しているので、妊娠はもちろん、出産のつらさやすごさを知っています。女の人は強く尊い。男は何もできないから、自分ができることはしてあげたいと思います。“やらなきゃいけない”じゃなくて、“やってあげたい”という気持ちですよね」(サトシさん)ピカさんは、妊娠判定日にはいつもサトシさんの携帯電話にメールで結果を報告していましたが、陽性が出たその日は直接話したくて、メールを入れませんでした。「嬉しいことかも、というより、おかしいな、事故にでも遭ったんじゃないかと思って心配しましたね。後で妊娠を聞いた時は、感動というより、“えーっ、ホント?”と驚きのほうが強かったのを覚えています」(サトシさん) 40代のこれからが人生の再スタート! その驚きは、今は確かな喜びに。二人の赤ちゃんはピカさんのお腹の中で順調に育ち、 予定日は来年早々です。「二人とも過去にはいろいろあったけれど、40代からが本当の人生のスタート。サトシと、生まれてくる赤ちゃんとともに、これからも変わらず、家族で毎日笑って暮らしていきたいと思っています」(ピカさん) ■ あわせて読みたい ■ 不育症を乗り越えてー(前編) 数度の流産...まさか自分が「不妊症」― ! ?(前編) まるで、“ゴールの見えないマラソン”8年間の不妊治療を、夫婦で走りぬきました。 女性のための健康生活マガジン JINEKO 専門家に相談してみる いろいろな経験をしてきたからこそ自然と相手を思いやれるように。 これからも笑顔で暮らしていこうね。 中学生の頃に出会い、長い間、友人関係だったピカさんとサトシさん。 お互いに離婚を経験し、自然と二人は一緒にいるように。そして、以前はうまくいかなかった不妊治療もスムーズに進み始めます。 離婚を経て始まった新たな生活 24歳の時に4歳年上の男性と結婚したピカさん(41歳)。父の死を機に子どもを望みますが、しばらく経っても妊娠の兆候は現れず、不妊治療をスタート。治療を続けるうちに、二人の気持ちはどんどんズレていき、やがて離婚という悲しい結末に...。それでも愛し合っていたピカさんとご主人は離婚した1年後、ピカさんが33歳の時に再び籍を入れます。しかし、二人の間に一度空いてしまった溝を埋めることはやはり難しく、6年後の39歳の時、ピカさんは2度目の結婚生活を諦め、彼と決別することを選択します。2つバツがついてしまったピカさん。別に悪いことをしたわけではないけれど、やっぱり周りの目が気になったといいます。「前の主人と暮らしていた家にそのまま住めるはずだったのですが、いろいろな事情でダメになってしまったんです。ご近所の目が気になるから、実家にも戻りにくいし...。離婚後、住むところがなくなってしまったんですね」途方に暮れたピカさんは、中学生の頃からの友人であるサトシさん(42歳)に相談。「サトシとは中学の頃に一度おつき合いした仲。彼の前の奥さんも私の前の主人もお互いに知っていて、結婚してからも交流を続けていました」お互いバツ2同士で、ピカさんのこれまでの事情もよくわかっているサトシさん。「深い意味もなく、じゃあ、一 緒に住んじゃおうかー、ということになったんです」ルームシェアをする友達同士という感じ。気心が知れているピカさんと同居することに、サトシさんもまったく抵抗を感じなかったそうです。 やっぱり子どもが欲しい!体外受精に望みをかけて 仲の良い友人というスタンスに変わりはなかったけれど、半年、1年と一緒に暮らすうちに、二人はお互いにかけがえのない存在だと気づきます。「恋愛とはちょっと違うかもしれないけれど、サトシは一生の茶飲み友達。もう30年も一緒にいる夫婦みたいですが、けじめをつけるために籍を入れることにしたんです」その時、ピカさんは4 0歳。妊娠にはギリギリといわれる年齢になっていましたが、前の結婚でどうしても叶えられなかった、「子どもを産みたい」 という気持ちが再び心にわいてきたといいます。「その頃、月経不順があって、生理が止まらない時期があったんですね。婦人科で診てもらうことになり、ホルモンの検査も一応受けたのですが、その結果にびっくり!以前の不妊治療ではずっとホルモンのバランスが悪いといわれていたのですが、今はとても状態が良く、先生から“これならすぐに妊娠できちゃうよ”って言われたんです」ピカさんが前の結婚生活でトライした不妊治療は人工授精まで。「前は、まだ年齢が若かったのに、一度も陽性反応は出ませんでした。今の年齢なら自然妊娠はおろか、人工授精でも難しいかなと思い、初めから体外受精を視野に入れた不妊治療をしようと考えたんです」「できるところまでやってみてもいいんじゃない?」というサトシさんの言葉にも後押しされ、ピカさんは体外受精も受けられる不妊治療専門クリニックを受診しました。「不妊治療の検査を一からやり直したら、左の卵管が詰まっていることがわかりました。“早く赤ちゃんを”という気持ちが強かったので、片方の排卵を待ってチャレンジするよりも、最初から体外受精を受けることを望みました」40歳という年齢も考慮し、排卵誘発は低刺激法に。クロミッド®の飲み薬+注射で、6個の卵子が採れました。「そのうち5個が受精して、全部胚盤胞になりました。やはりホルモンの状態が良かったのか、この年齢では優秀な結果だったかもしれませんね。すぐにでも妊娠できると思って移植に臨んだのですが、1回目は新鮮胚移植で不成功。2回目は凍結胚盤胞を自然周期で戻したのですが、それも着床には至りませんでした」念のため、ピカさんは不育症の検査を受けることに。ナチュラルキラー細胞の値が少し高く、自分の体を守るために受精卵を攻撃してしまう可能性があるかもしれないと考え、それを抑えるための注射も打ちました。「早く、早く!」と焦る気持ちを抑えながら、次の移植を待っていたというピカさん。「3回目はホルモン補充周期で凍結胚盤胞を戻しました。それでやっと、夢にまで見た陽性反応が出たんです!」 相手を想うからこその自然な思いやり クリニックに通い出してから5カ月後の妊娠判定。実は二人は、妊娠しなくても、採卵は1回だけにしようと決めていたそうです。「もう彼女に痛い思いをさせたくなかったので、2回目はやらせたくなかったんです。4日に1回注射を打ちに行くとか、調子が悪くなってつらそうにしているのを見ていたので。僕が代わってあげたいけれどそれはできない。横で見ていることしかできないのが歯がゆいですよね。前の結婚でもピカは4年間不妊治療をしている。これ以 上体を痛めつけてほしくなかったんです」(サトシさん)治療中、サトシさんはピカさんになるべく負担をかけないよう、気遣ってくれたそう。「すごく自然体で、頼まなくても病院の送り迎えをしてくれたり、私の調子が悪い時はサッと台所に立ってくれたり。自然にそういうことができる人なんですね」サトシさんは前の2回の結婚で3人のお子さんをもうけているので、子づくり・子育てではピカさんの大先輩。「僕は、前の子どもの時に立ち会い出産を経験しているので、妊娠はもちろん、出産のつらさやすごさを知っています。女の人は強く尊い。男は何もできないから、自分ができることはしてあげたいと思います。“やらなきゃいけない”じゃなくて、“やってあげたい”という気持ちですよね」(サトシさん)ピカさんは、妊娠判定日にはいつもサトシさんの携帯電話にメールで結果を報告していましたが、陽性が出たその日は直接話したくて、メールを入れませんでした。「嬉しいことかも、というより、おかしいな、事故にでも遭ったんじゃないかと思って心配しましたね。後で妊娠を聞いた時は、感動というより、“えーっ、ホント?”と驚きのほうが強かったのを覚えています」(サトシさん) 40代のこれからが人生の再スタート! その驚きは、今は確かな喜びに。二人の赤ちゃんはピカさんのお腹の中で順調に育ち、 予定日は来年早々です。「二人とも過去にはいろいろあったけれど、40代からが本当の人生のスタート。サトシと、生まれてくる赤ちゃんとともに、これからも変わらず、家族で毎日笑って暮らしていきたいと思っています」(ピカさん) ■ あわせて読みたい ■ 不育症を乗り越えてー(前編) 数度の流産...まさか自分が「不妊症」― ! ?(前編) まるで、“ゴールの見えないマラソン”8年間の不妊治療を、夫婦で走りぬきました。 女性のための健康生活マガジン JINEKO 専門家に相談してみる
2015.7.21
コラム 不妊治療
-
食生活で妊娠しやすい健康的なカラダづくり
Point 1 妊娠前からバランスよく食事を!「食事バランスガイド」でチェックをしましょう 「食事バランスガイド」を利用して食べる料理、食材の黄金比率を覚える 日常生活において「バランス」よく食事を摂るのが大事なのはわかるけれど、いったいどうやって?と思う人も多いはず。そこで目安になるのが、厚生労働省が推奨している「食事バランスガイド」です。「何を」「どれだけ」食べたらよいか、また主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の5つのカテゴリーを料理イラストでわかりやすく表示しています。では、お菓子やお酒など嗜好飲料はだめなの?と考えてしまいがちですが、「食事バランスガイド」では食生活の中での楽しみと考えており、食事全体のバランスをみながら、適度に摂ることは問題ありません。まずは、週1~2回から始め、慣れてきたら、徐々に回数を増やし、「食事バランスガイド」のスタイルが当たり前になるよう、頑張りましょう。 ※(SV)はサービングの略。各料理1回あたりの標準的な量を示す。※「食事バランスガイド」における各料理区分の1日分の目安量。 Point 2 食事のバランスチェックのあとはバランスのよい食事の摂りかたポイント 元気の素・必須アミノ酸は食べて摂る大事な栄養素です 「食事バランスガイド」で料理や食材をチェックしましたが、何の食材にどのような栄養素が入っているか、少し確認をしていきましょう。まず体力や免疫力を保持し、アップさせるにはタンパク質は欠かせません。タンパク質は、筋肉や臓器を構成する成分で、ホルモンや免疫抗体の原料にもなります。タンパク質は消化されると、アミノ酸に分解されます。アミノ酸は 20種類ありますが、そのうちの9種類は体内でつくれないため「必須アミノ酸」と呼ばれ、食事から摂る必要があります。タンパク質が多く含まれる食品は、肉、魚、大豆製品、卵、乳製品などです。それぞれ構成しているアミノ酸の量やバランスが異なるので、いろいろな食材をまんべんなく摂るよう心がけてください。 良質な睡眠をとることが必須アミノ酸をとりやすくします また細胞を修復する成長ホルモンなどは、睡眠中に分泌されます。疲労回復にはぐっすり眠ることも大切で、アミノ酸はその手助けもしてくれます。睡眠の際、気持ちを穏やかにし、安眠をもたらすトリプトファンは脳神経伝達物質、セロトニンの原料となる必須アミノ酸です。寝つきの悪い方は、トリプトファンを多く含む牛乳や大豆製品を食事に摂り入れてみてはいかがでしょうか?女性に不足しがちなカルシウムを補う役目もします。 油脂も大切な栄養素のひとつ 体によいものを選びましょう カロリーの高い脂質ですが、「油脂=悪者」というわけではありません。ビタミンA、Eといった脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きもあるので、ダイエットの敵! と毛嫌いしないでください。そのためにも、体によい油脂を選ぶことが大事です。脂質には、大きく分けて飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2つがあります。牛や豚などの肉類の脂、バターなどの乳製品の脂は飽和脂肪酸で、血液中の中性脂肪やコレステロールを増やすため、適度な量の摂取に抑えましょう。一方、不飽和脂肪酸は逆に中性脂肪やコレステロールを低下させる働きをします。不飽和脂肪酸の中でも、近年注目されているのが「n-3系脂肪酸」というものです。魚に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やIPA(イコサペンタエン酸)などがそれにあたります。1日1食は主菜を魚料理にするなどして、体によい油脂を取り込み、血の巡りをよくしましょう。 バランスよく食べるよい食習慣を身につけましょう 葉酸をはじめとしたビタミン豊富な野菜、食物繊維たっぷりのきのこ類などは意識して摂りたい食品です。いずれにしても大切なのはバランスのよい食事。体のリズムを整え、夕食は就寝の3時間前に終えるようにしましょう。 Point 3 食事でも摂れない不足しがちな栄養素はサプリメントを上手に活用 現代人に不足しているビタミン、ミネラルをサプリメントで補いましょう 現代は飽食の時代です。生活に必要な栄養素は食事で十分摂取できていますが、妊娠をしやすい体をつくるために必要なビタミン、ミネラルはどうしても不足しがちになります。なかなかきっかけがないと飲み始められないサプリメントですが、不妊治療の現場に携わる多くのドクターたちからも、体質改善や妊娠をしやすい体づくりのためにサプリメントを摂る重要性が指摘されています。サプリメントには現代人に不足しがちなビタミンやミネラル、また老化の原因である活性酸素の発生を抑制する抗酸化成分が含まれたものなど、いろいろとあります。「いろいろとありすぎて、どれを飲んでいいかわからない」という方のために、妊娠しやすい体をつくるために不足しがちな栄養を下記にまとめました。自分の食生活の中で「足りていない」「摂る機会が減っている」と感じるようなものがあれば、サプリメントで補っていきましょう。日々の食生活同様、サプリメントも日々の積み重ねが大切です。健康な体をつくり、体を整えるための一歩として始めてみてください。 不足しがちな主な栄養素とは?ビタミンB群B1、B2 ナイアシンなど、脳、神経、皮膚などの健康を保ち、エネルギー補給を助けます。葉 酸ビタミンB 群の一つで、タンパク質の代謝やDNAの合成に欠かすことのできない成分です。ミネラルビタミン同様、体の維持、調整に欠かせないカルシウム、リン、鉄分、亜鉛、セレンなど。抗酸化成分アスタキサンチン、プロアントシアニジン、シリマリン、ビタミンE、レスベラトロールなど。コエンザイムQ10抗酸化作用があり、肥満や心臓機能の改善などにも効果があるとされています。L-カルニチン(動物実験では)、卵母細胞の成熟を促進したり、生存率を高めることが報告されています。 ※『Jineko』2010Autumn「賢く食べてきちんと栄養補給、元気な体を取り戻そう!」/『夫婦でできるマタニティステップ』より加筆・修正。 ■ あわせて読みたい ■ たばこは、やっぱり 妊娠によくない? 卵巣機能が衰えています。プラセンタで機能改善することはできますか? サプリメントについてどうお考えですか?【英ウィメンズクリニック 塩谷 雅英先生】 40代の不妊治療~時間がない……治療以外にできることはある?~ 女性のための健康生活マガジン JINEKO Point 1 妊娠前からバランスよく食事を!「食事バランスガイド」でチェックをしましょう 「食事バランスガイド」を利用して食べる料理、食材の黄金比率を覚える 日常生活において「バランス」よく食事を摂るのが大事なのはわかるけれど、いったいどうやって?と思う人も多いはず。そこで目安になるのが、厚生労働省が推奨している「食事バランスガイド」です。「何を」「どれだけ」食べたらよいか、また主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の5つのカテゴリーを料理イラストでわかりやすく表示しています。では、お菓子やお酒など嗜好飲料はだめなの?と考えてしまいがちですが、「食事バランスガイド」では食生活の中での楽しみと考えており、食事全体のバランスをみながら、適度に摂ることは問題ありません。まずは、週1~2回から始め、慣れてきたら、徐々に回数を増やし、「食事バランスガイド」のスタイルが当たり前になるよう、頑張りましょう。 ※(SV)はサービングの略。各料理1回あたりの標準的な量を示す。※「食事バランスガイド」における各料理区分の1日分の目安量。 Point 2 食事のバランスチェックのあとはバランスのよい食事の摂りかたポイント 元気の素・必須アミノ酸は食べて摂る大事な栄養素です 「食事バランスガイド」で料理や食材をチェックしましたが、何の食材にどのような栄養素が入っているか、少し確認をしていきましょう。まず体力や免疫力を保持し、アップさせるにはタンパク質は欠かせません。タンパク質は、筋肉や臓器を構成する成分で、ホルモンや免疫抗体の原料にもなります。タンパク質は消化されると、アミノ酸に分解されます。アミノ酸は 20種類ありますが、そのうちの9種類は体内でつくれないため「必須アミノ酸」と呼ばれ、食事から摂る必要があります。タンパク質が多く含まれる食品は、肉、魚、大豆製品、卵、乳製品などです。それぞれ構成しているアミノ酸の量やバランスが異なるので、いろいろな食材をまんべんなく摂るよう心がけてください。 良質な睡眠をとることが必須アミノ酸をとりやすくします また細胞を修復する成長ホルモンなどは、睡眠中に分泌されます。疲労回復にはぐっすり眠ることも大切で、アミノ酸はその手助けもしてくれます。睡眠の際、気持ちを穏やかにし、安眠をもたらすトリプトファンは脳神経伝達物質、セロトニンの原料となる必須アミノ酸です。寝つきの悪い方は、トリプトファンを多く含む牛乳や大豆製品を食事に摂り入れてみてはいかがでしょうか?女性に不足しがちなカルシウムを補う役目もします。 油脂も大切な栄養素のひとつ 体によいものを選びましょう カロリーの高い脂質ですが、「油脂=悪者」というわけではありません。ビタミンA、Eといった脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きもあるので、ダイエットの敵! と毛嫌いしないでください。そのためにも、体によい油脂を選ぶことが大事です。脂質には、大きく分けて飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2つがあります。牛や豚などの肉類の脂、バターなどの乳製品の脂は飽和脂肪酸で、血液中の中性脂肪やコレステロールを増やすため、適度な量の摂取に抑えましょう。一方、不飽和脂肪酸は逆に中性脂肪やコレステロールを低下させる働きをします。不飽和脂肪酸の中でも、近年注目されているのが「n-3系脂肪酸」というものです。魚に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やIPA(イコサペンタエン酸)などがそれにあたります。1日1食は主菜を魚料理にするなどして、体によい油脂を取り込み、血の巡りをよくしましょう。 バランスよく食べるよい食習慣を身につけましょう 葉酸をはじめとしたビタミン豊富な野菜、食物繊維たっぷりのきのこ類などは意識して摂りたい食品です。いずれにしても大切なのはバランスのよい食事。体のリズムを整え、夕食は就寝の3時間前に終えるようにしましょう。 Point 3 食事でも摂れない不足しがちな栄養素はサプリメントを上手に活用 現代人に不足しているビタミン、ミネラルをサプリメントで補いましょう 現代は飽食の時代です。生活に必要な栄養素は食事で十分摂取できていますが、妊娠をしやすい体をつくるために必要なビタミン、ミネラルはどうしても不足しがちになります。なかなかきっかけがないと飲み始められないサプリメントですが、不妊治療の現場に携わる多くのドクターたちからも、体質改善や妊娠をしやすい体づくりのためにサプリメントを摂る重要性が指摘されています。サプリメントには現代人に不足しがちなビタミンやミネラル、また老化の原因である活性酸素の発生を抑制する抗酸化成分が含まれたものなど、いろいろとあります。「いろいろとありすぎて、どれを飲んでいいかわからない」という方のために、妊娠しやすい体をつくるために不足しがちな栄養を下記にまとめました。自分の食生活の中で「足りていない」「摂る機会が減っている」と感じるようなものがあれば、サプリメントで補っていきましょう。日々の食生活同様、サプリメントも日々の積み重ねが大切です。健康な体をつくり、体を整えるための一歩として始めてみてください。 不足しがちな主な栄養素とは?ビタミンB群B1、B2 ナイアシンなど、脳、神経、皮膚などの健康を保ち、エネルギー補給を助けます。葉 酸ビタミンB 群の一つで、タンパク質の代謝やDNAの合成に欠かすことのできない成分です。ミネラルビタミン同様、体の維持、調整に欠かせないカルシウム、リン、鉄分、亜鉛、セレンなど。抗酸化成分アスタキサンチン、プロアントシアニジン、シリマリン、ビタミンE、レスベラトロールなど。コエンザイムQ10抗酸化作用があり、肥満や心臓機能の改善などにも効果があるとされています。L-カルニチン(動物実験では)、卵母細胞の成熟を促進したり、生存率を高めることが報告されています。 ※『Jineko』2010Autumn「賢く食べてきちんと栄養補給、元気な体を取り戻そう!」/『夫婦でできるマタニティステップ』より加筆・修正。 ■ あわせて読みたい ■ たばこは、やっぱり 妊娠によくない? 卵巣機能が衰えています。プラセンタで機能改善することはできますか? サプリメントについてどうお考えですか?【英ウィメンズクリニック 塩谷 雅英先生】 40代の不妊治療~時間がない……治療以外にできることはある?~ 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.7.15
コラム 不妊治療
-
妊活セミナーレポート|卵子の質に影響する要素と改善法
3/14行われたジネコ 妊活セミナーより 卵子の質はその形態や受精、発育、着床状況などで評価されることになってくるかと思います。では、卵子の質に影響する要素にはどのようなものがあるのか、また、それを改善するためにどうしたらよいのかを簡単にご説明していきたいと思います。 卵子の質(影響する可能性のある要素)① ストレス② 血流:運動、温熱療法、冷え(漢方治療)③ 抗酸化作用:新鮮野菜・果物の摂取④ 食事:高タンパク食➜IVFの妊娠率UPとの報告あり。(リン脂質、コレステロール、ビタミン類、ミネラル類も)⑤ FSH:卵子の栄養不足⑥ 成長ホルモン:良質なタンパク質、筋力トレーニング、睡眠⑦ 終末糖化産物 (AGE):ゆっくりと食べる ① ストレス 長い期間治療されているとお年も上がってきて、卵もなかなかできずに治療を止めてしまう方もいらっしゃいます。しかし、止めてから1~2ヵ月経って「妊娠しました」ということも時々あるんですね。 昨年は、早発閉経でもう閉経しかかっているのではないかという方が治療をいったん中止して、その後に人工授精を2回ほど行ったら妊娠されたというケースもありました。 このように治療というのも、かなりストレスになっているのかもしれません。そのストレスから解放されて血流が改善。良い卵ができてうまく着床したのではないかと考えられる方も年に何人かいらっしゃいます。そういったストレスというものも卵の質に影響するのではないかという風に考えています。 ② 血流 よくいわれていることだと思いますが、血液の流れが滞ると卵巣に栄養やホルモンがきちんと届かず、結果的に良い質の卵ができにくいと考えられています。 運動や温熱療法、また、体が冷えやすい体質の方には漢方療法や鍼灸などもある程度効果があると考えられています。西洋医学だけではなく、プラスに働くような部分があれば東洋医学とも連携していくことも大切かと思います。 ③ 抗酸化作用 細胞が酸化するというのは卵子だけではなく、体全体の老化にも関わってきます。 酸化させないようにするためには、一般的には「新鮮な野菜やくだものを多く摂りましょう」と推奨されている部分もあるかと思います。また、サプリメントのDHEAやカルニチンは、細胞で呼吸しているミトコンドリアに働きかけるといわれています。 ④ 食事 「高タンパクの食事を摂ると妊娠率が上がる」というアメリカの学会での報告があります。それに合わせて、リン脂質やコレステロール、ビタミン類、ミネラル類などもバランスよく摂っていくことが大切です。 ⑤ FSH FSHというのは卵がつくりにくくなった時に上がってくるということもありますが、必要な状況に応じて卵が育つために分泌されなければいけないホルモンです。 足りていないようであれば、こういったホルモンを飲み薬や注射で補ってあげる。いわゆる排卵誘発ですね。卵子の栄養不足も質に影響してくると思います。 ⑥ 成長ホルモン 成長ホルモンも卵など細胞の成長に大きく関与しています。正常な分泌を促すためには、良質なタンパク質の摂取や適度な筋力トレーニング、しっかり睡眠をとるなどの対策が良いと言われています。 ⑦ 終末糖化産物(AGE) AGEは「タンパク質と糖が加熱されてできた物質」のこと。いろいろな食べ物や飲み物の中にも含まれ、普段、食事や間食として取り込まれています。この物質も老化を進める原因の1つとなり、血管や骨など全身、引いては卵子にも悪影響を与えます。体内にAGEを溜めないためには、食物繊維を含んだ食品を先に食べるなど食べる順番を工夫したり、早食いを避け、腹八分目を心がけるようにしましょう。 ■ 妊活セミナーレポート ■ 病態によっては「手術」も妊娠率を上げる重要な選択肢に 男性の立場から伝える 妊活で幸せ夫婦になる方法 卵子の真実 その1 2015年12月20日開催 妊活セミナーご報告レポート 荻窪病院 虹クリニック 女性のための健康生活マガジン JINEKO ジネコ妊活セミナー 3/14行われたジネコ 妊活セミナーより 卵子の質はその形態や受精、発育、着床状況などで評価されることになってくるかと思います。では、卵子の質に影響する要素にはどのようなものがあるのか、また、それを改善するためにどうしたらよいのかを簡単にご説明していきたいと思います。 卵子の質(影響する可能性のある要素)① ストレス② 血流:運動、温熱療法、冷え(漢方治療)③ 抗酸化作用:新鮮野菜・果物の摂取④ 食事:高タンパク食➜IVFの妊娠率UPとの報告あり。(リン脂質、コレステロール、ビタミン類、ミネラル類も)⑤ FSH:卵子の栄養不足⑥ 成長ホルモン:良質なタンパク質、筋力トレーニング、睡眠⑦ 終末糖化産物 (AGE):ゆっくりと食べる ① ストレス 長い期間治療されているとお年も上がってきて、卵もなかなかできずに治療を止めてしまう方もいらっしゃいます。しかし、止めてから1~2ヵ月経って「妊娠しました」ということも時々あるんですね。 昨年は、早発閉経でもう閉経しかかっているのではないかという方が治療をいったん中止して、その後に人工授精を2回ほど行ったら妊娠されたというケースもありました。 このように治療というのも、かなりストレスになっているのかもしれません。そのストレスから解放されて血流が改善。良い卵ができてうまく着床したのではないかと考えられる方も年に何人かいらっしゃいます。そういったストレスというものも卵の質に影響するのではないかという風に考えています。 ② 血流 よくいわれていることだと思いますが、血液の流れが滞ると卵巣に栄養やホルモンがきちんと届かず、結果的に良い質の卵ができにくいと考えられています。 運動や温熱療法、また、体が冷えやすい体質の方には漢方療法や鍼灸などもある程度効果があると考えられています。西洋医学だけではなく、プラスに働くような部分があれば東洋医学とも連携していくことも大切かと思います。 ③ 抗酸化作用 細胞が酸化するというのは卵子だけではなく、体全体の老化にも関わってきます。 酸化させないようにするためには、一般的には「新鮮な野菜やくだものを多く摂りましょう」と推奨されている部分もあるかと思います。また、サプリメントのDHEAやカルニチンは、細胞で呼吸しているミトコンドリアに働きかけるといわれています。 ④ 食事 「高タンパクの食事を摂ると妊娠率が上がる」というアメリカの学会での報告があります。それに合わせて、リン脂質やコレステロール、ビタミン類、ミネラル類などもバランスよく摂っていくことが大切です。 ⑤ FSH FSHというのは卵がつくりにくくなった時に上がってくるということもありますが、必要な状況に応じて卵が育つために分泌されなければいけないホルモンです。 足りていないようであれば、こういったホルモンを飲み薬や注射で補ってあげる。いわゆる排卵誘発ですね。卵子の栄養不足も質に影響してくると思います。 ⑥ 成長ホルモン 成長ホルモンも卵など細胞の成長に大きく関与しています。正常な分泌を促すためには、良質なタンパク質の摂取や適度な筋力トレーニング、しっかり睡眠をとるなどの対策が良いと言われています。 ⑦ 終末糖化産物(AGE) AGEは「タンパク質と糖が加熱されてできた物質」のこと。いろいろな食べ物や飲み物の中にも含まれ、普段、食事や間食として取り込まれています。この物質も老化を進める原因の1つとなり、血管や骨など全身、引いては卵子にも悪影響を与えます。体内にAGEを溜めないためには、食物繊維を含んだ食品を先に食べるなど食べる順番を工夫したり、早食いを避け、腹八分目を心がけるようにしましょう。 ■ 妊活セミナーレポート ■ 病態によっては「手術」も妊娠率を上げる重要な選択肢に 男性の立場から伝える 妊活で幸せ夫婦になる方法 卵子の真実 その1 2015年12月20日開催 妊活セミナーご報告レポート 荻窪病院 虹クリニック 女性のための健康生活マガジン JINEKO ジネコ妊活セミナー
2015.6.30
コラム 不妊治療
-
妊活セミナーレポート|病態によっては「手術」も妊娠率を上げる重要な選択肢に
3/14行われたジネコ 妊活セミナーより 不妊治療は施設によって、そのやり方が異なる場合があると思いますが、クリニック選びのご参考に、当院の治療方針についてお話ししたいと思います。 自然に近い方法での妊娠を目指す 当院では、以下のようになるべく自然に近い方法で患者様に妊娠を目指していただければ、というのが基本的な考えとしてあります。 北村誠司:Assistrd Reproductive Technology(私の治療法とポイントアドバイス)より 自然に近い方法での妊娠1 35歳未満、不妊期間1年未満なら、数ヵ月様子見る場合も。2 一般不妊検査 異常なし➜4周期 タイミング指導 結果出なければ➜catch-up障害を疑いstep-up(腹腔鏡orIVF)3 体外受精では、出来るだけ媒精を目指す。(当院の受精率:媒精vs.ICSI=74%vs.78%)4 初回の移植は、初期胚を勧めている。(胚盤胞:1卵性多胎の確率UP(自然妊娠の4倍)、血液キメラ) 検査を行って異常がなければ、4周期程度タイミング指導を。フーナー検査や精子に異常がある場合は人工授精を4~5周期。それで結果が出なかったらステップアップをご提案する。そうはいってもすぐに体外受精ではなく、腹腔鏡をおすすめする場合もあります。 35歳未満で比較的お若い方、不妊歴が数ヵ月くらいということであれば、さらに数ヵ月ほど様子を見ることもあります。 仮に体外受精をするにしても、できるだけ通常に近い媒精を目指す。当院の受精率は体外受精でも顕微授精でも7~8割程度と、2つの方法にそれほど違いはありません。 新鮮胚移植の重視 移植に関してはまず初期胚移植をおすすめして、うまくいかなかったら胚盤胞で、という自然に近い形で行っています。日本でも海外でも今は、凍結してある受精卵を解凍して戻す、いわゆる融解胚移植というのが主流になっていますが、なかには新鮮な受精卵でしか妊娠できないという方もいらっしゃるので、すぐに凍結してしまうのではなく、新鮮胚移植も重視しています。 卵管重視 卵管がきちんと通っていないと自然妊娠が難しいこともあるので、そういった場合には腹腔鏡の手術をしていただいて卵管の口を開き、自然妊娠を目指します。とても腫れてしまっている場合には卵管を切除する。炎症性のお水が溜まってしまうとそれが子宮内、果ては膣の所まで来る方も。そういったことで妊娠しづらくなるケースもあるので、卵管の手術という選択肢も考えています。 また、卵管が詰まっている場合はFTカテーテルを使い、風船を膨らませる要領で通すという治療も。これは本院の荻窪病院で実施しています。 さらに、子宮鏡を用いた初期胚の卵管内胚移植(h-TEST)も行っています。腹腔鏡ではないので体への負担が少なく、日帰りでの治療が可能です。 内視鏡下手術別の妊娠率 手術効果の重視 手術効果については、本院の荻窪病院で内視鏡の手術を受けていただいた116名の方々(平成21年1月~平成23年12月)を対象にして検討してみました。そうしましたところ、腹腔鏡で子宮筋腫を取られた方の術後の妊娠率が6割もあったんですね。チョコレートのう腫の方も6割近く。子宮内膜ポリープの方では4割以上と悪くない成績をあげています。こういった決して小さくない効果がありますので、病態によっては手術も妊娠への前進として前向きに考えていただきたいと思います。 「寄り添う看護体制」という理念 当院の理念の1つとして、カウンセリングの充実があります。不妊カウンセラー(臨床心理士)がご相談にのり、治療の節目で心のコンディションのチェックができるような体制を整えています。外来の看護スタッフにも不妊カウンセラーの資格を持つ者がおりますので、治療に際しての不安などを診察時に気軽にご相談していただくこともできます。 また、当院では年に2~3回程度「虹サロン」いう催しをやっています。普段、白衣を着ている医師やスタッフを前にすると、どうしても身構えてしまう。そういった敷居を低くするために交流の場を設けているんですね。あとは、治療の説明や冷え解消の体操をみんなで行ったり、体に良い食べ物や飲み物を試していただける場にもなっています。 AMHの重視 当院ではAMH(抗ミュラー管ホルモン)も重視しています。AMHは、女性の卵巣における胞状卵胞から分泌されるホルモンだと考えられています。卵巣の卵のつくりやすさを指し示す従来のFSH値と比べて、生理周期に左右されることがほとんどないので、今、卵巣予備能力の目安として注目されています。 体外受精を受ける患者様だけではなく、卵巣の機能が非常に活発な方、著しく弱くなっているのではないかという方に測定をして、治療方針を立てる目安にしています。 学会の中では、卵巣にある卵の在庫と認識されていますが、AMHが0だと妊娠ができないのかというと、そんなことはありません。AMH値が低くても毎月排卵している方はたくさんいらっしゃいます。在庫といっていますが、それはだいたい4ヵ月から6ヵ月くらいに卵をつくれるような在庫と考えていただくといいかと思います。 画像を拡大する これは当院のデータですが、縦軸がAMHで、横軸は女性の年齢。やはり年齢が高くなるに従ってAMH値は下がってくるので、妊娠を考えた場合、できる範囲で選択肢が多い時期に治療できるといいのではないかと患者様にもお話ししています。AMHが非常に高い場合には卵巣が腫れたりすることが考えられますので、クロミフェンを使いつつ、HMG注射をプラスしていく中間の刺激法をおすすめすることが多いですね。AMHがほどよく高い場合にはアンタゴニスト周期やロング法、ショート法など。AMHが低い場合にはやはり、低刺激のやり方を進めていくことが中心となっております。 子宮内膜の重視 最後に、当院では子宮内膜も重視した診療を行っています。子宮の内膜が厚くなりにくい、薄い状態だと、着床率や妊娠率が下がるというのはかなりはっきりしているんですね。 子宮内膜が薄くなる理由は3つあります。 1つは、内膜の掻爬手術を受けたことがあると薄くなるリスクは少し上がってしまうんですね。掻爬は、妊娠の初期段階で流産してしまった時に子宮内の妊娠組織を手術で取り除いてあげるものです。その時に、中を掻き出す器械が内膜をつくる基底層という所を傷つけてしまうことがあるんですね。そうすると術後、内膜が厚くなりにくくなってしまうというケースがあります。あとは年齢が上がってくるとか、生まれつきの方もいる。 では、内膜が厚くならない場合、どうしたらいいのでしょうか。 一般的にもよく使われていると思うのですが、融解胚移植をする際にホルモン補充療法といって、ホルモン剤を使って人工的に内膜を厚くしていくようにします。こうすると、内膜が厚くなることが期待できます。 それでも厚くならない、効果がないという場合は、ビタミン剤を使います。ビタミン剤には抗酸化作用があり、その作用によって血流が改善されることが期待出来ます。3mm、4mmと非常に薄い内膜の方でも、数ヵ月間ビタミン剤を服用して妊娠に至るケースもあります。 あとは2年くらい前からペントキシフィリン療法を行っていますが、これは日本で売られている薬ではないので、少しハードルが高いかもしれません。脳外科などで血流を改善するという目的で使われているもので、効果が見られるケースもあります。 子宮内膜が薄くても、こうしたいくつかの方法が対策としてあるということをお伝えできればと思います。 ■ 妊活セミナーレポート ■ 卵子の質に影響する要素と改善法 男性の立場から伝える 妊活で幸せ夫婦になる方法 卵子の真実 その1 荻窪病院 虹クリニック 女性のための健康生活マガジン JINEKO ジネコ妊活セミナー 3/14行われたジネコ 妊活セミナーより 不妊治療は施設によって、そのやり方が異なる場合があると思いますが、クリニック選びのご参考に、当院の治療方針についてお話ししたいと思います。 自然に近い方法での妊娠を目指す 当院では、以下のようになるべく自然に近い方法で患者様に妊娠を目指していただければ、というのが基本的な考えとしてあります。 北村誠司:Assistrd Reproductive Technology(私の治療法とポイントアドバイス)より 自然に近い方法での妊娠1 35歳未満、不妊期間1年未満なら、数ヵ月様子見る場合も。2 一般不妊検査 異常なし➜4周期 タイミング指導 結果出なければ➜catch-up障害を疑いstep-up(腹腔鏡orIVF)3 体外受精では、出来るだけ媒精を目指す。(当院の受精率:媒精vs.ICSI=74%vs.78%)4 初回の移植は、初期胚を勧めている。(胚盤胞:1卵性多胎の確率UP(自然妊娠の4倍)、血液キメラ) 検査を行って異常がなければ、4周期程度タイミング指導を。フーナー検査や精子に異常がある場合は人工授精を4~5周期。それで結果が出なかったらステップアップをご提案する。そうはいってもすぐに体外受精ではなく、腹腔鏡をおすすめする場合もあります。 35歳未満で比較的お若い方、不妊歴が数ヵ月くらいということであれば、さらに数ヵ月ほど様子を見ることもあります。 仮に体外受精をするにしても、できるだけ通常に近い媒精を目指す。当院の受精率は体外受精でも顕微授精でも7~8割程度と、2つの方法にそれほど違いはありません。 新鮮胚移植の重視 移植に関してはまず初期胚移植をおすすめして、うまくいかなかったら胚盤胞で、という自然に近い形で行っています。日本でも海外でも今は、凍結してある受精卵を解凍して戻す、いわゆる融解胚移植というのが主流になっていますが、なかには新鮮な受精卵でしか妊娠できないという方もいらっしゃるので、すぐに凍結してしまうのではなく、新鮮胚移植も重視しています。 卵管重視 卵管がきちんと通っていないと自然妊娠が難しいこともあるので、そういった場合には腹腔鏡の手術をしていただいて卵管の口を開き、自然妊娠を目指します。とても腫れてしまっている場合には卵管を切除する。炎症性のお水が溜まってしまうとそれが子宮内、果ては膣の所まで来る方も。そういったことで妊娠しづらくなるケースもあるので、卵管の手術という選択肢も考えています。 また、卵管が詰まっている場合はFTカテーテルを使い、風船を膨らませる要領で通すという治療も。これは本院の荻窪病院で実施しています。 さらに、子宮鏡を用いた初期胚の卵管内胚移植(h-TEST)も行っています。腹腔鏡ではないので体への負担が少なく、日帰りでの治療が可能です。 内視鏡下手術別の妊娠率 手術効果の重視 手術効果については、本院の荻窪病院で内視鏡の手術を受けていただいた116名の方々(平成21年1月~平成23年12月)を対象にして検討してみました。そうしましたところ、腹腔鏡で子宮筋腫を取られた方の術後の妊娠率が6割もあったんですね。チョコレートのう腫の方も6割近く。子宮内膜ポリープの方では4割以上と悪くない成績をあげています。こういった決して小さくない効果がありますので、病態によっては手術も妊娠への前進として前向きに考えていただきたいと思います。 「寄り添う看護体制」という理念 当院の理念の1つとして、カウンセリングの充実があります。不妊カウンセラー(臨床心理士)がご相談にのり、治療の節目で心のコンディションのチェックができるような体制を整えています。外来の看護スタッフにも不妊カウンセラーの資格を持つ者がおりますので、治療に際しての不安などを診察時に気軽にご相談していただくこともできます。 また、当院では年に2~3回程度「虹サロン」いう催しをやっています。普段、白衣を着ている医師やスタッフを前にすると、どうしても身構えてしまう。そういった敷居を低くするために交流の場を設けているんですね。あとは、治療の説明や冷え解消の体操をみんなで行ったり、体に良い食べ物や飲み物を試していただける場にもなっています。 AMHの重視 当院ではAMH(抗ミュラー管ホルモン)も重視しています。AMHは、女性の卵巣における胞状卵胞から分泌されるホルモンだと考えられています。卵巣の卵のつくりやすさを指し示す従来のFSH値と比べて、生理周期に左右されることがほとんどないので、今、卵巣予備能力の目安として注目されています。 体外受精を受ける患者様だけではなく、卵巣の機能が非常に活発な方、著しく弱くなっているのではないかという方に測定をして、治療方針を立てる目安にしています。 学会の中では、卵巣にある卵の在庫と認識されていますが、AMHが0だと妊娠ができないのかというと、そんなことはありません。AMH値が低くても毎月排卵している方はたくさんいらっしゃいます。在庫といっていますが、それはだいたい4ヵ月から6ヵ月くらいに卵をつくれるような在庫と考えていただくといいかと思います。 画像を拡大する これは当院のデータですが、縦軸がAMHで、横軸は女性の年齢。やはり年齢が高くなるに従ってAMH値は下がってくるので、妊娠を考えた場合、できる範囲で選択肢が多い時期に治療できるといいのではないかと患者様にもお話ししています。AMHが非常に高い場合には卵巣が腫れたりすることが考えられますので、クロミフェンを使いつつ、HMG注射をプラスしていく中間の刺激法をおすすめすることが多いですね。AMHがほどよく高い場合にはアンタゴニスト周期やロング法、ショート法など。AMHが低い場合にはやはり、低刺激のやり方を進めていくことが中心となっております。 子宮内膜の重視 最後に、当院では子宮内膜も重視した診療を行っています。子宮の内膜が厚くなりにくい、薄い状態だと、着床率や妊娠率が下がるというのはかなりはっきりしているんですね。 子宮内膜が薄くなる理由は3つあります。 1つは、内膜の掻爬手術を受けたことがあると薄くなるリスクは少し上がってしまうんですね。掻爬は、妊娠の初期段階で流産してしまった時に子宮内の妊娠組織を手術で取り除いてあげるものです。その時に、中を掻き出す器械が内膜をつくる基底層という所を傷つけてしまうことがあるんですね。そうすると術後、内膜が厚くなりにくくなってしまうというケースがあります。あとは年齢が上がってくるとか、生まれつきの方もいる。 では、内膜が厚くならない場合、どうしたらいいのでしょうか。 一般的にもよく使われていると思うのですが、融解胚移植をする際にホルモン補充療法といって、ホルモン剤を使って人工的に内膜を厚くしていくようにします。こうすると、内膜が厚くなることが期待できます。 それでも厚くならない、効果がないという場合は、ビタミン剤を使います。ビタミン剤には抗酸化作用があり、その作用によって血流が改善されることが期待出来ます。3mm、4mmと非常に薄い内膜の方でも、数ヵ月間ビタミン剤を服用して妊娠に至るケースもあります。 あとは2年くらい前からペントキシフィリン療法を行っていますが、これは日本で売られている薬ではないので、少しハードルが高いかもしれません。脳外科などで血流を改善するという目的で使われているもので、効果が見られるケースもあります。 子宮内膜が薄くても、こうしたいくつかの方法が対策としてあるということをお伝えできればと思います。 ■ 妊活セミナーレポート ■ 卵子の質に影響する要素と改善法 男性の立場から伝える 妊活で幸せ夫婦になる方法 卵子の真実 その1 荻窪病院 虹クリニック 女性のための健康生活マガジン JINEKO ジネコ妊活セミナー
2015.6.29
コラム 不妊治療