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どうしたらいいの?② 排卵日の伝え方
どうしたらいいの?② 排卵日の伝え方タイミング法は排卵に合わせて夫婦生活を行う方法です。排卵期以外は基本的に妊娠しにくいため、排卵を狙い妊娠の確率を上げるのです。 排卵は月に1回しかありません。一般的に、排卵当日よりも排卵から何日か前の方が妊娠しやすいと言われます。その期間に夫婦生活を行うことで、妊娠が期待できます。 そのため、タイミング法で不可欠なのが「排卵日を知る」ことです。まずは基礎体温を計測して、低温期と高温期を把握しましょう。3か月程計測を続けると、自分の月経のリズムがわかってくるので、ある程度予測することができるようになります。 排卵時期をご主人に知ってもらうことが大切なのですが、①で述べたように、あまり、ガミガミと排卵のメカニズムを説明しても逆効果。 だから「この日に夫婦生活を持たなくてはいけないの」と直接的に、卵子の寿命を知ってもらうのも一案です。卵子の寿命は基本24時間(ある説では12時間とも!)といわれます。卵子の寿命を知ってもらえば、排卵日がいかに妊娠のチャンスなのか、ご主人も認識できるはずです。 妻のあなたが話すとどうしても高圧的になりがちなので、何気なく雑誌や本を置いておくのはどうでしょうか? また、スマートフォン用の「排卵アプリ」も出ていますから、それを夫婦でダウンロードして情報を共有するのもおすすめです。これなら直接あなたがいわなくても、ご主人に排卵日を知ってもらうことができます。共有した排卵アプリを見ながらなら、タイミングのことも話しやすくなるのではないでしょうか。 妊活は「なぜ、私だけ」と、ともすれば孤独になってしまい、女性の負担ばかりが大きなものと感じる事でしょう。 しかし妊活によって得られるものもあります。 妊活はそれまで向き合うことのなかった自分の体をよく知るきっかけになります。 自分では健康だと思っていても、自覚のない不調が妊活によってみつかることもあります。 また命の尊さを知った・辛い思いを経験しているからこそ周りに優しくなれる、など妊活を通じて知ることができたとお話しする患者様は多いものです。 「なぜ私だけが」とネガティブになってしまいがちですが、妊活をきっかけにより心も体も健やかな自分に出会いましょう! そあら鍼灸院 楠本 敦子 先生鍼灸師 あんまマッサージ指圧師 脈診流「漢方鍼医会」会員 「東京漢方鍼医会」会員 <外部サイト>「へそ灸」の詳しいやり方は当院のウェブサイトからどうぞ→ そあら鍼灸院 http://www.tokyo-ange.com/dr-infomation/
2018.4.12
コラム 不妊治療
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子宮内膜症は正しい知識と骨盤の歪みの調整で改善する
子宮内膜症は正しい知識と骨盤の歪みの調整で改善する子宮内膜症にかかる女性は10人に1人といわれていますが、その数は増えているという印象があります。子宮内膜症は月経のある20~30代にもっとも多く起こる疾患で、不妊の原因にもなります。 これだけ増えている、子宮内膜症ですが、正しい知識を持っている女性は少ないのが現状のようです。 そもそも子宮内膜症はどうして起こるのでしょうか。 子宮内膜とは子宮の内側を覆っている膜で、女性ホルモンの周期によって月一回脱落します。これが月経となります。脱落した子宮内膜は月経血として排出されます。しかし内膜症は、何らかの原因により子宮内膜組織が子宮以外の骨盤腔内で増殖し脱落し出血をくり返すのです。これが、子宮内膜症です。 つまり骨盤が歪むと、骨盤内蔵器(女性の場合、卵巣、卵管、子宮、腟など)の血行が阻害され、機能低下が現れたり骨盤内蔵器が圧迫されたり、ねじれたりします。 こうして機能低下が起こり、脳からのホルモン分泌の指令をうまく受けとれなくなったり、ねじれることで不要となった子宮内膜をうまく排出できず腹腔内に逆流すると、子宮内膜症になるのです。このような状態ですから、子宮内膜症が不妊につながるのも当然のことといえば当然なのです。 当院で骨盤の歪みを矯正することで血行を促進させ、骨盤内蔵器を元の位置に戻すことで子宮内膜症を改善すれば、重い生理痛も消え、不妊の原因を取り除きます。 骨盤の歪みを調整しながら鍼もうちますから、相乗効果で全身の血行がよくなり、体がポカポカしてくることをまず、実感してみてください。 院長 原 徳子 先生 女性特有の症状を専門にした治療を長年行っています。婦人科・マタニティ・不妊・ストレスなど、メンタル面のカウンセリングも同時に進めながら、心と体の両面をサポートしています。 ≫ さくら治療室
2018.4.7
コラム 不妊治療
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どうしたらいいの?① 意外と大変なタイミング指導
どうしたらいいの?① 意外と大変なタイミング指導妊活において「タイミング指導」は、初期の段階でまず提案される方法です。 しかし、月に一度しかない排卵日に合わせて「この時期に夫婦生活を」と、機械的に日程を決められます。そのため、ご主人に精神的な負担がかかり、結果、夫婦間がギクシャクするケースも少なくないのです。 多くの男性は排卵の重要さが女性ほど強くないためか、日程を決められて夫婦生活を行うことに対し妻よりも大きなプレッシャーを感じるケースが多いようです。 「自然に任せたほうがいいのでは」と、タイミング指導に対しても女性ほどシビアに考えられないのかもしれません。理解しようと努力しているのかもしれませんが、正確な情報を知る機会が妻より少ないため、イメージが湧かないのです。 とはいえ、基礎体温の説明や排卵日のことなど、タイミング法に必要な知識を無理やり伝えて「だから、この日に夫婦生活を」と訴えれば訴えるほど、ご主人から嫌な顔をされ、気軽に夫婦生活を行うこともできなくなってしまうということもあります。 2人の子どもが欲しいと思って受けたタイミング指導もこれでは本末転倒です。 例えば、「この日が排卵日だから」ときっちりタイミングをご主人に伝えるのではなく、自然な感じで夫婦生活を誘うようにしてみてはどうでしょうか?タイミングについて、あまり神経質にならないことです。 体外受精を受けている方が、なかなか妊娠しなかったけれども、体外受精を休んでいる間に自然妊娠するケースは意外と多いのです。 つまり、どんな妊活でも追い詰めてしまうとストレスになってしまい、良い結果には結びつかないということです。 そあら鍼灸院 楠本 敦子 先生鍼灸師 あんまマッサージ指圧師 脈診流「漢方鍼医会」会員 「東京漢方鍼医会」会員 <外部サイト>「へそ灸」の詳しいやり方は当院のウェブサイトからどうぞ→ そあら鍼灸院 http://www.tokyo-ange.com/dr-infomation/
2018.4.5
コラム 不妊治療
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多嚢胞性卵巣症候群には、瘀血と痰湿を改善する漢方薬をベースにした治療を
多嚢胞性卵巣症候群には、瘀血と痰湿を改善する漢方薬をベースにした治療を多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の患者さんは増えているのが現状です。原因として考えられているのは、食事が欧米化したことや日常生活で抱えるさまざまなストレスなどです。 病院で超音波検査を受けると、卵巣の表面に直径5~10ミリほどの小さな嚢胞が複数連なって見えます。これが真珠のネックレスのようにみえるので、ネックレスサインとも呼ばれています。 PCOSは多嚢胞性卵巣症候群といい、多嚢胞性卵巣(PCO)とは区別されます。症状としてはPCOSの方が重いのです。軽い人は月経周期が遅い程度ですが、重度になると無排卵、つまり、月経がこなくなります。状態が悪化すると、卵巣の中にある卵胞は成長するものの、卵巣の皮膜が固いため排卵しづらいという症状が生まれるからです。重度のPCOSは、排卵障害の中でも難治性の疾患と言えます。 軽度の場合と重度の場合では対応が異なりますが、瘀血や痰湿を改善する漢方薬を服用します。PCOSの方は排卵しにくいですが卵子の質が悪いわけではないので、一部の重度な方を除けば、漢方薬による体質改善は非常に有効です。 一方、重度の人には必要に応じて補腎を行い効果を高めますが、クロミッドなどの排卵誘発剤を併用する、つまり中医学と西洋医学の両方から治療をすすめたほうがより効果的なこともあります。 血液検査では、LHの高値、男性ホルモンの高値、インスリン抵抗性などが見られます。 中医学では、PCOSは卵巣の周りに瘀血(おけつ)や痰湿(たんしつ)がこびりつき、卵巣膜が硬くなった病態と考えます。 軽度の場合と重度の場合では対応が異なりますが、瘀血や痰湿を改善する漢方薬を服用します。重度の人には必要に応じて補腎を行いますが、クロミッドなどの排卵誘発剤を併用する、つまり中医学と西洋医学の両方から治療をすすめたほうが効果的なこともあります。 小島 晃 先生 (小島薬局本店)1967年北海道生まれ。東京薬科大学卒業。北京中医薬大学日本校卒業。薬剤師・国際中医師・湖北中医薬大学客員教授・横浜薬科大学客員教授。日本在住の名中医・寇 華勝先生に師事して経験を重ね、2003年発刊の「東洋医学の名医134人徹底紹介」に紹介される。不妊症の経験も豊富で、これまで650組以上の妊娠を成立させている。現在、㈱小島薬局本店代表として、小島薬局本店で漢方相談を行いながら後進の指導や講演活動を行い、中国医学の普及に努めている。著書に「体にやさしい妊活漢方(現代書林)」などがある。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 小島薬局漢方堂 http://kanpodou.com
2018.4.1
コラム 不妊治療
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ピックアップ障害に効果を発揮する 骨盤矯正の「子宝整体」
ピックアップ障害に効果を発揮する 骨盤矯正の「子宝整体」「ピックアップ障害」という名前は妊活している方なら知っているでしょうが、そうでない女性にはあまり耳にしたことがないのではないでしょうか。 ピックアップ障害とは、卵巣から排卵された卵子を卵管に上手く取り込めない状態を指します。つまり、ピックアップ障害であると、卵子が精子と出会う可能性が大きく低下するということです。 質のいい卵子を排卵できていても、受精できないのであれば、妊娠は望めないということです。もちろん、子宮外妊娠となってしまうリスクもあります。 1999年の開業以来、女性専門の治療室として多くの患者さんを診てきましたが、ピックアップ障害の方には特徴的な歪みがあると、臨床経験から思っています。 子宮と卵巣の位置がずれていると、不妊でタイミング法、人工授精などさまざまな治療を受けていても妊娠には結びつかないことが多いようです。 当院で骨盤の歪みを調整する「子宝整体」と病院治療を組み合わせることで、妊娠の可能性はグーンとアップできるのです。 生理から排卵の間や人工授精の前などに骨盤の歪みを調整し、ホルモンバランスを整える鍼も行うと、生理痛が軽くなるのはもちろん、生理痛がなくなる人もいます。生理不順も改善されます。 とはいっても、いくら「子宝整体」を行っても、日常生活で骨盤を歪ませるクセに気をつけなければ、元も子もないのです。一番多いのが足を組むクセです。足を組み続けていると、足の左右のバランスが悪くなり、結果、骨盤が徐々に歪んでしまうのです。クセというくらいですから無意識に行っていますから、足がどうなっているか意識的に気をつけてクセを直していきましょう。 院長 原 徳子 先生 女性特有の症状を専門にした治療を長年行っています。婦人科・マタニティ・不妊・ストレスなど、メンタル面のカウンセリングも同時に進めながら、心と体の両面をサポートしています。 ≫ さくら治療室
2018.3.30
コラム 不妊治療
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東洋医学的不妊カウンセリングによる 「攻め」と「底上げ」の二重作戦で妊娠へ導く
卵の出が悪いなら排卵誘発、精子の状態が良くないなら人工授精、精子と卵子の出会いを助けるために体外受精と、西洋医学の不妊治療は物理的な要因を補ってくれる「攻め」の治療といえます。この治療になかなか踏み切れなかったり、逆に、「攻め」の治療ばかり重ねた結果、身体が悲鳴をあげているケースも少なくありません。 東洋医学では、妊娠を『生命力』の余力によって成立すると考えます。つまり今の状況が日々生きていくために自分のことだけで精一杯ならば余力までに手が回らず妊娠が成立しにくいのです。この状況ではいくら西洋医学の「攻め」の治療を受けても妊娠が成立しないことがあります。 当院の不妊鍼灸治療は、底上げも充分に行います。そして不妊治療ではより障害になりやすいストレス状態の解消(気血の滞り)も、鍼灸の特性をいかし充分対応していきます。 次に当治療室の不妊治療の特徴として挙げるのが「東洋医学的不妊カウセリング」です。不妊の原因は誰ひとり同じではないのです。そのため、当治療室は東洋医学での立場に軸足をおきながら、「東洋医学的不妊カウンセリング」によって、何を優先順位1番にすべきか、何をすると妊娠が早く成立するのかを考えていきます。 東洋医学的不妊カウンセリングとは、①東洋医学的生命観、四診、弁証論治などの東洋医学的診立て、②生活記録、食事記録などの養生、生活指導、③西洋医学的不妊治療、夫婦の希望などや今までの不妊治療歴など、3つのポイントを踏まえながら行なうカウンセリングです。相談者の個々の状態に合わせて、さまざまな手法を行うのが当治療室の大きな特徴となっています。 鍼灸院だから鍼灸が第一優先ということはなく、その方にとって「攻め」が第一なときは病院治療をすすめますし、遠回りになっても「底上げ」が結局近道な場合はそれを伝えすます。とにかく相談して下さい。一緒に考えていきましょう。 院長 米山 章子 先生 神奈川衛生学園専門学校卒 はり師灸師按摩マッサージ指圧師 日本鍼灸師会会員 不妊カウンセリング学会認定 不妊カウンセラー 一元流鍼灸術講師 日本アドラー心理学会会員 ≫ ビッグママ治療室
2018.3.27
コラム 不妊治療
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鍼灸&温灸で体質改善!自然治癒力と免疫力アップ!カラダ作りを薬膳で。
体質改善・自然治癒力と免疫力アップは、鍼灸&温灸で冬の季節は、外気温と室内気温の差で、カラダ全体にチカラが入ります。そのことで、首が凝ったり、肩が張ったり、腰が痛くなったり、足が冷えてムクんだり。夏の季節も冷房機で、カラダ全体が冷えすぎてしまったり。冬も夏も、冷え症状に悩まされます。 そこで、自然治癒力と免疫力アップのチカラを弱めないように、カラダのメンテナンスとして、鍼灸&温灸治療をオススメします。 はり治療で体質改善を、お灸治療で冷え症状改善が可能です。中でも、電子温灸は、火を使わず心地よい温かさを体感できるお灸です。冷え症状をお灸で改善しましょう~お家でマイツボ・セルフケア~お灸と聞くと「熱い」と想像してしまいます。この頃は、火を使わないお灸や煙の出ないお灸があります。心地よいお灸で、ココロもカラダも温まりリラックスしていただけます。 一人一人の症状に合わせた治療が出来るように、その人の症状に合わせた「マイツボ・穴」をお伝えしています。マイツボを知ることで、ご家庭でも簡単に、お灸でセルフケアが出来ます。 ホッとした時間を持つことで、リラックスしてください。カラダ作りは、やはり、食べ物から食することで、カラダは作られていきます。たとえば、冷え症状を改善するために、カラダを温める食材を摂るようにする。貧血症状を改善するために、血液を作る食材を摂るようにする。 西洋薬も漢方薬など、どんなお薬も食べ物や鉱物などから作られています。東洋医学では「薬食同源」「医食同源」と考えられ、毎日の食事は大切です。 薬に効果・効能があるように、食材にも性質や機能があります。薬膳とは、東洋医学の生薬をベースに食材の持つ性質や機能を知り、季節や体調に合わせて作る料理のことです。 毎日の食事を、健康なカラダを維持するために、楽しく美味しく摂りましょう。 ※当サロンでは、薬膳料理教室や薬膳茶会を開催し、薬膳茶の販売もしています。 院長 前田智美 先生 「自分自身が通ってみたい鍼灸院」を目指して、鍼灸サロン作りを実現しました。 私は、鍼灸師として、外側からの鍼灸アプローチ・お一人お一人に合わせた「オーダー鍼灸治療」を大切にしています。また、調理師として、内側への食養アプローチ・その方に合ったカラダ作りの「薬膳アドバイス」をさせていただきます。 西洋医学と東洋医学の両面から、皆様のココロとカラダの健康を第一に考えた、鍼灸サロンです。 鍼灸治療をココロとカラダの健康診断と考えていただいて、月に1度は自分自身のメンテナンスを受けてください。≫ スカイ・ハーブ Sky・Herb
2018.3.20
コラム 不妊治療
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不妊治療中のストレスには東洋医学が効く!
妊娠しにくい原因としてあげられるものの一つで「ストレス」がありますが、皆さんはストレスをどれくらい感じられているでしょうか?まったくストレスを感じない人はいませんが、なかなか妊娠にいたらない不安感、焦りに仕事や家事との両立などによるストレスが加わって、こころやからだのバランスを崩されておられる女性もいらっしゃるかもしれません。ストレス解消法は人によって様々だとは思いますが、受けたストレスを長引かせない方法、前向きにストレスをためない方法として東洋医学もストレス解消にとても効果的です。 2000年以上も昔、中国で書かれた東洋医学のバイブル的存在に「黄帝内経」(こうていだいけい)という書物があります。この中に『喜びすぎたり、怒りすぎたり、思い悩んだり、悲しみすぎたり』などなど、過度の感情が心理的なストレスとなり、いろいろな病気の原因になるという記述があります。 実際、現代の科学でも過度のストレスが長引くと、からだがストレスの対応でいっぱいになってしまい、生殖機能を含む他の日常的なからだの反応が犠牲になってしまうことがわかっています。たとえば怒りが収まらないときは食欲わかなかったり、寝付けなかったりというご経験、みなさんもあったりしませんか?また、ストレスがかかると自律神経にも影響を及ぼして果として血流が悪くなります。血流が悪くなるとからだは“冷え”てしまい、子宮内膜症や子宮筋腫が出来やすくなります。さらに卵管にも炎症が起きやすくなると指摘されているとか。たかがストレスと侮れませんよね。 手ごろなストレス解消法としては、ミントティーやジャスミンティーなどのよい香りのするハーブティやみかん・オレンジなどの柑橘系を意識してとるようにしたり、軽い運動で汗を流したりするのがおススメです。よい睡眠、バランスのいい食事など規則的な生活で自律神経が安定すると、同じストレスでも前より感じにくくなりますよ。 自律神経を整えるのは東洋医学の得意分野。漢方薬では代表的なものでは抑肝散(よくかんさん)などイライラや緊張が抜けない人にぴったりのものがあります。鍼灸で使うツボで、足の親指と人差し指の間を骨に沿ってすり上げていって指が止まったところにある太衝(たいしょう)はストレスを感じている方では押すとイタ気持ちよく感じる方が多いです。スッキリしますよ。 妊活をきっかけにこころもからだもより健やかにお過ごしになれますように! さくら治療院 院長 神崎 貴子 先生 体調が悪いけれどどこに行けばよいのかわからない。 肌がよくならないけれど誰に相談すればよいのかわからない。 そんな悩みを持つみなさまのお役に立ちたいと思っています。 さくら治療院は女性たちが安心して心と体を休めるための保健室になりたいと思っています。 鍼灸あん摩指圧マッサージ師 JSTA認定スポーツアロマトレーナープロフェッショナル CIDESCO認定エステティシャン ≫ さくら治療院
2018.3.15
コラム 不妊治療
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症状に合わせた冷え性改善で 卵を養うことができる卵巣・子宮を
「冷え性なんです。なんとかなりませんか?」と悩んでいる女性は多いのですが、カイロ、湯たんぽ、下着、靴下の重ねばきといった、冷えを根本から改善するのではなく、その場しのぎの対処しかしていない人がほとんどではないでしょうか? たしかに冷えは、西洋医学では病気として扱われないことが多いようです。しかし、東洋医学では立派な病気として捉え、改善するための漢方薬もあります。また、冷えによる血流の悪さから、子宮や卵巣も養うことができていないために不妊症を引き起こしていると考え、これは重要視したい課題でもあるのです。 では、まず、東洋医学の冷え性の概念を説明しましょう。 東洋医学では冷え性には大きく二つのタイプがあると考えます。ひとつは温める力はあるけど、なんらかの原因から血を巡らせられずに冷える人。もうひとつは温める力自体を身体がつくれないために冷えているタイプです。 つまり、「全身の気の流れが滞っているために起こる冷え性」と「身体を温める力自体が不足しているために起こる冷え性」があるのです。 最初に、全身の気の流れが滞っている(気滞・きたい)ために起こる冷え性ですが、全身を温める力をつくることができているなら、気の流れの滞りをとることでいっきに体中がポカポカしてきます。このようなタイプには、鍼灸で気が全身にめぐるようにします。 次に身体を温める力自体が不足している(気虚・ききょ)ために起こる冷え性についてです。私たちは口から入った食物を消化吸収し、いろいろなエネルギーを作り出します。しかし、消化吸収する胃腸の力(脾胃の力)が弱いと、上手くエネルギーをつくることができません。身体を温めるエネルギー(陽気)も不足してしまいます。 胃腸の力をつけて陽気をしっかりつくれるようにします。ウォーキングなどの運動は身体を温めるエネルギー(陽気)をつくる元となります。 そして、冷え性の方が冷えているのは手足という末端ばかりではなく、お腹や子宮も冷えていることがあります。冷えをしっかりと見極め対応することで手足の冷え、お腹の冷えを改善し、子宮を温め養うことをしていくことが妊娠につながっていきます。 いずれにしても冷え性は、不妊はもちろんのこと万病の元です。鍼灸治療をすると、気の巡りがよくなったり、身体を温める力がつくことで、冷え性がだんだんよくなっていきます。 もちろん本人の生活養生も欠かせません。アイス、冷たい飲み物、ヨーグルトなど、身体を冷やす食べ物は控えます。 また、治療の間に自宅でできる棒灸で積極的におなかを温めてほしいので、指導も行っています。おなかが暖かいという充実感が得られるようになったら、丹田(下腹部)の力が出てきます。 院長 米山 章子 先生 神奈川衛生学園専門学校卒 はり師灸師按摩マッサージ指圧師 日本鍼灸師会会員 不妊カウンセリング学会認定 不妊カウンセラー 一元流鍼灸術講師 日本アドラー心理学会会員 ≫ ビッグママ治療室
2018.3.12
コラム 不妊治療
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男性不妊を考える-2 漢方で元気な精子、卵子が作れる体質改善を
もちろん、夫婦生活が多くなれば、それでいいわけではありません。妊娠には元気な精子と卵子が不可欠です。そのためには夫婦が健康であることが大前提となります。理論上、一つの卵子に精子が1ぴきいれば妊娠は可能です。しかし、そうならないのは、精子や卵子の質がさまざまな理由で悪くなってしまうからです。 最近は西洋医学でも「腎臓」は生命の基と言われていますが、東洋医学では2000年も前から、あらゆる生体活動の源は「腎」にあると捉えられてきました。ですから女性は加齢によって「腎精」も老化し卵子の質が悪くなると考えられ、漢方の「補腎薬」が生まれたのです。それは男性でも同じで、加齢とともに「腎精」が衰えるため「精力剤」と言われる、補腎の漢方薬があるのです。もちろん、若くても「腎精」が弱い人もいますから、その場合も補腎薬が必要になります。 だからといって、いくら補腎薬を服用しても、それを運ぶ血液の流れが悪ければ薬がスムーズに体を巡りません。この状態を東洋医学では「瘀血」といいます。この場合、瘀血を改善する漢方薬を服用します。さらに、水分の循環や排出がしづらく、不要な水分や脂肪分がたまるドロドロ状態の「痰湿」だと、薬がそこに滞ってしまいます。この場合は痰湿を改善する漢方薬を服用します。 このように、元気な精子をつくるには、補腎薬だけでなく、瘀血や痰湿の改善が必要なケースもあるのです。その程度は個人差がありますから、それぞれに合わせた漢方薬を調合していきます。 もともと腎精が丈夫かどうかは、遺伝、つまり親からもたったものです。しかし、いくら丈夫な腎精をもらっても、栄養を摂らなければ衰えてしまいます。そのため大切になってくるのが食事です。高齢者でお元気な方に食事の内容を聞くと、肉をよく食べていると答える方をよく耳にします。元気になるために肉を食すには丈夫な胃腸が必要です。 つまり、胃腸が丈夫でなければ栄養を摂ることはできない。腎精が弱っている理由が胃腸の弱さにあるケースも少なくないのです。実際、不妊相談で当店に来られた過去の患者さんに胃腸の弱い人がいて、最初にそれを漢方薬で改善したら、2ヶ月後には自然妊娠した人もいました。 不妊だと思ったら、夫婦で相談に行くのが効率的なのは確かな事実。そこで男性側の診察をすれば、女性側だけが余分な治療を受ける必要もなくなり、妻のタイムリミットがどんどん近づくのを避けられます。 まずは東洋医学の薬局で相談し、元気な精子、卵子を夫婦で作れる体質改善を試してみてください。それで自然妊娠しないようなら、病院で治療を受けてみてはどうでしょうか? 体外受精は最後の手段。その前にできることはたくさんあります。ぜひ、気軽に漢方薬局に相談してみてください。 大通漢方 店長 佐々木弘隆 先生 カウンセリング専門の漢方薬局です。婦人科の疾患・不妊症・生活習慣病など、治りにくい病気や悩みを「体質改善」を通じて根本から改善していきましょう。 自然に妊娠しやすい健康な体をつくっていくことを第一に、一緒に考えていきましょう。 不妊カウンセラー、国際中医師がお手伝いします。≫ 大通漢方
2018.3.7
コラム 不妊治療
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男性不妊を考える-1 妊活中の夫婦生活は月に最低5〜6回は必要
2010年WHOの不妊症原因調査では、男性に不妊原因がある割合は全体の24%、女性は41%、男女ともは24%、原因不明11%と報告されています。男性不妊に男女ともに原因がある24%を加えると、約半数が男性に不妊原因があるケースということになります。 少子高齢化、晩婚化など、さまざまな理由から不妊症が増加していますが、不妊原因は女性だけでなく男性にもあり、その男性不妊が多くなっているのが現状です。 とはいっても、日本では不妊症の疑いがあると、女性だけが婦人科で治療を続けるという、悪しき習慣が今も残っています。女性の場合、基礎体温で自分の体の状態がわかりますが、男性にはそのような指標がないことに加えて、男性のプライドが男性不妊の治療のハードルを高くしているようです。 現代人はストレスにさらされた毎日を送っています。仕事が忙しい、食事が不規則、嗜好品の取りすぎなど、ストレスが溜まりやすい生活に加えて、一日中パソコンに向かっていたり、夜遅くまでスマートフォンを操作したりと、心だけでなく肉体的にもストレスが溜まっていることが少なくないのです。 そのせいか夫婦生活は後回しとなり、若くても回数が少なくて、子どもができないうちに「友だち夫婦」になってしまうカップルが多いようです。 良い精子には2日に1度射精するのがいいと言われますが、妊活中なのに夫婦生活が月に1回という夫婦もいます。夫婦生活が多いほど妊娠の確率はあがるのですから、妊活中の夫婦生活は月に最低5〜6回は必要です。理想は生理が終わった低温期から次の生理になるまで、1日おきくらいで夫婦生活があることです。女性は性的快感を得ると、黄体ホルモンの分泌がよくなります。これも妊娠には大切なキーとなります。 日本は世界で一番夫婦生活の少ない国として話題にもなりましたが、不妊治療の一番の近道は夫婦生活の回数を多くすることだと言っても過言ではないと思います。 大通漢方 店長 佐々木弘隆 先生 カウンセリング専門の漢方薬局です。婦人科の疾患・不妊症・生活習慣病など、治りにくい病気や悩みを「体質改善」を通じて根本から改善していきましょう。 自然に妊娠しやすい健康な体をつくっていくことを第一に、一緒に考えていきましょう。 不妊カウンセラー、国際中医師がお手伝いします。≫ 大通漢方
2018.3.7
コラム 不妊治療
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質の良い卵子とは?
質の良い卵子にはたっぷりの睡眠が必要卵子の質が悪い、卵子の老化といえば、すぐに思いつくのは年齢のことでしょう。東洋医学では女性の体の節目は7の倍数といいますが、西洋医学でも女性の卵子の老化が始まるのは28才からで、それが顕著になるのが34、5才といわれています。 東洋医学では年齢による生殖機能の衰えを腎虚といい、漢方の補腎薬で機能を活発化させます。年齢が上がってくればくるほど、補腎が必要になります。 しかし、卵子の老化や質の低下は年齢だけが原因ではありません。生活習慣や睡眠不足、食事、ストレスなどが原因で若くても卵子が老化している人も少なくないのです。 とくに睡眠は卵子の質に大きく影響します。ですから看護師さんのように、仕事で夜勤がある職業の人は妊娠しづらいし、流産の確率も高くなります。ハーバード大学が発表した「卵子の質や数が低下する職業」にも、夜勤が多い仕事、重いものを持つような力仕事が挙げられています。 そもそも夜は陰の時間といって寝ることで力を溜める必要があるのです。さらに女性の排卵前はこの陰を補わなくてはいけないと言われています。つまり十分な睡眠は不可欠だということです。実際、睡眠時間が長い人は妊娠率が高いというデータもあるのです。 卵胞の中に顆粒膜細胞という、卵子の栄養になる膜があります。年齢を重ねたり、睡眠が不足することで膜が薄くなり、卵子に十分な栄養を与えられず、卵子が老化してしまいます。このような場合、薬草の漢方が効果的です。 卵子が成長する6か月間、体質の改善の漢方と顆粒膜細胞の働きを良くする薬草で、質のいい卵子をつくることが可能になります。質のいい卵と子宮内膜の感受性を高めて流産を防ぐ流産をくり返してしまう大きな要因として考えられるのは、卵子の質と子宮内膜の血流の問題です。 卵子の数は生まれつき決まっており、それが加齢とともに減少していきます。数が減ることに加えて、卵細胞も老化していきますから、遺伝子に問題が出てくる可能性も出てきます。そのため、正常に細胞分裂することが難しくなって流産となることもあるのです。 もちろん加齢だけではなく、若くても卵子の質に問題があれば、仮に着床しても流産することもあるのです。 このような方は漢方薬と生活養生で6か月かけて体質改善して卵子の質をよくすることをおすすめします。なぜ6か月なのかといえば、卵子が育つ期間が180日、つまり6か月だからです。 受精がうまくいっても子宮内膜に着床しなければ妊娠には至りません。そのために不可欠ともいえるのが、子宮内膜の柔らかさ、厚さ、感受性です。柔らかくて厚みがある子宮内膜は受精卵にとってフカフカのベッドのようなものです。そのベッドは血流がよくなくてはつくれないのです。 おなかのツボに温灸をして子宮をあたためると、気と血の流れがよくなり子宮のホルモンバランスもよくなります。その結果、子宮内膜が柔らかくて厚みがあり感受性が高くなるのです。 体づくりはコップに水のしずくを貯めていくような1日、1日の積み重ねです。卵の成長、体の新陳代謝にあわせてゆっくり整えていきましょう。急がば回れなのです。 漢方の寺岡薬局 子宝カウンセラー 寺岡 健 先生東邦大学薬学部卒業。 20代にオセアニア、北米、中南米、ヨーロッパ、アフリカ、中東、アジアと3年間かけて世界45カ国の文化や伝統医学を見聞。帰国後、日本の伝統医学である漢方に傾倒し、漢方の古典、実践を深く学んだ後、「漢方の寺岡薬局」を開業。 子宝カウンセラーとして店頭で活躍するのはもちろん、家族のつながりを考える映画上映会や産婦人科の先生を招いてのイベントを定期的に開催しています。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 漢方の寺岡薬局 http://www.teraoka-ph.co.jp/
2018.3.6
コラム 不妊治療
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病院の治療と漢方療法を併用することで、妊娠、出産の確率を高める
不妊治療の目的は妊娠の確率を最大限に高め、妊娠、出産という結果を患者さんが手にすることです。 病院の治療で妊娠、出産できた方はそれでいいのですが、それだけでは妊娠はもちろん、妊娠しても出産までこぎつけることができない場合は、漢方療法の併用をおすすめします。 排卵が乱れている・無排卵の方が排卵のきっかけをつくる誘発剤を服用している場合、漢方薬を併用すれば、その後の排卵を促しやすくなります。また、排卵後受精した貴重な胚盤胞が血流の悪い子宮内膜が原因で着床せず、流れてしまうという残念な結果を減らすこともできます。 漢方治療を受けると、不妊の原因がわかり、ここの部分を改善するにはこの漢方薬を使うという、より具体的な治療が可能です。 ですから、体が精子、卵子をつくり出す段階で漢方薬が併用されていることが最も望ましいのです。 たとえば冷え症から不妊になっている方でも、原因はそれぞれ違うのです。個々にあった治療をおこなうのですが「こうしてはいけない」という指導はしません。それができないから当薬局を訪ねてきているのですから。「こうしたらもっとよくなるよ」と、 簡単に乗り越えられることから始めていきます。 不妊治療は愚痴を話せる人もいない、孤独でストレスがたまる、大変な治療です。どうしてもマイナス思考になり、自律神経も緊張気味になり、結果、身体面にも悪影響をおよぼすので、当薬局では、このようなアドバイスをしています。 寝る前に、嬉しかったこと、楽しかったこと、美味しかったこと、面白かったことを3つ思い浮かべます。翌朝目が覚めたら、その3つを思い出して書き出します。これを毎日繰り返していると、いつもプラスになることを考えるクセ、習慣が身につくようになります。その結果、自律神経の緊張が和らぎ、体にいい変化が出てきます。 睡眠時間も大切です。できたら夜11時にはお布団に入って欲しいのです。睡眠不足は体のバランス、ホルモンバランスが乱れるからです。 最後に食事ですが、ほとんどの方がたんぱく質、炭水化物、脂質、ビタミンには気をつけていますが、ミネラルが不足しているケースが多いのです。わかめ、海苔、きのこ、納豆などにはミネラルがたっぷり。つまり、洋食よりも和食が妊活向きと言えます。 このように漢方薬局ではただ単に薬を処方するだけでなく、カウンセリング、生活や食事の指導も行うことで、より妊活の効果を高めていきます。予算に合わせて優先順位をきめられますので、気軽に漢方薬局に相談してみましょう。 薬剤師 渡邊英俊 先生 薬剤師・鍼灸師・按摩マッサージ指圧師・教員免許を持つ。西洋医学を学び、中国人の中医師に師事し、北京で研修後、JR仙台駅東口から徒歩5分の地に「中医学と西洋医学の自然流薬局」を開局。 日本生殖医療心理カウンセリング学会認定「不妊相談士(不妊コンサルタント)」、日本不妊カウンセリング学会認定「不妊カウンセラー」を取得。 「周期調節法」による不妊相談、アトピーの脱ステロイド時の漢方法などで、多数の患者様から支持を受けている。(予約制) また毎週金曜日13:00~13:15から、ボクのラジオ放送「自然流スタイル」が流れます。 YouTubeにアップしてありますので、「自然流スタイル」で検索して下さいね。 「自然流スタイル」のラジオ番組をスマホで効く方法は、無料アプリの「リスラジ」をダウンロードして、「ラジオ3」にチャンネルを合わせて下さいね。 1,スマートホンの無料アプリ「リスラジ」をダウンロード。 2,「チャンネル」→「カテゴリ」→「全国のラジオ」→「東北」→「ラジオ3」を選ぶ。 3,左下の「」をクリックしてラジオを聞く。 全国どこででも聴くことが出来ます。ぜひ聞いて下さいね。 それから「誰でもできる『家庭の中医学』」をカルチャーセンターで開講しています。 詳細は下記になります。⚫️日程:1月〜6月の毎月第1火曜日 ⚫️会場:NHK文化センター仙台教室(定禅寺通りのメディアテイク向かい) ⚫️問合せ・申込:022-224-4811 興味のある方は、ぜひお電話をかけて申し込んで下さいね。途中からでも参加できますよ≫ 自然流薬局
2018.3.2
コラム 不妊治療
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卵子の老化予防にはミトコンドリア活性法と卵胞液を満たし栄養素を補うのが効果的
妊娠には質の良い卵子と元気な精子が必要です。もちろん、妊娠を継続する子宮内の環境も大切ですが、一番重要なのは卵子をつくり出す卵巣の働きです。受精をする場合には卵子の質が大きく関わってくるので、それが良くない場合は不妊の原因となります。 当薬局には「高齢不妊」の方が多くいらっしゃいます。病院で不妊治療をしても結果がでない、がんばっていても目立った改善がなく不安を抱えている方が、最後の砦として当薬局の漢方を試すケースが増えているのです。 35歳以上の高齢者不妊の原因で最も多いといわれる「卵子の老化」。そうならないために、卵子の働きをたかめることが重要です。 そこで当薬局では「ミトコンドリア活性法」を取り入れ、細胞を目覚めさせ、代謝の力を増やしていきます。卵子には10万個以上のミトコンドリアがあり、ミトコンドリアの働きによって卵子は成熟していきます。細胞レベルで卵子を成長させるエネルギーとなるのが「ミトコンドリア」です。卵子も細胞ですのでもちろんミトコンドリアは存在しますが、卵子の質を左右するのもミトコンドリアというわけです。 このミトコンドリアの劣化を防ぎ、活性化することが卵子の質を保てることになるのです。 さらに卵子の環境を良くするために、卵胞液を満たして栄養素を補っていきます。卵胞の力が弱い時、卵胞液が十分に満たされていないことがあります。これでは排卵する力も足りなくなります。ここが漢方で治療するポイントです。「滋補腎精(じほじんせい)」の漢方薬で、卵胞の働きを高めていきます。 薬剤師 渡邊英俊 先生 薬剤師・鍼灸師・按摩マッサージ指圧師・教員免許を持つ。西洋医学を学び、中国人の中医師に師事し、北京で研修後、JR仙台駅東口から徒歩5分の地に「中医学と西洋医学の自然流薬局」を開局。 日本生殖医療心理カウンセリング学会認定「不妊相談士(不妊コンサルタント)」、日本不妊カウンセリング学会認定「不妊カウンセラー」を取得。「周期調節法」による不妊相談、アトピーの脱ステロイド時の漢方法などで、多数の患者様から支持を受けている。(予約制) また毎週金曜日13:00~13:15から、ボクのラジオ放送「自然流スタイル」が流れます。 YouTubeにアップしてありますので、「自然流スタイル」で検索して下さいね。「自然流スタイル」のラジオ番組をスマホで効く方法は、無料アプリの「リスラジ」をダウンロードして、「ラジオ3」にチャンネルを合わせて下さいね。1,スマートホンの無料アプリ「リスラジ」をダウンロード。2,「チャンネル」→「カテゴリ」→「全国のラジオ」→「東北」→「ラジオ3」を選ぶ。3,左下の「」をクリックしてラジオを聞く。 全国どこででも聴くことが出来ます。ぜひ聞いて下さいね。 それから「誰でもできる『家庭の中医学』」をカルチャーセンターで開講しています。 詳細は下記になります。⚫️日程:1月〜6月の毎月第1火曜日 ⚫️会場:NHK文化センター仙台教室(定禅寺通りのメディアテイク向かい) ⚫️問合せ・申込:022-224-4811 興味のある方は、ぜひお電話をかけて申し込んで下さいね。途中からでも参加できますよ≫ 自然流薬局
2018.2.26
コラム 不妊治療
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体外受精後のスマホやパソコンのネットサーフィンは控えめに
体外受精後のスマホやパソコンのネットサーフィンは控えめに「体外受精がうまくいきますように」と不妊治療をしている方なら、だれでも祈るようなきもちで結果を待ちます。胚移植直後、少しでも成功率をあげたい気持ちから、絶対安静とばかり、一晩何もしないで横になっているという話を聞きます。 たしかに体を冷やしたり、暴飲、暴食、過度な運動などはいけませんが、基本的には普段通りの生活でかまわないのです。 とはいっても、体を冷やしてはいけないからと、体を温めすぎて必要以上に汗をかくのは、体のエネルギーを体外に放出することになって逆効果です。 胚移植直後はお腹が張った感じがして、不安になる方も多いでしょう。その不安を解消したくて、スマホやパソコンでネットサーフィンをする方が増えているようですが、これは採卵、移植のときは極力やめて欲しいのです。 スマホやパソコンを使っていると目にばかり気血(エネルギー)が集中します。その結果上半身がのぼせやすくなったり、下半身に血液が行かなくなり下半身の働きが悪くなります。子宮や卵巣ももちろん下半身ですから、悪影響があるのは当然といえます。 また、ネットサーフィンで収集する情報は楽しいことばかりではありません、不安をあおられ、さらにストレスが溜まることもあるのです。早寝を心がけて規則正しい生活を過ごす。冷たいもので胃が冷えると体中の機能が低下するので、常温のものを食べる。こうしたちょっとしたことで健康体に改善可能です。 妊活にはストレスを解消する息抜きも大切です。そのために鍼治療があると思ってください。時間や金銭面で定期的に通うのが無理なら、通える範囲で構いません。移植後の鍼灸は効果的ですし、家でおこなえるお灸のケア法もお伝えできます。 パクス・テルレーナ治療室 副院長 湯浅 佳子先生東京衛生学園専門学校東洋医療総合学科卒業。在宅医療研修、アロママッサージサロンなどで臨床経験を積み、 パクス・テルレーナ治療室を開院。鍼灸専門、女性・小児専門の治療院として子どもから大人まで様々な症例の臨床に取り組む。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ パクス・テルレーナ治療室 http://pax-terrena.com/
2018.2.23
コラム 不妊治療
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流産経験者の方必見! どうしたら流産を防ぐことができるの?
あなたは流産がどのくらいの頻度なのかご存知ですか?その数は妊娠した女性の約15%と言われています。しかも妊娠12週未満の「早期流産」が流産する人の約80%を占めます。流産を2回以上くり返すことを「不育症」といいます。受精の瞬間に流産の原因が生まれる妊娠において非常に重要な要素は女性の年齢です。年齢とともに卵子の数は減少しはじめ、35歳以降はその減少率は加速します。そのため妊娠率も低下します。また卵子の「質」も低下するため、受精卵の染色体異常の発生率も高くなります。このような質の低下した卵子のまま体外受精を行なっても、染色体異常が発生しやすくなり、流産という結果を招きやすくしてしまうのです。 もちろん問題は女性側ばかりではありません。最近は精子の異常も増えています。男性の年齢が上昇するに従い、精液の量、精子濃度、運動率、正常形態精子が減少していくことがわかっています。つまり、1回の射精で採取できる精子は加齢とともに減っていくのです。男性が一度の射精で採れる精子の数は正常なら億単位ですから、1個だけの卵子とは比べ物にならないほど数が多いので染色体の異常が問題にならなかったのですが、最近はそうとはいえないのが現状です。 また、流産のリスクを減らすために、受精卵の染色体の数を着床前に診断する検査を希望する人におこなっている医療施設があります。しかし、この検査で流産は減るかもしれませんが、妊娠率があがるわけではありません。鍼灸治療で妊娠に必要な身体の質改善を元気な卵子、精子はもちろん、受精卵が着床しすくすく育つ環境も妊娠のためには不可欠です。つまりピンポイントではなく、生殖器全体、そして身体全体の機能を上げる必要があるのです。このような治療に効果的なのが「鍼灸治療」です。 不妊症の方に多いのが骨盤内の血流が悪い「瘀血・おけつ」です。瘀血とは滞った血のことです。瘀血のある方は生理不順、生理痛、冷え症、便秘や下痢などをしやすい症状のある方が多いのです。 これらを改善する鍼灸を平均25〜30回、期間にして3〜6か月続けると、症状が楽になってきて、結果、妊娠もしやすくなります。卵子の質をよくするには、母体を強化することが大切です。 医療技術は日々向上していますから、身体全体が健康に整っていれば、体外受精は成功すると言っても過言ではないのです。そのためにも、病院の不妊治療と鍼灸治療を並行して受けることもいいことです。 体外受精の成功率は年齢と共に低下します。「卵の質が低下しているから、しようがない」とあきらめる前に、鍼灸治療で体質改善(母体の強化)を試みてはいかがでしょうか。もちろん、ご夫婦での身体づくりも成功の近道となるでしょう。 院長 河村 拓躬 先生 好きな言葉に「人間万事塞翁が馬」人生先のことまで分からないので今の事に嘆かず、安心せず、一生懸命に生きましょう。 趣味/特技:車。A級ライセンス取得。一人でのドライブも好き。のんびりと箱根の山まで行き美味しい空気を吸い、考え事をまとめるのが好き。(最近忙しくてなかなか行かれないのが寂しいです。。) NPO法人日本不妊カウンセリング学会 認定 (元)不妊カウンセラー 日本鍼灸師会 東京都鍼灸師会会員 専門領域 講習 婦人科疾患認定鍼灸師 厚生労働省国家資格免許 上級救命講習取得 日本不妊カウンセリング学会会員 (社)日本生殖医学会会員≫ たくみ堂
2018.2.21
コラム 不妊治療
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鍼灸が不妊治療にもたらす可能性とは 注目の統合医療、最前線の現場から
近年、不妊治療の分野では自然治癒力を引き出す統合医療に注目が集まっています。 そこで、不妊治療×生殖鍼灸がもたらす可能性について、 HORACグランフロント大阪クリニックの森本先生と JISRAMの中村先生にお話しいただきました。生殖鍼灸とはどのようなものでしょうか。鍼灸は本治法と標治法に大きく分かれます。本治法は自然治癒力を引き出して病気の初期状態を治したり、健康を増進します。また、標治法は局所的な効果を狙った治療法です。 これまで鍼灸の効果を示すデータがなかったのですが、近年、動物実験と人体の臨床データに相関性があることがわかり、鍼灸の有効性に確信がもてるようになりました。 たとえば、動物実験で実証された方法(婦人科の特定の経穴に特定の刺激を加える)を臨床的に検証したところ、受精卵の胚盤胞到達率が鍼灸の開始後に年齢によって1.5〜4倍になりました。これは卵巣の血流量が増加し、卵子の栄養状態が改善したものと考えられます。 私たち医師は生殖生物学を基礎として卵子や精子の細胞を診ています。ところが、人間は60兆個の細胞が動くダイナミックな生命体であり、心もあります。木を見て、森を見ていなかったのですね。 局所的な治療に限界を感じた私は、30年前から心のケアを含めた統合医療をはじめました。その一つにミトコンドリアの臨床研究があります。私たちの体は、細胞内のミトコンドリアが深くかかわっています。そのため、統合医療で自然治癒力を引き出しながら不妊治療を行うと、困難な不妊症の方にも良い結果が出るようになりました。 鍼灸で卵子の分割が活性化するというのも、ミトコンドリアが影響しているのでしょうか? また、森本先生が以前から取り入れているレーザーや鍼灸の効果もお聞かせください。 まずミトコンドリアの活性化には3つのポイントがあります。1つはL-カルニチンなどのサプリメントの摂取。2つめは私が考案したミトコンウォークなどを取り入れた運動。3つめは鍼灸です。卵子の質が悪い方でも、この3つを実践するだけで自然妊娠することがあります。なかでも生殖鍼灸はパワフルなツールとして期待できます。 また、レーザーや鍼灸は局所に作用することもありますが、大きいのはリラックス効果でしょうね。患者様は「気持ちが前向きになる」というようなことをよく言われます。ミトコンドリアは活性酸素に弱いので、リラックスすることによって活性酸素の発生が抑えられているのではないでしょうか。 鍼灸の本治法には、体をリラックスさせて自然治癒力を引き出す効果がありますが、それに代えて星状神経節に低出力レーザーを照射すると、交感神経を即座に抑制して体をリラックスした状態に導きます。その結果、特に毛細血管も拡張しやすくなり、卵巣や子宮に対する鍼灸の効果が現れやすくなります。それぞれの治療の実績をお聞かせください。たとえば、40歳代でなかなか良い卵子が採れなかった方でも、鍼灸をはじめて5〜6カ月後に胚盤胞の到達率が飛躍的に上昇した方もいます。なかでも印象的な方が2人おられました。 1人目は鍼灸の開始前に16回採卵し、胚盤胞が0個でしたが、鍼灸を開始して半年で2個の胚盤胞が取れ、2つ共が赤ちゃんになりました。また2人目は鍼灸開始前に23回採卵、3個の胚盤胞がありましたが上手くいかず、鍼灸開始後の10回の採卵で7個の胚盤胞を得て、2回目の移植で無事にご懐妊、安定期を迎えられました。 当院は年齢の高い方が多いのですが、鍼灸を含む統合医療を受けられて、50代で妊娠・出産された方がいます。また、卵子の質が極端に悪かった方は、統合医療に熱心でミトコンドリア移植も行いましたが、あまり効果が出ませんでした。ところがその後、自然妊娠されたのです。重症の方でも驚くようなことが起こりますので、自然治癒力は最先端のテクノロジーよりも強いなあと感じます。 同じような例では、海外での卵子提供を予定していた46歳の方が、渡航前に鍼灸治療を受けられて3カ月後に自然妊娠、無事にご出産されました。鍼灸の効果という確証はありませんが、このような事例は多くありますね。生殖鍼灸が普及していくうえで課題はありますか?医師には内科医、外科医など専門性がありますが、鍼灸師にはそれがありません。全体を診るという観点からすれば、専門性をもつことは東洋医学の良さを失うことにつながるのですが、とはいえ患者様が鍼灸院を選ぶ時の目安になる、ある程度の専門的な知識や技術に対する認定制度が必要だと思います。ですが実現には課題もあります。 そこで、私たちはJISRAM(日本生殖鍼灸標準化機関)という団体を立ち上げました。婦人科の座学や実技研修など厳しいカリキュラムにもとづいて、人間的にもすぐれた生殖鍼灸の専門家を育成し、患者様が安心して利用できる組織にしたいと思っています。 これから医師のなかでも鍼灸に対する理解が深まってくると思います。生殖鍼灸が不妊治療に有効であるという認識を患者様に広めていくのは私たちの役目ですが、JISRAMには患者様がどこで生殖鍼灸を受けられるのか、その情報提供をお願いしたいと思います。 私たちが安心して生殖鍼灸の先生を患者様に紹介できるようになり、さらに医師と鍼灸の先生がお互いに情報交換できるようになれば、日本は世界でもめずらしいネットワークをもった統合医療のフロンティアとして、さらに患者様のメリットになる活動ができるのではないでしょうか。 最後にメッセージをお願いします。JISRAMには、生殖鍼灸を集中的に学習している全国約50名の鍼灸師が所属しています。婦人科の知識は座学で身につけられますが、更に重要なのは、卵巣、子宮、免疫などに確かな効果を得られる技術の習得です。是非JISRAMのサイトをご覧下さい。また当団体会員に限らず、広範な知識と正しい技術を併せ持ち、真摯な人間性を兼ね備えた鍼灸師のもとで治療を受けていただきたいと思います。 特に年齢が高い方は時間が限られていますので、効率の良い治療を提供していきたいと思います。生殖技術は日々進化していますが、それだけで今の妊娠率を超えることは難しくなっています。しかし、統合医療による体質改善、自然治癒力の獲得に目を向けたとたんに道が開けることがあります。 質のいい医療と、質のいい鍼灸、さらに心のケア、運動、栄養を組み合わせた体質改善によって、妊娠される方もたくさんいらっしゃいます。これからもJISRAMの先生方と力を合わせ、悩まれている方を一人でも多くサポートしたいと思います。 先生から 自然治癒力を引き出しながら 不妊原因にアプローチする生殖鍼灸に期待 森本 義晴 先生(IVF JAPAN CEO) 「IVF大阪クリニック」「IVFなんばクリニック」「HORACグランフロント大阪クリニック」を運営。西洋医学に心理療法、運動療法、栄養療法を組み合わせた統合医療を実践し、卵子の質の改善を目的としたミトコンドリア研究に長年携わる。2016年からミトコンドリア移植法「オーグメント療法」の臨床研究をスタート。2017年から一般社団法人 JISRAMの顧問を務める。 中村 一徳 先生(一般社団法人 JISRAM/日本生殖鍼灸標準化機関 代表理事・会長 ) 「京都なかむら第二針療所」「滋賀草津栗東鍼灸院」総院長。統合医療や不妊治療など幅広い分野の専門家と鍼灸の臨床研究に取り組む。また各種学会などからの講演依頼は今までに約40回を数える。2017 年には、各地の医療施設からの推薦も受けた一般社団法人JISRAM を有志と設立。代表理事・会長に就任。生殖鍼灸の研究、専門家の育成と普及をめざす。出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.37 2018 Spring≫ 掲載記事一覧はこちら
2018.2.20
コラム 不妊治療
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大きく3タイプに分かれる冷え症。 治療アプローチもそれぞれ
大きく3タイプに分かれる冷え症。 治療アプローチもそれぞれほとんどの女性の悩みの種といっても過言ではない「冷え症」。この冷え症が不妊の原因になること、ご存知ですか? 多くの女性が冷え症だからと、安易に考えてはいけません。とはいっても、冷え症には具体的に「平熱の何度から」といった基準はないのです。ですから、本人が生活するうえで、冷えによってストレスを感じるかどうかで決まるのですが、不快感などの自覚症状がない人もいます。つまり、冷え症になっていても何の治療も対策もしていないケースも多々あるのです。 現代成人女性の7割が抱えているともいわれる冷え症。妊娠しやすい人と妊娠しにくい人を比べたとき、妊娠しにくい人が冷え症であるという共通点も、7割という数字を聞けばうなずける話です。 冷え症は東洋医学独特の概念で、西洋医学にはないものです。さらに冷え症には3つのタイプがあり、そのタイプによって治療のアプローチも異なってきます。 その3つのタイプは以下のとおりです。 ①.体力が落ちて自ら体を温める力がなくなっている。 ②.ストレスや緊張などから常時体に力がはいって、血流や気の流れが悪くなっている、気滞(きたい)・瘀血(おけつ)タイプ。 ③.①と②の混合タイプ。 20代、30代前半の女性の冷え症には②の気滞・瘀血タイプが多いのですが、アラフォー女性になってくると③の混合タイプが増えてきます。20、30代からの気滞・瘀血に加えて、加齢による体力の減少から③のタイプになってしまうのです。 不妊治療の場合、子宮、卵巣を中心に治療をしますが、冷え症を改善することも肝要なので、全身の血流をよくして、年齢相応の健康体に近づけていく治療も並行して行います。 冷え症の人は生活養生も大切になってきます。冷たい飲み物、食べ物はますます体をひやしますからNGです。また、意識的に歩くことを積極的にしてほしいのです。下半身を動かすと体の気の巡りが良くなります。特に地方にお住いの方は、車生活が当たり前になっていますが、車で5分の場所なら歩く習慣を身につけましょう。 パクス・テルレーナ治療室 副院長 湯浅 佳子先生東京衛生学園専門学校東洋医療総合学科卒業。在宅医療研修、アロママッサージサロンなどで臨床経験を積み、 パクス・テルレーナ治療室を開院。鍼灸専門、女性・小児専門の治療院として子どもから大人まで様々な症例の臨床に取り組む。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ パクス・テルレーナ治療室 http://pax-terrena.com/
2018.2.16
コラム 不妊治療
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妊活に東洋医学を取り込む
「私って妊娠しづらい体質なのかしら?」と気になりだしたとき「自然界の動物や植物からできている薬だから身体に優しそう」と、漢方薬での体質改善を考えたことはありませんか? 漢方薬はとても奥が深い薬なんです。漢方薬は東洋医学に基づいて作られている薬です。より効果的に東洋医学で妊活するために、ちょっとだけ、東洋医学について知識を深めてみませんか?東洋医学と西洋医学の違いを知っておくまず、東洋医学と西洋医学。あなたはその違いがわかりますか?どちらが優れているということではありません。そもそも医学の成り立ちが異なるし、病気へのアプローチも違いますから‥‥。 西洋医学は解剖学や生理学といった、科学的に人の体を捉えるのが特徴。身体の細胞レベルまで細かく診て、検査データを重要視し、その結果をもとに治療します。だから、検査に現れない不調は病気ではないとなります。急性疾患、検査でわかる疾患、外科手術などで、体に不要なものを取り除くなどが西洋医学の得意なこと。 一方、東洋医学は人の体は全身が関連していると考えます。その病気がその部分だけの問題なのか、身体全体のバランスの乱れが原因か、さらに生まれ育った環境や季節までも含め、さまざまな視点から病気を追求していきます。病院の検査では異常が現れない〝不定愁訴〟についても、自己治癒力を高めることで改善できるという考えが基本。 つまり病名じゃなくて、体質と症状を組み合わせて治療するんです。得意なのは、慢性疾患、不定愁訴、虚弱体質、ホルモンの失調、免疫の異常、老化現象など、どれも西洋医学では原因がわからないようなものです。 東洋医学は自然のものに目を向けますから、和漢薬、温灸、マッサージ、鍼、アロマなどで治療を行います。 成分を調べるとかではなく、体全体のエネルギー(気・血・津)がスムーズにうまく流れていくのかを調べます。全身によく回っていれば健康だし、滞ると体調不良になると考えます。 ですから、その人、その人の状態に合わせた、オーダーメイドの治療を行うのです。西洋医学に東洋医学を取り入れるのが世界的傾向東洋医学と西洋医学は相容れないように思えますが、最近は併用することでより効果的な不妊治療が行えることがわかってきています。 例えば、オレゴン・カレッジの和漢薬治験審査委員会は、不妊治療と合わせて東洋医学(生薬や漢方、鍼治療など)によるアジュバント療法(補完療法)を行ったところ、体外受精における受精卵移植の成功率を高めたと発表しています。 さらにノースウェスト・センターは、不妊治療と合わせて東洋医学療法を受けた不妊治療患者の体外受精における出生率は85.7%だったのに対して、不妊治療のみを受けた患者の体外受精における出生率は62.5%だったと報告しています(調査対象は患者自身の卵子、提供卵子による体外受精で、凍結卵子による体外受精は除かれています)。 このように体外受精と合わせて東洋医学療法を施すことで、体外受精の成功率は高まることが立証され、世界的に東洋医学を取り入れる傾向になってきているといっても過言ではないでしょう。 東洋医学の不妊治療は健康保険がきかないので自費となります。若いご夫婦が妊活するのは経済的な面でストレスになることもあります。そのときは可能な範囲で治療をおこなえばいいのです。 妊活はストレスとの戦いともいえます。赤ちゃんを望むなら、どのような生活にしたらいいのか、それを考えて日常を見直すだけで薬になるのです。そして妊活期間を6か月から8カ月とはっきり期限を決めると、ストレスは軽減されます。 無理をせず、できることから始めていきましょう。 橋本 幸恵 先生 名城大学薬学部卒業 薬剤師漢方療法推進会会員、子宝カウンセラーの会認定会員、細胞免疫研究会会員、日本制ガン研究会会員、瀬戸内むびょう研究会会員、健康科学協会会員、動物生薬研究会会、 アーユルヴェーダ国際普及協会美容痩身研究会会員。 橋本漢方相談堂では、橋本薬局として香川県高松市、讃岐の国の一宮に昭和48年に開局してから40年、相談件数は3000件を超えました。40年の経験を活かし、お役にたちたいと願っています。 ≫ 橋本薬局
2018.2.15
コラム 不妊治療
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漢方の補腎薬と生活養生で 卵巣機能低下を改善
漢方の補腎薬と生活養生で 卵巣機能低下を改善中医学では女性の卵巣機能は「腎」にコトントロールされていると考えます。ですからこの「腎」の働きが悪いと不妊傾向になりやすいのです。 そもそも「腎」とは何でしょうか。西洋医学で腎臓といえば、体液から不要な物質を膀胱へ運んで、尿として排泄する臓器ですが、中医学の「腎」はそれだけではなく、生殖をつかさどるとされています。 ですから、妊娠に関しては「腎」の働きが大きく関わると言えます。不妊症の方は「腎虚」という「腎」の働きが思わしくない状態になっています。もちろん、卵巣機能低下も「腎虚」と言えます。 それに加えて、卵巣機能低下の方は、胃腸の状態が悪い方が少なくありません。胃腸が弱いと月経血が充分作られないため、月経不順や不妊の原因となります。このような症状には漢方の「健脾(けんぴ)薬」を服用します。 腎の働きを充実させるには植物性の漢方薬だけでは足りないこともあるので、動物性の漢方薬も使います。中医学には「補腎薬」が数多くありますので、年齢やFSH(性腺刺激ホルモン)の数値などによって、服用する漢方薬がかわります。 もちろん高齢の方でも、「腎」を補うことによって、卵巣年齢(腎年齢)を実年齢よりも若く維持することができるので、より良い卵子の排卵が期待できます。 食事と睡眠も卵巣機能低下の方は気をつけましょう。食事は甘いもの、冷たいもの、油っぽいものは控えます。卵巣に影響する女性ホルモンは夜作られるので、睡眠もたっぷりとりましょう。 小島 晃 先生 (小島薬局本店)1967年北海道生まれ。東京薬科大学卒業。北京中医薬大学日本校卒業。薬剤師・国際中医師・湖北中医薬大学客員教授・横浜薬科大学客員教授。日本在住の名中医・寇 華勝先生に師事して経験を重ね、2003年発刊の「東洋医学の名医134人徹底紹介」に紹介される。不妊症の経験も豊富で、これまで650組以上の妊娠を成立させている。現在、㈱小島薬局本店代表として、小島薬局本店で漢方相談を行いながら後進の指導や講演活動を行い、中国医学の普及に努めている。著書に「体にやさしい妊活漢方(現代書林)」などがある。 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 小島薬局漢方堂 http://kanpodou.com
2018.2.1
コラム 不妊治療