-
二人で、いまと未来を見つめて
つらい流産と死産を二人で乗り越えながら、不妊治療と不育治療を続けていることりmama*さんとご主人のオット君。20 回目の結婚記念日を迎えた今年、二人の気持ちに変化が生まれつつあります。未来のトビラの前に立つお二人に、あらためてお話を聞きました。 今できるのは、地道な 不妊治療と体質改善 ことりmama*さんとオット君のお二人に、初めてお話をうかがったのは2012年の夏。当時、お二人は、長い不妊治療と不育治療を経てやっと授かった赤ちゃんの死産から、まだ一年も経っていない頃でした。今回は、この連載の最終回のために、再びお会いして、今のお気持ちを聞かせていただきました。この8カ月、お二人はどう過ごされてきたのでしょうか。「これまでと変わらずに、助成金を使っての顕微授精とタイミング療法での不妊治療を続けています。私の住んでいる北海道では、特定不妊治療の助成金の申請は、2年目以降は年に2回まで。経済的な負担が大きく、全額を自費で行うのは難しいので、顕微授精のチャンスは年に2回ということになるんです」と、ことりmama*さん。今は、卵子の質を上げるため、そして妊娠しやすい体をつくるために、さまざまな形で体質改善に取り組んでいるそう。8カ月前にお会いした時にも、たしか毎朝のウォーキングを習慣にされていましたね?「はい。でも、北海道では冬の間は外での運動は体を冷やしてしまうので、今は筋トレや骨盤トレーニングなど家の中でできることをしています。今年は4月に入ってもなかなか暖かくならないので、ウォーキングはもう少し先かな」筋トレで筋肉を増やすこと、スクワットや股関節トレーニングで股関節の柔軟性や太ももの内転筋を鍛えること、ウォーキングなどの有酸素運動で血流をよくすることなど、どれも不妊治療を支える体づくりには大切なことです。「毎日欠かさず運動することで、血流改善になっている気がします」ことりmama*さんが特に気を付けているのは、体を冷やさないこと。毎日の運動のほか、睡眠時には遠赤外線で体を温めるマットを、日中は腹巻きをはずしません。「ダイエットの効果は出ていないのですが(笑)、この頃はお腹が冷えなくなってきたのを感じます。以前は、お腹の辺りに手のひらをあてると夏でもひんやりとしていたのですが、最近はそれがなくなりました。家の中で足もとが冷えていたり、背中がざわざ わっとする時でも、お腹は冷えていないんです」食事も、カフェインは摂らず、お砂糖も最低限にするなど、気を遣ってい ます。そんな毎日の積み重ねが、冷えの解消につながっているようです。 不妊治療卒業を前に二人で悔いのない毎日を 体質改善は、毎日地道に続けるしかないと話すことりmama*さんですが、続けるためのモチベーションを保つのはやはり大変だそう。そこで、ウォーキング用の靴やウエアを“ご褒美”として購入したり、ダイエットが成功したら着られるようにワンサイズ小さめの洋服を買ってみたりと、ちょっとした工夫を取り入れているそう。「後悔しないように、できるだけのことはしておきたいんです」ふと、いつもの元気な話し方とは違う、少しトーンを落とした声でぽつりとつぶやいた、ことりmama*さん。実は、そろそろ不妊治療を卒業しようかなという気持ちもあるのだと、打ち明けてくださいました。「年齢的なこともあるのか、質のいい卵子が育たないんです。排卵誘発剤を使っても採卵できるのは2個くらいだったり、空胞が多かったり。この状態で妊娠したとしても、また流産や死産になってしまうのではという恐怖感もすごく大きくて...」赤ちゃんを授かりたい気持ちはある。でも、気分が落ち込むとやめようと考えてしまう。そんな葛藤のなかで不妊治療と不育治療を続け、約20年がたった今、良好な卵子が育たないという現実と向き合わなければならなくなったのです。私たち取材スタッフが、かける言葉に迷っていると、ことりmama*さんは、「ところがね、体を温めた効果が出たのか、卵子の状態がすごくよかった時があったんです。それで、利用できる助成金が残っているうちは治療を続けようかという気持ちになって。あとあと後悔するよりは、できることはすべてしたと思える状態で卒業したいんです」と、決意を感じさせるすっきりとした声で話してくれました。新たなゴールを決め、そこに到着するまでは悔いの残らないよう、体質改善と不妊治療を続けると決めたことりmama*さん。その決心をオット君はどう受け止めたのでしょうか。「助成金が使えるうちは続けたいと、普段の会話のなかで自然に話してくれました。彼女が続けたいなら、やめることはないと僕は思っています。以前は不妊治療の大変さがわからずに、あまり協力的ではなかった時期が僕にもありました。でも、彼女が治療のことや、自分の想いを隠さずに話してくれたことで、赤ちゃんが欲しいという彼女の強い気持ちが今はよくわかります。今回、彼女が今後の方向性を決めたことで、僕も無理なく自然な気持ちで、一緒に不妊治療にあたっていくつもりです」(オット君)今は、精子の運動率などを改善する効果が期待できるトマトジュースとクルミを毎日摂っているそうです。今年、結婚20周年を迎えた二人は、結婚してからずっと治療を続けてきました。「頑張り続けてきたので、これ以上頑張ると息切れしちゃいます。だから、今していることを、これからも続けていこうと思っているんです」(ことりmama*さん)いつもマイペースで、無理なく治療に取り組むオット君との、二人三脚の日々が、まだしばらく続きます。 これまでの経験を生かしたほっとできる場所をつくりたい ことりmama*さんが不妊治療と不育治療の日々をつづっているブログ。同じ悩みを持つ女性たちの交流の場所にもなっています。ことりmama*さん自身、寄せられるコメントに励まされることも多かったとか。「不妊治療を卒業したら、今度はブログという形ではない、別の場所をつくれたらいいな、なんてこの頃思い始めているんですよ」(ことりmama*さん)不妊や不育の悩みを抱える方たちが、ことりmama*さんの家に遊びに来るような感覚で、気軽に悩みを話したり、心を休めたり。そんな小さなウェブサイトのイメージです。「 20年間、つらい思いもしたし、悩みもしました。不妊治療を卒業したら、今度はその体験を、誰かのために役立てられたらいいな、なんて思っています」 (完) 未来のトビラ ≫ 第1話 不妊症、そして、つらい流産と死産...さまざまな想いを抱えながらも前を向いて歩き続ける二人の物語。 ≫ 第2話 パニック障害の症状とも向き合いながらいよいよ積極的な不妊治療である体外受精をスタート。 ≫ 第3話 初めての胚盤胞移植に期待は膨らみますが、治療に終止符を打つ時が近づいていました。 ≫ 最終回 二人で多くの試練を乗り越えた今、偽りのない気持ちと、二人のこれからの未来が見えてきました。 他のユーザーストーリーも読む つらい流産と死産を二人で乗り越えながら、不妊治療と不育治療を続けていることりmama*さんとご主人のオット君。20 回目の結婚記念日を迎えた今年、二人の気持ちに変化が生まれつつあります。未来のトビラの前に立つお二人に、あらためてお話を聞きました。 今できるのは、地道な 不妊治療と体質改善 ことりmama*さんとオット君のお二人に、初めてお話をうかがったのは2012年の夏。当時、お二人は、長い不妊治療と不育治療を経てやっと授かった赤ちゃんの死産から、まだ一年も経っていない頃でした。今回は、この連載の最終回のために、再びお会いして、今のお気持ちを聞かせていただきました。この8カ月、お二人はどう過ごされてきたのでしょうか。「これまでと変わらずに、助成金を使っての顕微授精とタイミング療法での不妊治療を続けています。私の住んでいる北海道では、特定不妊治療の助成金の申請は、2年目以降は年に2回まで。経済的な負担が大きく、全額を自費で行うのは難しいので、顕微授精のチャンスは年に2回ということになるんです」と、ことりmama*さん。今は、卵子の質を上げるため、そして妊娠しやすい体をつくるために、さまざまな形で体質改善に取り組んでいるそう。8カ月前にお会いした時にも、たしか毎朝のウォーキングを習慣にされていましたね?「はい。でも、北海道では冬の間は外での運動は体を冷やしてしまうので、今は筋トレや骨盤トレーニングなど家の中でできることをしています。今年は4月に入ってもなかなか暖かくならないので、ウォーキングはもう少し先かな」筋トレで筋肉を増やすこと、スクワットや股関節トレーニングで股関節の柔軟性や太ももの内転筋を鍛えること、ウォーキングなどの有酸素運動で血流をよくすることなど、どれも不妊治療を支える体づくりには大切なことです。「毎日欠かさず運動することで、血流改善になっている気がします」ことりmama*さんが特に気を付けているのは、体を冷やさないこと。毎日の運動のほか、睡眠時には遠赤外線で体を温めるマットを、日中は腹巻きをはずしません。「ダイエットの効果は出ていないのですが(笑)、この頃はお腹が冷えなくなってきたのを感じます。以前は、お腹の辺りに手のひらをあてると夏でもひんやりとしていたのですが、最近はそれがなくなりました。家の中で足もとが冷えていたり、背中がざわざ わっとする時でも、お腹は冷えていないんです」食事も、カフェインは摂らず、お砂糖も最低限にするなど、気を遣ってい ます。そんな毎日の積み重ねが、冷えの解消につながっているようです。 不妊治療卒業を前に二人で悔いのない毎日を 体質改善は、毎日地道に続けるしかないと話すことりmama*さんですが、続けるためのモチベーションを保つのはやはり大変だそう。そこで、ウォーキング用の靴やウエアを“ご褒美”として購入したり、ダイエットが成功したら着られるようにワンサイズ小さめの洋服を買ってみたりと、ちょっとした工夫を取り入れているそう。「後悔しないように、できるだけのことはしておきたいんです」ふと、いつもの元気な話し方とは違う、少しトーンを落とした声でぽつりとつぶやいた、ことりmama*さん。実は、そろそろ不妊治療を卒業しようかなという気持ちもあるのだと、打ち明けてくださいました。「年齢的なこともあるのか、質のいい卵子が育たないんです。排卵誘発剤を使っても採卵できるのは2個くらいだったり、空胞が多かったり。この状態で妊娠したとしても、また流産や死産になってしまうのではという恐怖感もすごく大きくて...」赤ちゃんを授かりたい気持ちはある。でも、気分が落ち込むとやめようと考えてしまう。そんな葛藤のなかで不妊治療と不育治療を続け、約20年がたった今、良好な卵子が育たないという現実と向き合わなければならなくなったのです。私たち取材スタッフが、かける言葉に迷っていると、ことりmama*さんは、「ところがね、体を温めた効果が出たのか、卵子の状態がすごくよかった時があったんです。それで、利用できる助成金が残っているうちは治療を続けようかという気持ちになって。あとあと後悔するよりは、できることはすべてしたと思える状態で卒業したいんです」と、決意を感じさせるすっきりとした声で話してくれました。新たなゴールを決め、そこに到着するまでは悔いの残らないよう、体質改善と不妊治療を続けると決めたことりmama*さん。その決心をオット君はどう受け止めたのでしょうか。「助成金が使えるうちは続けたいと、普段の会話のなかで自然に話してくれました。彼女が続けたいなら、やめることはないと僕は思っています。以前は不妊治療の大変さがわからずに、あまり協力的ではなかった時期が僕にもありました。でも、彼女が治療のことや、自分の想いを隠さずに話してくれたことで、赤ちゃんが欲しいという彼女の強い気持ちが今はよくわかります。今回、彼女が今後の方向性を決めたことで、僕も無理なく自然な気持ちで、一緒に不妊治療にあたっていくつもりです」(オット君)今は、精子の運動率などを改善する効果が期待できるトマトジュースとクルミを毎日摂っているそうです。今年、結婚20周年を迎えた二人は、結婚してからずっと治療を続けてきました。「頑張り続けてきたので、これ以上頑張ると息切れしちゃいます。だから、今していることを、これからも続けていこうと思っているんです」(ことりmama*さん)いつもマイペースで、無理なく治療に取り組むオット君との、二人三脚の日々が、まだしばらく続きます。 これまでの経験を生かしたほっとできる場所をつくりたい ことりmama*さんが不妊治療と不育治療の日々をつづっているブログ。同じ悩みを持つ女性たちの交流の場所にもなっています。ことりmama*さん自身、寄せられるコメントに励まされることも多かったとか。「不妊治療を卒業したら、今度はブログという形ではない、別の場所をつくれたらいいな、なんてこの頃思い始めているんですよ」(ことりmama*さん)不妊や不育の悩みを抱える方たちが、ことりmama*さんの家に遊びに来るような感覚で、気軽に悩みを話したり、心を休めたり。そんな小さなウェブサイトのイメージです。「 20年間、つらい思いもしたし、悩みもしました。不妊治療を卒業したら、今度はその体験を、誰かのために役立てられたらいいな、なんて思っています」 (完) 未来のトビラ ≫ 第1話 不妊症、そして、つらい流産と死産...さまざまな想いを抱えながらも前を向いて歩き続ける二人の物語。 ≫ 第2話 パニック障害の症状とも向き合いながらいよいよ積極的な不妊治療である体外受精をスタート。 ≫ 第3話 初めての胚盤胞移植に期待は膨らみますが、治療に終止符を打つ時が近づいていました。 ≫ 最終回 二人で多くの試練を乗り越えた今、偽りのない気持ちと、二人のこれからの未来が見えてきました。 他のユーザーストーリーも読む
2015.6.17
コラム 不妊治療
-
悲しい別れと新たな決意
不妊治療と不育治療を19年間続けていることりmama*さんとご主人のオット君。9回の流産を乗り越え、妊娠。しかし、4カ月検診の結果、つらい決断をすることに——。そして、経済的事情から体外受精を諦めようとした矢先、主治医が二人を思いやった打開策を提案してくれます。 悲しい別れの瞬間――毅然としていた夫の涙 結婚以来、不妊治療と不育治療を続けてきた、ことりmama*さんとオット君。2011年の夏、顕微授精を見送った後に、思いがけず自然妊娠をしていることがわかりました。無事に出産するため、徹底した絶対安静の日々を送ってきたことりmama*さんでしたが、4カ月検診で告げられたのは、赤ちゃんの染色体異常。「お腹の中で頑張って成長したとしても、生まれてきた瞬間に死んでしまう— 」。そう主治医の先生に告げられた二人は、赤ちゃんと悲しい別れをすることになりました。「2泊3日の入院の間、夫は会社を休んで、一緒に病室に泊まってくれ ました。陣痛を起こす薬を投与され、私がお腹の赤ちゃんに何度も『ごめんね』と言いながら泣いていると、夫もお腹をなでてくれました。泣くのは、私のために必死に我慢してくれているようでした」(ことりmama*さん)そして、死産。産声を上げることなく生まれてきた赤ちゃんを、看護師長さんが二人のもとに連れてきてくれました。 小さな体だけど、とてもかわいい、立派な赤ちゃん。手と足の指の1本1本、目鼻口もあるのを目にした瞬間、それまで毅然としていたオット君が、涙を流して泣きました。「長く一緒にいて、こんなに泣いて いるのを見るのは初めてでした。それまでの流産の時も、夫はつらい思いをしたと思うのですが、死産だった子を抱いた時に、『今までの子も、こんなふうに育っていたんだ』という実感が生まれたのだと思います」(ことりmama*さん)普段は優しく見守ってくれているオット君が、赤ちゃんを失ったことで見せた心の内。ことりmama*さんはそれを知って、もう一度、オット君に赤ちゃんを抱かせてあげようと決心したのです。 長年見守ってくれた先生が経済的な悩みに打開策を提案! 長い期間にわたる治療ですが、ことりmama*さんは休まずに続けてきたというわけではありませんでした。「不妊治療や不育治療は体もつらいですが、ゴールが見えないという点で精神的な負担がすごく大きくて。これまでも、何度か治療をお休みしています。でも、2~3周期休んでいる時、周りに妊娠した人が出てくると焦ってしまうんですよね。休んでばかりいられないって思うんです」(ことりmama*さん)しかし、体と心は前に進もうとしても、経済的な事情から、思うように治療ができない悩みもありました。「2年間のタイミング療法の後、人工授精に進み、主治医が体外受精のできるクリニックを開業したのをきっかけにステップアップしました。実はもっと早く体外受精をしたい気持ちがあったのですが、当時はまだ年齢が若かったし、費用の問題もあり断念していました。助成金制度ができて少しラクになりましたが、それでもまだ経済的な負担は大きいです」ことりmama*さんが住む北海道の場合、※特定不妊治療に対する助成金は、1回につき15万円まで。1年目は年3回、2年目以降は年2回まで申請が可能です。「15万円の助成金はとても助かりますが、それでもまだ大きな自己負担があります。それに、不育症でもあるので、妊娠してからはヘパリンの自己注射をします。私の場合は1日2本。病院や必要な本数によって費用は違うようですが、当時は保険適用外だったため、私は月4~6万円かかりました。今は保険が適用になり、ヘパリンの費用の負担はなくなりましたが、当時は大変でした」(ことりmama*さん)経済的負担を少しでも軽くするために、途中でお休み期間を入れたり、タイミング療法を取り入れたりと工夫もしました。「でも、これからはいろいろな事情で、体外受精をする経済的な余裕がなくて...。タイミング療法しかで きませんと、先生に伝えました」すると先生は、励ますようにこう言ってくれたのです。「負担にならない範囲で顕微授精をしましょう。1年に2回顕微授精をして、それ以外の期間はタイミング療法でいこう。ことりmama*さんは、ずっと頑張ってきたんだから」これまでも、できるだけ費用がかからないように、できる範囲で配慮してくれていた先生からの、二人を思いやったご提案でした。「私たちの十数年間の治療を見守ってくださった先生が『体外受精は諦める』という告白をした私にしてくださった、配慮だったのだと思います。費用を抑えるために、排卵誘発剤の質を下げました。そうすると、採卵できる卵子の数は少なくなるんです。でも先生は、『そんなにたくさん卵子をつくらなくても、2個採卵できればいいんだから』と言ってくださって」こうして、ことりmama*さんは、諦めかけた体外受精での不妊治療を継続することになったのです。 コミュニケーションで築く主治医との信頼関係 ことりmama*さんの経済的な事情に配慮して、最善の治療方法を提案してくれた主治医の先生。普段の診察の際にも、ことりmama*さんが不安になるようなことは、あえて言わないようにしてくれているのが感じられるそう。「長く不妊治療をしているので、ホルモン数値を聞くと、私はその数字に縛られてしまうんです。気持ちが前に進まなくなってしまい、私にとってマイナスになります。先生はそれをわかっていらっしゃって、ホルモン数値を言わないでくださったりするんです。でも、いい時は『いい数値が出てるよ』と教えてくれるので、言わない時は、ああ、あまりよくないんだなってわかってしまうんですけどね(笑)」(ことりmama*さん)安心して治療を続けるためには、主治医とのコミュニケーションや信頼関係も大切。確認したいことや疑問に思うことがあっても、担当医になかなか聞けないという人も多いと 思います。ことりmama*さんは、「言いたいことを言える、聞きたいことを聞けるという関係は、大変だけど自分からつくっていかないとできないものなのかもしれませんね」と、先生との十数年間を振り返ります。「彼女は、病院から帰ってくると『今日はこんな検査だったよ。先生にこんなことを言われたよ』と細かく教えてくれるのですが、その話を聞いていると、彼女の場合、先生に言われたことを『はい。はい』と聞いて帰ってくるだけの患者ではないようなんです」とオット君。先生との小さなやりとりの積み重ねが現在の信頼関係につながっているのではないか、と言います。「私、心配性なので、検査結果や自分の状態でわからないことがあると、すべて質問するんです。そうすると次の検診で、前回私が何を質問したか、何を心配していたかを先生が覚えていて、それについて一言かけてくださいます」(ことりmama*さん)そんな積み重ねが先生への信頼感につながっているそう。「先生は妊娠がわかっても、私には『おめでとう』と言わないんです」それが、妊娠してからは不育症を乗り越えなくてはいけない、自分への気遣いだということも、ことりmama*さんは感じているそう。先生からの「おめでとう」を聞ける日を目標に、ことりmama*さんは、体質改善も含めた治療を今も続けています。 (つづく) 未来のトビラ ≫ 第1話 不妊症、そして、つらい流産と死産...さまざまな想いを抱えながらも前を向いて歩き続ける二人の物語。 ≫ 第2話 パニック障害の症状とも向き合いながらいよいよ積極的な不妊治療である体外受精をスタート。 ≫ 第3話 初めての胚盤胞移植に期待は膨らみますが、治療に終止符を打つ時が近づいていました。 ≫ 最終回 二人で多くの試練を乗り越えた今、偽りのない気持ちと、二人のこれからの未来が見えてきました。 他のユーザーストーリーも読む 不妊治療と不育治療を19年間続けていることりmama*さんとご主人のオット君。9回の流産を乗り越え、妊娠。しかし、4カ月検診の結果、つらい決断をすることに——。そして、経済的事情から体外受精を諦めようとした矢先、主治医が二人を思いやった打開策を提案してくれます。 悲しい別れの瞬間――毅然としていた夫の涙 結婚以来、不妊治療と不育治療を続けてきた、ことりmama*さんとオット君。2011年の夏、顕微授精を見送った後に、思いがけず自然妊娠をしていることがわかりました。無事に出産するため、徹底した絶対安静の日々を送ってきたことりmama*さんでしたが、4カ月検診で告げられたのは、赤ちゃんの染色体異常。「お腹の中で頑張って成長したとしても、生まれてきた瞬間に死んでしまう— 」。そう主治医の先生に告げられた二人は、赤ちゃんと悲しい別れをすることになりました。「2泊3日の入院の間、夫は会社を休んで、一緒に病室に泊まってくれ ました。陣痛を起こす薬を投与され、私がお腹の赤ちゃんに何度も『ごめんね』と言いながら泣いていると、夫もお腹をなでてくれました。泣くのは、私のために必死に我慢してくれているようでした」(ことりmama*さん)そして、死産。産声を上げることなく生まれてきた赤ちゃんを、看護師長さんが二人のもとに連れてきてくれました。 小さな体だけど、とてもかわいい、立派な赤ちゃん。手と足の指の1本1本、目鼻口もあるのを目にした瞬間、それまで毅然としていたオット君が、涙を流して泣きました。「長く一緒にいて、こんなに泣いて いるのを見るのは初めてでした。それまでの流産の時も、夫はつらい思いをしたと思うのですが、死産だった子を抱いた時に、『今までの子も、こんなふうに育っていたんだ』という実感が生まれたのだと思います」(ことりmama*さん)普段は優しく見守ってくれているオット君が、赤ちゃんを失ったことで見せた心の内。ことりmama*さんはそれを知って、もう一度、オット君に赤ちゃんを抱かせてあげようと決心したのです。 長年見守ってくれた先生が経済的な悩みに打開策を提案! 長い期間にわたる治療ですが、ことりmama*さんは休まずに続けてきたというわけではありませんでした。「不妊治療や不育治療は体もつらいですが、ゴールが見えないという点で精神的な負担がすごく大きくて。これまでも、何度か治療をお休みしています。でも、2~3周期休んでいる時、周りに妊娠した人が出てくると焦ってしまうんですよね。休んでばかりいられないって思うんです」(ことりmama*さん)しかし、体と心は前に進もうとしても、経済的な事情から、思うように治療ができない悩みもありました。「2年間のタイミング療法の後、人工授精に進み、主治医が体外受精のできるクリニックを開業したのをきっかけにステップアップしました。実はもっと早く体外受精をしたい気持ちがあったのですが、当時はまだ年齢が若かったし、費用の問題もあり断念していました。助成金制度ができて少しラクになりましたが、それでもまだ経済的な負担は大きいです」ことりmama*さんが住む北海道の場合、※特定不妊治療に対する助成金は、1回につき15万円まで。1年目は年3回、2年目以降は年2回まで申請が可能です。「15万円の助成金はとても助かりますが、それでもまだ大きな自己負担があります。それに、不育症でもあるので、妊娠してからはヘパリンの自己注射をします。私の場合は1日2本。病院や必要な本数によって費用は違うようですが、当時は保険適用外だったため、私は月4~6万円かかりました。今は保険が適用になり、ヘパリンの費用の負担はなくなりましたが、当時は大変でした」(ことりmama*さん)経済的負担を少しでも軽くするために、途中でお休み期間を入れたり、タイミング療法を取り入れたりと工夫もしました。「でも、これからはいろいろな事情で、体外受精をする経済的な余裕がなくて...。タイミング療法しかで きませんと、先生に伝えました」すると先生は、励ますようにこう言ってくれたのです。「負担にならない範囲で顕微授精をしましょう。1年に2回顕微授精をして、それ以外の期間はタイミング療法でいこう。ことりmama*さんは、ずっと頑張ってきたんだから」これまでも、できるだけ費用がかからないように、できる範囲で配慮してくれていた先生からの、二人を思いやったご提案でした。「私たちの十数年間の治療を見守ってくださった先生が『体外受精は諦める』という告白をした私にしてくださった、配慮だったのだと思います。費用を抑えるために、排卵誘発剤の質を下げました。そうすると、採卵できる卵子の数は少なくなるんです。でも先生は、『そんなにたくさん卵子をつくらなくても、2個採卵できればいいんだから』と言ってくださって」こうして、ことりmama*さんは、諦めかけた体外受精での不妊治療を継続することになったのです。 コミュニケーションで築く主治医との信頼関係 ことりmama*さんの経済的な事情に配慮して、最善の治療方法を提案してくれた主治医の先生。普段の診察の際にも、ことりmama*さんが不安になるようなことは、あえて言わないようにしてくれているのが感じられるそう。「長く不妊治療をしているので、ホルモン数値を聞くと、私はその数字に縛られてしまうんです。気持ちが前に進まなくなってしまい、私にとってマイナスになります。先生はそれをわかっていらっしゃって、ホルモン数値を言わないでくださったりするんです。でも、いい時は『いい数値が出てるよ』と教えてくれるので、言わない時は、ああ、あまりよくないんだなってわかってしまうんですけどね(笑)」(ことりmama*さん)安心して治療を続けるためには、主治医とのコミュニケーションや信頼関係も大切。確認したいことや疑問に思うことがあっても、担当医になかなか聞けないという人も多いと 思います。ことりmama*さんは、「言いたいことを言える、聞きたいことを聞けるという関係は、大変だけど自分からつくっていかないとできないものなのかもしれませんね」と、先生との十数年間を振り返ります。「彼女は、病院から帰ってくると『今日はこんな検査だったよ。先生にこんなことを言われたよ』と細かく教えてくれるのですが、その話を聞いていると、彼女の場合、先生に言われたことを『はい。はい』と聞いて帰ってくるだけの患者ではないようなんです」とオット君。先生との小さなやりとりの積み重ねが現在の信頼関係につながっているのではないか、と言います。「私、心配性なので、検査結果や自分の状態でわからないことがあると、すべて質問するんです。そうすると次の検診で、前回私が何を質問したか、何を心配していたかを先生が覚えていて、それについて一言かけてくださいます」(ことりmama*さん)そんな積み重ねが先生への信頼感につながっているそう。「先生は妊娠がわかっても、私には『おめでとう』と言わないんです」それが、妊娠してからは不育症を乗り越えなくてはいけない、自分への気遣いだということも、ことりmama*さんは感じているそう。先生からの「おめでとう」を聞ける日を目標に、ことりmama*さんは、体質改善も含めた治療を今も続けています。 (つづく) 未来のトビラ ≫ 第1話 不妊症、そして、つらい流産と死産...さまざまな想いを抱えながらも前を向いて歩き続ける二人の物語。 ≫ 第2話 パニック障害の症状とも向き合いながらいよいよ積極的な不妊治療である体外受精をスタート。 ≫ 第3話 初めての胚盤胞移植に期待は膨らみますが、治療に終止符を打つ時が近づいていました。 ≫ 最終回 二人で多くの試練を乗り越えた今、偽りのない気持ちと、二人のこれからの未来が見えてきました。 他のユーザーストーリーも読む
2015.6.15
コラム 不妊治療
-
支え合いながら、未来を信じて前へ
結婚以来19年間、不妊治療と不育治療を続けることりmama*さんとご主人のオット君。体力的にも精神的にもつらいことが多い治療に諦めかけたこともありましたが、お互いを思いやる気持ちと担当医のサポートで、二人は前に進み続けていきます。 夫の理解と協力が 長期間の治療の支えに 排卵誘発剤の副作用や採卵の痛みに耐え、妊娠後は流産を防ぐためにヘパリンの自己注射とアスピリンを服用して絶対安静。19年間という長い間、不妊治療、不育治療をしていることりmama*さんには、体力的にも精神的にも、つらいことや我慢の必要なことを乗り越えていく日々が現在も続いています。これほど長い期間、治療を諦めることなく続けてこられたのはなぜなのでしょう。その問いに、ことりmama*さんは「一緒に頑張ろうという気持ちを、二人とも持っているから。そして、私がつらい時、夫が家事などの具体的なサポートをしてくれることも大きいです」と明るく答えます。「たとえば、排卵誘発剤の副作用が、私の場合はとても強く出るんです。動悸やめまい、吐き気が一週間毎日続きます。そんな時期は、洗濯をするのもつらいんです。干す動作でめまいがしたり...。以前は泣きながらやっていましたが、最近は彼が洗濯担当になってくれています」その他の家事も積極的にしてくれるというオット君ですが、治療を始めた頃は、ここまで協力的ではなかったとか。「彼女が治療を頑張っているのはわかっていましたが、僕も最初のうちは、その大変さを全部は理解していなかったんです。『奥さんなんだから家事くらいやって当たり前でしょ?』なんて思っていた部分もあったし、『どうしてオレがやらなくちゃいけないの?』と思っていた時期もありました」(オット君)それが変わったのは、ことりmama*さんが、心の内をすべて話してくれるようになったことがきっかけでした。「自分一人で我慢して、『こんなに頑張っているのに、わかってくれない!』と気持ちを爆発させるよりも、治療内容や副作用について細かなことまですべて話すことで、自分の状態をわかってもらうほうがいいと思って」(ことりmama*さん)ことりmama*さんが、今どんな治療でどんな薬を使っているのか、医師とはどんな話をしたのか、自分はどんな精神状態なのかを、細かに伝えたのだそう。「つらい時にはつらいと言ってくれたし、どうしてもらえたらラクなのかを素直に話してくれたので、僕も変われたんです。彼女のつらさと頑張っている気持ちが伝わったので、それなら家事は僕がやろうと思えました。彼女が話してくれていなかったら、ここまで協力的ではなかったかもしれません」(オット君) 顕微授精を見送った後予想外の妊娠陽性 ことりmama*さんにとって、不妊治療と不育治療は時間との闘いでもあります。「一般的にはまだ治療を頑張れる年齢だと思うんです。でも、私の場合は持病があるため、実年齢よりも3~4歳上の気持ちで治療に臨んでいます。ですから、そろそろ妊娠・出産できるかどうかの最終段階に来ていると思っています」そんなことりmama*さんにとって、妊娠に向けての周期は、毎回とても貴重なものです。2011年の夏。排卵誘発剤を4回自己注射し、診察を受けた時のことでした。卵巣の反応が悪く卵膜も硬いこと、顕微授精をしようにも卵子の状態がよくないことから、今回は見送ろうということに。「長い間、不妊治療を続けてきたので、体が悲鳴をあげているんだろうな。少し休憩かな、と思いました」ところがその後、夏の暑さで体調を崩してしまいダウン。生理も遅れていたため、「生理不順が進んでいるのかも」と落ち込みながら診察を受けに行くと、なんと妊娠陽性が出たのです。「最初は先生が何をおっしゃっているのかわかりませんでした。それくらい予想外でした」思ってもみなかった妊娠でした。しかし、ことりmama*さんの場合、妊娠がわかったからといって安心はできません。「それまで連続9回の流産をしていましたから、不安と恐怖で押しつぶされそうでした。でも、やるしかない。今ここにある命を信じて、頑張るしかないと思いました。10回目の奇跡が起こるかもしれないから」ことりmama*さんは、すぐにヘパリンの自己注射とアスピリンの服用を開始。ヘパリンは、赤ちゃんとことりmama*さんの命綱。1日2回の注射をし、自宅でできるかぎり絶対安静に過ごす日々が始まりました。 絶対安静の日々...そして、4カ月検診 妊娠陽性反応が出てから1週間後には、クリニックで10.7mmの胎嚢を確認。「この段階でも、自分が妊婦になったんだという実感はまだありませんでした。自信がないのと、流産への恐怖で、先のことを考えられないでいたんです」ことりmama*さんには「安定期」はありません。妊娠が継続したとしても、ヘパリンの注射を打ち続け、アスピリン、ホルモン剤、漢方薬を服用。そして家事も一切できない、徹底した絶対安静が出産まで続きます。妊娠した喜びを感じる余裕はなく、流産の不安と毎週の検診結果への恐怖に耐えながらの日々です。「今の医療でできるすべてのことをさせてもらいながら、お腹にいる『この命』を信じて、成長を祈ることしかないんです」そして10月。受診した4カ月検診で、ことりmama*さんは、赤ちゃんが元気に動いていることにほっとします。ところが、「よかった」と安心したのも束の間、ことりmama*さんは、先生の様子がいつもと違うことに気が付きます。「先生が何もおっしゃらずに、いつもよりずっと長い時間をかけて、真剣な顔で赤ちゃんを見ているんです...。ものすごく大きな不安が押し寄せてきました」先生からことりmama*さんに告げられたのは、赤ちゃんの頭と体にリ ンパ浮腫が見えること。染色体異常で、どんなに頑張ってもお腹の中でいずれ死んでしまうことでした。「もしも、生まれてこられたとしても、母親の胎内から出た瞬間に死んでしまうんだよ。残念だけど...」と先生から告げられました。赤ちゃんは元気に動いているのに、生きようと頑張っているのに。どんなことでもするから助けてほしい。必死にそうくり返すことりmama*さんに、先生が提案したのは、赤ちゃんが大きくなってもっと苦しくなる前に産んであげることでした。 「赤ちゃん、楽にしてあげよう」先生の言葉に、思わず腕にしがみつき崩れ落ちたことりmama*さん。先生は、ことりmama*さんが腕を離すまで、ずっとそのままでいてくれました。19年間の不妊治療・不育治療のなかで一番つらい出来事だったと、ことりmama*さんは振り返ります。心の準備もできないままに、お腹の中で生きている赤ちゃんを諦めなければならなくなったのです――。 (つづく) 未来のトビラ ≫ 第1話 不妊症、そして、つらい流産と死産...さまざまな想いを抱えながらも前を向いて歩き続ける二人の物語。 ≫ 第2話 パニック障害の症状とも向き合いながらいよいよ積極的な不妊治療である体外受精をスタート。 ≫ 第3話 初めての胚盤胞移植に期待は膨らみますが、治療に終止符を打つ時が近づいていました。 ≫ 最終回 二人で多くの試練を乗り越えた今、偽りのない気持ちと、二人のこれからの未来が見えてきました。 他のユーザーストーリーも読む 結婚以来19年間、不妊治療と不育治療を続けることりmama*さんとご主人のオット君。体力的にも精神的にもつらいことが多い治療に諦めかけたこともありましたが、お互いを思いやる気持ちと担当医のサポートで、二人は前に進み続けていきます。 夫の理解と協力が 長期間の治療の支えに 排卵誘発剤の副作用や採卵の痛みに耐え、妊娠後は流産を防ぐためにヘパリンの自己注射とアスピリンを服用して絶対安静。19年間という長い間、不妊治療、不育治療をしていることりmama*さんには、体力的にも精神的にも、つらいことや我慢の必要なことを乗り越えていく日々が現在も続いています。これほど長い期間、治療を諦めることなく続けてこられたのはなぜなのでしょう。その問いに、ことりmama*さんは「一緒に頑張ろうという気持ちを、二人とも持っているから。そして、私がつらい時、夫が家事などの具体的なサポートをしてくれることも大きいです」と明るく答えます。「たとえば、排卵誘発剤の副作用が、私の場合はとても強く出るんです。動悸やめまい、吐き気が一週間毎日続きます。そんな時期は、洗濯をするのもつらいんです。干す動作でめまいがしたり...。以前は泣きながらやっていましたが、最近は彼が洗濯担当になってくれています」その他の家事も積極的にしてくれるというオット君ですが、治療を始めた頃は、ここまで協力的ではなかったとか。「彼女が治療を頑張っているのはわかっていましたが、僕も最初のうちは、その大変さを全部は理解していなかったんです。『奥さんなんだから家事くらいやって当たり前でしょ?』なんて思っていた部分もあったし、『どうしてオレがやらなくちゃいけないの?』と思っていた時期もありました」(オット君)それが変わったのは、ことりmama*さんが、心の内をすべて話してくれるようになったことがきっかけでした。「自分一人で我慢して、『こんなに頑張っているのに、わかってくれない!』と気持ちを爆発させるよりも、治療内容や副作用について細かなことまですべて話すことで、自分の状態をわかってもらうほうがいいと思って」(ことりmama*さん)ことりmama*さんが、今どんな治療でどんな薬を使っているのか、医師とはどんな話をしたのか、自分はどんな精神状態なのかを、細かに伝えたのだそう。「つらい時にはつらいと言ってくれたし、どうしてもらえたらラクなのかを素直に話してくれたので、僕も変われたんです。彼女のつらさと頑張っている気持ちが伝わったので、それなら家事は僕がやろうと思えました。彼女が話してくれていなかったら、ここまで協力的ではなかったかもしれません」(オット君) 顕微授精を見送った後予想外の妊娠陽性 ことりmama*さんにとって、不妊治療と不育治療は時間との闘いでもあります。「一般的にはまだ治療を頑張れる年齢だと思うんです。でも、私の場合は持病があるため、実年齢よりも3~4歳上の気持ちで治療に臨んでいます。ですから、そろそろ妊娠・出産できるかどうかの最終段階に来ていると思っています」そんなことりmama*さんにとって、妊娠に向けての周期は、毎回とても貴重なものです。2011年の夏。排卵誘発剤を4回自己注射し、診察を受けた時のことでした。卵巣の反応が悪く卵膜も硬いこと、顕微授精をしようにも卵子の状態がよくないことから、今回は見送ろうということに。「長い間、不妊治療を続けてきたので、体が悲鳴をあげているんだろうな。少し休憩かな、と思いました」ところがその後、夏の暑さで体調を崩してしまいダウン。生理も遅れていたため、「生理不順が進んでいるのかも」と落ち込みながら診察を受けに行くと、なんと妊娠陽性が出たのです。「最初は先生が何をおっしゃっているのかわかりませんでした。それくらい予想外でした」思ってもみなかった妊娠でした。しかし、ことりmama*さんの場合、妊娠がわかったからといって安心はできません。「それまで連続9回の流産をしていましたから、不安と恐怖で押しつぶされそうでした。でも、やるしかない。今ここにある命を信じて、頑張るしかないと思いました。10回目の奇跡が起こるかもしれないから」ことりmama*さんは、すぐにヘパリンの自己注射とアスピリンの服用を開始。ヘパリンは、赤ちゃんとことりmama*さんの命綱。1日2回の注射をし、自宅でできるかぎり絶対安静に過ごす日々が始まりました。 絶対安静の日々...そして、4カ月検診 妊娠陽性反応が出てから1週間後には、クリニックで10.7mmの胎嚢を確認。「この段階でも、自分が妊婦になったんだという実感はまだありませんでした。自信がないのと、流産への恐怖で、先のことを考えられないでいたんです」ことりmama*さんには「安定期」はありません。妊娠が継続したとしても、ヘパリンの注射を打ち続け、アスピリン、ホルモン剤、漢方薬を服用。そして家事も一切できない、徹底した絶対安静が出産まで続きます。妊娠した喜びを感じる余裕はなく、流産の不安と毎週の検診結果への恐怖に耐えながらの日々です。「今の医療でできるすべてのことをさせてもらいながら、お腹にいる『この命』を信じて、成長を祈ることしかないんです」そして10月。受診した4カ月検診で、ことりmama*さんは、赤ちゃんが元気に動いていることにほっとします。ところが、「よかった」と安心したのも束の間、ことりmama*さんは、先生の様子がいつもと違うことに気が付きます。「先生が何もおっしゃらずに、いつもよりずっと長い時間をかけて、真剣な顔で赤ちゃんを見ているんです...。ものすごく大きな不安が押し寄せてきました」先生からことりmama*さんに告げられたのは、赤ちゃんの頭と体にリ ンパ浮腫が見えること。染色体異常で、どんなに頑張ってもお腹の中でいずれ死んでしまうことでした。「もしも、生まれてこられたとしても、母親の胎内から出た瞬間に死んでしまうんだよ。残念だけど...」と先生から告げられました。赤ちゃんは元気に動いているのに、生きようと頑張っているのに。どんなことでもするから助けてほしい。必死にそうくり返すことりmama*さんに、先生が提案したのは、赤ちゃんが大きくなってもっと苦しくなる前に産んであげることでした。 「赤ちゃん、楽にしてあげよう」先生の言葉に、思わず腕にしがみつき崩れ落ちたことりmama*さん。先生は、ことりmama*さんが腕を離すまで、ずっとそのままでいてくれました。19年間の不妊治療・不育治療のなかで一番つらい出来事だったと、ことりmama*さんは振り返ります。心の準備もできないままに、お腹の中で生きている赤ちゃんを諦めなければならなくなったのです――。 (つづく) 未来のトビラ ≫ 第1話 不妊症、そして、つらい流産と死産...さまざまな想いを抱えながらも前を向いて歩き続ける二人の物語。 ≫ 第2話 パニック障害の症状とも向き合いながらいよいよ積極的な不妊治療である体外受精をスタート。 ≫ 第3話 初めての胚盤胞移植に期待は膨らみますが、治療に終止符を打つ時が近づいていました。 ≫ 最終回 二人で多くの試練を乗り越えた今、偽りのない気持ちと、二人のこれからの未来が見えてきました。 他のユーザーストーリーも読む
2015.6.12
コラム 不妊治療
-
娘にきょうだいをつくってあげたい...
娘にきょうだいをつくってあげたい...「閉経に近いです」。医師のつらい言葉にも負けずに治療を継続。次の誕生日までトライを続けるつもりです。 4年前、1回の体外受精で長女を授かったトモさん。2年半前から第2子妊娠に向け治療を始めるも思うようにはいきません。次の誕生日を前に揺らぐ心境を語ってくれました。 第1子妊娠は想像よりもスムーズに進行 取材当日、幼稚園に入園したばかりのあーちゃんを連れてやってきたトモさん。この夏42歳の誕生日を迎えます。結婚したのは28歳の時。当時お父様が透析治療を受けることとなり、妊娠についてはまったく考えられる状況になかったといいます。懸命の介護を続けたもののお父様はその後ご逝去。当時35歳になっていたトモさんはようやく妊娠について考えるようになりました。なるべく早く妊娠したかったため、まずは近くの病院を受診。卵管造影検査をしたところ、片方の卵管がつまっていることが発覚しました。「すぐにでも不妊治療したい。」そう切り出したトモさんに、ご主人は積極的に協力してくれたのだそうです。病院から紹介を受け、すぐに不妊治療専門のクリニックへ通うことになりました。不妊治療専門クリニックで数回のタイミング療法にトライしたものの妊娠には至らず、トモさんは先生に早めのステップアップをリクエストしました。そして、初めて受けた体外受精が見事成功。2011年4月にあーちゃんを出産しました。あーちゃんがおっぱいを飲む姿が愛おしく、またあーちゃんもおっぱいが大好き。断乳できず、なかなか次の妊娠を考えられなかったトモさん。出産後、10カ月で生理が来たので、自然にまた妊娠できるかも...とぼんやり考えていました。しかし、同じ病院で不妊治療を受け妊娠した友人から「40代は時間が限られているし、第2子を考えているから私は不妊治療を再開するよ。」そんな言葉を受け、次の妊娠に向けての準備を決意しました。 第2子のトライで知った高FSH、低AMH 2013年の年明けとともに治療を始めたトモさん。その1回目は、採卵するも受精ができないという結果。そこではじめてショックを受けることになります。「実はそれまで何の知識もなく治療をしていたんです。ここからが本当の治療の始まりでした。」。2回目のトライは遺残卵胞があったために見送り。そして3回目のトライ。生理から10日目で受診したところ、FSHの値が51に跳ね上がっていました。そこで先生に言われたのは「この数値は閉経に近いです。妊娠よりもご自分のホルモン治療を考えたほうがよいのでは?」との厳しい一言。ふだんとっても明るいトモさんも「この先生の診断には帰りながら号泣してしまいました。」と語ります。そんなトモさんがそれでもなお治療を続けようと思ったのはご主人の存在。「主人は私にとってのセカンドオピニオンを言ってくれる存在。この結果にも、本当にそうなの?何かできることはないの?ととても前向き。そんな彼の言葉に後押しされて、前々から気になっていた別の病院への受診を決めました。」2013年4月、トモさんは転院。そこではじめてAMH検査を受けます。その結果はなんと0.1以下...。そんな状況でしたが、担当の先生の「大丈夫ですよ。」の一言。「ここの先生は、オーダーメイド的に私がやりたいことにトライさせてくれました。それで随分気持ちが楽になりました。」。このクリニックではカウフマン療法で薬を飲みながらの治療が続きました。ただ、薬によってまたFSHが跳ね上がったり、インフルエンザで高熱に見舞われてしまったり、トモさん自身の体調、そして病院の治療スケジュールとのタイミングがなかなか合いません。「薬の副作用で体調がすぐれず、娘と思うように遊んであげられませんでした。そもそも薬が私の体に合わないのかも...と感じ始めました。」悶々とした日々が続いたある日のこと、前の生理から17日目で突然生理が来てしまいます。しかしながらその後卵胞は育っていたため、トモさんは採卵を希望しますが、病院からは「今回は周期が少しずれてしまったので採卵は見送りましょう」とのすすめ。せっかく育った卵胞をそのままにしてしまうのは悔しい...そんな思いが拭えずトモさんはその足で元々通っていたクリニックへ。採卵してほしいことを訴え採卵をしてもらいます。そして新鮮胚移植まで進みましたが、残念ながら妊娠には至りませんでした。そして元の病院で数回のトライの後、昨年夏、ようやく着床!トモさんのお腹の中で赤ちゃんの心拍が確認できました。あーちゃんにも赤ちゃんが来ることを伝え家族で喜びあいました。しかし、その喜びもつかの間...。翌月の検診で心拍が確認できず稽留流産をしてしまっていたことが発覚。「赤ちゃんどこに行っちゃったの?」無邪気にたずねるあーちゃんに「赤ちゃんはお空に行っちゃったの...。」と答えるトモさん。「そのあと娘が空に向かって、バイバーイ!また来てね!と何度も手を振っていて...まだ不安定な時期にどうして赤ちゃんが来ることを言ってしまったのだろう、こんな悲しい思いをさせてしまってかわいそうだった...と心から後悔しました。」 次の誕生日を迎える前に揺らぐ思い... はじめての流産を経験し、心身ともに疲れてしまったトモさん。病院で3カ月のお休みを通達され、思い切って家族旅行を決意。ご主人に休みをとってもらいハワイへ旅立ちました。「弾丸旅行ではありましたが、娘とようやくゆっくり過ごせました。広い海、海外の様子を見せてあげられて本当に満足できる旅行でした。」心身ともにリフレッシュして今年1月に治療を再開。この時も着床したものの先生には「継続率30%です。」と厳しい数値を伝えられます。それでもわずかな期待を込めていたある日、突然の出血に見舞われます。「おそらくこの時に自然に体外に出てしまったようです」。先生に低い確率を言われながらも、心の中で期待していた自分...複雑な思いが重なりあいました。その後、3カ月のお休みを経た今、トモさんの心境に少しずつ変化が起こり始めています。「夏に42歳を迎えます。もう妊娠は難しいのかも...と半分は諦めている自分がいます。でも、自分の経験から姉妹がいて本当によかったという思いがあり、この子になんとしてでもきょうだいをつくってあげたいんですよね。でも、その一方でできなかった時の自分への理由も考え始めているんです。娘を良い環境で育ててあげよう、一人っ子でもたくさんのお友達を見つけてあげればいいんじゃないか、とか。次の誕生日が決断時かなと...。」。さまざまな思いが行き交うなか、トモさんは次のトライへの準備を始めています。 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.26 2015 Summer≫ マガジンの記事がすべてご覧いただけます! 他のユーザーストーリーも読む 【無料】100ページオールカラー 女性のための健康生活マガジン JINEKO 娘にきょうだいをつくってあげたい...「閉経に近いです」。医師のつらい言葉にも負けずに治療を継続。次の誕生日までトライを続けるつもりです。 4年前、1回の体外受精で長女を授かったトモさん。2年半前から第2子妊娠に向け治療を始めるも思うようにはいきません。次の誕生日を前に揺らぐ心境を語ってくれました。 第1子妊娠は想像よりもスムーズに進行 取材当日、幼稚園に入園したばかりのあーちゃんを連れてやってきたトモさん。この夏42歳の誕生日を迎えます。結婚したのは28歳の時。当時お父様が透析治療を受けることとなり、妊娠についてはまったく考えられる状況になかったといいます。懸命の介護を続けたもののお父様はその後ご逝去。当時35歳になっていたトモさんはようやく妊娠について考えるようになりました。なるべく早く妊娠したかったため、まずは近くの病院を受診。卵管造影検査をしたところ、片方の卵管がつまっていることが発覚しました。「すぐにでも不妊治療したい」そう切り出したトモさんに、ご主人は積極的に協力してくれたのだそうです。病院から紹介を受け、すぐに不妊治療専門のクリニックへ通うことになりました。不妊治療専門クリニックで数回のタイミング療法にトライしたものの妊娠には至らず、トモさんは先生に早めのステップアップをリクエストしました。そして、初めて受けた体外受精が見事成功。2011年4月にあーちゃんを出産しました。あーちゃんがおっぱいを飲む姿が愛おしく、またあーちゃんもおっぱいが大好き。断乳できず、なかなか次の妊娠を考えられなかったトモさん。出産後、10カ月で生理が来たので、自然にまた妊娠できるかも...とぼんやり考えていました。しかし、同じ病院で不妊治療を受け妊娠した友人から「40代は時間が限られているし、第2子を考えているから私は不妊治療を再開するよ」。そんな言葉を受け、次の妊娠に向けての準備を決意しました。 第2子のトライで知った高FSH、低AMH 2013年の年明けとともに治療を始めたトモさん。その1回目は、採卵するも受精ができないという結果。そこではじめてショックを受けることになります。「実はそれまで何の知識もなく治療をしていたんです。ここからが本当の治療の始まりでした」。2回目のトライは遺残卵胞があったために見送り。そして3回目のトライ。生理から10日目で受診したところ、FSHの値が51に跳ね上がっていました。そこで先生に言われたのは「この数値は閉経に近いです。妊娠よりもご自分のホルモン治療を考えたほうがよいのでは?」との厳しい一言。ふだんとっても明るいトモさんも「この先生の診断には帰りながら号泣してしまいました」と語ります。そんなトモさんがそれでもなお治療を続けようと思ったのはご主人の存在。「主人は私にとってのセカンドオピニオンを言ってくれる存在。この結果にも、本当にそうなの?何かできることはないの?ととても前向き。そんな彼の言葉に後押しされて、前々から気になっていた別の病院への受診を決めました」2013年4月、トモさんは転院。そこではじめてAMH検査を受けます。その結果はなんと0.1以下...。そんな状況でしたが、担当の先生の「大丈夫ですよ」の一言。「ここの先生は、オーダーメイド的に私がやりたいことにトライさせてくれました。それで随分気持ちが楽になりました」。このクリニックではカウフマン療法で薬を飲みながらの治療が続きました。ただ、薬によってまたFSHが跳ね上がったり、インフルエンザで高熱に見舞われてしまったり、トモさん自身の体調、そして病院の治療スケジュールとのタイミングがなかなか合いません。「薬の副作用で体調がすぐれず、娘と思うように遊んであげられませんでした。そもそも薬が私の体に合わないのかも...と感じ始めました」悶々とした日々が続いたある日のこと、前の生理から17日目で突然生理が来てしまいます。しかしながらその後卵胞は育っていたため、トモさんは採卵を希望しますが、病院からは「今回は周期が少しずれてしまったので採卵は見送りましょう」とのすすめ。せっかく育った卵胞をそのままにしてしまうのは悔しい...そんな思いが拭えずトモさんはその足で元々通っていたクリニックへ。採卵してほしいことを訴え採卵をしてもらいます。そして新鮮胚移植まで進みましたが、残念ながら妊娠には至りませんでした。そして元の病院で数回のトラ イの後、昨年夏、ようやく着床!トモさんのお腹の中で赤ちゃんの心拍が確認できました。あーちゃんにも赤ちゃん が来ることを伝え家族で喜びあいました。しかし、その喜びもつかの間...。翌月の検診で心拍が確認できず稽留流産をしてしまっていたことが発覚。「赤ちゃんどこに行っちゃったの?」無邪気にたずねるあーちゃんに「赤ちゃんはお空に行っちゃったの...」と答えるトモさん。「そのあと娘が空に向かって、バイバーイ!また来てね!と何度も手を振っていて...まだ不安定な時期にどうして赤ちゃんが来ることを言ってしまったのだろう、こんな悲しい思いをさせ てしまってかわいそうだった...と心から後悔しました」 次の誕生日を迎える前に揺らぐ思い... はじめての流産を経験し、心身ともに疲れてしまったトモさん。病院で3カ月のお休みを通達され、思い切って家族旅行を決意。ご主人に休みをとってもらいハワイへ旅立ちました。「弾丸旅行ではありましたが、娘とようやくゆっくり過ごせました。広い海、海外の様子を見せてあげられて本当に満足できる旅行でした」心身ともにリフレッシュして今年1月に治療を再開。この時も着床したものの先生には「継続率30%です」と厳しい数値を伝えられます。それでもわずかな期待を込めていたある日、突然の出血に見舞われます。「おそらくこの時に自然に体外に出てしまったようです」。先生に低い確率を言われながらも、心の中で期待していた自分...複雑な思いが重なりあいました。その後、3カ月のお休みを経た今、トモさんの心境に少しずつ変化が起こり始めています。「夏に42歳を迎えます。もう妊娠は難しいのかも...と半分は諦めている自分がいます。でも、自分の経験から姉妹がいて本当によかったという思いがあり、この子になんとしてでもきょうだいをつくってあげたいんですよね。でも、その一方でできなかった時の自分への理由も考え始めているんです。娘を良い環境で育ててあげよう、一人っ子でもたくさんのお友達を見つけてあげればいいんじゃないか、とか。次の誕生日が決断時かなと...」。さまざまな思いが行き交うなか、トモさんは次のトライへの準備を始めています。 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.26 2015 Summer≫ マガジンの記事がすべてご覧いただけます! 他のユーザーストーリーも読む 【無料】100ページオールカラー 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.6.8
コラム 不妊治療
-
3/14 新宿 ジネコ主催 第8回 妊活セミナー ご報告レポート
去る3月14日、ジネコ主催/あすか製薬共催「第8回 妊活セミナー」が開催されました。血流改善や不妊治療をテーマに100名以上の方が参加したもようをお伝えします。 体質改善から最新治療まで夫婦で知識を深めよう! 3月14日(土)、ジネコでは妊娠を望むご夫婦を対象としたイベント「妊活セミナー」を東京・新宿区の会場で開催しました。参加者は無料、パートナーと一緒でもOK、2人目以降のお子様を望む方も参加できるということで、当日は100人を超える方々が来場。 東洋的な治療で妊活をサポートするsekimura鍼灸院の関村順一先生による血流改善講座。卵子の質を変えるセルフメンテナンスの方法についてお話いただきました。セミナーの内容はこちら―講師プロフィール―東京医療専門学校鍼灸教員養成科講師。渋谷区鍼灸師会役員。治療院のスタッフとともに女性を健康にし、明るい将来像が持てるために奮闘中。頭痛、腹痛、月経痛など、おきているものにはすべて何らかの原因がある。その原因を東洋医学で分析し、患者さんに合うマクロビオティックに 基づく指導と鍼灸治療で生活の向上を数多く手伝い、現在も活躍中。 一般不妊治療から高度生殖医療まで手がける荻窪病院 虹クリニック院長の北 村誠司先生による最新不妊治療の講演。卵子の老化に対する不妊治療の考え方についてご講演いただきました。セミナーの内容はこちら―講師プロフィール―慶應義塾大学医学部卒業。1989年からIVFおよび内視鏡下手術に従事。子宮鏡下手術による胚移植の改善や、腹腔鏡下手術による子宮筋腫、内膜症の解消・改善を積極的に図ると同時に、妊娠困難症例に対しても新しい治療を取り入れて対応。本院(荻窪病院)泌尿器科の男性不妊専門医の協力により、TESE- ICSIや逆行性射精など、男性不妊の治療体制も整えている。 ◆ 参加者の声 ◆ 選択肢が増え、少し前向きになれました。食事を見直そうと思いました。 今後の治療をもう一度考え直そうと思いました。 今日はよく話を聞くことができて、疑問や不安がなくなったというか肩の荷が少しおりた感じがしました。 質問をされる皆さんが 私自身が聞きたい内容と非常にマッチしていたのでとても有意義な時間でした。 病院の力にたよってばかりいたが、食事・運動で自分の体を整えていくことが大切だと教わったので、ためになりました。 グリーンルイボス茶を 初めて飲みましたが、とても飲みやすく、いいなと思いました。 各病院によって、やり方、判断が違うのだなと感じました。どこの方針に任せるのかは、自分で情報を得て決めなければいけないなと思いました。 食事のバランスは一人ひとり違って、その人に合っている食べ物を食べるというのがよく分かりました。食事に気をつけていこうと思います。 皆さん、メモを取りながら先生のお話に熱心に聞き入り、とても活気のあるセミナーとなりました。今後も全国で順次開催予定ですので、ぜひチェックしてくださいね! 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.26 2015 Summer≫ マガジンの記事がすべてご覧いただけます! セミナー情報はこちら 【無料】100ページオールカラー 女性のための健康生活マガジン JINEKO 去る3月14日、ジネコ主催/あすか製薬共催「第8回 妊活セミナー」が開催されました。血流改善や不妊治療をテーマに100名以上の方が参加したもようをお伝えします。 体質改善から最新治療まで夫婦で知識を深めよう! 3月14日(土)、ジネコでは妊娠を望むご夫婦を対象としたイベント「妊活セミナー」を東京・新宿区の会場で開催しました。参加者は無料、パートナーと一緒でもOK、2人目以降のお子様を望む方も参加できるということで、当日は100人を超える方々が来場。 東洋的な治療で妊活をサポートするsekimura鍼灸院の関村順一先生による血流改善講座。卵子の質を変えるセルフメンテナンスの方法についてお話いただきました。セミナーの内容はこちら―講師プロフィール―東京医療専門学校鍼灸教員養成科講師。渋谷区鍼灸師会役員。治療院のスタッフとともに女性を健康にし、明るい将来像が持てるために奮闘中。頭痛、腹痛、月経痛など、おきているものにはすべて何らかの原因がある。その原因を東洋医学で分析し、患者さんに合うマクロビオティックに 基づく指導と鍼灸治療で生活の向上を数多く手伝い、現在も活躍中。 一般不妊治療から高度生殖医療まで手がける荻窪病院 虹クリニック院長の北 村誠司先生による最新不妊治療の講演。卵子の老化に対する不妊治療の考え方についてご講演いただきました。セミナーの内容はこちら―講師プロフィール―慶應義塾大学医学部卒業。1989年からIVFおよび内視鏡下手術に従事。子宮鏡下手術による胚移植の改善や、腹腔鏡下手術による子宮筋腫、内膜症の解消・改善を積極的に図ると同時に、妊娠困難症例に対しても新しい治療を取り入れて対応。本院(荻窪病院)泌尿器科の男性不妊専門医の協力により、TESE- ICSIや逆行性射精など、男性不妊の治療体制も整えている。 ◆ 参加者の声 ◆ 選択肢が増え、少し前向きになれました。食事を見直そうと思いました。 今後の治療をもう一度考え直そうと思いました。 今日はよく話を聞くことができて、疑問や不安がなくなったというか肩の荷が少しおりた感じがしました。 質問をされる皆さんが 私自身が聞きたい内容と非常にマッチしていたのでとても有意義な時間でした。 病院の力にたよってばかりいたが、食事・運動で自分の体を整えていくことが大切だと教わったので、ためになりました。 グリーンルイボス茶を 初めて飲みましたが、とても飲みやすく、いいなと思いました。 各病院によって、やり方、判断が違うのだなと感じました。どこの方針に任せるのかは、自分で情報を得て決めなければいけないなと思いました。 食事のバランスは一人ひとり違って、その人に合っている食べ物を食べるというのがよく分かりました。食事に気をつけていこうと思います。 皆さん、メモを取りながら先生のお話に熱心に聞き入り、とても活気のあるセミナーとなりました。今後も全国で順次開催予定ですので、ぜひチェックしてくださいね! 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.26 2015 Summer≫ マガジンの記事がすべてご覧いただけます! セミナー情報はこちら 【無料】100ページオールカラー 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.5.25
コラム 不妊治療
-
ドクターが解説 !!生殖医療用語「黄体機能不全」
難しい用語がいろいろと出てくる不妊治療の現場。治療でよく聞く用語だけど、あまり正確に知らないものも多いのでは?勘違いや思い込みを防ぐためにもしっかり確認しておきましょう。クリニックの先生に用語の解説をしていただきました。 黄体機能不全 脳下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモンの分泌低下、黄体化ホルモンの分泌異常、卵胞の発育不良、高プロラクチン血症の存在などにより、排卵後に黄体が十分なプロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌できない状態。プロゲステロンが低下しているため、基礎体温をつけたときに高温相の期間が短く(黄体の寿命が短い)、高温相と低温相の体温の差が0.3℃以内と少なくなります。また、子宮内膜は受精卵が着床し妊娠を維持するために必要な条件を満たせなくなります。治療は原因により異なります。卵胞の発育がよくない場合はクロミフェンで発育を促します。黄体期(高温相)にhCGを投与して、黄体を刺激したり、プロゲステロンを補充したりする方法がとられます。 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.26 2015 Summer≫ マガジンの記事がすべてご覧いただけます! ドクターが解説 !!生殖医療用語 一覧 ■ あわせて読みたい ■ 顕微授精で2回とも胚盤胞まで育つのは各1個。今後どう治療を進めればいい? 黄体機能不全と診断されHCG注射をしていますが効果が出ず、心配です 妊娠するためには主人の糖尿病、バセドウ病を改善したほうがいい? 楠原ウィメンズクリニック 女性のための健康生活マガジン JINEKO 難しい用語がいろいろと出てくる不妊治療の現場。治療でよく聞く用語だけど、あまり正確に知らないものも多いのでは?勘違いや思い込みを防ぐためにもしっかり確認しておきましょう。クリニックの先生に用語の解説をしていただきました。 黄体機能不全 脳下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモンの分泌低下、黄体化ホルモンの分泌異常、卵胞の発育不良、高プロラクチン血症の存在などにより、排卵後に黄体が十分なプロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌できない状態。プロゲステロンが低下しているため、基礎体温をつけたときに高温相の期間が短く(黄体の寿命が短い)、高温相と低温相の体温の差が0.3℃以内と少なくなります。また、子宮内膜は受精卵が着床し妊娠を維持するために必要な条件を満たせなくなります。治療は原因により異なります。卵胞の発育がよくない場合はクロミフェンで発育を促します。黄体期(高温相)にhCGを投与して、黄体を刺激したり、プロゲステロンを補充したりする方法がとられます。 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.26 2015 Summer≫ マガジンの記事がすべてご覧いただけます! ドクターが解説 !!生殖医療用語 一覧 ■ あわせて読みたい ■ 顕微授精で2回とも胚盤胞まで育つのは各1個。今後どう治療を進めればいい? 黄体機能不全と診断されHCG注射をしていますが効果が出ず、心配です 妊娠するためには主人の糖尿病、バセドウ病を改善したほうがいい? 楠原ウィメンズクリニック 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.5.22
コラム 不妊治療
-
より精度の高い体外受精へ導く、最先端の 「タイムラプス・モニタリングシステム」とは?
プリモビジョンとエンブリオスコープのタイムラプス最先端技術を開発・販売しているヴィトロライフ社は、スウェーデンに本拠地を置く不妊治療関連商品のワールドリーダー。同社のタイムラプス・モニタリングシステムが今、脚光を浴びています。現在、導入台数を大幅に増やし、原則すべての体外受精に採用することとした福井ウィメンズクリニックの福井先生を訪問。その有用性をお聞きしました。 デリケートな胚にストレスをかけない安定した管理体制 「プリモビジョン」によるタイムラプス・モニタリングの技術は、どのような役割を果たすのでしょうか。 福井先生:タイムラプス・モニタリングシステムは、胚をインキュベーターに入れたまま観察ができるシステムです。これまでは、胚を観察する際は定期的に培養士がインキュベーターから取り出し、顕微鏡で観察していました。この作業のために胚が何度も外気や光に触れることになり、培養液中のph値が変わったり温度が低下したりと、胚に不要なストレスをかけてしまいます。しかし、この タイムラプス・モニタリングシステムは、胚をインキュベーターに入れたまま観察ができるので、胚にとってより良い環境で培養することができます。 タイムラプス技術で撮った画像を、どのように活用されていますか。 福井先生:タイムラプスで撮った画像は、一定の間隔で撮り続けるため膨大な枚数となり、それをアニメーション化することで動画として見ることができま す。胚の成長過程を確認することができるので、最終的な胚の選択に非常に役立っています。これまでは、移植前にどの胚がふさわしいかを見極める際の主な判断材料は移植前の胚の形状だけでした。ところがこのタイムラプス技術を採用してからは、胚の成長過程も参考にしながら選ぶことができるようになりました。これはとても画期的で、たとえば最終的にきれいな胚盤胞に育っていても、分裂の過程で問題が見つかればその胚は移植しても妊娠の可能性が低いと判断できるようになりました。 成長過程を見ることで異常を発見良好胚が選択しやすい 良好胚と不良胚の成長をタイムラプスでモニタリングした場合、どのような違いがありますか。 福井先生:良好胚の場合は、時間を追うごとにきれいに分裂しています。一方、不良胚は一度分割したものが時間を追うとくっついていたり、速度にばらつきがあったり、極端にスピードが遅かったりと、スムーズな動きが見えません。分割のしかたを見ると不良とわかる胚でも最終的に形が良ければ良好胚に見えてしまうのですから、タイムラプス技術で得られる情報の有用性を実感できます。 「百聞は一見にしかず」コミュニケーションが円滑になる 患者さんや現場スタッフの方々からの反響はいかがでしょうか。 福井先生:写真ではなく動画を見ることで生命を感じることができます。映像を見ると、皆さん自分の卵に愛情が湧いてきて、不妊治療により前向きになるのを感じます。もし、うまく成長しなかったとしても、映像として動きが鈍る過程を見ることで、受け止め方が全然違ってくるんです。当院では胚の映像を有料(USB代)で提供しています。自宅に持ち帰り、夫婦で映像を見ることで、ご主人からの協力も得やすくなるのではないでしょうか。子どもが生まれて大きくなったら、見せてあげるのもいいでしょう。また、ラボの培養士たちからは、新人もベテランも安定した管理ができ、ストレスなく、仕事に取り組めているようです。映像には画像の何倍も説得力があるので、私自身も患者さんとのコミュニケーションにとても役立っています。 治療へのメリットは? 吉田先生:1個しか採卵できなかった患者さんに対しては、その胚を移植するしかありませんが、複数個の胚が採れて育った場合には「どの胚を移植すべきか」という選択がしいられます。特に反復ART不成功例の患者さんにとっては、できるだけ妊孕性が高い胚を選択するための指標が必要です。現在の胚の評価方法の多くは、形態から判断され、形の良い胚は妊孕性が高いと考えられていますが、実はそれだけでは測れないのです。5日目に見た目にもきれいな胚盤胞になっていても、胚盤胞になるまでの途中経過で、分割の仕方、スピードに異常があることも考えられます。胚の評価方法は、受精後から約1日後に2分割、3日後には8分割に、とステージごとに評価方法があります。見た目だけでなく、そのタイムステージに則って順調に育ってきたかどうかも大変重要なポイントとなります。医師としては、1つの胚からできるだけ多くの情報を得たい。プリモビジョンでは、その成長過程で起きた変化をさかのぼることができ、これまで以上に詳しくたどることができるのです。プリモビジョンは良好な胚を選ぶためだけではなく、異常胚を移植しないようにするためにも使うことが可能です。たとえば1個の割球が直接3個に分割してしまうことがあります。このような胚は妊娠する可能性が極めて低いため移植するべきではありません。 現在、タイムラプス・モニタリングの対象となる患者様はどのような方でしょうか。 福井先生:最初のうちは、40代以上の方を対象としていました。ところが思った以上に培養士や患者さんから反響があり、私自身も有用性があると感じたので、 半年後には、基本的にすべての患者さんを対象とすることに決め、一気に導入台数を増やしました。現在は、すべての機器が稼働している状況です。 ▼ タイムラプスとは? 培養庫内の胚の成長過程を、定期的に自動撮影するシステム タイムラプス(Time-lapse)とは、任意で設定した時間間隔でカメラのシャッターが押され、画像が記録される“コマ撮り”のこと。防犯カメラや気象などの定点観測などによく用いられる技術で、時間(time)経過(lapse)による画面の変化が動画よりも見てとりやすい。不妊治療分野では、シャーレを乗せることのできる超小型顕微鏡カメラで、胚の分割過程を撮影。それにより、胚が日を追って正常なプロセスを経て育ったかが確認しやすくなる。 胚の発生:1.前核期 2.2細胞期 3.3細胞期 4.4細胞期 5.8細胞期 6.桑実胚期 7.胚盤胞期 Primo Vision タイムラプス・モニタリングシステムを用いることで、胚の発生をビデオで見ることが可能です。このビデオを解析することで最も良好な胚を選択することができます。 福井ウィメンズクリニック 福井敬介先生日本大学医学部卒業後、愛媛大学産科婦人科に入局、同大学院医学専攻科修了。愛媛大学産科婦人科学助教授を経て、2001年、福井ウィメンズクリニックを開設。≫ 福井ウィメンズクリニック 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.26 2015 Summer≫ マガジンの記事がすべてご覧いただけます! 【無料】100ページオールカラー 女性のための健康生活マガジン JINEKO プリモビジョンとエンブリオスコープのタイムラプス最先端技術を開発・販売しているヴィトロライフ社は、スウェーデンに本拠地を置く不妊治療関連商品のワールドリーダー。同社のタイムラプス・モニタリングシステムが今、脚光を浴びています。現在、導入台数を大幅に増やし、原則すべての体外受精に採用することとした福井ウィメンズクリニックの福井先生を訪問。その有用性をお聞きしました。 デリケートな胚にストレスをかけない安定した管理体制 「プリモビジョン」によるタイムラプス・モニタリングの技術は、どのような役割を果たすのでしょうか。 福井先生:タイムラプス・モニタリングシステムは、胚をインキュベーターに入れたまま観察ができるシステムです。これまでは、胚を観察する際は定期的に培養士がインキュベーターから取り出し、顕微鏡で観察していました。この作業のために胚が何度も外気や光に触れることになり、培養液中のph値が変わったり温度が低下したりと、胚に不要なストレスをかけてしまいます。しかし、この タイムラプス・モニタリングシステムは、胚をインキュベーターに入れたまま観察ができるので、胚にとってより良い環境で培養することができます。 タイムラプス技術で撮った画像を、どのように活用されていますか。 福井先生:タイムラプスで撮った画像は、一定の間隔で撮り続けるため膨大な枚数となり、それをアニメーション化することで動画として見ることができま す。胚の成長過程を確認することができるので、最終的な胚の選択に非常に役立っています。これまでは、移植前にどの胚がふさわしいかを見極める際の主な判断材料は移植前の胚の形状だけでした。ところがこのタイムラプス技術を採用してからは、胚の成長過程も参考にしながら選ぶことができるようになりました。これはとても画期的で、たとえば最終的にきれいな胚盤胞に育っていても、分裂の過程で問題が見つかればその胚は移植しても妊娠の可能性が低いと判断できるようになりました。 成長過程を見ることで異常を発見良好胚が選択しやすい 良好胚と不良胚の成長をタイムラプスでモニタリングした場合、どのような違いがありますか。 福井先生:良好胚の場合は、時間を追うごとにきれいに分裂しています。一方、不良胚は一度分割したものが時間を追うとくっついていたり、速度にばらつきがあったり、極端にスピードが遅かったりと、スムーズな動きが見えません。分割のしかたを見ると不良とわかる胚でも最終的に形が良ければ良好胚に見えてしまうのですから、タイムラプス技術で得られる情報の有用性を実感できます。 「百聞は一見にしかず」コミュニケーションが円滑になる 患者さんや現場スタッフの方々からの反響はいかがでしょうか。 福井先生:写真ではなく動画を見ることで生命を感じることができます。映像を見ると、皆さん自分の卵に愛情が湧いてきて、不妊治療により前向きになるのを感じます。もし、うまく成長しなかったとしても、映像として動きが鈍る過程を見ることで、受け止め方が全然違ってくるんです。当院では胚の映像を有料(USB代)で提供しています。自宅に持ち帰り、夫婦で映像を見ることで、ご主人からの協力も得やすくなるのではないでしょうか。子どもが生まれて大きくなったら、見せてあげるのもいいでしょう。また、ラボの培養士たちからは、新人もベテランも安定した管理ができ、ストレスなく、仕事に取り組めているようです。映像には画像の何倍も説得力があるので、私自身も患者さんとのコミュニケーションにとても役立っています。 治療へのメリットは? 吉田先生:1個しか採卵できなかった患者さんに対しては、その胚を移植するしかありませんが、複数個の胚が採れて育った場合には「どの胚を移植すべきか」という選択がしいられます。特に反復ART不成功例の患者さんにとっては、できるだけ妊孕性が高い胚を選択するための指標が必要です。現在の胚の評価方法の多くは、形態から判断され、形の良い胚は妊孕性が高いと考えられていますが、実はそれだけでは測れないのです。5日目に見た目にもきれいな胚盤胞になっていても、胚盤胞になるまでの途中経過で、分割の仕方、スピードに異常があることも考えられます。胚の評価方法は、受精後から約1日後に2分割、3日後には8分割に、とステージごとに評価方法があります。見た目だけでなく、そのタイムステージに則って順調に育ってきたかどうかも大変重要なポイントとなります。医師としては、1つの胚からできるだけ多くの情報を得たい。プリモビジョンでは、その成長過程で起きた変化をさかのぼることができ、これまで以上に詳しくたどることができるのです。プリモビジョンは良好な胚を選ぶためだけではなく、異常胚を移植しないようにするためにも使うことが可能です。たとえば1個の割球が直接3個に分割してしまうことがあります。このような胚は妊娠する可能性が極めて低いため移植するべきではありません。 現在、タイムラプス・モニタリングの対象となる患者様はどのような方でしょうか。 福井先生:最初のうちは、40代以上の方を対象としていました。ところが思った以上に培養士や患者さんから反響があり、私自身も有用性があると感じたので、 半年後には、基本的にすべての患者さんを対象とすることに決め、一気に導入台数を増やしました。現在は、すべての機器が稼働している状況です。 ▼ タイムラプスとは? 培養庫内の胚の成長過程を、定期的に自動撮影するシステム タイムラプス(Time-lapse)とは、任意で設定した時間間隔でカメラのシャッターが押され、画像が記録される“コマ撮り”のこと。防犯カメラや気象などの定点観測などによく用いられる技術で、時間(time)経過(lapse)による画面の変化が動画よりも見てとりやすい。不妊治療分野では、シャーレを乗せることのできる超小型顕微鏡カメラで、胚の分割過程を撮影。それにより、胚が日を追って正常なプロセスを経て育ったかが確認しやすくなる。 胚の発生:1.前核期 2.2細胞期 3.3細胞期 4.4細胞期 5.8細胞期 6.桑実胚期 7.胚盤胞期 Primo Vision タイムラプス・モニタリングシステムを用いることで、胚の発生をビデオで見ることが可能です。このビデオを解析することで最も良好な胚を選択することができます。 福井ウィメンズクリニック 福井敬介先生日本大学医学部卒業後、愛媛大学産科婦人科に入局、同大学院医学専攻科修了。愛媛大学産科婦人科学助教授を経て、2001年、福井ウィメンズクリニックを開設。≫ 福井ウィメンズクリニック 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.26 2015 Summer≫ マガジンの記事がすべてご覧いただけます! 【無料】100ページオールカラー 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.5.20
コラム 不妊治療
-
体外受精の有用性を高める最先端の 「タイムラプス・モニタリングシステム」とは?
培養庫内で胚を定期的に観察できるタイムラプス・モニタリングシステム(プリモビジョン:ヴィトロライフ社)により胚の発達過程がより詳細に観察することが出来るようになりました。その画期的なシステムの特徴について、広島HARTクリニックの向田先生にお聞きしました。従来法よりも詳細な情報を元に良好胚の選択をすることができ、臨床成績の向上に可能性があります。 インキュベータから外に出すことなく胚の持続観察が可能 プリモビジョンという、タイムラプス・モニタリングシステムとはどんな装置ですか? 向田先生:自然妊娠では体内で受精・発育し着床する胚にとって、体外受精を施行する上で、体外に卵や胚を取り出して観察し、操作することは必要ですが、必ずしも生理学的とはいえず負担がないわけではありません。そのため少しでも胚へのストレスを減らすため、培養庫外での操作はできるだけ少ない方が良いと思われます。患者様からお預かりしている大切な胚へのストレス軽減と、より正確な胚の観察をめざし、より多くの妊娠出産へ導くために、タイムラプス・モニタリングシステムを導入しました。 採取された卵子と精子は、シャーレ上の培養液ドロップの中で受精し、移植までの期間、培養庫(インキュベータ)と呼ばれる保温された機器の中で育てられます。培養庫は、いわば子宮の代わりをする、胚にとっての生命維持装置で、庫内は温度や湿度はもちろん、酸素や二酸化炭素なども厳密に管理されています。プリモビジョンはあらかじめ培養庫内にセットされているので、受精卵を培養庫から外に取り出すことなく胚撮影専用のカメラで10分ごとに受精からの成長過程を連続的に撮影することができます。胚の形態的変化や成長過程など、重要なポイントをモニターの画像により詳細に捉えることができるようになります。 プリモビジョンの導入の理由、利点は? 向田先生:従来、胚の発達過程は、毎日培養士が胚を培養庫から取出し、素早く顕微鏡下で観察し、形態的な評価を行っていました。もしより詳細に観察するために頻回に胚を培養庫外に出していたら、胚は外気にさらされ、培養庫内に外気が流入するため培養環境も変化し、元に戻るまでに時間がかかります。プリモビジョンなら、インキュベータに入れたままカメラで撮影記録するので、扉 を開閉することなく適切な環境のまま観察が可能です。胚を外気に触れさせずにすみ、培養庫内の環境が最適に保てるのが一番の利点です。また、プリモビジョンは一定の間隔(10分毎)で撮影した写真を連続して記録するため、これらをつなぎ合わせると胚の細胞分裂の様子を動画として観察をすることができます。この画像を解析し、細胞分裂のタイミングやパターンを評価することで、より妊娠する可能性の高い胚を選択することが出来るため、体外受精法の有効性を高めることが出来ます。 成長プロセスを確実にチェックし、より適切な胚選択へ 導入されてからの治療へのメリットや患者さんの印象は? 向田先生:初期胚や胚盤胞が複数ある場合、画像から得られる情報を利用して、どの胚が移植に適しているのか?どれを凍結保存すべきか、を判断する助けになり、従来に比べて妊娠する可能性の高い胚を選ぶことができる可能性が高くなります。これにより今まで以上に、胚の観察から個々の状況に応じた治療方法の選択も可能となります。受精する直前から、どのように受精し、胚発達が進むのかを詳細に記録しているので、その画像を診察時に患者さんと供覧しながらモニターで共有し、「今回のあなたの胚は、このような発達経過をたどり、胚盤胞に達しています。」などと、より詳細な説明をすることができています。 従来の胚評価は、1~2日毎の定時観察による形態的評価であり、その際形態良好と判定しても、実際には当てはまらない場合は少なくありません。5日目に形態良好と判断した胚盤胞でも、胚盤胞になるまでの分割のタイミングや分割の仕方、そのパターンに異常があることは珍しくありません。日常の出来事と同じように、1枚の静止画像(写真)より、動画により得られる情報(YouTubeなどのドキュメンタリー動画)の方が正確であるのは、胚の評価にも当てはまり、より正確に良好な胚を選択する助けになる可能性があります。 ▼ タイムラプスとは? 培養庫内の胚の成長過程を、定期的に自動撮影するシステム タイムラプス(Time-lapse)とは、任意で設定した時間間隔でカメラのシャッターが押され、画像が記録される“コマ撮り”のこと。防犯カメラや気象などの定点観測などによく用いられる技術で、時間(time)経過(lapse)による画面の変化が動画よりも見てとりやすい。不妊治療分野では、シャーレを乗せることのできる超小型顕微鏡カメラで、胚の分割過程を撮影。それにより、胚が日を追って正常なプロセスを経て育ったかが確認しやすくなる。 胚の発生:1.前核期 2.2細胞期 3.3細胞期 4.4細胞期 5.8細胞期 6.桑実胚期 7.胚盤胞期 Primo Vision タイムラプス・モニタリングシステムを用いることで、胚の発生をビデオで見ることが可能です。このビデオを解析することで最も良好な胚を選択することができます。 培養庫内で胚を定期的に観察できるタイムラプス・モニタリングシステム(プリモビジョン:ヴィトロライフ社)により胚の発達過程がより詳細に観察することが出来るようになりました。その画期的なシステムの特徴について、広島HARTクリニックの向田先生にお聞きしました。従来法よりも詳細な情報を元に良好胚の選択をすることができ、臨床成績の向上に可能性があります。 インキュベータから外に出すことなく胚の持続観察が可能 プリモビジョンという、タイムラプス・モニタリングシステムとはどんな装置ですか? 向田先生:自然妊娠では体内で受精・発育し着床する胚にとって、体外受精を施行する上で、体外に卵や胚を取り出して観察し、操作することは必要ですが、必ずしも生理学的とはいえず負担がないわけではありません。そのため少しでも胚へのストレスを減らすため、培養庫外での操作はできるだけ少ない方が良いと思われます。患者様からお預かりしている大切な胚へのストレス軽減と、より正確な胚の観察をめざし、より多くの妊娠出産へ導くために、タイムラプス・モニタリングシステムを導入しました。 採取された卵子と精子は、シャーレ上の培養液ドロップの中で受精し、移植までの期間、培養庫(インキュベータ)と呼ばれる保温された機器の中で育てられます。培養庫は、いわば子宮の代わりをする、胚にとっての生命維持装置で、庫内は温度や湿度はもちろん、酸素や二酸化炭素なども厳密に管理されています。プリモビジョンはあらかじめ培養庫内にセットされているので、受精卵を培養庫から外に取り出すことなく胚撮影専用のカメラで10分ごとに受精からの成長過程を連続的に撮影することができます。胚の形態的変化や成長過程など、重要なポイントをモニターの画像により詳細に捉えることができるようになります。 プリモビジョンの導入の理由、利点は? 向田先生:従来、胚の発達過程は、毎日培養士が胚を培養庫から取出し、素早く顕微鏡下で観察し、形態的な評価を行っていました。もしより詳細に観察するために頻回に胚を培養庫外に出していたら、胚は外気にさらされ、培養庫内に外気が流入するため培養環境も変化し、元に戻るまでに時間がかかります。プリモビジョンなら、インキュベータに入れたままカメラで撮影記録するので、扉 を開閉することなく適切な環境のまま観察が可能です。胚を外気に触れさせずにすみ、培養庫内の環境が最適に保てるのが一番の利点です。また、プリモビジョンは一定の間隔(10分毎)で撮影した写真を連続して記録するため、これらをつなぎ合わせると胚の細胞分裂の様子を動画として観察をすることができます。この画像を解析し、細胞分裂のタイミングやパターンを評価することで、より妊娠する可能性の高い胚を選択することが出来るため、体外受精法の有効性を高めることが出来ます。 成長プロセスを確実にチェックし、より適切な胚選択へ 導入されてからの治療へのメリットや患者さんの印象は? 向田先生:初期胚や胚盤胞が複数ある場合、画像から得られる情報を利用して、どの胚が移植に適しているのか?どれを凍結保存すべきか、を判断する助けになり、従来に比べて妊娠する可能性の高い胚を選ぶことができる可能性が高くなります。これにより今まで以上に、胚の観察から個々の状況に応じた治療方法の選択も可能となります。受精する直前から、どのように受精し、胚発達が進むのかを詳細に記録しているので、その画像を診察時に患者さんと供覧しながらモニターで共有し、「今回のあなたの胚は、このような発達経過をたどり、胚盤胞に達しています。」などと、より詳細な説明をすることができています。 従来の胚評価は、1~2日毎の定時観察による形態的評価であり、その際形態良好と判定しても、実際には当てはまらない場合は少なくありません。5日目に形態良好と判断した胚盤胞でも、胚盤胞になるまでの分割のタイミングや分割の仕方、そのパターンに異常があることは珍しくありません。日常の出来事と同じように、1枚の静止画像(写真)より、動画により得られる情報(YouTubeなどのドキュメンタリー動画)の方が正確であるのは、胚の評価にも当てはまり、より正確に良好な胚を選択する助けになる可能性があります。 ▼ タイムラプスとは? 培養庫内の胚の成長過程を、定期的に自動撮影するシステム タイムラプス(Time-lapse)とは、任意で設定した時間間隔でカメラのシャッターが押され、画像が記録される“コマ撮り”のこと。防犯カメラや気象などの定点観測などによく用いられる技術で、時間(time)経過(lapse)による画面の変化が動画よりも見てとりやすい。不妊治療分野では、シャーレを乗せることのできる超小型顕微鏡カメラで、胚の分割過程を撮影。それにより、胚が日を追って正常なプロセスを経て育ったかが確認しやすくなる。 胚の発生:1.前核期 2.2細胞期 3.3細胞期 4.4細胞期 5.8細胞期 6.桑実胚期 7.胚盤胞期 Primo Vision タイムラプス・モニタリングシステムを用いることで、胚の発生をビデオで見ることが可能です。このビデオを解析することで最も良好な胚を選択することができます。
2015.5.20
コラム 不妊治療
-
ドクターが解説 !!生殖医療用語 一覧
難しい用語がいろいろと出てくる不妊治療の現場。治療でよく聞く用語だけど、あまり正確に知らないものも多いのでは?勘違いや思い込みを防ぐためにもしっかり確認しておきましょう。クリニックの先生に用語の解説をしていただきました。 「卵管閉塞」 はるねクリニック銀座 中村 はるね 先生 「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」 三軒茶屋ウィメンズクリニック 保坂 猛 先生 「子宮内膜症」 長谷川レディースクリニック 長谷川 剛志 先生 「子宮筋腫」 陣内ウィメンズクリニック 陣内 彦良 先生 「卵巣チョコレート嚢胞」 ルナレディースクリニック 根来 良材 先生 「黄体機能不全」 楠原ウィメンズクリニック 楠原 浩二 先生 「高プロラクチン血症」 新百合ヶ丘総合病院産婦人科 田島 博人 先生 「子宮腺筋症」 はなおかIVFクリニック 花岡 正智 先生 「卵巣嚢腫」 海老名レディースクリニック 近藤 芳仁 先生 「黄体化未破裂卵胞(LUF)」 山口レディスクリニック 山口 一雄 先生 「無月経、無排卵」 キネマアートクリニック 渋井 幸裕 先生 「子宮形態異常(子宮奇形)」 西垣ARTクリニック 西垣 新 先生 「ピックアップ障害」 ときわ台レディースクリニック 藤野 剛 先生 「卵管癒着」 あいARTクリニック 副田 善勝 先生 「クラミジア」 吉澤産婦人科医院 吉澤 廣幸 先生 「着床障害」 高橋ウイメンズクリニック 高橋 敬一 先生 「早発卵巣不全(POF)」 さくらウィメンズクリニック 仲田 正之 先生 「早発閉経(POI)」 さくらウィメンズクリニック 仲田 正之 先生 「エストロゲン」 横浜HART クリニック 後藤 哲也 先生 「FSH(卵胞刺激ホルモン)」 八重洲中央クリニック 田口 敦 先生 「プロゲステロン」 神谷レディースクリニック 神谷 博文 先生 「TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)」 ノア・ウィメンズクリニック 波多野 久昭 先生 「LH(黄体化ホルモン)」 あいウイメンズクリニック 伊藤 哲 先生 「アルコール固定術」 レディースクリニック 北浜 奥 裕嗣 先生 「胚盤胞移植」 ウイメンズクリニック神野 神野 正雄 先生 「二段階胚移植」 徐クリニックARTセンター/徐 東舜 先生 「アシストハッチング」 福田ウイメンズクリニック/福田 勝 先生 「卵子活性化処理法(カルシウムイオノフォア)」 東京HARTクリニック/岡 親弘 先生 「IVM-IVF」 中央クリニック/岡 親弘 先生 「タイムラプスモニタリングシステム」 高橋ウイメンズクリニック/高橋 敬一 先生 「子宮形態異常(子宮奇形)」 西垣ARTクリニック/西垣 新 先生 「新鮮胚移植」 はらメディカルクリニック/原 利夫 先生 「卵管鏡下卵管形成術(FTカテーテル法)」 操レディスホスピタル/操 良 先生 「原始卵胞体外活性化法(in vitro activation:IVA)」 ローズレディースクリニック/石塚 文平 先生 「腹腔鏡検査、腹腔鏡下手術」 荻窪病院 虹クリニック/北村 誠司 先生 「ART」 福田ウイメンズクリニック/福田 勝 先生 「IVF」 永井マザーズホスピタル/永井 泰 先生 「IVM」 はらメディカルクリニック/原 利夫 先生 「ICSI」 ソフィアレディースクリニック水道町/岩政 仁 先生 「AIH/IUI」 片岡レディスクリニック/片岡 明生 先生 「PGD(着床前診断)」 竹内レディースクリニック/竹内 一浩 先生 「レスキューイクシー(rescue ICSI)」 みのうらレディースクリニック/箕浦 博之 先生 「ヒアルロン酸胚移植用培養液(エンブリオグルー)」 オーク住吉産婦人科/田口 早桐 先生 先生 「異所性妊娠(子宮外妊娠)」 福田ウイメンズクリニック/福田 勝 先生 「ピエゾイクシー(Piezo ICSI)」 東京HARTクリニック/岡 親弘 先生 「スプリット法」 神谷レディースクリニック/神谷 博文 先生 「生化学的妊娠(化学流産)」 ときわ台レディースクリニック/藤野 剛 先生 難しい用語がいろいろと出てくる不妊治療の現場。治療でよく聞く用語だけど、あまり正確に知らないものも多いのでは?勘違いや思い込みを防ぐためにもしっかり確認しておきましょう。クリニックの先生に用語の解説をしていただきました。 「卵管閉塞」 はるねクリニック銀座 中村 はるね 先生 「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」 三軒茶屋ウィメンズクリニック 保坂 猛 先生 「子宮内膜症」 長谷川レディースクリニック 長谷川 剛志 先生 「子宮筋腫」 陣内ウィメンズクリニック 陣内 彦良 先生 「卵巣チョコレート嚢胞」 ルナレディースクリニック 根来 良材 先生 「黄体機能不全」 楠原ウィメンズクリニック 楠原 浩二 先生 「高プロラクチン血症」 新百合ヶ丘総合病院産婦人科 田島 博人 先生 「子宮腺筋症」 はなおかIVFクリニック 花岡 正智 先生 「卵巣嚢腫」 海老名レディースクリニック 近藤 芳仁 先生 「黄体化未破裂卵胞(LUF)」 山口レディスクリニック 山口 一雄 先生 「無月経、無排卵」 キネマアートクリニック 渋井 幸裕 先生 「子宮形態異常(子宮奇形)」 西垣ARTクリニック 西垣 新 先生 「ピックアップ障害」 ときわ台レディースクリニック 藤野 剛 先生 「卵管癒着」 あいARTクリニック 副田 善勝 先生 「クラミジア」 吉澤産婦人科医院 吉澤 廣幸 先生 「着床障害」 高橋ウイメンズクリニック 高橋 敬一 先生 「早発卵巣不全(POF)」 さくらウィメンズクリニック 仲田 正之 先生 「早発閉経(POI)」 さくらウィメンズクリニック 仲田 正之 先生 「エストロゲン」 横浜HART クリニック 後藤 哲也 先生 「FSH(卵胞刺激ホルモン)」 八重洲中央クリニック 田口 敦 先生 「プロゲステロン」 神谷レディースクリニック 神谷 博文 先生 「TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)」 ノア・ウィメンズクリニック 波多野 久昭 先生 「LH(黄体化ホルモン)」 あいウイメンズクリニック 伊藤 哲 先生 「アルコール固定術」 レディースクリニック 北浜 奥 裕嗣 先生 「胚盤胞移植」 ウイメンズクリニック神野 神野 正雄 先生 「二段階胚移植」 徐クリニックARTセンター/徐 東舜 先生 「アシストハッチング」 福田ウイメンズクリニック/福田 勝 先生 「卵子活性化処理法(カルシウムイオノフォア)」 東京HARTクリニック/岡 親弘 先生 「IVM-IVF」 中央クリニック/岡 親弘 先生 「タイムラプスモニタリングシステム」 高橋ウイメンズクリニック/高橋 敬一 先生 「子宮形態異常(子宮奇形)」 西垣ARTクリニック/西垣 新 先生 「新鮮胚移植」 はらメディカルクリニック/原 利夫 先生 「卵管鏡下卵管形成術(FTカテーテル法)」 操レディスホスピタル/操 良 先生 「原始卵胞体外活性化法(in vitro activation:IVA)」 ローズレディースクリニック/石塚 文平 先生 「腹腔鏡検査、腹腔鏡下手術」 荻窪病院 虹クリニック/北村 誠司 先生 「ART」 福田ウイメンズクリニック/福田 勝 先生 「IVF」 永井マザーズホスピタル/永井 泰 先生 「IVM」 はらメディカルクリニック/原 利夫 先生 「ICSI」 ソフィアレディースクリニック水道町/岩政 仁 先生 「AIH/IUI」 片岡レディスクリニック/片岡 明生 先生 「PGD(着床前診断)」 竹内レディースクリニック/竹内 一浩 先生
2015.5.19
コラム 不妊治療
-
パイオネックスについて詳しく教えてください
相談者 アリエス さん(41歳) 不妊治療を初めて3年になります。鍼灸で妊娠率があがることを知りましたが、2点お聞きしたいことがあります。1点目は、パイオネックスをしてますが、効き目はどれくらいですか? 2点目は、凍結胚盤胞と凍結桑実期胚を戻した3日後と8日後 に三陰交とおへそ周り4か所、腰に4か所パイオネックスをしましたが、結果は陰性でした。戻した後はお腹周りを鍼灸などで触らないほうがいいと聞き、今後も治療を続ける予定なので不安になっています。○ 子宮内膜症、子宮線筋症 ○ 月経前に下腹部や側腹部をさわると硬い○ 不眠で夢をよく見る○ 卵や子宮内膜の条件が良くても着床しにくい 東洋医学は病状だけではなく体の中のさまざまな反応を見極めて治療する 近年ART(生殖補助医療)を受ける方が多くなっています。当院では不妊治療の方へは刺激のある鍼は行わずパイオネックスを使用しています。臍下丹田(おへその下辺り)、八髎(仙骨の辺り)、三陰交(内くるぶし上辺り)にパイオネックスを使用し、温灸・サンビーマー(温熱治療)を組み合わせた治療法です。刺激の少ないパイオネックスはART(生殖補助医療)を受けている方でも問題なく行えると思います。妊娠力を高めるには気を補い、めぐりをよくする漢方薬や生活養生(生活習慣の改善)が必要となります。アリエスさんは「気」のめぐりが悪い「気滞」の症状ではないでしょうか。「気滞」とは、ストレスや緊張した状態が続いたことで、「気」のめぐりが悪くなり体にさまざまなトラブルをおこす状態です。 鍼灸に加えて食事などの生活養生も行って治療効果が全身で実感できる体質に変える 「気」は、体と心を元気にする、子宮や卵巣の働きを高める、血液や栄養を体のすみずみに運ぶ、体を温める、体を外敵から守る働きがあります。日常生活も見直してみてください。好きな音楽を聞く、鍼灸で体を温める、軽いマッサージを受けるなど、リラックスする時間を作りましょう。大根、シソ、玉ネギ、セロリ、春菊などの食材は気滞を改善する効果があると言われていますので、積極的に取り入れた食事を。反対に甘い物、脂っこい物は気の流れをとどこおらせる原因になるので気をつけましょう。東洋医学は体質を改善し高める医学です。神経や内臓、筋肉はお互いに連携しあってひとつのシステムとして働いています。病状だけではなく体の中のさまざまな反応を見極めて体全体を診ていきます。ですから鍼灸に加えて食事などの生活養生のアドバイスも行って、効果が全身で実感できる体質に変える治療なのです。 永井 郁子先生 歯科衛生士から東洋医学に興味を持ち鍼灸師へ。鍼灸は全身治療なので肌の露出も多くなることから、女性が安心して治療を受けられる女性専用の鍼灸を開院。サンビーマー(温熱療法)を取り入れ、冷え性、不妊症など女性に優しい治療を行っている。 相談者 アリエス さん(41歳) 不妊治療を初めて3年になります。鍼灸で妊娠率があがることを知りましたが、2点お聞きしたいことがあります。1点目は、パイオネックスをしてますが、効き目はどれくらいですか? 2点目は、凍結胚盤胞と凍結桑実期胚を戻した3日後と8日後 に三陰交とおへそ周り4か所、腰に4か所パイオネックスをしましたが、結果は陰性でした。戻した後はお腹周りを鍼灸などで触らないほうがいいと聞き、今後も治療を続ける予定なので不安になっています。○ 子宮内膜症、子宮線筋症 ○ 月経前に下腹部や側腹部をさわると硬い○ 不眠で夢をよく見る○ 卵や子宮内膜の条件が良くても着床しにくい 東洋医学は病状だけではなく体の中のさまざまな反応を見極めて治療する 近年ART(生殖補助医療)を受ける方が多くなっています。当院では不妊治療の方へは刺激のある鍼は行わずパイオネックスを使用しています。臍下丹田(おへその下辺り)、八髎(仙骨の辺り)、三陰交(内くるぶし上辺り)にパイオネックスを使用し、温灸・サンビーマー(温熱治療)を組み合わせた治療法です。刺激の少ないパイオネックスはART(生殖補助医療)を受けている方でも問題なく行えると思います。妊娠力を高めるには気を補い、めぐりをよくする漢方薬や生活養生(生活習慣の改善)が必要となります。アリエスさんは「気」のめぐりが悪い「気滞」の症状ではないでしょうか。「気滞」とは、ストレスや緊張した状態が続いたことで、「気」のめぐりが悪くなり体にさまざまなトラブルをおこす状態です。 鍼灸に加えて食事などの生活養生も行って治療効果が全身で実感できる体質に変える 「気」は、体と心を元気にする、子宮や卵巣の働きを高める、血液や栄養を体のすみずみに運ぶ、体を温める、体を外敵から守る働きがあります。日常生活も見直してみてください。好きな音楽を聞く、鍼灸で体を温める、軽いマッサージを受けるなど、リラックスする時間を作りましょう。大根、シソ、玉ネギ、セロリ、春菊などの食材は気滞を改善する効果があると言われていますので、積極的に取り入れた食事を。反対に甘い物、脂っこい物は気の流れをとどこおらせる原因になるので気をつけましょう。東洋医学は体質を改善し高める医学です。神経や内臓、筋肉はお互いに連携しあってひとつのシステムとして働いています。病状だけではなく体の中のさまざまな反応を見極めて体全体を診ていきます。ですから鍼灸に加えて食事などの生活養生のアドバイスも行って、効果が全身で実感できる体質に変える治療なのです。 永井 郁子先生 歯科衛生士から東洋医学に興味を持ち鍼灸師へ。鍼灸は全身治療なので肌の露出も多くなることから、女性が安心して治療を受けられる女性専用の鍼灸を開院。サンビーマー(温熱療法)を取り入れ、冷え性、不妊症など女性に優しい治療を行っている。
2015.4.28
コラム 不妊治療
-
どこの鍼灸院も不妊のツボは同じで同じ治療をするのでしょうか?
相談者 やすきち さん(41歳) 現在、鍼灸に通っています。とりあえず職場から近くて不妊治療に力を入れている鍼灸院を探しました。しかし基本的なこ とが疑問になっています。それは、全国の不妊治療に力を入れている鍼灸院は、みな同じように鍼やお灸をするのでしょう か?「不妊治療にはここ」と、ツボは鍼灸師さんがみな一致しているのでしょうか?○ 体温が上下に変動が激しい○ 低温期から高温期への移行に時間がかかる○ レバー状の塊や、粘膜のような塊が混じっている○ 子宮筋腫、内膜症、卵巣膿腫、子宮ポリープ、卵管癒着などがある 体全体を改善して妊娠しやすくするのが不妊治療に力を入れている鍼灸院の治療法 現在不妊治療に力を入れている鍼灸院に通われているようですが、不妊症に対する鍼灸治療の基本についてお知りになりたいようですね。 流派で違う治療に鍼灸院ごとの経験が加わるので治療法はさまざま 鍼灸治療について押さえておくべきポイントは2つあります。ひとつは鍼灸治療をはじめとする東洋医学は西洋医学と違って病名から治療するのではなく、患者さんの体の状態を「証」という体質の分類法を用い、その証に基づいて治療法を組み立てる随証治療であること。もうひとつは鍼灸治療には、さまざまな流派があり、流派ごとに鍼灸治療に対する考え方が異なるので、治療する経穴は必ずしも共通していないということです。最近は不妊症治療に力を入れている鍼灸院が増えてきていますが、先ほど言ったように、基本的に随証治療を行うので不妊症というカテゴリーの治療ではなく、体全体を妊娠しやすい体質に改善していくのです。たとえば、やすきちさんでしたら気になる症状から腎が弱い「腎虚証」と血の循環が悪い「瘀血」ととらえて、腎気を補い瘀血を改善する治療をしていきます。腎虚や瘀血を改善する治療は流派によって違います。さらに鍼灸院ごとの経験的な治療法が加わりますので、治療法はさまざまだと考えてもいいでしょう。 同じ経穴を同じ手技で治療をして妊娠率を高めている不妊鍼灸ネットワーク しかしこれでは鍼灸治療になじみのない人にとって、鍼灸院選びがわかりづらく迷ってしまうので、昨年の秋に日本鍼灸師会の会員の有志が集まって、不妊鍼灸ネットワークという団体を結成しました。この団体では質の高い鍼灸治療を提供できる鍼灸師を育て、不妊症で悩んでいる方に紹介しようという試みを始めています。このネットワークでは、「ある特定の経穴を使うと卵巣動脈の流れを改善したり、子宮内膜を厚くして質を高めることができる」というような研究をされている先生が在籍しています。その先生の指導のもとでネットワークの会員は、その特定の経穴を使って不妊治療を実践しているので、同じ経穴を同じ手技で治療をし、妊娠率を高めていると言えます。このような研究が今後ますます進み、不妊治療に特化した治療方法が確立され、ネットワークの枠を越えて同じ治療が受けられる鍼灸院が全国に増えていくでしょう。 神薗 克也先生 芝浦工業大学工学部卒、日本鍼灸理療専門学校卒、鍼灸師、医薬品登録販売者。不妊鍼灸ネットワーク会員。2004年翠明館治療室を開設。2009年より漢方専門薬店を併設。不妊症や月経不順、PMSなど婦人科疾患を中心に、鍼灸と漢方を用いて、体の内外より総合的に治療を行っている。 ■ あわせて読みたい ■ 周期療法を始めて5か月経って排卵がなくなったけど続けていていいの? 漢方の病院と温灸に通って治療中だけど温灸と鍼灸ではどちらがいいの? 漢方を取り入れながら体外受精、人工授精で出産 翠明館治療室 女性のための健康生活マガジン JINEKO 相談者 やすきち さん(41歳) 現在、鍼灸に通っています。とりあえず職場から近くて不妊治療に力を入れている鍼灸院を探しました。しかし基本的なこ とが疑問になっています。それは、全国の不妊治療に力を入れている鍼灸院は、みな同じように鍼やお灸をするのでしょう か?「不妊治療にはここ」と、ツボは鍼灸師さんがみな一致しているのでしょうか?○ 体温が上下に変動が激しい○ 低温期から高温期への移行に時間がかかる○ レバー状の塊や、粘膜のような塊が混じっている○ 子宮筋腫、内膜症、卵巣膿腫、子宮ポリープ、卵管癒着などがある 体全体を改善して妊娠しやすくするのが不妊治療に力を入れている鍼灸院の治療法 現在不妊治療に力を入れている鍼灸院に通われているようですが、不妊症に対する鍼灸治療の基本についてお知りになりたいようですね。 流派で違う治療に鍼灸院ごとの経験が加わるので治療法はさまざま 鍼灸治療について押さえておくべきポイントは2つあります。ひとつは鍼灸治療をはじめとする東洋医学は西洋医学と違って病名から治療するのではなく、患者さんの体の状態を「証」という体質の分類法を用い、その証に基づいて治療法を組み立てる随証治療であること。もうひとつは鍼灸治療には、さまざまな流派があり、流派ごとに鍼灸治療に対する考え方が異なるので、治療する経穴は必ずしも共通していないということです。最近は不妊症治療に力を入れている鍼灸院が増えてきていますが、先ほど言ったように、基本的に随証治療を行うので不妊症というカテゴリーの治療ではなく、体全体を妊娠しやすい体質に改善していくのです。たとえば、やすきちさんでしたら気になる症状から腎が弱い「腎虚証」と血の循環が悪い「瘀血」ととらえて、腎気を補い瘀血を改善する治療をしていきます。腎虚や瘀血を改善する治療は流派によって違います。さらに鍼灸院ごとの経験的な治療法が加わりますので、治療法はさまざまだと考えてもいいでしょう。 同じ経穴を同じ手技で治療をして妊娠率を高めている不妊鍼灸ネットワーク しかしこれでは鍼灸治療になじみのない人にとって、鍼灸院選びがわかりづらく迷ってしまうので、昨年の秋に日本鍼灸師会の会員の有志が集まって、不妊鍼灸ネットワークという団体を結成しました。この団体では質の高い鍼灸治療を提供できる鍼灸師を育て、不妊症で悩んでいる方に紹介しようという試みを始めています。このネットワークでは、「ある特定の経穴を使うと卵巣動脈の流れを改善したり、子宮内膜を厚くして質を高めることができる」というような研究をされている先生が在籍しています。その先生の指導のもとでネットワークの会員は、その特定の経穴を使って不妊治療を実践しているので、同じ経穴を同じ手技で治療をし、妊娠率を高めていると言えます。このような研究が今後ますます進み、不妊治療に特化した治療方法が確立され、ネットワークの枠を越えて同じ治療が受けられる鍼灸院が全国に増えていくでしょう。 神薗 克也先生 芝浦工業大学工学部卒、日本鍼灸理療専門学校卒、鍼灸師、医薬品登録販売者。不妊鍼灸ネットワーク会員。2004年翠明館治療室を開設。2009年より漢方専門薬店を併設。不妊症や月経不順、PMSなど婦人科疾患を中心に、鍼灸と漢方を用いて、体の内外より総合的に治療を行っている。 ■ あわせて読みたい ■ 周期療法を始めて5か月経って排卵がなくなったけど続けていていいの? 漢方の病院と温灸に通って治療中だけど温灸と鍼灸ではどちらがいいの? 漢方を取り入れながら体外受精、人工授精で出産 翠明館治療室 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.4.28
コラム 不妊治療
-
卵子提供について考える(3)
卵子提供で生まれた子どもの「知る権利」は? 卵子提供を法律で容認すべきと考える人が多く、不妊治療経験者の3割が卵子提供による不妊治療を検討したことがあることが分かりました。一方で、卵子提供によって生まれた「子どもの知る権利」はどのように考えているのでしょうか? アンケートに答えていただいた方のコメントをご紹介いたします。 76%が「子どもの知る権利」を尊重すべき ジネコアンケートでは、「子どもの知る権利」について76%の方が権利があると考えており、10%が必要ないという意見でした。知る権利はないという方には「提供者の意思を優先すべき」という意見や、「子どもが知っても混乱するだけ」という意見がありました。しかし、知る権利があると回答した方も、「自分が当事者になった場合は難しい」という意見や、「伝える時期は検討すべき」という意見も多くありました。卵子提供について法律で整備する際に、あわせて考えなければならないことですが、ガイドラインをまとめるのは簡単ではなさそうです。 「知る権利はある」と答えた人の声 子供には、全ての情報を提示できる環境を作ってあげるべき。その中で、子供が欲したときに、その情報を伝えるべき。(みーちゃんさん・40歳) 自分のお腹から生まれてきたことには変わりはないので生まれた子には黙っていた方が良いとは思うが、ある程度大人になり、教えても良い時期になったら伝えた方がよいとも思う。難しい。(プレままさん・39歳) 必要ではあるけれど、そのときの子供の精神面を考えればしない方が幸せなのかもしれない。 権利はあるけれど、それが人々にとって幸せかどうか、父親も母親も苦悩を抱えながら生きなければならないことを理解して決断すべき。(りんさん・30歳) 知る権利は守られるべきだと思う。ただ、それに伴いカウンセリングなどのフォロー体制も整えて欲しい(ぽんぽこさん・44歳) 本人が知りたいのであれば、成長していて心理的にダメージがなさそうであればタイミングや必要に応じて話してもいいと思う。(?さん・?歳) 大切に育てられた子供は産み育てた親に感謝し、自分が存在する経緯は知りたいし、それを誰も拒んではいけないと思う。(双子かなさん・29歳) 知る権利はある程度大切。別に悪い事をしているわけではないし、無理やり隠そうとするのは、限界があり、隠せば隠すほど、知りたくなるもの。疑問が生じ、知ろうとすることに、時間やエネルギーを費やすよりも、知ることで納得のいく人生が歩めるならば、オープンにして構わない、と思います。ただ、トラブルにならないような、法整備等が必要です。(nonさん・41歳) 本人が似ていない事などで気になっているようだったら、知らせるべきだと思う。(ブルジュさん・42歳) 出自を知る権利はあると思いますが、親の立場からは知らせるかどうかは必要性を考え、悩むと思います。(匿名希望・44歳) もちろん権利はあると思います。 でも、もし自分が卵子提供で生まれた子供だったら?自分は誰なのか考えてしまうかもしれないと思いました。私は「つくりもの」なのか?「授かりもの」として生を受けたかったと思うかもしれません。男女の愛とは無関係に発生した人間だと知った時の悲しみは誰が受け止めてくれるのでしょうか。(ソーニャさん・40歳) 必要だとおもいます(ちいたんさん・37歳) 出自を知る権利はあると思うが、理解できる年齢になるまでは、あえて教える必要はないと思う。現代では、離婚・再婚等によって遺伝子的に親子でない家族は沢山あると思うので、卵子提供を特別扱いする必要はないと思う。(rinrinさん・42歳) ある程度理解できる年齢になったら伝えても良いかと思う(yovagiiさん・41歳) 必要だと思います(Maiさん) きちんと話す必要があると思う。(はなさん・36歳) あるとおもう。(匿名希望・30歳) 子供が大きくなったときに言ってもいいと思う。出自より誰に愛情を受けて育てられたかだと思う。(しもしもさん・35歳) 知る権利はあるが、知らせ方には配慮が必要。(みどりさん・32歳) 伝えた方がいいとは思いますが、物心ついたときの彼・彼女に受け入れられる状況にあるかどうかで判断できればよいと思う。知らないことが幸せということもあり得ると思う。(りのさん・34歳) 権利はあると思う。必要性があるかは不明。卵子提供で出生した子供が将来その事を知った時に自己否定感に繋がらないよう、両親の教育だけでなく社会的な理解も深めなければいけないと思う。(アリーさん・34歳) どうしても親を知りたいと子供が言ったら、説明はする。親と連絡が取れるなら、子供が成長したときにお礼を言えるように連絡はとっておきたい。提供者が望まないなら、それはしない。(なっつんさん・37歳) 卵子提供によって生まれた子どもでも、自分のお腹を痛めてできた子に変わりはありません。愛情を持って育てられることでしょう。卵子提供を小さいうちは理解できないかもしれませんが、きちんと話せばわかる時がくると思います。その時に、どんな理由があって、そのような選択をしたのか伝えてあげることが必要だと思います。(みゆきちさん・23歳) 本人が望むならば、知っても良いと思うが、アフターケアが必要だと思う。(Koalaさん・44歳) 成人する時に知らせれば良いと思う。難しいが、本人が気にしているようなら話せば良いと思う。(匿名希望・36歳) 育ての両親から愛情をたくさん受けて育っているだろうから、知っても大丈夫だと思うし、知る権利は尊重すべきだと思う。(凛さん・30歳) 自身の事なので自身が知る権利は当然あると思う。でも、知らない方が幸せだとは思うし、私なら知りたく無いけれど。(匿名希望・33歳) 聞かれたら答える程度で良いと思う(ぐし子さん・36歳) 知る権利はあると思う。(匿名希望・39歳) 大きくなったときに色々と不安を与えてしまうより、きちんと告知するべき。 日本がもっと、不妊治療、体外受精、卵子・精子提供、養子縁組などについての意識をしっかり持ち、偏見がなくなればいいのだが...(kokimaさん・34歳) 知る権利はあると思うけど、知らせるか否かは分からない(ぷぅさん・43歳) 知る権利は誰にでもあると思うが、実際に提供を受けた側になった場合には知らせるか悩むと思う。(すなっちさん・38歳) いつかは話さないといけないかもしれないが、育ててくれた人が母親に変わりないので、自信をもつべきなのかとおもう。(べえさん・27歳) 成人するとき、または結婚するときに知ればいいとおもう。それ以前に知ることも可能だが、それを知ることで人生の方向性が変わるとは考えにくいから。(まつさん・39歳) 自分の親が誰なのかを知る権利は必要。(カメさん・30歳) なかなか難しい問題だけど、本人が知りたい、というのであれば知らせるべきだと思う。(みのこあらさん・46歳) 子供が知りたいと思うことは必ず出てくると思うのでキチンと話せるようにと思います(はるこさん・38歳) 疑ってもいない段階で知らせる必要はないと思うが、本人が何か疑問を持った場合は、嘘をついたり隠すべきではない。(うっちーさん・44歳) 出自を知る権利はあってしかるべきだと思います。子供に問われたら、わかるように説明するべきだと思います。(zakuroさん・44歳) 養子縁組と同様。ものごころついたときから、機会あるごとに普通に話す。その子がどうつくられたかを問題にするのではなく、どんなに待ち望んで生まれてきたか、そして、誰よりも両親に必要とされ愛されていることを伝えればよい。(匿名希望) 産まれた子供の事を考えると簡単には言えないところがあるが、知るべき権利は与えるべきだと思う(キキララさん・37歳) 子供には話すべきだし、望む場合は提供者の情報もある程度は教えるべき。(匿名希望・44歳) 必要な権利だと思う。ただし、一定年齢にならないと理解できない部分が多いと思うため制度を同時に整えるべき。(jjkさん・34歳) 20歳を超えた時点でその子が知りたいかどうかの法律を作る。自分の出生事情を知る権利。(マサンさん・39歳) 遺伝による病気などの治療のためには仕方がないと思う。(れいこさん・45歳) 自分の出生を知りたければ伝えなければならないと思う(バービーさん・30歳) 権利はあるべきと思うが、それを知った時の子どもを支えてあげられるかどうか微妙なところです。(もうすぐママさん・40歳) 知る権利がある(みきーなさん・35歳) 子供が望むのであれば権利は尊重されるべきであると思う。 ただその後色んな問題も出てくると思うので、知った後のケアまである程度決められるべきだと思う。(みっちゃんさん・38歳) 生まれた子供に告知するべき。告知するつもりのない夫婦が卵子提供を受けることには反対です。(reiさん・48歳) 権利としては認めるべきではあるが、実際に子がそれを知ろうとした時、知った時にはすごく考えると思う。自分自身が卵子提供を行って子を授かった場合には、知らせるか知らせないかは今すぐにはわからない。(匿名希望・45歳) どうしても知りたいならしかたがない(らぶままさん・45歳) 説明しないと行けない時期がきたら伝えたいと思う(はこさん・36歳) 親が伝え、本人が知りたいと思う場合には、知れる術は残しておくべき。ただ親が伝えたくない、また親は伝えても本人が知りたくない場合もあるので、戸籍などの書類に記載する必要はないと思う。(かずさん・36歳) いつか子供に伝えることまで考えた上で、卵子提供で妊娠するなら、いいと思う。(れぽんさん・33歳) とても難しい問題ですが、自分が生まれた立場だったら知る権利を与えてほしいと思うかもしれません。実際知る知らないは別として。(eggBさん・41歳) 親や周りの大人の考えにもよるが、子供本人が成人してもなお出自を知りたいと思った場合にある程度の情報をきちんと伝えてくれる機関があってほしいと思う。(否ふくみみさん・32歳) もしその子が事実を知りたい、親も話すべきだと思うのなら、私は必要な権利ではないかと思います。(popoさん・41歳) 本人が望めば(匿名希望・42歳) 知りたいのは、仕方ないと思います。(はるさん・42歳) 出自を知る権利はあると思います。(てつさん・37歳) 非配偶者間で生まれた子には自分の出自を知る権利が必要だと思う。それを行使するしないは子の自由だが、知りたいと思った時に調べられるように、提供者の情報は医療機関等で管理されているべき。遺伝的に誰の子どもなのかと言うことはアイデンティティや自尊心を保つことに直結する場合があるので。(suiさん・36歳) 知りたい思いは当然のものと考えます。 様々な立場から方法は考える必要あると思いますが、知る権利はあると思います。(キムネオオハシさん・43歳) 自分が卵子提供で産まれてきた子供であれば事実を知りたいし知っておくべきだと思うので、子供には知らせようと考えています。(匿名希望・47歳) ある程度の年齢に達したら(例えば成人してから、高校卒業後等)子供を授かる事の奇跡や重みをきちんと理解して貰えるよう説明した上で、卵子提供での妊娠と言う事は話して良いと思う。(peachさん・36歳) 年齢制限を設け、どうしても知りたいという強い意志がある人に限り教える。また、当人を含め家族にその後のカウンセリングやサポートなどアフターケアを含めて環境が整備されてからであれば良いのでは。(チャロさん・25歳) 知る権利はあると思う(メロンさん・37歳) いつかは話そうと思う。(名護さん・35歳) 認められるべきだと思う。(ぽんぽこさん・44歳) 親の立場であればどう伝えればいいのか、悩むでしょうが…自分がもし生まれた子どもの立場なら、必ず教えて欲しいと思うし、本人に伝えるべきことだと思います。(とーりゅさん・40歳) 大変難しくデリケートなことですが、自分の出自を知りたいと思うのは当然のことに思います(puniさん・39歳) 出自を知る権利はあって当然だし、子供問われればきちんと説明するべき。(プリンさん・44歳) 出自はしっかりわかるようにした方がいいと思う。両親はすごく時間をかけ、話し合いをしてきたことだけど、子供はある日突然知ることになる。そうなったとき、両親の言葉より、調べればわかる事実があった方がいいと思う。(ちゃぽさん・34歳) 最終的には教えてあげるべきだと思います(ゆきさん・36歳) 自分が生まれた経緯について知る権利はあると思う。そのことも含めて、覚悟して、卵子提供治療に取り組むべきだと思う。(mameさん・30歳) 権利は17歳以上とか、大人としての判断がつくくらいの年齢いならあって良いと思う。(きみさん・41歳) 生まれたときから隠さず、愛情をもって繰り返し説明していけば、分かってくれるのではないかと思う。遺伝子上の親を知りたいと言えば、反対しないと思う。(midoさん・38歳) 知る権利は尊重したい。 しかし、それによって卵子提供者への負担が生まれ、卵子提供が減ってしまうのが心配。(匿名希望・44歳) 権利はあると思う(りりさくさん・37歳) 子供が知りたいと願うなら、また知らないことによって苦しむようなことがあるのなら、権利として知らせる必要があると思う。子供が欲しいと願ってそこまでするのだから、最後まで責任を負うのが親だと思う。(こまちさん・32歳) 時と場合によってはアリだと思います。(匿名希望・30歳) 権利はあると思う(ユメさん) 知るのはいいと思うが、成人になってからにしてほしい。(よんさん・32歳) 子供は知る権利があると思います。親自身は覚悟して卵子提供してもらってますが、子供は選択が出来ないからです。 (ともこさん・35歳) 必要(べるさん・40歳) 難しい問題だが年齢に応じてきちんと対応が必要だと思います。(コスモスちゃんさん・43歳) 知った子供は相当ショックをうけるらしい。早いうちに伝えた方がいいのではないでしようか?(匿名希望・46歳) 子供にとっては血の繋がりのある親になるので、出自を知る権利はあると思います。但し、自分の子供が卵子提供で産まれて、出自を知りたいと希望した場合は、気軽に許可出来るかは疑問です。(オレンジさん・41歳) たとえば、卵子を提供した遺伝子上の親よりも、養父母のほうが、良い生活を与えているならば、子供にとっては、あまり拘るものではないと思う。それを踏まえて、もし、子供が遺伝子上の親のもとへ帰りたいならば、仕方がない場合もあるのかも。一度、特別養子縁組をしたとしても二度目に子供が成人したときの意思も確認する法的手続きも必要である。特に外国人の卵子提供を受けた場合には。(三毛猫さん・46歳) 大人になってから知らせれば良いと思う。(Koalaさん・44歳) 権利はあると思うが、自分が提供を受けていたとすると、知らせたくない。(すなっちさん・38歳) 知る権利はあると思います。(ポルテさん・37歳) 知りたいなら教えてあげればよいと思う(kisaluさん・41歳) 成人していた場合のみ知りたければ自分で調べる事が出来るようにしてもいいとおもう。(ちゃんこさん・32歳) 必要ならば告知してもいいと思うが、基本的にはしなくてもいい。(匿名希望・44歳) もしも自分が卵子提供で生まれた子供だったとしたら、と考えたとき、なぜ両親がそのような選択をしたのか、どんな気持ちだったのかということを知りたい。母の卵子でなかったとしても、育ててくれた母は母、しかし卵子提供してくれた人もどんな人なのか、どのような気持ちで提供したのかを知りたいと思う。知らなくてもいい場合もあるかもしれないが、もしかしたら自分は、という気持ちをずっと抱えている場合は、知って乗り越えて行ったほうがより良い人生になるような気がする。(まるこさん・45歳) 言わなきゃわからないけど話す時が来たら話しても良いかもしれない。(クローバーさん・36歳) 賛成です。生まれてきた本人が望むなら、それはよぼどの覚悟があるからだと思います。(匿名希望・37歳) 「知る権利は必要ない」と答えた人の声 できれば教えたくない。教えても子供も戸惑うと思う(匿名希望・39歳) 知ることで幸せになるとは思えない。遺伝による病気の解明に必要な情報だけは残しておく必要はあると思う。(キレネンコさん・43歳) 知る意味ってあるのでしょうか?もちろん、成人してからなど一定の条件のもとでなら知る意味はあると思いますが。(ゆかさん・36歳) 出自を知る必要はない。知ったところで動揺するだけでは...。(atmさん・27歳) 卵子提供者については、秘密厳守すべき。そうでないと、病気等で、この卵子提供による出産の可能性しかもてていない方が、その機会すら失ってしまうことになると考えます。(匿名希望・41歳) 出自を知る権利は必要ない。混乱する原因になる。(ニャンちゅうさん・32歳) なるべくなら知らない方がいいのではないかと思う。(m.mさん・28歳) 特に変わりはないので意識しなくていいと思う(ももさん・31歳) 出来ればその権利はないでほしい。(ゆっきさん・36歳) 遺伝的な病気に関わることがあれば卵子提供で産まれたことを言った方が良いのだろうが、健康でいれば特に告げる必要はないと考えます。(匿名希望・36歳) 知る必要がないと思います。思いたいです。(みぴーさん・42歳) 提供者が望まないのならば教えないでくれという権利を優先すべき 提供者への裏切り行為だと思う(ゆきさん・43歳) 「どちらともいえない」と答えた人の声 親次第、子次第。 家庭ごとに考えが違って当たり前と思う。(aiさん・31歳) 時代と共にの変化とメディア等が欧米のように特別視しない世界観の情報を植えつけていくべき。(あんさん・47歳) そこまでの考えがまとまってない(じゆんこさん・35歳) 実際自分が卵子提供で産まれた立場になれば、知りたいとは思いますが、難しい問題で現時点ではよくわからないです。(三日月さん・39歳) 時と場合によると思う(えみっちょさん・39歳) それぞれの人の状況によると思う。(匿名希望・42歳) 難しい。出自の自由とはいっても、それを受け止める土台が日本人にはできてない気がする。(まめっちさん・45歳) そこまで考えたことはありませんでした。難しいです(めいさん・42歳) 提供者の意思によると思う。ステップファミリーの扱いとあまり変わらない様に思う(halさん・40歳) 本人の判断。各人違うので、何とも言えない。ただ、しっかり愛を受けて育てられて子がそれを理解してくれていることが重要だと思う。(匿名希望・45歳) むずかしい。答えがまだ私にはない。(maitakeさん・36歳) それぞれの家庭の方針で決めるべき。(なおさん・35歳) 子供に教えるのが理想だが、現実的に難しそう。子供も自分たちのことを本当の親だと思っていると思うので、卵子提供については話をしないと思う(匿名希望・39歳) わかりません(サリオさん・46歳) 卵子提供を受ける際に提供者との取り決めにする。(Bevさん・44歳) 親になる方々にもっと考える時間と場所を提供すべき。(みぐさん・42歳) 事実を知って、子供がどの様な気持ちになるかを考えると胸が痛みます。様々な理由から、卵子提供に至っているのだから、話せば理解を得られるとも考えられますが、産みの親と卵子提供の母がいると考えると、きっと複雑な心境になると思います。知る権利も大事ですが、守秘義務の優先も、知る権利より大事な事もある様な気がします。(匿名希望・42歳) 特にありません(まなおーさん・47歳) 卵子提供について考える(1) はこちら 卵子提供について考える(2) はこちら 最先端で治療するドクターの見解をインタビュー(4月24日更新予定) 卵子提供による不妊治療で妊娠・出産したAさん インタビュー(5月初旬予定) 関連記事: 《 卵子提供、考えたことありますか?(彼女たちの広場) 》 《 不妊治療と卵子提供、医師が語るその現状と課題(Jineko.net/2012年冬号) 》 《 海外レポート!卵子提供の現場に迫る(特別号カランタン/2014年冬) 》 卵子提供で生まれた子どもの「知る権利」は? 卵子提供を法律で容認すべきと考える人が多く、不妊治療経験者の3割が卵子提供による不妊治療を検討したことがあることが分かりました。一方で、卵子提供によって生まれた「子どもの知る権利」はどのように考えているのでしょうか? アンケートに答えていただいた方のコメントをご紹介いたします。 76%が「子どもの知る権利」を尊重すべき ジネコアンケートでは、「子どもの知る権利」について76%の方が権利があると考えており、10%が必要ないという意見でした。知る権利はないという方には「提供者の意思を優先すべき」という意見や、「子どもが知っても混乱するだけ」という意見がありました。しかし、知る権利があると回答した方も、「自分が当事者になった場合は難しい」という意見や、「伝える時期は検討すべき」という意見も多くありました。卵子提供について法律で整備する際に、あわせて考えなければならないことですが、ガイドラインをまとめるのは簡単ではなさそうです。 「知る権利はある」と答えた人の声 子供には、全ての情報を提示できる環境を作ってあげるべき。その中で、子供が欲したときに、その情報を伝えるべき。(みーちゃんさん・40歳) 自分のお腹から生まれてきたことには変わりはないので生まれた子には黙っていた方が良いとは思うが、ある程度大人になり、教えても良い時期になったら伝えた方がよいとも思う。難しい。(プレままさん・39歳) 必要ではあるけれど、そのときの子供の精神面を考えればしない方が幸せなのかもしれない。 権利はあるけれど、それが人々にとって幸せかどうか、父親も母親も苦悩を抱えながら生きなければならないことを理解して決断すべき。(りんさん・30歳) 知る権利は守られるべきだと思う。ただ、それに伴いカウンセリングなどのフォロー体制も整えて欲しい(ぽんぽこさん・44歳) 本人が知りたいのであれば、成長していて心理的にダメージがなさそうであればタイミングや必要に応じて話してもいいと思う。(?さん・?歳) 大切に育てられた子供は産み育てた親に感謝し、自分が存在する経緯は知りたいし、それを誰も拒んではいけないと思う。(双子かなさん・29歳) 知る権利はある程度大切。別に悪い事をしているわけではないし、無理やり隠そうとするのは、限界があり、隠せば隠すほど、知りたくなるもの。疑問が生じ、知ろうとすることに、時間やエネルギーを費やすよりも、知ることで納得のいく人生が歩めるならば、オープンにして構わない、と思います。ただ、トラブルにならないような、法整備等が必要です。(nonさん・41歳) 本人が似ていない事などで気になっているようだったら、知らせるべきだと思う。(ブルジュさん・42歳) 出自を知る権利はあると思いますが、親の立場からは知らせるかどうかは必要性を考え、悩むと思います。(匿名希望・44歳) もちろん権利はあると思います。 でも、もし自分が卵子提供で生まれた子供だったら?自分は誰なのか考えてしまうかもしれないと思いました。私は「つくりもの」なのか?「授かりもの」として生を受けたかったと思うかもしれません。男女の愛とは無関係に発生した人間だと知った時の悲しみは誰が受け止めてくれるのでしょうか。(ソーニャさん・40歳) 必要だとおもいます(ちいたんさん・37歳) 出自を知る権利はあると思うが、理解できる年齢になるまでは、あえて教える必要はないと思う。現代では、離婚・再婚等によって遺伝子的に親子でない家族は沢山あると思うので、卵子提供を特別扱いする必要はないと思う。(rinrinさん・42歳) ある程度理解できる年齢になったら伝えても良いかと思う(yovagiiさん・41歳) 必要だと思います(Maiさん) きちんと話す必要があると思う。(はなさん・36歳) あるとおもう。(匿名希望・30歳) 子供が大きくなったときに言ってもいいと思う。出自より誰に愛情を受けて育てられたかだと思う。(しもしもさん・35歳) 知る権利はあるが、知らせ方には配慮が必要。(みどりさん・32歳) 伝えた方がいいとは思いますが、物心ついたときの彼・彼女に受け入れられる状況にあるかどうかで判断できればよいと思う。知らないことが幸せということもあり得ると思う。(りのさん・34歳) 権利はあると思う。必要性があるかは不明。卵子提供で出生した子供が将来その事を知った時に自己否定感に繋がらないよう、両親の教育だけでなく社会的な理解も深めなければいけないと思う。(アリーさん・34歳) どうしても親を知りたいと子供が言ったら、説明はする。親と連絡が取れるなら、子供が成長したときにお礼を言えるように連絡はとっておきたい。提供者が望まないなら、それはしない。(なっつんさん・37歳) 卵子提供によって生まれた子どもでも、自分のお腹を痛めてできた子に変わりはありません。愛情を持って育てられることでしょう。卵子提供を小さいうちは理解できないかもしれませんが、きちんと話せばわかる時がくると思います。その時に、どんな理由があって、そのような選択をしたのか伝えてあげることが必要だと思います。(みゆきちさん・23歳) 本人が望むならば、知っても良いと思うが、アフターケアが必要だと思う。(Koalaさん・44歳) 成人する時に知らせれば良いと思う。難しいが、本人が気にしているようなら話せば良いと思う。(匿名希望・36歳) 育ての両親から愛情をたくさん受けて育っているだろうから、知っても大丈夫だと思うし、知る権利は尊重すべきだと思う。(凛さん・30歳) 自身の事なので自身が知る権利は当然あると思う。でも、知らない方が幸せだとは思うし、私なら知りたく無いけれど。(匿名希望・33歳) 聞かれたら答える程度で良いと思う(ぐし子さん・36歳) 知る権利はあると思う。(匿名希望・39歳) 大きくなったときに色々と不安を与えてしまうより、きちんと告知するべき。 日本がもっと、不妊治療、体外受精、卵子・精子提供、養子縁組などについての意識をしっかり持ち、偏見がなくなればいいのだが...(kokimaさん・34歳) 知る権利はあると思うけど、知らせるか否かは分からない(ぷぅさん・43歳) 知る権利は誰にでもあると思うが、実際に提供を受けた側になった場合には知らせるか悩むと思う。(すなっちさん・38歳) いつかは話さないといけないかもしれないが、育ててくれた人が母親に変わりないので、自信をもつべきなのかとおもう。(べえさん・27歳) 成人するとき、または結婚するときに知ればいいとおもう。それ以前に知ることも可能だが、それを知ることで人生の方向性が変わるとは考えにくいから。(まつさん・39歳) 自分の親が誰なのかを知る権利は必要。(カメさん・30歳) なかなか難しい問題だけど、本人が知りたい、というのであれば知らせるべきだと思う。(みのこあらさん・46歳) 子供が知りたいと思うことは必ず出てくると思うのでキチンと話せるようにと思います(はるこさん・38歳) 疑ってもいない段階で知らせる必要はないと思うが、本人が何か疑問を持った場合は、嘘をついたり隠すべきではない。(うっちーさん・44歳) 出自を知る権利はあってしかるべきだと思います。子供に問われたら、わかるように説明するべきだと思います。(zakuroさん・44歳) 養子縁組と同様。ものごころついたときから、機会あるごとに普通に話す。その子がどうつくられたかを問題にするのではなく、どんなに待ち望んで生まれてきたか、そして、誰よりも両親に必要とされ愛されていることを伝えればよい。(匿名希望) 産まれた子供の事を考えると簡単には言えないところがあるが、知るべき権利は与えるべきだと思う(キキララさん・37歳) 子供には話すべきだし、望む場合は提供者の情報もある程度は教えるべき。(匿名希望・44歳) 必要な権利だと思う。ただし、一定年齢にならないと理解できない部分が多いと思うため制度を同時に整えるべき。(jjkさん・34歳) 20歳を超えた時点でその子が知りたいかどうかの法律を作る。自分の出生事情を知る権利。(マサンさん・39歳) 遺伝による病気などの治療のためには仕方がないと思う。(れいこさん・45歳) 自分の出生を知りたければ伝えなければならないと思う(バービーさん・30歳) 権利はあるべきと思うが、それを知った時の子どもを支えてあげられるかどうか微妙なところです。(もうすぐママさん・40歳) 知る権利がある(みきーなさん・35歳) 子供が望むのであれば権利は尊重されるべきであると思う。 ただその後色んな問題も出てくると思うので、知った後のケアまである程度決められるべきだと思う。(みっちゃんさん・38歳) 生まれた子供に告知するべき。告知するつもりのない夫婦が卵子提供を受けることには反対です。(reiさん・48歳) 権利としては認めるべきではあるが、実際に子がそれを知ろうとした時、知った時にはすごく考えると思う。自分自身が卵子提供を行って子を授かった場合には、知らせるか知らせないかは今すぐにはわからない。(匿名希望・45歳) どうしても知りたいならしかたがない(らぶままさん・45歳) 説明しないと行けない時期がきたら伝えたいと思う(はこさん・36歳) 親が伝え、本人が知りたいと思う場合には、知れる術は残しておくべき。ただ親が伝えたくない、また親は伝えても本人が知りたくない場合もあるので、戸籍などの書類に記載する必要はないと思う。(かずさん・36歳) いつか子供に伝えることまで考えた上で、卵子提供で妊娠するなら、いいと思う。(れぽんさん・33歳) とても難しい問題ですが、自分が生まれた立場だったら知る権利を与えてほしいと思うかもしれません。実際知る知らないは別として。(eggBさん・41歳) 親や周りの大人の考えにもよるが、子供本人が成人してもなお出自を知りたいと思った場合にある程度の情報をきちんと伝えてくれる機関があってほしいと思う。(否ふくみみさん・32歳) もしその子が事実を知りたい、親も話すべきだと思うのなら、私は必要な権利ではないかと思います。(popoさん・41歳) 本人が望めば(匿名希望・42歳) 知りたいのは、仕方ないと思います。(はるさん・42歳) 出自を知る権利はあると思います。(てつさん・37歳) 非配偶者間で生まれた子には自分の出自を知る権利が必要だと思う。それを行使するしないは子の自由だが、知りたいと思った時に調べられるように、提供者の情報は医療機関等で管理されているべき。遺伝的に誰の子どもなのかと言うことはアイデンティティや自尊心を保つことに直結する場合があるので。(suiさん・36歳) 知りたい思いは当然のものと考えます。 様々な立場から方法は考える必要あると思いますが、知る権利はあると思います。(キムネオオハシさん・43歳) 自分が卵子提供で産まれてきた子供であれば事実を知りたいし知っておくべきだと思うので、子供には知らせようと考えています。(匿名希望・47歳) ある程度の年齢に達したら(例えば成人してから、高校卒業後等)子供を授かる事の奇跡や重みをきちんと理解して貰えるよう説明した上で、卵子提供での妊娠と言う事は話して良いと思う。(peachさん・36歳) 年齢制限を設け、どうしても知りたいという強い意志がある人に限り教える。また、当人を含め家族にその後のカウンセリングやサポートなどアフターケアを含めて環境が整備されてからであれば良いのでは。(チャロさん・25歳) 知る権利はあると思う(メロンさん・37歳) いつかは話そうと思う。(名護さん・35歳) 認められるべきだと思う。(ぽんぽこさん・44歳) 親の立場であればどう伝えればいいのか、悩むでしょうが…自分がもし生まれた子どもの立場なら、必ず教えて欲しいと思うし、本人に伝えるべきことだと思います。(とーりゅさん・40歳) 大変難しくデリケートなことですが、自分の出自を知りたいと思うのは当然のことに思います(puniさん・39歳) 出自を知る権利はあって当然だし、子供問われればきちんと説明するべき。(プリンさん・44歳) 出自はしっかりわかるようにした方がいいと思う。両親はすごく時間をかけ、話し合いをしてきたことだけど、子供はある日突然知ることになる。そうなったとき、両親の言葉より、調べればわかる事実があった方がいいと思う。(ちゃぽさん・34歳) 最終的には教えてあげるべきだと思います(ゆきさん・36歳) 自分が生まれた経緯について知る権利はあると思う。そのことも含めて、覚悟して、卵子提供治療に取り組むべきだと思う。(mameさん・30歳) 権利は17歳以上とか、大人としての判断がつくくらいの年齢いならあって良いと思う。(きみさん・41歳) 生まれたときから隠さず、愛情をもって繰り返し説明していけば、分かってくれるのではないかと思う。遺伝子上の親を知りたいと言えば、反対しないと思う。(midoさん・38歳) 知る権利は尊重したい。 しかし、それによって卵子提供者への負担が生まれ、卵子提供が減ってしまうのが心配。(匿名希望・44歳) 権利はあると思う(りりさくさん・37歳) 子供が知りたいと願うなら、また知らないことによって苦しむようなことがあるのなら、権利として知らせる必要があると思う。子供が欲しいと願ってそこまでするのだから、最後まで責任を負うのが親だと思う。(こまちさん・32歳) 時と場合によってはアリだと思います。(匿名希望・30歳) 権利はあると思う(ユメさん) 知るのはいいと思うが、成人になってからにしてほしい。(よんさん・32歳) 子供は知る権利があると思います。親自身は覚悟して卵子提供してもらってますが、子供は選択が出来ないからです。 (ともこさん・35歳) 必要(べるさん・40歳) 難しい問題だが年齢に応じてきちんと対応が必要だと思います。(コスモスちゃんさん・43歳) 知った子供は相当ショックをうけるらしい。早いうちに伝えた方がいいのではないでしようか?(匿名希望・46歳) 子供にとっては血の繋がりのある親になるので、出自を知る権利はあると思います。但し、自分の子供が卵子提供で産まれて、出自を知りたいと希望した場合は、気軽に許可出来るかは疑問です。(オレンジさん・41歳) たとえば、卵子を提供した遺伝子上の親よりも、養父母のほうが、良い生活を与えているならば、子供にとっては、あまり拘るものではないと思う。それを踏まえて、もし、子供が遺伝子上の親のもとへ帰りたいならば、仕方がない場合もあるのかも。一度、特別養子縁組をしたとしても二度目に子供が成人したときの意思も確認する法的手続きも必要である。特に外国人の卵子提供を受けた場合には。(三毛猫さん・46歳) 大人になってから知らせれば良いと思う。(Koalaさん・44歳) 権利はあると思うが、自分が提供を受けていたとすると、知らせたくない。(すなっちさん・38歳) 知る権利はあると思います。(ポルテさん・37歳) 知りたいなら教えてあげればよいと思う(kisaluさん・41歳) 成人していた場合のみ知りたければ自分で調べる事が出来るようにしてもいいとおもう。(ちゃんこさん・32歳) 必要ならば告知してもいいと思うが、基本的にはしなくてもいい。(匿名希望・44歳) もしも自分が卵子提供で生まれた子供だったとしたら、と考えたとき、なぜ両親がそのような選択をしたのか、どんな気持ちだったのかということを知りたい。母の卵子でなかったとしても、育ててくれた母は母、しかし卵子提供してくれた人もどんな人なのか、どのような気持ちで提供したのかを知りたいと思う。知らなくてもいい場合もあるかもしれないが、もしかしたら自分は、という気持ちをずっと抱えている場合は、知って乗り越えて行ったほうがより良い人生になるような気がする。(まるこさん・45歳) 言わなきゃわからないけど話す時が来たら話しても良いかもしれない。(クローバーさん・36歳) 賛成です。生まれてきた本人が望むなら、それはよぼどの覚悟があるからだと思います。(匿名希望・37歳) 「知る権利は必要ない」と答えた人の声 できれば教えたくない。教えても子供も戸惑うと思う(匿名希望・39歳) 知ることで幸せになるとは思えない。遺伝による病気の解明に必要な情報だけは残しておく必要はあると思う。(キレネンコさん・43歳) 知る意味ってあるのでしょうか?もちろん、成人してからなど一定の条件のもとでなら知る意味はあると思いますが。(ゆかさん・36歳) 出自を知る必要はない。知ったところで動揺するだけでは...。(atmさん・27歳) 卵子提供者については、秘密厳守すべき。そうでないと、病気等で、この卵子提供による出産の可能性しかもてていない方が、その機会すら失ってしまうことになると考えます。(匿名希望・41歳) 出自を知る権利は必要ない。混乱する原因になる。(ニャンちゅうさん・32歳) なるべくなら知らない方がいいのではないかと思う。(m.mさん・28歳) 特に変わりはないので意識しなくていいと思う(ももさん・31歳) 出来ればその権利はないでほしい。(ゆっきさん・36歳) 遺伝的な病気に関わることがあれば卵子提供で産まれたことを言った方が良いのだろうが、健康でいれば特に告げる必要はないと考えます。(匿名希望・36歳) 知る必要がないと思います。思いたいです。(みぴーさん・42歳) 提供者が望まないのならば教えないでくれという権利を優先すべき 提供者への裏切り行為だと思う(ゆきさん・43歳) 「どちらともいえない」と答えた人の声 親次第、子次第。 家庭ごとに考えが違って当たり前と思う。(aiさん・31歳) 時代と共にの変化とメディア等が欧米のように特別視しない世界観の情報を植えつけていくべき。(あんさん・47歳) そこまでの考えがまとまってない(じゆんこさん・35歳) 実際自分が卵子提供で産まれた立場になれば、知りたいとは思いますが、難しい問題で現時点ではよくわからないです。(三日月さん・39歳) 時と場合によると思う(えみっちょさん・39歳) それぞれの人の状況によると思う。(匿名希望・42歳) 難しい。出自の自由とはいっても、それを受け止める土台が日本人にはできてない気がする。(まめっちさん・45歳) そこまで考えたことはありませんでした。難しいです(めいさん・42歳) 提供者の意思によると思う。ステップファミリーの扱いとあまり変わらない様に思う(halさん・40歳) 本人の判断。各人違うので、何とも言えない。ただ、しっかり愛を受けて育てられて子がそれを理解してくれていることが重要だと思う。(匿名希望・45歳) むずかしい。答えがまだ私にはない。(maitakeさん・36歳) それぞれの家庭の方針で決めるべき。(なおさん・35歳) 子供に教えるのが理想だが、現実的に難しそう。子供も自分たちのことを本当の親だと思っていると思うので、卵子提供については話をしないと思う(匿名希望・39歳) わかりません(サリオさん・46歳) 卵子提供を受ける際に提供者との取り決めにする。(Bevさん・44歳) 親になる方々にもっと考える時間と場所を提供すべき。(みぐさん・42歳) 事実を知って、子供がどの様な気持ちになるかを考えると胸が痛みます。様々な理由から、卵子提供に至っているのだから、話せば理解を得られるとも考えられますが、産みの親と卵子提供の母がいると考えると、きっと複雑な心境になると思います。知る権利も大事ですが、守秘義務の優先も、知る権利より大事な事もある様な気がします。(匿名希望・42歳) 特にありません(まなおーさん・47歳) 卵子提供について考える(1) はこちら 卵子提供について考える(2) はこちら 最先端で治療するドクターの見解をインタビュー(4月24日更新予定) 卵子提供による不妊治療で妊娠・出産したAさん インタビュー(5月初旬予定) 関連記事: 《 卵子提供、考えたことありますか?(彼女たちの広場) 》 《 不妊治療と卵子提供、医師が語るその現状と課題(Jineko.net/2012年冬号) 》 《 海外レポート!卵子提供の現場に迫る(特別号カランタン/2014年冬) 》
2015.4.20
コラム 不妊治療
-
治療してきたことでさらに深まった信頼感
楽しい時もつらい時もー。これからもずっと同じ歩幅で歩いていきます。 治療を一心に頑張るヒナさんと、いつも温かく見守るダンナさん。昨年末から治療をお休みして今は、心と体を休めながら二人の時間を大切に過ごしています。 お互いに相手を思い不妊治療をすることに。タイミング療法から開始 感情表現が豊かでニコニコ明るいヒナさん(31歳)と、どんな時もヒナさんを優しく受け止める包容力のあるダンナさん(29歳)。二人は大学時代にアルバイト先で出会い、付き合い始めました。卒業して、お互い故郷に戻ってからも遠距離恋愛を続け、5年前に結婚。「よくある話ですが、初めは夫婦二人の時間を楽しんで、それから子どもをつくろうと考えていました。欲しいと思えばすぐにできると思っていたんです」(ヒナさん)しかし、そろそろ……と思ってから1年が過ぎても、赤ちゃんはできませんでした。原因を調べたほうがいいかなと思いつつも、病院嫌いなヒナさんは検査を受けることを躊躇していました。そんな時、ダンナさんが「僕に原因があるかもしれないから調べる」と言い出してくれました。「ヨメさんが悩んでいるのは、そばで見ていてわかりましたから。一歩を踏み出すために、検査を受けたほうがいいかなと思ったんです」(ダンナさん)ダンナさんの優しい気持ちに、〝彼にそんな思いはさせたくない〞と思ったヒナさん。病院嫌いも吹き飛び、「私が行きます!」と答えていました。結局、検査は二人で一緒に行くことに。ひと通りの検査を受けた結果、特に問題は見つかりませんでした。そして、まずはタイミング指導から始めることになりましたが、妊娠しないまま1年が過ぎました。「半年が過ぎた頃に、医師から人工授精へステップアップする提案があったのですが、その時は進めませんでした。原因もわからないままだったので、自然に授かるのではという気持ちがあったんです」(ヒナさん)そんなヒナさんに、ステップアップを切りだしたのはダンナさんのほうでした。「親戚が小さな2人の子どもを連れて遊びに来たんです。それで、ヨメさんが子どもたちと楽しそうに遊んでいる姿を見て、やっぱり子どもが好きなんだな、なんとかして自分の子どもを抱かせてあげたいなと思ったんですよね」(ダンナさん)ヒナさんも嫌いだった病院に慣れてきたこともあり、何か新しいことを、と考えていたところでした。そしてステップアップ。1回目の人工授精の後着床しかかっているという手応えを得られました。結果的には、妊娠には至りませんでしたが、もう少しのところまでいったという結果に期待は高まります。次はうまくいくかもしれない――。ヒナさんはすぐに自分から「もう一度人工授精をします!」と医師に言ったといいます。 思わぬ展開で体外受精にステップアップしかし採卵がうまくいかず… その後、人工授精を3回行ったものの、妊娠には至りませんでした。二人は、4回目を行う前に、「これでダメだったら体外受精にステップアップしよう」と決めていて、それは医師にも伝えていたはずでした。と ころが「これでダメだったら」の部分を医師が聞きもらしてしまったのか、人工授精3回目が終わった後、体外受精に向けた 注射が始まってしまいました。その後、誤解があったことがわかりましたが、「ここまで来たらやるしかない」と、そこで体 外受精への気持ちを固めたというヒナさん。予定より少し早かったものの、体外受精へ進むことになりました。「それから、体外受精に向けて初めての採卵をしたのですが、卵胞の中が空っぽだったんです。卵巣の中の血流が悪くて、卵胞に栄養が届いていないということでした。それで、血流をよくするために病院で遠赤外線治療を受けたり、普段の生活でもできるだけ体を温めるようにしていました。卵子が育ちますように、と祈りながら……」そのかいあってか、2回目の採卵では1個採れました。しかし、すぐに体外受精で移植するも、着床せず。3回目、4回目はまた空胞……。「2回続けて空胞だったこの時は、かなり落ち込みました。私の体はどうなっているの?ダンナさん、パパにしてあげられなくてごめんね、と」(ヒナさん)いつもとても明るく、赤ちゃんを授かるためにひたむきに努力をしているヒナさん。でも、普段明るく振る舞っている反面、気持ちが折れた時は深く深く落ち込んでしまいます。そんな時、ダンナさんは特別なことはせず、そっとヒナさんに寄り添います。「はじめは、気持ちの切り替えをするために二人で出掛けたりしていたんです。でも特別なことをすると、余計に落ち込んでしまうことがわかって。それよりも、ただただ一緒にいて、普段どおりの生活をするほうが気持ちが休まるんだということに気がつきました」(ダンナさん)ヒナさんの気持ちの揺れにしっかり向き合って、見つめていてくれるダンナさん。その温かさに包まれて、気持ちを立て直し、ヒナさんは5回目の採卵に望みます。今度は5個採卵でき、精卵が5個できました。今度こそ、今度こそ、赤ちゃんを授かれるかもしれない……。そして、いったん卵を凍結して子宮の状態を整え、昨年11月に移植。しかし、陰性という悲しい結果が出ます。「あまりにもショックで、医師の話は途中から何も聞こえなくなっていました。次回はいつにと話されていたのかもしれないのですが、耳に入ってきませんでした。看護師さんが声を掛けてくれるのを振り切って、診察室を飛び出していました」(ヒナさん) また新たな気持ちでスタートする日まで体も心も休養中 2年間頑張ってきましたが、二人はここでいったん治療をお休みすることにしました。今は、心も体も休養中。「ヨメさんは、思い詰めるとまわりが見えなくなるところがあるんです。そうなると、ますます自分を追い詰めてしまう。だから一度休んで、まわりを見渡してみるのもいいんじゃないかと話しました」(ダンナさん)治療がうまくいかなかった時、悲しくて、悔しくて、不安なヒナさんの気持ちを、いつも優しく受け止め、寄り添ってくれたダンナさん。今は温泉に行ったり、おいしいものを食べたりして、二人の生活を楽しんでいます。また最近、注射や薬でちょっと疲れてしまった卵巣や子宮を整えるために、漢方薬を始めたそう。「今はゆっくり体を整えています。そして、まだいつになるか はわかりませんが、時期が来たら、病院に預けている卵ちゃんを迎えに行きたいと思っています」(ヒナさん) 他のユーザーストーリーも読む 楽しい時もつらい時もー。これからもずっと同じ歩幅で歩いていきます。 治療を一心に頑張るヒナさんと、いつも温かく見守るダンナさん。昨年末から治療をお休みして今は、心と体を休めながら二人の時間を大切に過ごしています。 お互いに相手を思い不妊治療をすることに。タイミング療法から開始 感情表現が豊かでニコニコ明るいヒナさん(31歳)と、どんな時もヒナさんを優しく受け止める包容力のあるダンナさん(29歳)。二人は大学時代にアルバイト先で出会い、付き合い始めました。卒業して、お互い故郷に戻ってからも遠距離恋愛を続け、5年前に結婚。「よくある話ですが、初めは夫婦二人の時間を楽しんで、それから子どもをつくろうと考えていました。欲しいと思えばすぐにできると思っていたんです」(ヒナさん)しかし、そろそろ……と思ってから1年が過ぎても、赤ちゃんはできませんでした。原因を調べたほうがいいかなと思いつつも、病院嫌いなヒナさんは検査を受けることを躊躇していました。そんな時、ダンナさんが「僕に原因があるかもしれないから調べる」と言い出してくれました。「ヨメさんが悩んでいるのは、そばで見ていてわかりましたから。一歩を踏み出すために、検査を受けたほうがいいかなと思ったんです」(ダンナさん)ダンナさんの優しい気持ちに、〝彼にそんな思いはさせたくない〞と思ったヒナさん。病院嫌いも吹き飛び、「私が行きます!」と答えていました。結局、検査は二人で一緒に行くことに。ひと通りの検査を受けた結果、特に問題は見つかりませんでした。そして、まずはタイミング指導から始めることになりましたが、妊娠しないまま1年が過ぎました。「半年が過ぎた頃に、医師から人工授精へステップアップする提案があったのですが、その時は進めませんでした。原因もわからないままだったので、自然に授かるのではという気持ちがあったんです」(ヒナさん)そんなヒナさんに、ステップアップを切りだしたのはダンナさんのほうでした。「親戚が小さな2人の子どもを連れて遊びに来たんです。それで、ヨメさんが子どもたちと楽しそうに遊んでいる姿を見て、やっぱり子どもが好きなんだな、なんとかして自分の子どもを抱かせてあげたいなと思ったんですよね」(ダンナさん)ヒナさんも嫌いだった病院に慣れてきたこともあり、何か新しいことを、と考えていたところでした。そしてステップアップ。1回目の人工授精の後着床しかかっているという手応えを得られました。結果的には、妊娠には至りませんでしたが、もう少しのところまでいったという結果に期待は高まります。次はうまくいくかもしれない――。ヒナさんはすぐに自分から「もう一度人工授精をします!」と医師に言ったといいます。 思わぬ展開で体外受精にステップアップしかし採卵がうまくいかず… その後、人工授精を3回行ったものの、妊娠には至りませんでした。二人は、4回目を行う前に、「これでダメだったら体外受精にステップアップしよう」と決めていて、それは医師にも伝えていたはずでした。と ころが「これでダメだったら」の部分を医師が聞きもらしてしまったのか、人工授精3回目が終わった後、体外受精に向けた 注射が始まってしまいました。その後、誤解があったことがわかりましたが、「ここまで来たらやるしかない」と、そこで体 外受精への気持ちを固めたというヒナさん。予定より少し早かったものの、体外受精へ進むことになりました。「それから、体外受精に向けて初めての採卵をしたのですが、卵胞の中が空っぽだったんです。卵巣の中の血流が悪くて、卵胞に栄養が届いていないということでした。それで、血流をよくするために病院で遠赤外線治療を受けたり、普段の生活でもできるだけ体を温めるようにしていました。卵子が育ちますように、と祈りながら……」そのかいあってか、2回目の採卵では1個採れました。しかし、すぐに体外受精で移植するも、着床せず。3回目、4回目はまた空胞……。「2回続けて空胞だったこの時は、かなり落ち込みました。私の体はどうなっているの?ダンナさん、パパにしてあげられなくてごめんね、と」(ヒナさん)いつもとても明るく、赤ちゃんを授かるためにひたむきに努力をしているヒナさん。でも、普段明るく振る舞っている反面、気持ちが折れた時は深く深く落ち込んでしまいます。そんな時、ダンナさんは特別なことはせず、そっとヒナさんに寄り添います。「はじめは、気持ちの切り替えをするために二人で出掛けたりしていたんです。でも特別なことをすると、余計に落ち込んでしまうことがわかって。それよりも、ただただ一緒にいて、普段どおりの生活をするほうが気持ちが休まるんだということに気がつきました」(ダンナさん)ヒナさんの気持ちの揺れにしっかり向き合って、見つめていてくれるダンナさん。その温かさに包まれて、気持ちを立て直し、ヒナさんは5回目の採卵に望みます。今度は5個採卵でき、精卵が5個できました。今度こそ、今度こそ、赤ちゃんを授かれるかもしれない……。そして、いったん卵を凍結して子宮の状態を整え、昨年11月に移植。しかし、陰性という悲しい結果が出ます。「あまりにもショックで、医師の話は途中から何も聞こえなくなっていました。次回はいつにと話されていたのかもしれないのですが、耳に入ってきませんでした。看護師さんが声を掛けてくれるのを振り切って、診察室を飛び出していました」(ヒナさん) また新たな気持ちでスタートする日まで体も心も休養中 2年間頑張ってきましたが、二人はここでいったん治療をお休みすることにしました。今は、心も体も休養中。「ヨメさんは、思い詰めるとまわりが見えなくなるところがあるんです。そうなると、ますます自分を追い詰めてしまう。だから一度休んで、まわりを見渡してみるのもいいんじゃないかと話しました」(ダンナさん)治療がうまくいかなかった時、悲しくて、悔しくて、不安なヒナさんの気持ちを、いつも優しく受け止め、寄り添ってくれたダンナさん。今は温泉に行ったり、おいしいものを食べたりして、二人の生活を楽しんでいます。また最近、注射や薬でちょっと疲れてしまった卵巣や子宮を整えるために、漢方薬を始めたそう。「今はゆっくり体を整えています。そして、まだいつになるか はわかりませんが、時期が来たら、病院に預けている卵ちゃんを迎えに行きたいと思っています」(ヒナさん) 他のユーザーストーリーも読む
2015.4.16
コラム 不妊治療
-
無我夢中で取り組んだ治療
夫としてできることは、シンプルに妻の話を聞いてあげること。いつも話し合い、確かめ合っていました。 二人で子育てを一緒にしたい!Dさんと奥様の想いはいつも同じ方向を向いていました。そして先日、無事に男の子が誕生しました。 結婚2年後の流産をきっかけに不妊治療へ Dさんのお仕事は医療従事者。日頃から赤ちゃんの訪問をしたり、沐浴指導をしたりして います。そして、奥様は元保育士。そんな二人にとって、赤ちゃんをつくるというのはごく自然な流れでした。二人が結婚して2年が経った2009年、Dさんは奥様から嬉しい妊娠の報告を聞きます。しかし、二人で手を取り合って喜んだのもつかの間。その1週間後には、化学流産という悲しい結果が待っていました。その後、1日も早く赤ちゃんが欲しいという想いで、タイミング療法を試みましたがなかなか妊娠には至らず、隣県の不妊専門クリニックの門を叩くことに。「僕が気になっていたのは採精でした。その場で採るように言われたらどうしようという不安でいっぱいでした。そんな時、頼りにしたのは、インターネットの口コミ情報。採精をした男性の体験談を読み、ずいぶん救われました」実際は、自宅での採精でよいと言われて、ずいぶん気持ちが楽になったといいます。クリニックでは、二人の体に特に問題はありませんでした。当時Dさんは30歳、奥様は33歳。年齢的な問題もないということで、半年間はタイミング療法にトライします。しかし妊娠の兆候は見られず、人工授精にステップアップしますが、こちらも結果が出ない日々が続きます。「周りの人から何気なく『奥さんの妊娠はまだ?』と聞かれたり、『早く赤ちゃんをつくらないと』と言われたり、知人から『妊娠した、出産した』というメールが届いたり……。そんな時は落ち込みましたが、妻には話さないようにしていました。知人の出産や妊娠情報を二人で耳にした時も、『人それぞれだし、今の病院でとにかく頑張ってみよう』と自分たちに言い聞かせ、気持ちを前に向かせていました」 ステップアップを目指し夫婦で転院を決意 「クリニックでは年齢的な問題はないと言われていましたが、僕たちはすぐにでも子どもが欲しかった。だから、年齢に左右されずに次の治療の提案をしてもらいたかったのですが、先生からはなかなかその様子がなく……。少しずつ、病院とのずれを感じていました」そんな時、知人が隣県のクリニックで不妊治療の末に、赤ちゃんを授かったというニュースが飛び込んできます。それを聞いた二人の意見はすぐに一致し、早速そのクリニックに転院することに。「初診で先生が、開口一番に『半年以内でなんとかします。ダメならまた他の方法を考えますから頑張りましょう』と心強い言葉を掛けてくれました。妻も私も〝求めていたのはこれだ!〞と感じましたね」転院先の医師は、土日も休みなく治療を続けながら、仕事帰りの男性のために夜10時から体外受精の説明会を開いたりと、とにかく精力的に活動されている方でした。先生の懸命な姿勢に、「この先生にお任せしよう」と、Dさんと奥様の気持ちも一層強くなったといいます。治療は、1回人工授精をした後、すぐに体外受精へとステップアップしました。「体外受精については、僕自身もずいぶん調べましたし、説明会にも参加しました。特殊な治療法だと思っていましたが、体外受精で妊娠された方がたくさんいることを知り、気持ちが楽になりました」1回目の採卵では19個の卵子が採れて、そのうち5個が胚盤胞に。新鮮胚を戻しましたが、妊娠には至りませんでした。「先生は『まったく気を落とす必要はないよ』と言ってくださいました。そしてすぐに、次の提案をしてくれたんです。落ち込む暇などないくらい素早い対応をしてくださったことが僕たちには心強かったです」 そして2回目の体外受精では凍結胚盤胞移植を試み、2011年、ついに念願の妊娠。3年にわたった不妊治療を卒業することになりました。 妊娠後も頼りになったドクターのフォロー しかし、妊娠後のまだ間もない時期に、奥様が突然出血をしてしまいます。「僕が仕事で不在で、妻は一人で病院に行ったのですが、この時も先生がすぐに対応してくれて『この出血はまったく問題ないよ。何かあったらいつでも僕のところに来なさい』と励ましてくれたそうで、胸をなでおろしました」その後は順調に妊娠期間を過 ごすことができ、そして今年1月、無事に元気な男の子が誕生しました。「今思うと、治療中は無我夢中で過ごした期間だったと思います。僕も妻もお互いに落ち込んだり、不安になったり、一時は里親制度について調べてみたりもしました。ただ、妻も僕も子どもが好きなので、できる限りの治療はすべてやってみようという意見は同じ。常日頃からとことん話し合って、目指す方向を確かめ合っていました」とても積極的に治療や説明会に参加したり、情報収集も欠かさなかったDさん。「僕はもともと仕事柄、興味もあって、治療について調べたり聞いたり、情報収集をすることへのハードルは感じませんでしたが、普通はここまで勉強するのは難しいかもしれないですね。不妊治療において男性ができることは、やはりシンプルに奥さんの話を聞いてあげることだと思います。それでも治療に行き詰まった時は、僕たちは趣味の旅行をすることで気持ちをリセットして、また新たにスタートを切っていました。それと、『この人だ』と思える先生との出会い。これが僕たちの場合は、一番重要だったとつくづく思っています。まだ息子を授かって間もない僕たちですが、2番目の子を授かるために不妊治療が必要になった時には、またあの先生のお世話になりたいねと、妻と話しているんです」 他のユーザーストーリーも読む 夫としてできることは、シンプルに妻の話を聞いてあげること。いつも話し合い、確かめ合っていました。 二人で子育てを一緒にしたい!Dさんと奥様の想いはいつも同じ方向を向いていました。そして先日、無事に男の子が誕生しました。 結婚2年後の流産をきっかけに不妊治療へ Dさんのお仕事は医療従事者。日頃から赤ちゃんの訪問をしたり、沐浴指導をしたりして います。そして、奥様は元保育士。そんな二人にとって、赤ちゃんをつくるというのはごく自然な流れでした。二人が結婚して2年が経った2009年、Dさんは奥様から嬉しい妊娠の報告を聞きます。しかし、二人で手を取り合って喜んだのもつかの間。その1週間後には、化学流産という悲しい結果が待っていました。その後、1日も早く赤ちゃんが欲しいという想いで、タイミング療法を試みましたがなかなか妊娠には至らず、隣県の不妊専門クリニックの門を叩くことに。「僕が気になっていたのは採精でした。その場で採るように言われたらどうしようという不安でいっぱいでした。そんな時、頼りにしたのは、インターネットの口コミ情報。採精をした男性の体験談を読み、ずいぶん救われました」実際は、自宅での採精でよいと言われて、ずいぶん気持ちが楽になったといいます。クリニックでは、二人の体に特に問題はありませんでした。当時Dさんは30歳、奥様は33歳。年齢的な問題もないということで、半年間はタイミング療法にトライします。しかし妊娠の兆候は見られず、人工授精にステップアップしますが、こちらも結果が出ない日々が続きます。「周りの人から何気なく『奥さんの妊娠はまだ?』と聞かれたり、『早く赤ちゃんをつくらないと』と言われたり、知人から『妊娠した、出産した』というメールが届いたり……。そんな時は落ち込みましたが、妻には話さないようにしていました。知人の出産や妊娠情報を二人で耳にした時も、『人それぞれだし、今の病院でとにかく頑張ってみよう』と自分たちに言い聞かせ、気持ちを前に向かせていました」 ステップアップを目指し夫婦で転院を決意 「クリニックでは年齢的な問題はないと言われていましたが、僕たちはすぐにでも子どもが欲しかった。だから、年齢に左右されずに次の治療の提案をしてもらいたかったのですが、先生からはなかなかその様子がなく……。少しずつ、病院とのずれを感じていました」そんな時、知人が隣県のクリニックで不妊治療の末に、赤ちゃんを授かったというニュースが飛び込んできます。それを聞いた二人の意見はすぐに一致し、早速そのクリニックに転院することに。「初診で先生が、開口一番に『半年以内でなんとかします。ダメならまた他の方法を考えますから頑張りましょう』と心強い言葉を掛けてくれました。妻も私も〝求めていたのはこれだ!〞と感じましたね」転院先の医師は、土日も休みなく治療を続けながら、仕事帰りの男性のために夜10時から体外受精の説明会を開いたりと、とにかく精力的に活動されている方でした。先生の懸命な姿勢に、「この先生にお任せしよう」と、Dさんと奥様の気持ちも一層強くなったといいます。治療は、1回人工授精をした後、すぐに体外受精へとステップアップしました。「体外受精については、僕自身もずいぶん調べましたし、説明会にも参加しました。特殊な治療法だと思っていましたが、体外受精で妊娠された方がたくさんいることを知り、気持ちが楽になりました」1回目の採卵では19個の卵子が採れて、そのうち5個が胚盤胞に。新鮮胚を戻しましたが、妊娠には至りませんでした。「先生は『まったく気を落とす必要はないよ』と言ってくださいました。そしてすぐに、次の提案をしてくれたんです。落ち込む暇などないくらい素早い対応をしてくださったことが僕たちには心強かったです」 そして2回目の体外受精では凍結胚盤胞移植を試み、2011年、ついに念願の妊娠。3年にわたった不妊治療を卒業することになりました。 妊娠後も頼りになったドクターのフォロー しかし、妊娠後のまだ間もない時期に、奥様が突然出血をしてしまいます。「僕が仕事で不在で、妻は一人で病院に行ったのですが、この時も先生がすぐに対応してくれて『この出血はまったく問題ないよ。何かあったらいつでも僕のところに来なさい』と励ましてくれたそうで、胸をなでおろしました」その後は順調に妊娠期間を過 ごすことができ、そして今年1月、無事に元気な男の子が誕生しました。「今思うと、治療中は無我夢中で過ごした期間だったと思います。僕も妻もお互いに落ち込んだり、不安になったり、一時は里親制度について調べてみたりもしました。ただ、妻も僕も子どもが好きなので、できる限りの治療はすべてやってみようという意見は同じ。常日頃からとことん話し合って、目指す方向を確かめ合っていました」とても積極的に治療や説明会に参加したり、情報収集も欠かさなかったDさん。「僕はもともと仕事柄、興味もあって、治療について調べたり聞いたり、情報収集をすることへのハードルは感じませんでしたが、普通はここまで勉強するのは難しいかもしれないですね。不妊治療において男性ができることは、やはりシンプルに奥さんの話を聞いてあげることだと思います。それでも治療に行き詰まった時は、僕たちは趣味の旅行をすることで気持ちをリセットして、また新たにスタートを切っていました。それと、『この人だ』と思える先生との出会い。これが僕たちの場合は、一番重要だったとつくづく思っています。まだ息子を授かって間もない僕たちですが、2番目の子を授かるために不妊治療が必要になった時には、またあの先生のお世話になりたいねと、妻と話しているんです」 他のユーザーストーリーも読む
2015.4.15
コラム 不妊治療
-
体外受精、転院、人口受精からの再スタート・・・
すべてのことが次に進むためのステップ。つらいことも、そう考えるようにして乗り越えてきました。 結婚前に受けた検査から始まり、進んだり戻ったりの2年半の治療。いつも前を向いてきたきょうこさんはもう間もなく出産を迎えます。 結婚したらすぐに赤ちゃんが欲しい!ブライダルチェックを受診 今から3年前、32歳で結婚が決まったきょうこさんは、自らブライダルチェックを受けに行ったそう。「主人より私のほうが年上だったので。何かあったら彼がかわいそうだなと思って、受けておこうと思いました」検査は、ごく基本的なものだけでしたが、特に問題はありませんでした。半年後に二人は結婚。しかし、結婚して間もなく、実家のお母様から、きょうこさんを産む前に卵管が片方詰まっていたという話を聞かされます。それで、お母様と同じ病院へ。卵管が通っていることは確認されましたが、子どもを望んでから1年が経っていることを医師に伝えると、精液検査と人工授精をすすめられました。きょうこさんは旦那さんと二人で話し合い、とりあえず精液検査を受けることに。そしてそこで、精子の数が通常の3分の1しかいないという結果が。「本人はショックを受けていましたね。飲んだ席で友人に『俺、少ないんだ』なんて、あっけらかんと言っていましたが、気を紛らわそうとしていたんじゃないかな。でも私は、精子の検査は日によって変動があると聞いていたので、あまり気にしないようにしていました」 有名クリニックで初の体外受精に いろいろと調べるうちに、ヒューナーテストを受けるといいのではと思ったきょうこさん は、インターネット上でも評判の不妊治療専門クリニックを受診することにしました。「今の状態のままで赤ちゃんはできるのか。○なのか×なのかということを、私は知りたかったんだと思います」検査を受け、モニターを見ながら言われた先生の言葉は「いないね」。ヒューナーテストの良好な結果の例を画面で見せてもらうと、違いは歴然でした。「精子が3分の1しかいないと言われた時もびっくりしましたが、これはけっこうショックでした。先生には、人工授精より体外授精のほうがいいと言われました」〝でも、もしかしたら次は違うかも〞。結果を信じたくなかったきょうこさんは、2日後にご主人と一緒に再びクリニックを訪れ、2回目のヒューナーテストを受けます。しかし、結果は同じでした。この結果をどう受け止めるべきなのか、二人で考える間もなく、医師にこの周期で体外受精ができる、明後日に採卵が可能、という話をされます。「あまりにも早い展開に、主人は〝営業されているみたいだ〞と怒っていましたね。すぐに体外受精という気持ちにはなれず、その周期は見送りました。その後、両方の両親にも話したのですが、どちらも〝やってみたら〞と賛成してくれたんです。ありがたかったですね」そして翌月、二人は初めての体外受精をすることに決めました。その周期で胚を戻し、陽性反応が出るも、値が低いので継続できるかわからないと言われました。きょうこさんは着床を安定させるため、5日おきに筋肉注射を打つことに。注射は腕に打つと半日は何もできないほど痛くて、お尻に打ってもらうようにしました。病院への往復と注射で丸1日かかっても、注射したところがしびれるように痛くても、赤ちゃんを授かるためなら頑張れる……。そう思ってつらい治療を耐えました。しかし結果は、心拍を確認できないまま流産……。「私はクリニックで、先生と直接話をしました。モニターでも確認しました。だから〝ダメだったんだ〞と納得できたけれど、主人は信じられなかったみたいで、『他の病院でもみてもらえ』と。それで別の病院にも行きましたが、やっぱり赤ちゃんは育っていませんでした」 近くの病院に転院し人工授精からの再スタート 「二人の間で、このままでは終われないという雰囲気になっていました。でも、クリニックは変えることに。主人は最初から印象がよくなかったというし、私はいいクリニックだと納得はしていたのですが、治療が長期的になるなら、近いほうがいいと思ったんです」転院先は、不妊治療もできるクリニック。不妊専門ではなく、おばあちゃんや子ども連れの人も来ているようなところでした。不妊治療の人ばかりではないので、待合室の雰囲気が和やかでよかったそう。体も気持ちもだいぶ楽になったといいます。そこの先生にこれまでの経緯を話すと、子宮卵管造影検査もせずに体外受精を行ったことに驚かれました。その先生は、ひと通りの検査を行ってから体外受精をするべきだという考えでした。検査した結果、特に問題は見つからず、人工授精から治療を再スタート。4回行いましたが、残念ながら妊娠には至りませんでした。「でも驚いたことに、今度は、精子の状態がまったく普通だったんです。主人の仕事がうまくいっていたのと、胃腸を悪くして漢方薬を飲んでいたので、それが効いているのかもねと。でもそれだけにこれで妊娠できると思っていたので、4回ともダメだった時はショックでした」それでもきょうこさんは立ち止まりませんでした。先生と人工授精は4回までと決めていたので、体外受精にステップアップ。最初の採卵でできた胚盤胞は1個で、グレードがあまりよくなかったため、2カ月後に2度目の採卵。5個採卵し、体外受精と顕微授精を半分ずつ行い、受精卵が2個できました。そして、子宮の状態が安定した2カ月後に1個を移植。そこでは陽性が出たものの、化学流産。今度こそと、体外受精で2回うまくいかなかった場合は胚を2個戻せるという日本産科婦人科学会の指針に沿って、翌月に2個戻します。そして、ついにその中の1個が着床して、妊娠!今、きょうこさんのお腹の中で、すくすくと育っています。待ちに待った出産を2月に迎えるきょうこさん。結局、不妊の原因が何だったのかは最後までわかりませんでした。2年半の治療のなかで常に心掛けていたのは、検査結果に落ち込んでも、うまくいかず悲しい気持ちになっても、その気持ちを前向きにリセットすること。「途中、先が見えないから不安になるし、薬を飲んだり注射をして治療してきたことも、結果が出ないと振り出しに戻ってしまいます。だけど、気持ちをどんどん切り替えていかないと前に進めない。治療中は、メンタルを強くするために自己啓発本ばかり読んでいましたね(笑)。今、治療中の方も、つらいこともすべてが次へのステップになるんだと前向きに考えて、一歩一歩進んでいってほしいと思います」 他のユーザーストーリーも読む すべてのことが次に進むためのステップ。つらいことも、そう考えるようにして乗り越えてきました。 結婚前に受けた検査から始まり、進んだり戻ったりの2年半の治療。いつも前を向いてきたきょうこさんはもう間もなく出産を迎えます。 結婚したらすぐに赤ちゃんが欲しい!ブライダルチェックを受診 今から3年前、32歳で結婚が決まったきょうこさんは、自らブライダルチェックを受けに行ったそう。「主人より私のほうが年上だったので。何かあったら彼がかわいそうだなと思って、受けておこうと思いました」検査は、ごく基本的なものだけでしたが、特に問題はありませんでした。半年後に二人は結婚。しかし、結婚して間もなく、実家のお母様から、きょうこさんを産む前に卵管が片方詰まっていたという話を聞かされます。それで、お母様と同じ病院へ。卵管が通っていることは確認されましたが、子どもを望んでから1年が経っていることを医師に伝えると、精液検査と人工授精をすすめられました。きょうこさんは旦那さんと二人で話し合い、とりあえず精液検査を受けることに。そしてそこで、精子の数が通常の3分の1しかいないという結果が。「本人はショックを受けていましたね。飲んだ席で友人に『俺、少ないんだ』なんて、あっけらかんと言っていましたが、気を紛らわそうとしていたんじゃないかな。でも私は、精子の検査は日によって変動があると聞いていたので、あまり気にしないようにしていました」 有名クリニックで初の体外受精に いろいろと調べるうちに、ヒューナーテストを受けるといいのではと思ったきょうこさん は、インターネット上でも評判の不妊治療専門クリニックを受診することにしました。「今の状態のままで赤ちゃんはできるのか。○なのか×なのかということを、私は知りたかったんだと思います」検査を受け、モニターを見ながら言われた先生の言葉は「いないね」。ヒューナーテストの良好な結果の例を画面で見せてもらうと、違いは歴然でした。「精子が3分の1しかいないと言われた時もびっくりしましたが、これはけっこうショックでした。先生には、人工授精より体外授精のほうがいいと言われました」〝でも、もしかしたら次は違うかも〞。結果を信じたくなかったきょうこさんは、2日後にご主人と一緒に再びクリニックを訪れ、2回目のヒューナーテストを受けます。しかし、結果は同じでした。この結果をどう受け止めるべきなのか、二人で考える間もなく、医師にこの周期で体外受精ができる、明後日に採卵が可能、という話をされます。「あまりにも早い展開に、主人は〝営業されているみたいだ〞と怒っていましたね。すぐに体外受精という気持ちにはなれず、その周期は見送りました。その後、両方の両親にも話したのですが、どちらも〝やってみたら〞と賛成してくれたんです。ありがたかったですね」そして翌月、二人は初めての体外受精をすることに決めました。その周期で胚を戻し、陽性反応が出るも、値が低いので継続できるかわからないと言われました。きょうこさんは着床を安定させるため、5日おきに筋肉注射を打つことに。注射は腕に打つと半日は何もできないほど痛くて、お尻に打ってもらうようにしました。病院への往復と注射で丸1日かかっても、注射したところがしびれるように痛くても、赤ちゃんを授かるためなら頑張れる……。そう思ってつらい治療を耐えました。しかし結果は、心拍を確認できないまま流産……。「私はクリニックで、先生と直接話をしました。モニターでも確認しました。だから〝ダメだったんだ〞と納得できたけれど、主人は信じられなかったみたいで、『他の病院でもみてもらえ』と。それで別の病院にも行きましたが、やっぱり赤ちゃんは育っていませんでした」 近くの病院に転院し人工授精からの再スタート 「二人の間で、このままでは終われないという雰囲気になっていました。でも、クリニックは変えることに。主人は最初から印象がよくなかったというし、私はいいクリニックだと納得はしていたのですが、治療が長期的になるなら、近いほうがいいと思ったんです」転院先は、不妊治療もできるクリニック。不妊専門ではなく、おばあちゃんや子ども連れの人も来ているようなところでした。不妊治療の人ばかりではないので、待合室の雰囲気が和やかでよかったそう。体も気持ちもだいぶ楽になったといいます。そこの先生にこれまでの経緯を話すと、子宮卵管造影検査もせずに体外受精を行ったことに驚かれました。その先生は、ひと通りの検査を行ってから体外受精をするべきだという考えでした。検査した結果、特に問題は見つからず、人工授精から治療を再スタート。4回行いましたが、残念ながら妊娠には至りませんでした。「でも驚いたことに、今度は、精子の状態がまったく普通だったんです。主人の仕事がうまくいっていたのと、胃腸を悪くして漢方薬を飲んでいたので、それが効いているのかもねと。でもそれだけにこれで妊娠できると思っていたので、4回ともダメだった時はショックでした」それでもきょうこさんは立ち止まりませんでした。先生と人工授精は4回までと決めていたので、体外受精にステップアップ。最初の採卵でできた胚盤胞は1個で、グレードがあまりよくなかったため、2カ月後に2度目の採卵。5個採卵し、体外受精と顕微授精を半分ずつ行い、受精卵が2個できました。そして、子宮の状態が安定した2カ月後に1個を移植。そこでは陽性が出たものの、化学流産。今度こそと、体外受精で2回うまくいかなかった場合は胚を2個戻せるという日本産科婦人科学会の指針に沿って、翌月に2個戻します。そして、ついにその中の1個が着床して、妊娠!今、きょうこさんのお腹の中で、すくすくと育っています。待ちに待った出産を2月に迎えるきょうこさん。結局、不妊の原因が何だったのかは最後までわかりませんでした。2年半の治療のなかで常に心掛けていたのは、検査結果に落ち込んでも、うまくいかず悲しい気持ちになっても、その気持ちを前向きにリセットすること。「途中、先が見えないから不安になるし、薬を飲んだり注射をして治療してきたことも、結果が出ないと振り出しに戻ってしまいます。だけど、気持ちをどんどん切り替えていかないと前に進めない。治療中は、メンタルを強くするために自己啓発本ばかり読んでいましたね(笑)。今、治療中の方も、つらいこともすべてが次へのステップになるんだと前向きに考えて、一歩一歩進んでいってほしいと思います」 他のユーザーストーリーも読む
2015.4.14
コラム 不妊治療
-
卵子提供について考える(2)
不妊治療経験者の3割が卵子提供による不妊治療を検討したことがある 前回「卵子提供について考える(1)」では、法律による規制の考えにいてジネコアンケートに答えていただいた方のほとんどが容認すべきという意見であることが分かりました。今回は、実際にどれくらいの方が、卵子提供による不妊治療を考えたことがあるかその実態をレポートいたします。 約3割の方が卵子提供による不妊治療を考えたことがある ジネコアンケートでは、約3割の方が卵子提供による不妊治療を考えたことがあるという結果になりました(グラフ4)。年齢階層別でみると、やはり高齢になるほど、検討する方の割合が増えています。(グラフ5) また、そのうち半数の方が海外やエージェントを通じた卵子提供による不妊治療について調べたことがあると答えており、日本で課題が浮き彫りになりました。 卵子提供について検討したのは、何度治療をしても結果がでなかったとき 卵子提供を考えたことがある人に、どんな時に考えたのか聞いたところ、治療の結果がうまくいかなかった時というコメントが多数を占めていました。 順調だった生理が突然不定期になり、あれ?と思って病院へ行くと、「早発閉経」と言われました。その後、不妊治療を続けても、採卵すらできないまま、年齢だけがどんどん上がっていきました。子どもを望んでいた夫は、私を責めることはありませんでしたが、家族連れの姿を羨ましそうに見ている夫を見ていると、申し訳ない気持ちが強くなっていきました。その時、自分の卵子でなくてもせめて夫の遺伝子を引きついた子を授かれるのなら…と卵子提供を考えました。(とーりゅさん・40歳) 生理開始からずっと生理不順で病院に通い、低用量ピルなどで生理を起こしていました。その間基礎体温を計測しても二層にならず、血液検査やエコー等行ったところ、排卵がないと言われました。当時は学生でしたが、妊娠を希望するときには早めに治療をしていきましょうと言われました。とても悲しい気持ちと、早くわかってよかったという気持ちで、複雑でしたが、自分なりにいろいろ調べ、卵子提供もひとつの方法として考えました。私の場合、生理はずっときませんでしたが、自然に妊娠することができ、先月出産しました。奇跡だと思いました。自分ではどうすることもできないまま諦めるしかないのは、あまりに辛いと思います。方法があるのであれば、広く普及してほしいと思います。(みゆきちさん・23歳) 不妊治療が失敗続きでなかなか結果が出なかったとき。体外受精にステップアップする前。体外受精を何回もして授からなかったら、資金の残ってるうちにタイに行く方法もあるなと思っていた。(なっつんさん・37歳) 野田聖子さんの本を読んで考えさせられた。望んでも恵まれないことを考えると海外へ行ってでも欲しい気持ちは痛いほどわかる。本を読み、いろいろ調べたりした。(むまふさん・30歳) 体外受精を繰り返しても妊娠が継続できなかった時(めいさん・42歳) 体外受精の結果がなかなか出なかったとき(はっさくさん・37歳) 体外受精をしても授からなかった場合に選択肢の一つとして考えた(どらりえもんさん・33歳) 早発閉経で卵胞が育たなくなってきたとき(匿名希望・39歳) 早発閉経と診断された時(えみっちょさん・39歳) 治療を始めた時にダメだった時の事を考えて選択肢の一つとして考えた(みみみのさらさん・41歳) 自分の卵子の質がわるく受精に至らないため、妹のを提供してもらえればと考えたことがある。(まつさん・39歳) 自分自身に、卵子がないと医師から告げられ卵子提供の選択もあると聞かされたとき(さとさん・25歳) 何度も顕微授精後の移植で失敗した時。年齢的にも40歳になっており、良い卵子が取れず悩んでいた時だった。(kisaluさん・41歳) 何度受精卵を移植しても妊娠しない時。歳を感じる時。空胞が増えたり、受精卵が育たなかったり、衰えを感じる時。(Koalaさん・44歳) AMHの数値が低く、自分の卵子では妊娠できないかもしれないと思った時に医師に相談した。(サリオさん・46歳) 卵子提供について考える(1) はこちら 卵子提供について考える(3) はこちら 最先端で治療するドクターの見解をインタビュー(4月24日更新予定) 卵子提供による不妊治療で妊娠・出産したAさん インタビュー(5月初旬予定) 関連記事: 《 卵子提供、考えたことありますか?(彼女たちの広場) 》 《 不妊治療と卵子提供、医師が語るその現状と課題(Jineko.net/2012年冬号) 》 《 海外レポート!卵子提供の現場に迫る(特別号カランタン/2014年冬) 》 不妊治療経験者の3割が卵子提供による不妊治療を検討したことがある 前回「卵子提供について考える(1)」では、法律による規制の考えにいてジネコアンケートに答えていただいた方のほとんどが容認すべきという意見であることが分かりました。今回は、実際にどれくらいの方が、卵子提供による不妊治療を考えたことがあるかその実態をレポートいたします。 約3割の方が卵子提供による不妊治療を考えたことがある ジネコアンケートでは、約3割の方が卵子提供による不妊治療を考えたことがあるという結果になりました(グラフ4)。年齢階層別でみると、やはり高齢になるほど、検討する方の割合が増えています。(グラフ5) また、そのうち半数の方が海外やエージェントを通じた卵子提供による不妊治療について調べたことがあると答えており、日本で課題が浮き彫りになりました。 卵子提供について検討したのは、何度治療をしても結果がでなかったとき 卵子提供を考えたことがある人に、どんな時に考えたのか聞いたところ、治療の結果がうまくいかなかった時というコメントが多数を占めていました。 順調だった生理が突然不定期になり、あれ?と思って病院へ行くと、「早発閉経」と言われました。その後、不妊治療を続けても、採卵すらできないまま、年齢だけがどんどん上がっていきました。子どもを望んでいた夫は、私を責めることはありませんでしたが、家族連れの姿を羨ましそうに見ている夫を見ていると、申し訳ない気持ちが強くなっていきました。その時、自分の卵子でなくてもせめて夫の遺伝子を引きついた子を授かれるのなら…と卵子提供を考えました。(とーりゅさん・40歳) 生理開始からずっと生理不順で病院に通い、低用量ピルなどで生理を起こしていました。その間基礎体温を計測しても二層にならず、血液検査やエコー等行ったところ、排卵がないと言われました。当時は学生でしたが、妊娠を希望するときには早めに治療をしていきましょうと言われました。とても悲しい気持ちと、早くわかってよかったという気持ちで、複雑でしたが、自分なりにいろいろ調べ、卵子提供もひとつの方法として考えました。私の場合、生理はずっときませんでしたが、自然に妊娠することができ、先月出産しました。奇跡だと思いました。自分ではどうすることもできないまま諦めるしかないのは、あまりに辛いと思います。方法があるのであれば、広く普及してほしいと思います。(みゆきちさん・23歳) 不妊治療が失敗続きでなかなか結果が出なかったとき。体外受精にステップアップする前。体外受精を何回もして授からなかったら、資金の残ってるうちにタイに行く方法もあるなと思っていた。(なっつんさん・37歳) 野田聖子さんの本を読んで考えさせられた。望んでも恵まれないことを考えると海外へ行ってでも欲しい気持ちは痛いほどわかる。本を読み、いろいろ調べたりした。(むまふさん・30歳) 体外受精を繰り返しても妊娠が継続できなかった時(めいさん・42歳) 体外受精の結果がなかなか出なかったとき(はっさくさん・37歳) 体外受精をしても授からなかった場合に選択肢の一つとして考えた(どらりえもんさん・33歳) 早発閉経で卵胞が育たなくなってきたとき(匿名希望・39歳) 早発閉経と診断された時(えみっちょさん・39歳) 治療を始めた時にダメだった時の事を考えて選択肢の一つとして考えた(みみみのさらさん・41歳) 自分の卵子の質がわるく受精に至らないため、妹のを提供してもらえればと考えたことがある。(まつさん・39歳) 自分自身に、卵子がないと医師から告げられ卵子提供の選択もあると聞かされたとき(さとさん・25歳) 何度も顕微授精後の移植で失敗した時。年齢的にも40歳になっており、良い卵子が取れず悩んでいた時だった。(kisaluさん・41歳) 何度受精卵を移植しても妊娠しない時。歳を感じる時。空胞が増えたり、受精卵が育たなかったり、衰えを感じる時。(Koalaさん・44歳) AMHの数値が低く、自分の卵子では妊娠できないかもしれないと思った時に医師に相談した。(サリオさん・46歳) 卵子提供について考える(1) はこちら 卵子提供について考える(3) はこちら 最先端で治療するドクターの見解をインタビュー(4月24日更新予定) 卵子提供による不妊治療で妊娠・出産したAさん インタビュー(5月初旬予定) 関連記事: 《 卵子提供、考えたことありますか?(彼女たちの広場) 》 《 不妊治療と卵子提供、医師が語るその現状と課題(Jineko.net/2012年冬号) 》 《 海外レポート!卵子提供の現場に迫る(特別号カランタン/2014年冬) 》
2015.4.2
コラム 不妊治療
-
卵子提供について考える(1)
卵子提供による不妊治療、法律で容認すべき? 日本では体外受精やその関連技術に関する法規制がなく、日本産科婦人科学会では、法律上の夫婦以外の卵子を使っての体外受精を認めておりません。そのため、卵子の老化による不妊が深刻化する中、卵子提供を求めて海外に渡航する夫婦が増えています。生殖医療の法整備は急務ですが、賛否両論ありまだまだ時間がかかりそうです。 そこでジネコ編集部では、ジネコ読者の卵子提供に対する考えを把握すべく、アンケートを実施。その結果をレポートいたします。 95%が法律で卵子提供を容認、または限定的に容認すべき ジネコアンケートでは、回答者の17%が法律で卵子提供を全面的に容認すべき、78%が限定的に容認すべきという意見でした。(※グラフ1) どのようなケースで卵子提供による治療を容認すべきか聞いたところ、病気や抗がん剤治療によって卵巣機能が低下した場合は容認すべきとの意見が多数だったのに対し、年齢的な要因の場合は意見の分かれる結果となりました。(※グラフ2) 年齢階層別に見ると、40歳以上の方は高齢による要因であっても卵子提供を容認すべきという方の比率が増えています。(※グラフ3) ・ジネコ会員へのメールによるWEBアンケート ・回答数 205名(全て女性) ・実地日:2015年3月13日〜3月26日 (アンケートに答えていただいた方の90%は不妊治療経験者、平均年齢38歳) 容認すべき(どのような場合も認める)と答えた人の声 卵子提供は海外だから危険だと聞いたことがある。日本でも可能になればより安心できるのではないかと思う。(むまふさん・30歳) 子供が欲しいのに治療してもなかなか授かれず、高額治療の為諦めなくてはいけない現状。なぜここまで苦しまなくていけないのでしょうか。(匿名・43歳) 私は、そろそろ決断の時期に来ています。このつらさを誰が、消し去ってくれるでしょうか?乗り越えるまでが、大変です。今も苦しいです。少しでも、希望がほしいです。卵子提供が少しでも広く認知されて、治療が受けられる日が来るとしたら、少子化もなくなり、もっと未来は明るいと思います。(nonさん・41歳) 日本では認められていない治療だけに難しいとは思いますが、現在の卵子提供事情など、わかりやすい資料やHPなどあればうれしいです。(匿名・44歳) 卵子提供に関する正しい情報をもっと広げるべき。(カメさん・30歳) 卵子、精子は老化するということを、学校教育でしっかり指導するべき。(三毛猫さん・46歳) 限定的に容認(医学的に妊娠の方法がない夫婦に限り認める)と答えた人の声 理想としては限定的に認められればと思うが、実際にその線引きは難しいのではないだろうか。卵子提供を現実的に行っていくことに対して多くの人の理解を得るためには、リスクやマイナス面も含めて、もう少し慎重に多くの世代に議論させるべきだと思う。(チャロさん・25歳) 海外渡航で卵子提供を受ける人がいる現状を踏まえれば、日本の法律で認めて行えるようにした方が安全と思う。健康な卵子をもらえるものならもらいたい。ぜひ法律で認めてほしい。(匿名・36歳) 正直、自分が早発閉経でなかったら、卵子提供自体、自分に身近なことではありません。その立場だったら、反対だったと思います。ただ、誰の卵子であっても育て方次第でどうにでも…という考えは甘いと思います。生まれつき、先天性の特性があり、それは育て方の良い悪いでどうにもならない部分もあるからです。卵子提供を受けるということは、そういうことも受け入れて生むという覚悟が必要なことであり、たやすく選んでよい選択肢ではないと思います。(とーりゅさん・40歳) 卵子提供に限らず、不妊治療により、自然で妊娠できなかった人も生むことができる時代になったので、出自も色々あっても良いと思う。それも個性だといえる時代になってほしい(midoさん・38歳) 顕微受精を経て妊娠し出産しました。そしてその子を乳幼児突然死症候群で亡くしました。ここまでしても、最後は命というものは神の領域であって、人間が科学の力で超えようとしてはいけないのではないかと思うようになりました。自然淘汰にまさる選別方法はないように思うのです。流産手術もしました。辛かった。育たない命を無理やり体の外で育て、結果、流産する。命ってなんだ、と悩み抜きました。(ソーニャさん・40歳) 不妊治療中は、本当に精神的に大変でした。なかなか人には言えず、治療のため、会社を休んだりしなければならなかったので…。高齢出産になってしまった自分に責任があるという思いもあるのですが、若い頃は仕事にやりがいを感じ、子どもを持つ事など考えてもいませんでした。仕事が面白くなり始める30歳前後の女性は、同じように感じている人が多いのではないでしょうか。そういう女性には、仕事は年をとってもできるけど、子どもが生めるのは期間が限られるということを強く言いたいです。(rinrinさん・42歳) 日本はほぼ単一民族で島国な為か、血縁関係のこだわりが強い社会だと思うが、これから人口減少が確実な中で、移民の受け入れ等と同じく卵子提供などの問題も国が検討すべき課題だと思う。ジネコのような団体が積極的に活動して、社会の意識が変化することを願っています。(アリーさん・34歳) 女性なら子どもが埋めて当たり前のように思う方もたくさんいると思いますが、そうじゃないです。そうじゃないんだということを多くの人に知ってほしいと思います。赤ちゃんができることは本当に素晴らしいことです。多様な選択ができるようになることを願います。(みゆきちさん・23歳) たとえ他人の遺伝子でも、やはり本能でもある産み育てたい気持ちを簡単に捨てる事は難しいだろうと思う。女としては法整備して欲しい。でも、子供の立場だとしたら可能であって欲しくは無い…かな。(凛さん・30歳) 漠然と卵子提供について考えたのみなので、まだよく分からないが、不妊治療を長年続けた夫婦が、夫の遺伝子だけでも残したいと卵子提供を選択する気持ちは分かる。その選択をした人について批判する気持ちはない。しかし、自分に当てはめた時に、自分と血のつながらない子供が胎内に宿ることに違和感を感じるかもしれないと思う。でもやはり、出産育児をしたいという気持ちは強いので、最終的にいつか卵子提供を調べるかもしれないと思う。(匿名・39歳) 産まれたてくる子供達の立場も考えないとですね。(三日月さん・39歳) わたしは悩まず、一人目を出産しましたが、妊娠後期で夫から「実は精子の運動率がすごく低くて、子供はできないと思ってた」と言われました。わたし自身もこういったことを知ることはとても大切なことなのかと思います。(べえさん・27歳) 自分の旦那が他人の卵子と受精する事を考えたとき、自分のお腹で育てても自分の遺伝子ではない。それでもいいから私は希望したいが、旦那は2人の子でないなら要らないといっている。(まつさん・39歳) 卵子提供は、調べてもなかなか金額が書いていません。また、血液型や容姿など、提供者の情報がどれくらい教えてもらえるのかがわかりません。また、そのエージェントの信頼度がわからず、足を踏み出せません。ジネコや赤ちゃんが欲しいなど雑誌など公平な立場で、エージェントの比較や海外のホテルや病院などの施設情報があると、検討しやすいと思います。(うっちーさん・44歳) 本当に子供を授かりたいと思う夫婦のみが精一杯考えた結果なら卵子提供も必要ではないかと思う。(マサンさん・39歳) クリニックの不妊治療や体外受精の説明会で、淡々と事務的に卵子提供やそのための渡航について説明されていたことにびっくりした。現在、基本的には、自分の卵子以外の妊娠出産は考えられないので、このまま不妊治療を続けて、妊娠出産を目指したい。年齢を重ねていくので、今後が不安だが、自分自身の健康に気をつけていつまでも若く元気で過ごせるように心がけている。さらなる生殖医療の進歩を願っています。(れいこさん・45歳) 1)母体が妊娠・出産に耐えられる。2)夫婦が生まれた子供を成人になるまで一般的な環境で養育できる。3)子どもの「出自を知る権利」が保障される。以上三点がクリアできるのであれば、背景云々は別として容認しても良いと思います。(reiさん・48歳) 望まない妊娠で生まれ不幸になる子どもがいて、望むんでも授かることができない夫婦がいる、世の中の矛盾に日本の未来が暗くなる…と感じることがあります。産まれてくる子どもが幸せになる国であって欲しいです。(匿名・42歳) 卵子を提供したとしても、受精卵になるかどうかも分かりませんからね…(はるさん・42歳) 子どもを授かり、産みたいと思う気持ちは否定することは出来ないし、その気持ちはとても大切だと思うが、医療技術の発達によって自然の摂理を超えてしまうことには抵抗がある。 例えば、お妾さんに産ませた子を育てると言うことはこれまでもあったと思うが、それは産まれた子どもは誰の子かはっきりと分かっている。しかし、誰から提供されたのか不明な卵子(や精子)で生まれた子どもの出自を知る権利がないがしろにされてしまうなら、それは親自身の産みたいというエゴイズムだけになってしまうと思う。 卵子提供でも妊娠出産は100%成功するわけではないし、母体へのリスクもあるということを周知すること、非配偶者間の卵子提供により産まれてきた子どもの心と身体の健やかな成長を守れるルール作りが成されること、子育てすることに悩みは付き物なので両親と子の精神的なケアや一生悩みを背負う覚悟についても熟考されるべきで、安易に技術だけを利用すべきではないと思う。 私は体外受精の治療をするだけでもかなり大変だったのでそのように考えます。(suiさん・36歳) 前面禁止と答えた人の声 もしも卵子提供や精子提供で生まれた子には、絶対に口が裂けても教えてはならないと思う。教えると言う事は自分の中で消化しきれていないから。全て自分の中でデリートされていたら、自分の子であるとしか思えないはずなので、そんな事は忘れるくらい本気でないならするべきではない。子どもはペットじゃない。その子の人生においてすべての責任を背負う覚悟があるのか。病気では生まれたら受け入れられないから、着床前診断、新型出生前検査をして、NGなら捨てるようなお人形さん感覚で、子どもを産み育てる資格があるとは思えない。ムリ!!!(五児ママさん・44歳) 法律で定めず、現状維持(学会でのガイドラインのみ)と答えた人の声 自分としては、自分の子供でないなら、子供は必要ないと思っています。親のエゴに過ぎない…生命を道具にするような気がする。そんな権利が人間にあるのかと思ってしまう。自分の欲求を満たすためなら子供に申し訳ないと思う。ただ人それぞれなので、どうしても跡取りが必要なら、せめて自分のお腹を痛めた子でだんなの遺伝子を持っている方が良いと思う。そう思う反面、産まれてしまった命を助け養子縁組した方が良いのかもしれないとも思います。(みぴーさん・42歳) 43歳で妊娠44歳でシングルマザーで出産しました。若い頃から全く子供に興味なく過ごし 、アクシデント的な出産でしたが、今は子供がいてくれて良かったです。欧米のいうに血の繋がりばかりこだわるのでなく、子供が欲しい人達には子供を育てて欲しい。(あんさん・47歳) その後を負うのは難しいけれど、もっと考える場所があればいいと思う(みぐさん・42歳) 卵子提供について考える(2) はこちら卵子提供について考える(3) はこちら 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.26 2015 Summer≫ マガジンの記事がすべてご覧いただけます! 卵子提供による不妊治療、法律で容認すべき? 日本では体外受精やその関連技術に関する法規制がなく、日本産科婦人科学会では、法律上の夫婦以外の卵子を使っての体外受精を認めておりません。そのため、卵子の老化による不妊が深刻化する中、卵子提供を求めて海外に渡航する夫婦が増えています。生殖医療の法整備は急務ですが、賛否両論ありまだまだ時間がかかりそうです。 そこでジネコ編集部では、ジネコ読者の卵子提供に対する考えを把握すべく、アンケートを実施。その結果をレポートいたします。 95%が法律で卵子提供を容認、または限定的に容認すべき ジネコアンケートでは、回答者の17%が法律で卵子提供を全面的に容認すべき、78%が限定的に容認すべきという意見でした。(※グラフ1) どのようなケースで卵子提供による治療を容認すべきか聞いたところ、病気や抗がん剤治療によって卵巣機能が低下した場合は容認すべきとの意見が多数だったのに対し、年齢的な要因の場合は意見の分かれる結果となりました。(※グラフ2) 年齢階層別に見ると、40歳以上の方は高齢による要因であっても卵子提供を容認すべきという方の比率が増えています。(※グラフ3) ・ジネコ会員へのメールによるWEBアンケート ・回答数 205名(全て女性) ・実地日:2015年3月13日〜3月26日 (アンケートに答えていただいた方の90%は不妊治療経験者、平均年齢38歳) 容認すべき(どのような場合も認める)と答えた人の声 卵子提供は海外だから危険だと聞いたことがある。日本でも可能になればより安心できるのではないかと思う。(むまふさん・30歳) 子供が欲しいのに治療してもなかなか授かれず、高額治療の為諦めなくてはいけない現状。なぜここまで苦しまなくていけないのでしょうか。(匿名・43歳) 私は、そろそろ決断の時期に来ています。このつらさを誰が、消し去ってくれるでしょうか?乗り越えるまでが、大変です。今も苦しいです。少しでも、希望がほしいです。卵子提供が少しでも広く認知されて、治療が受けられる日が来るとしたら、少子化もなくなり、もっと未来は明るいと思います。(nonさん・41歳) 日本では認められていない治療だけに難しいとは思いますが、現在の卵子提供事情など、わかりやすい資料やHPなどあればうれしいです。(匿名・44歳) 卵子提供に関する正しい情報をもっと広げるべき。(カメさん・30歳) 卵子、精子は老化するということを、学校教育でしっかり指導するべき。(三毛猫さん・46歳) 限定的に容認(医学的に妊娠の方法がない夫婦に限り認める)と答えた人の声 理想としては限定的に認められればと思うが、実際にその線引きは難しいのではないだろうか。卵子提供を現実的に行っていくことに対して多くの人の理解を得るためには、リスクやマイナス面も含めて、もう少し慎重に多くの世代に議論させるべきだと思う。(チャロさん・25歳) 海外渡航で卵子提供を受ける人がいる現状を踏まえれば、日本の法律で認めて行えるようにした方が安全と思う。健康な卵子をもらえるものならもらいたい。ぜひ法律で認めてほしい。(匿名・36歳) 正直、自分が早発閉経でなかったら、卵子提供自体、自分に身近なことではありません。その立場だったら、反対だったと思います。ただ、誰の卵子であっても育て方次第でどうにでも…という考えは甘いと思います。生まれつき、先天性の特性があり、それは育て方の良い悪いでどうにもならない部分もあるからです。卵子提供を受けるということは、そういうことも受け入れて生むという覚悟が必要なことであり、たやすく選んでよい選択肢ではないと思います。(とーりゅさん・40歳) 卵子提供に限らず、不妊治療により、自然で妊娠できなかった人も生むことができる時代になったので、出自も色々あっても良いと思う。それも個性だといえる時代になってほしい(midoさん・38歳) 顕微受精を経て妊娠し出産しました。そしてその子を乳幼児突然死症候群で亡くしました。ここまでしても、最後は命というものは神の領域であって、人間が科学の力で超えようとしてはいけないのではないかと思うようになりました。自然淘汰にまさる選別方法はないように思うのです。流産手術もしました。辛かった。育たない命を無理やり体の外で育て、結果、流産する。命ってなんだ、と悩み抜きました。(ソーニャさん・40歳) 不妊治療中は、本当に精神的に大変でした。なかなか人には言えず、治療のため、会社を休んだりしなければならなかったので…。高齢出産になってしまった自分に責任があるという思いもあるのですが、若い頃は仕事にやりがいを感じ、子どもを持つ事など考えてもいませんでした。仕事が面白くなり始める30歳前後の女性は、同じように感じている人が多いのではないでしょうか。そういう女性には、仕事は年をとってもできるけど、子どもが生めるのは期間が限られるということを強く言いたいです。(rinrinさん・42歳) 日本はほぼ単一民族で島国な為か、血縁関係のこだわりが強い社会だと思うが、これから人口減少が確実な中で、移民の受け入れ等と同じく卵子提供などの問題も国が検討すべき課題だと思う。ジネコのような団体が積極的に活動して、社会の意識が変化することを願っています。(アリーさん・34歳) 女性なら子どもが埋めて当たり前のように思う方もたくさんいると思いますが、そうじゃないです。そうじゃないんだということを多くの人に知ってほしいと思います。赤ちゃんができることは本当に素晴らしいことです。多様な選択ができるようになることを願います。(みゆきちさん・23歳) たとえ他人の遺伝子でも、やはり本能でもある産み育てたい気持ちを簡単に捨てる事は難しいだろうと思う。女としては法整備して欲しい。でも、子供の立場だとしたら可能であって欲しくは無い…かな。(凛さん・30歳) 漠然と卵子提供について考えたのみなので、まだよく分からないが、不妊治療を長年続けた夫婦が、夫の遺伝子だけでも残したいと卵子提供を選択する気持ちは分かる。その選択をした人について批判する気持ちはない。しかし、自分に当てはめた時に、自分と血のつながらない子供が胎内に宿ることに違和感を感じるかもしれないと思う。でもやはり、出産育児をしたいという気持ちは強いので、最終的にいつか卵子提供を調べるかもしれないと思う。(匿名・39歳) 産まれたてくる子供達の立場も考えないとですね。(三日月さん・39歳) わたしは悩まず、一人目を出産しましたが、妊娠後期で夫から「実は精子の運動率がすごく低くて、子供はできないと思ってた」と言われました。わたし自身もこういったことを知ることはとても大切なことなのかと思います。(べえさん・27歳) 自分の旦那が他人の卵子と受精する事を考えたとき、自分のお腹で育てても自分の遺伝子ではない。それでもいいから私は希望したいが、旦那は2人の子でないなら要らないといっている。(まつさん・39歳) 卵子提供は、調べてもなかなか金額が書いていません。また、血液型や容姿など、提供者の情報がどれくらい教えてもらえるのかがわかりません。また、そのエージェントの信頼度がわからず、足を踏み出せません。ジネコや赤ちゃんが欲しいなど雑誌など公平な立場で、エージェントの比較や海外のホテルや病院などの施設情報があると、検討しやすいと思います。(うっちーさん・44歳) 本当に子供を授かりたいと思う夫婦のみが精一杯考えた結果なら卵子提供も必要ではないかと思う。(マサンさん・39歳) クリニックの不妊治療や体外受精の説明会で、淡々と事務的に卵子提供やそのための渡航について説明されていたことにびっくりした。現在、基本的には、自分の卵子以外の妊娠出産は考えられないので、このまま不妊治療を続けて、妊娠出産を目指したい。年齢を重ねていくので、今後が不安だが、自分自身の健康に気をつけていつまでも若く元気で過ごせるように心がけている。さらなる生殖医療の進歩を願っています。(れいこさん・45歳) 1)母体が妊娠・出産に耐えられる。2)夫婦が生まれた子供を成人になるまで一般的な環境で養育できる。3)子どもの「出自を知る権利」が保障される。以上三点がクリアできるのであれば、背景云々は別として容認しても良いと思います。(reiさん・48歳) 望まない妊娠で生まれ不幸になる子どもがいて、望むんでも授かることができない夫婦がいる、世の中の矛盾に日本の未来が暗くなる…と感じることがあります。産まれてくる子どもが幸せになる国であって欲しいです。(匿名・42歳) 卵子を提供したとしても、受精卵になるかどうかも分かりませんからね…(はるさん・42歳) 子どもを授かり、産みたいと思う気持ちは否定することは出来ないし、その気持ちはとても大切だと思うが、医療技術の発達によって自然の摂理を超えてしまうことには抵抗がある。 例えば、お妾さんに産ませた子を育てると言うことはこれまでもあったと思うが、それは産まれた子どもは誰の子かはっきりと分かっている。しかし、誰から提供されたのか不明な卵子(や精子)で生まれた子どもの出自を知る権利がないがしろにされてしまうなら、それは親自身の産みたいというエゴイズムだけになってしまうと思う。 卵子提供でも妊娠出産は100%成功するわけではないし、母体へのリスクもあるということを周知すること、非配偶者間の卵子提供により産まれてきた子どもの心と身体の健やかな成長を守れるルール作りが成されること、子育てすることに悩みは付き物なので両親と子の精神的なケアや一生悩みを背負う覚悟についても熟考されるべきで、安易に技術だけを利用すべきではないと思う。 私は体外受精の治療をするだけでもかなり大変だったのでそのように考えます。(suiさん・36歳) 前面禁止と答えた人の声 もしも卵子提供や精子提供で生まれた子には、絶対に口が裂けても教えてはならないと思う。教えると言う事は自分の中で消化しきれていないから。全て自分の中でデリートされていたら、自分の子であるとしか思えないはずなので、そんな事は忘れるくらい本気でないならするべきではない。子どもはペットじゃない。その子の人生においてすべての責任を背負う覚悟があるのか。病気では生まれたら受け入れられないから、着床前診断、新型出生前検査をして、NGなら捨てるようなお人形さん感覚で、子どもを産み育てる資格があるとは思えない。ムリ!!!(五児ママさん・44歳) 法律で定めず、現状維持(学会でのガイドラインのみ)と答えた人の声 自分としては、自分の子供でないなら、子供は必要ないと思っています。親のエゴに過ぎない…生命を道具にするような気がする。そんな権利が人間にあるのかと思ってしまう。自分の欲求を満たすためなら子供に申し訳ないと思う。ただ人それぞれなので、どうしても跡取りが必要なら、せめて自分のお腹を痛めた子でだんなの遺伝子を持っている方が良いと思う。そう思う反面、産まれてしまった命を助け養子縁組した方が良いのかもしれないとも思います。(みぴーさん・42歳) 43歳で妊娠44歳でシングルマザーで出産しました。若い頃から全く子供に興味なく過ごし 、アクシデント的な出産でしたが、今は子供がいてくれて良かったです。欧米のいうに血の繋がりばかりこだわるのでなく、子供が欲しい人達には子供を育てて欲しい。(あんさん・47歳) その後を負うのは難しいけれど、もっと考える場所があればいいと思う(みぐさん・42歳) 卵子提供について考える(2) はこちら卵子提供について考える(3) はこちら 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.26 2015 Summer≫ マガジンの記事がすべてご覧いただけます!
2015.3.25
コラム 不妊治療
-
海外レポート:生殖補助医療の現状【スペイン編】
海外レポート:生殖補助医療の現状【スペイン編】 法整備がなかなか進まない日本を飛び出し、海外で治療する人も出てきた卵子提供。金銭や治療トラブルも多いと言われるのが現状です。そこで、法整備が進んでいるスペインのクリニック「Clinica EUGIN」に、卵子提供の実態を取材してみました。 まずは、クリニックの概要を教えてください 当院では、タイミング法、人工受精、体外受精など、スペインで法律によって許可されている全ての治療を行っています。中でも、当院の名前が世界に知られることとなったのは、HIVの患者様の精液を洗浄し、HIVウイルスを完全に除去した後、体外受精に成功したという、その確かな技術です。 卵子提供を伴う治療においても、ヨーロッパ全体で行われている治療の約10%を当院が担っており、とても国際的なクリニックです。スタッフは全部で200人以上、各言語を話すコーディネーターや専門のカウンセリングスタッフもいて、心理的なケアも万全。もちろん日本語が話せるコーディネーターもいます。 卵子を提供するドナーについて、どんな方々が登録されているのか教えてください さまざまな人種や国籍のドナーが登録していますが、スペインの法律では、卵子提供者は完全に匿名で自発的そして利他的であり、身体的特徴を最優先させたマッチングが義務付けられています。クリニックから卵子提供を受ける患者様にお教えできるのはドナーの年齢と血液型のみ。写真をお見せしたり、国籍をお教えすることも、禁じられています。 医学的には、胚移植を受ける女性と卵子を提供するドナーとの血液型が違ってもまったく問題ないのですが、日本をはじめとするいくつかの国では、血液型の一致をご希望される方が多く、その場合は、身体的特徴を最優先したうえで、同じ血液型のドナーを探すようにしています。 しかし、国籍や人種を指定してしまうと、逆に条件を狭めてしまうことになります。同じ日本人でもいろいろなお顔だち、身体的特徴がありますので、国籍や人種のしばりをなくし、お顔立ちや目の雰囲気、肌の色、髪の色、身長、体重などといった身体的特徴が純粋に似ている方、という探し方のほうが、より良いマッチングができると考えています。 もちろん、アジア系の患者様の場合には、アジア系やその近隣諸国からのマッチングが多くなります。ただし、たとえばアメリカや南米出身の方でも、ご先祖にアジア出身の方がいらっしゃって、患者様と身体的特徴がよく似ている、という場合は、そちらのほうをマッチングする場合があります。 日本から治療に行く場合のスケジュールは? 「キーワードで検索して見つけました」という方が多く、WEBサイトのコンタクトフォームからお問い合わせいただくのが最も多いファーストコンタクトの方法です。その後、何度かやりとりをして実際に卵子提供を受けるということになった場合、診察は初診と胚移植時の2回だけ。初診はスカイプを使っても行うことが可能です。スカイプでの初診をご希望される場合には、事前に必要な書類にすべてご記入いただき、郵送を。必要書類が揃った時点で、スカイプを設定し、初診を行います。その後、実際に来院していただき、ご主人の精子のサンプルをご提出後、胚移植を実施。凍結卵子を使用する場合など、もろもろ条件をクリアする必要はありますが、最短だと日本からの渡航は1回、滞在期間は3~5日間ぐらいですむことになります。 最後に、日本のみなさんにメッセージをください やはり、医師としてアドバイスしたいのは、卵子提供が必要になってしまう前に、妊娠できる環境を整えられること。もう少し早い段階で、妊娠について考えられることが当然ながら一番だと思います。 そのうえで、卵子提供がもしも必要になってしまった場合には、実績のあるクリニック、信頼できる専門の医師に相談を。クリニック選びは、法律が整備されている国か、実績のある卵子提供プログラムを備えているかなど、情報収集をしっかりされることが重要です。治療中に大きな心理的負担を感じる方もいらっしゃいますので、専門のカウンセラーがいるなども、いいクリニックの条件かと思います。 卵子提供を受けたからといって、特別なリスクが上がるということではありませんが、どうしても患者様の平均年齢が高くなりがちなので、その分、妊娠のリスクが高くなります。健康的な生活を送って、健康な状態でいらっしゃるというのも、大切なポイントだと思います。 Dr. Amelia Rodriguez 2000年にセビリア大学医学部を卒業後、臨床研修期間を経て2006年より生殖補助医療専門医として勤務。2010年よりEUGINクリニックの生殖補助医療専門医となり、スペイン語、英語、フランス語での診察を担当。現在は、当院医療責任者に就任。 Clinica EUGIN 293-295 - Travessera de les Corts, 322 (08029) Barcelona Tel:+34 93 322 11 22 mail(日本語):infojp@eugin.es HP:http://www.eugin.jp/ 海外レポート:生殖補助医療の現状【スペイン編】 法整備がなかなか進まない日本を飛び出し、海外で治療する人も出てきた卵子提供。金銭や治療トラブルも多いと言われるのが現状です。そこで、法整備が進んでいるスペインのクリニック「Clinica EUGIN」に、卵子提供の実態を取材してみました。 まずは、クリニックの概要を教えてください 当院では、タイミング法、人工受精、体外受精など、スペインで法律によって許可されている全ての治療を行っています。中でも、当院の名前が世界に知られることとなったのは、HIVの患者様の精液を洗浄し、HIVウイルスを完全に除去した後、体外受精に成功したという、その確かな技術です。 卵子提供を伴う治療においても、ヨーロッパ全体で行われている治療の約10%を当院が担っており、とても国際的なクリニックです。スタッフは全部で200人以上、各言語を話すコーディネーターや専門のカウンセリングスタッフもいて、心理的なケアも万全。もちろん日本語が話せるコーディネーターもいます。 卵子を提供するドナーについて、どんな方々が登録されているのか教えてください さまざまな人種や国籍のドナーが登録していますが、スペインの法律では、卵子提供者は完全に匿名で自発的そして利他的であり、身体的特徴を最優先させたマッチングが義務付けられています。クリニックから卵子提供を受ける患者様にお教えできるのはドナーの年齢と血液型のみ。写真をお見せしたり、国籍をお教えすることも、禁じられています。 医学的には、胚移植を受ける女性と卵子を提供するドナーとの血液型が違ってもまったく問題ないのですが、日本をはじめとするいくつかの国では、血液型の一致をご希望される方が多く、その場合は、身体的特徴を最優先したうえで、同じ血液型のドナーを探すようにしています。 しかし、国籍や人種を指定してしまうと、逆に条件を狭めてしまうことになります。同じ日本人でもいろいろなお顔だち、身体的特徴がありますので、国籍や人種のしばりをなくし、お顔立ちや目の雰囲気、肌の色、髪の色、身長、体重などといった身体的特徴が純粋に似ている方、という探し方のほうが、より良いマッチングができると考えています。 もちろん、アジア系の患者様の場合には、アジア系やその近隣諸国からのマッチングが多くなります。ただし、たとえばアメリカや南米出身の方でも、ご先祖にアジア出身の方がいらっしゃって、患者様と身体的特徴がよく似ている、という場合は、そちらのほうをマッチングする場合があります。 日本から治療に行く場合のスケジュールは? 「キーワードで検索して見つけました」という方が多く、WEBサイトのコンタクトフォームからお問い合わせいただくのが最も多いファーストコンタクトの方法です。その後、何度かやりとりをして実際に卵子提供を受けるということになった場合、診察は初診と胚移植時の2回だけ。初診はスカイプを使っても行うことが可能です。スカイプでの初診をご希望される場合には、事前に必要な書類にすべてご記入いただき、郵送を。必要書類が揃った時点で、スカイプを設定し、初診を行います。その後、実際に来院していただき、ご主人の精子のサンプルをご提出後、胚移植を実施。凍結卵子を使用する場合など、もろもろ条件をクリアする必要はありますが、最短だと日本からの渡航は1回、滞在期間は3~5日間ぐらいですむことになります。 最後に、日本のみなさんにメッセージをください やはり、医師としてアドバイスしたいのは、卵子提供が必要になってしまう前に、妊娠できる環境を整えられること。もう少し早い段階で、妊娠について考えられることが当然ながら一番だと思います。 そのうえで、卵子提供がもしも必要になってしまった場合には、実績のあるクリニック、信頼できる専門の医師に相談を。クリニック選びは、法律が整備されている国か、実績のある卵子提供プログラムを備えているかなど、情報収集をしっかりされることが重要です。治療中に大きな心理的負担を感じる方もいらっしゃいますので、専門のカウンセラーがいるなども、いいクリニックの条件かと思います。 卵子提供を受けたからといって、特別なリスクが上がるということではありませんが、どうしても患者様の平均年齢が高くなりがちなので、その分、妊娠のリスクが高くなります。健康的な生活を送って、健康な状態でいらっしゃるというのも、大切なポイントだと思います。 Dr. Amelia Rodriguez 2000年にセビリア大学医学部を卒業後、臨床研修期間を経て2006年より生殖補助医療専門医として勤務。2010年よりEUGINクリニックの生殖補助医療専門医となり、スペイン語、英語、フランス語での診察を担当。現在は、当院医療責任者に就任。 Clinica EUGIN 293-295 - Travessera de les Corts, 322 (08029) Barcelona Tel:+34 93 322 11 22 mail(日本語):infojp@eugin.es HP:http://www.eugin.jp/
2015.2.19
コラム 不妊治療
-
不妊治療と卵子提供、医師が語るその現状と課題(2)
セントマザー産婦人科医院の田中温先生とセント・ルカ産婦人科の宇津宮隆史先生に卵子提供のあり方や、進むべき方向性について、引き続き白熱した議論を交わしていただきました。
2015.2.18
コラム 不妊治療
-
不妊治療と卵子提供、医師が語るその現状と課題(1)
自身の卵子では妊娠に至らないという状況に直面した時に、卵子提供という選択肢はあるのか、そして、医療現場ではどのように考えられているのか、セントマザー産婦人科医院の田中温先生と、セント・ルカ産婦人科の宇津宮隆史先生にお話をお聞きしました。
2015.2.18
コラム 不妊治療