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つわり、便秘など妊娠中の体の変化と出産への向き合い方

インタビュー 妊娠・出産

つわり、便秘など妊娠中の体の変化と出産への向き合い方

妊娠中にはさまざまなトラブルが生じます。なかでも代表的なつわりと便秘の対策、そして出産への不安についての乗り切り方を新中野女性クリニックの海老原 肇先生に伺い、わかりやすく解説します。

2018.6.20

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つわりが起こる原因とピーク時期




妊娠をすると、胎盤の一部にある絨毛組織でhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが作られます。


このホルモンは、妊娠を維持できるよう子宮内の環境を整える働きをもっています。


あわせて、胎盤を完成させるために必要なプロゲステロン(黄体ホルモン)というホルモンも増加します。


これらのホルモンが急激に増えてしまうのが、つわりが起こる原因のひとつといわれています。


つわりの時期は個人差が大きいですが、早い人は妊娠5~6週ぐらいから始まり、一般的には妊娠12週を過ぎるとおさまり始めます。


つわりの時期、「〇〇しなきゃ! 」という考えはNG


つわりの時に、「お腹の赤ちゃんのためにも食べなきゃ」と、考えると、食べられないことで自分を追いつめてしまい、余計につらくなります。


つわりの時期は本能にまかせ、気楽に過ごしましょう。


 


 


たとえば、食事の内容についてです。


水分がきちんととれているなら、食べ物は、食べたいものだけで大丈夫です。


また、「朝方が一番気持ち悪い」と、感じる人が多くいるようです。


それは、お腹がすきすぎるとよりいっそう気持ち悪く感じるからです。


そんな時は、夜に小さめのおにぎりを握っておき、寝起きに食べると気持ち悪さが軽減されます。


どうしても何も食べられないほど気持ちの悪い状態が続く時には、医師に相談しましょう。


点滴をして栄養を体内に入れるという方法もあります。


 


 


 


仕事についても同じです。「つわりがひどくて働けない」と感じたら、妊婦健診を受けている医師に相談の上で、休むようにしてください。


妊娠中に便秘が増える原因はさまざま


妊娠中に便秘が増える原因としてはさまざまなものがあります。


まずは、ホルモンの影響です。


 


妊娠に適した状態を保つのに必要で、つわりの原因ともいわれているプロゲステロンは、腸などの動きを鈍くして体に栄養と水分を蓄積しようとするため、便秘がちになります。


また、妊娠初期は、つわりのせいで食事の内容が今までと変わることで、便秘になる場合もあります。


妊娠中~後期になると、大きくなった子宮が腸を圧迫することで便が出づらくなるケースもあります。


このほかにも妊娠したことで運動量が減ったり、ストレスがたまったりするのが便秘の原因となることもあります。


1週間以上排便がなく、つらい時は医師に相談を


「今まで毎日出ていたのに、1~2日おきになったから便秘かも」と思う人もいるかもしれませんが、2日おきの排便であっても、本人が苦しくないなら、特に心配する必要はありません。


1週間以上排便がない、あるいは排便できずに本人がつらいと感じたら医師に相談しましょう。


ただ、あまり過度には気にしないことがポイントです。


妊娠中の便秘を乗り切る方法


排便をうながす働きのある繊維質を積極的にとりましょう。


プルーンにも繊維質が豊富に含まれていますが、プルーンをはじめとした果物は糖分が結構含まれているので、摂取のしすぎには注意が必要です。


さらには、朝、起きたら冷たい水をコップ1杯飲んでください。


寝ている間に失われた水分を補えるだけでなく、胃腸が刺激されて排便されやすくなります。


出産時の痛みに不安を感じたら「無痛」という選択肢がある


つわりや便秘などの妊娠中に起こるトラブルや不安に対して乗り切る方法があるように、出産に対して「健診時の内診でもとても痛い! 」「自分は痛みに弱い」と感じている人には、無痛分娩という方法があります。


 


現在の無痛分娩は、背骨から脊椎の近くにある「硬膜外腔」という部分に麻酔薬を注入し、局所麻酔で出産の痛みを緩和させます。


いきむ行為は普通分娩と同じで、赤ちゃんが産道を通る感覚などもあります。


無痛分娩は、痛みへの不安を取り除けるだけではありません。


痛み逃しの際にかかる筋肉への負担がないので、産後の筋肉痛が少ないというメリットがあります。


また、普通分娩に比べて疲れも少ないので、産んだ後はスムーズに赤ちゃんのお世話をすることができます。
そういった理由から当院で出産をする人の約7割が無痛分娩を選択しています。


 


 


 


●●●まとめ


赤ちゃんを守れるのはお母さんだけ


 


 


赤ちゃんを守れるのは、お母さんしかいません。妊娠中のトラブルや出産の痛みに対して不安や悩みなどがあるなら、医師に相談をして、赤ちゃんにとって最良の選択肢を見つけてあげてくださいね。


お話を伺った先生のご紹介

海老原 肇 先生


産婦人科学会専門医/母体保護法指定医。1988年聖マリアンナ医科大学卒業。1988年聖マリアンナ医科大学大学院卒業、医学博士号取得。1989年聖マリアンナ医大横浜市西部病院周産期センター医長および産婦人科医長を兼務。2001年10月新中野女性クリニック開院。2004年10月医療法人化(医療法人社団千房会)。

≫ 新中野女性クリニック

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