腹腔鏡検査｜不妊検査
コラム 不妊治療
不妊症の原因を見つけ、治療につなげるには、まず体の状態を把握することが不可欠です。そのために、初診から約1カ月をかけて、一般的な検査をします。同じ血液検査でも目的が異なる場合もありますから、何のための検査なのかを理解しておくと、治療への理解も深まるでしょう。また、一般的な検査の後、必要があれば精密検査をする場合もあります。
英ウイメンズクリニック 塩谷 雅英先生
島根医科大学卒業。卒業と同時に京都大学産婦人科に入局。体外受精チームに所属し、不妊治療の臨床の傍ら研究を継続する。1994年から神戸市立中央市民病院に勤務し、顕微授精による赤ちゃん誕生に貢献。2000年3月、英ウィメンズクリニックを開院。
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腹腔鏡検査
不妊の原因をより正確に把握できます
腹腔鏡検査では、卵管采（らんかんさい）や卵管周囲のわずかな癒着、卵管留水腫、初期の子宮内膜症を見つけることができます。一般検査でも不妊の原因が明らかにならない場合や、原因不明で長期の治療が実を結ばない患者さまにも有効です。
検査は腹腔の中に直径3～10mmの筒状の内視鏡を入れて行います。臓器をモニター画面で観察できるため、子宮、卵管、卵巣の様子が一目瞭然となり、内診や超音波検査などではわからない異常を見つけることができます。
検査は短期間の入院を必要とすることがあり、通常、全身麻酔下で手術室で行います。内視鏡や鉗子（かんし）を挿入する
ために、おへその下に2～3カ所の切開を必要としますが、小さな傷なので跡はあまり目立ちません。また、検査後の痛みも少なくてすみます。異常が見つかった場合には、検査に引き続き治療をすることも可能です。
癒着をはがし、病巣を除去するにも有効
腹腔鏡下で行う治療には、以下のようなケースがあります。まず、骨盤や腹腔内に癒着や病巣などの異常がある場合。子宮と付属器の癒着をはがしたり、子宮内膜症の病巣を除去する手術が行われます。次に、卵管や卵管周囲に異常がある場合。卵管が通っているかどうかを確認したり、卵管采や卵管周囲の癒着をはがす手術、子宮外（異所性）妊娠の手術、卵管形成術、卵管切除手術、卵管結紮（らんかんけっさつ）手術も腹腔鏡で行うことができる場合が多いです。
また、卵巣周囲の癒着をはがす、卵巣嚢腫の摘出手術や子宮筋腫の治療をする場合にも腹腔鏡が使われます。排卵が起こりにくくなる多嚢胞性卵巣症候群の焼灼手術にも腹腔鏡が活躍します。
出典：Hanabusa with Jineko.net
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