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低AMHです

専門医Q&A 不妊治療

低AMHです

低AMHのため採卵できる数が少なく、大切にしたいので確実に受精、着床させるための方法と、注意点について赤坂レディースクリニックの下川 理世先生にお話を伺いました。

2021.5.26

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相談者:ぴぴさん(35歳)


前回、体外受精を初めてしました。
低AMHということもあり、クロミッドによる低刺激で採れた卵子は1つ。精子の運動率などに問題がなかったため、顕微にはせず体外受精をしました。グレードは5BC。着床はせず今回はリセットとなりました。
次回にむけてご相談です。
採れる卵が少ない分、大切にしたいので、次回は運動率に関係なく敢えて顕微授精にしようかと悩んでいます。卵に針を刺すため傷つけるリスクと体外受精で勝ち抜いた精子より弱いものが受精卵になる可能性など、いろいろ知ると体外受精の方が良いのかな?と迷ってしまっています。無理に顕微にすることで、体外受精より染色体異常の卵になる確率が上がるのかなど教えていただきたいです。
お金の面でも数多くはチャレンジできないので、私のような低AMHの人の体外受精、顕微授精のアドバイスをお願いします!





低AMHの場合、顕微授精にするメリットはありますか?


顕微授精を適応した方がいいケースは、まずは精子の運動率が悪い、量が少ないなど、男性側に不妊の因子があって受精できない場合です。それと、男性側、女性側どちらにも異常が見当たらないのに受精ができない原因不明の場合も、顕微授精にすることで受精率が高まる可能性があります。


今回のように低AMHが原因と考えらえる場合、顕微授精をしても妊娠率をアップさせる効果は期待できません。


ぴぴさんの場合、精子の数、運動率などはすべて問題なしとのことですし、ふりかけ法で受精できているので、体外受精のままでいいと思います。


もし顕微授精をした場合、染色体異常の確率はあがりますか?


顕微授精の手技によって卵に傷がつき、それが染色体異常の受精卵の原因にはなりません。確かに顕微授精は、体外受精に比べてほんの少し染色体異常の確率はあがります。それは、本来受精する力のない精子を、顕微授精させるため、全体の受精数が上がるためです。


前にも述べたようにぴぴさんのケースは顕微授精の適応ではありませんが、顕微授精の手技を施したことで染色体異常の確率があがる
ことはないので、心配しないでください。


AMHが低い場合の治療法が知りたいです


以前は「AMH値と妊娠率は関係がない」と言われていましたが、最近では「AMH値が低いと妊娠率も低くなる」といわれています。ただ、残念ながら今のところAMH値を上げる方法はありません。


ぴぴさんのようにAMH値が低い方は卵巣機能が弱っている傾向にあるので、卵巣をさらに酷使させるような高刺激方法ではなく、今までのように低刺激法を続けるのがいいでしょう。


このAMH値だと1回あたり1~2個の採卵が普通です。前回の体外受精のときもきちんと受精できているので、この調子で受精可能な良質な卵子をしっかり排卵し続けられるよう、体のコンディションを整えるのが妊娠への近道といえます。





下川先生より ひとこと


「ストレスをためない工夫をしつつ治療を。」
不妊治療中は、思うように結果が出ないなどでストレスをためてしまうことも多いでしょう。ストレスは妊娠にとって大敵です。しっかりと受精できる卵子を排卵させるためには、上手に息抜きをしつつ、治療に取り組むようにしてみてくださいね。





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お話を伺った先生のご紹介

下川 理世 先生(赤坂レディースクリニック 院長)


福岡県出身。山口大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部産婦人科、静岡赤十字病院産婦人科、市川総合病院産婦人科リプロダクションセンター、湘南IVFクリニック(現 メディカルパーク湘南)を経て赤坂レディースクリニックへ。不妊治療に関しては一般不妊治療から体外受精、顕微授精など高度生殖補助技術まで行う。親切丁寧でわかりやすい説明を心がけながら、医学的根拠に基づいた的確な診療を行っている。清潔感があり、リラックスできる雰囲気のクリニックは患者さんからも好評。

≫ 赤坂レディースクリニック

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