顕微授精の受精率が低く、胚盤胞まで到達しません

コラム 不妊治療
顕微授精の受精率が低く、胚盤胞まで到達しません
「採卵日の2日前に夫が風邪を引いて熱を出していました。当日までに熱は下がりましたが、これは精液の数値が悪くなる原因になりますか?」
顕微授精の受精率が低く、胚盤胞まで到達しません
臼井 彰 先生(臼井医院不妊治療センター)
相談者:うさうささん(29歳)からの相談
顕微授精での受精率の低さ

卵子の数は採れているようですが、胚盤胞までなかなか進まないようです。

PCOSの場合、卵子がたくさん採れても質の良いものが少ない場合が多いようです。胚の分裂がうまくいかないのは、もしかしたらそのようなことが原因になっているのかもしれません。
排卵誘発法が合っていないということも考えられるのでしょうか。

ただ、今回が初めての採卵だということ。周期によって採れる卵子の状態も違うので、あと1回は同じ方法で試してみるという選択もあるかと思います。
精子の状態や影響についてはどう思われますか。

こういう方は時々いらっしゃって、受精率も良くない傾向があります。造精機能に問題があるかもしれないので、一度ではなく、何度か検査を受けてもバラつきがみられるようなら、一度男性不妊外来を受診して詳しい検査を受けてみることをおすすめします。
今後の治療について何かアドバイスはありますか。

また、うさうささんは23歳の時に人工授精を2回されています。「金銭的に次の採卵は先になる」ということなので、その間に精子を調べるという意味でも、人工授精を何度かされてみてもいいと思いますね。
臼井先生より まとめ
●PCOSの傾向があるので、次は低刺激法でトライされてみては?
●精子の状態がバラつくようなら一度男性不妊外来の受診を。
出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.36 2017 Winter
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