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逆子が直らなくて悩んでいる方に伝えたい。何を選択すべきか専門家の意見は?

コラム 妊娠・出産

逆子が直らなくて悩んでいる方に伝えたい。何を選択すべきか専門家の意見は?

マタニティコラム

2016.6.14

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逆子が直らなくて悩んでいる方に伝えたい。何を選択すべきか専門家の意見は?



Q:妊娠33週目に入った初産婦です。7ヶ月からずっと逆子で、お腹の張りがあるため逆子体操は毎日できていません。子宮頸管長や子宮口には問題なく早産傾向はないのですが、頻繁にお腹が張りウテメリンを内服しています。無事に産まれるなら帝王切開での出産でも… とは思っているのですが、手術を経験したことのない私にとっては恐怖です。



A:妊娠36週の時点で逆子の場合は、帝王切開を選択。しかし、手術当日に逆子が直っていることも。
(おおのレディースクリニック院長・大野 元先生)


逆子は、「赤ちゃんの足が下にあるタイプ」「膝が下にあるタイプ」「おしりが下にあるタイプ」と大きく3つにわかれており、いずれも出産には大きな危険が伴います。ひとつには、母体とつながっている臍帯が出産時に圧迫され、赤ちゃんに酸素が供給されず酸欠になる恐れがあります。また、足が先に出ることで産道が十分に広がらず、足より大きな頭が出づらくなって分娩に時間がかかりすぎることもあります。これらは赤ちゃんの生死にかかわる危険な状態であり、母体にも大変な負担となるため、ほとんどの病院では安全を最優先に考え、帝王切開を提案しています。

帝王切開の判断は、36週の時点で逆子であるかどうかが目安となります。妊娠中期・後期でも、頭が軽いうちは逆子の状態が普通にみられます。それが成長するに従って頭が重くなり、やがてくるりと回転して、33週〜36週頃には正常な状態になっている場合がほとんどです。逆子が直らないので帝王切開を選択したが、手術当日に直っていたというケースも実際に起こっています。お腹の中にいる赤ちゃんの動きはそれほど予測が難しく、逆子を完全に予防することはほぼ不可能といわれています。

逆子が直らない場合、「外回転術」を実施することがあります。これは、医師がお腹に手を添えて赤ちゃんを回転させる技術で、妊娠37週以降に行うと、逆子による帝王切開のリスクを低減させることが知られています。しかし、過去に帝王切開を経験したことがある場合は、子宮のリスクを考えて避けた方が無難でしょう。また、万が一緊急帝王切開になっても大丈夫なように、赤ちゃんが十分成長していること、病院側の備えが整っていることが施行の条件となります。外回転術を希望する場合は医師とよく相談して、リスクを理解したうえで検討することをお勧めします。
逆子体操を指導することもありますが、絶対に効くとういう保証はありません。となると最後の頼みは帝王切開ですが、母体への負担は避けられず、「可能ならば避けたい」という声も少なくありません。しかし実際問題として、帝王切開が赤ちゃんにとって一番リスクが低いことは事実。こればかりは医師とよく相談し、十分納得して選択していただきたいと思います。





おおのレディースクリニック 大野 元先生

医学博士。岐阜大学医学部卒業。岐阜大学医学部大学院、ブリティッシュ、コロンビア大学研究員(2年間)、岐阜大学助手、IVF大阪クリニックを経て、平成11年8月開業。専門は、周産期と不妊。特に体外受精はエキスパート。




 






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