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化学流産3回に子宮外妊娠1回。体外受精に進むべき?

コラム 不妊治療

化学流産3回に子宮外妊娠1回。体外受精に進むべき?

化学流産3回に子宮外妊娠1回。体外受精に進むべき?

2018.9.3

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※2018年8月27日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.39 2018 Autumn」の記事です。





ぺこりさん(28歳)からの相談


▶化学流産経験ありで体外受精


妊娠を希望してから2年経ちます。半年に1回のペースで陽性反応が出ますが、うち3回は化学流産、1回は子宮外(異所性)妊娠でした。化学流産も検査して翌日に生理がくるものもあれば、生理予定日から3週間経ってもhCG値が伸びず、胎囊を見る前に出血というパターンもありました。1年半前から不妊専門の病院に通っていますが、夫婦ともに特に原因は見つからず、不育症の検査も異常なしでした。人工授精も数回やったのですが、かすったことすらなく、化学流産等の時はすべてタイミングなので、今はやっていません。子宮外妊娠の影響で卵管が片方しかないので、ただでさえ可能性が低いという現実。このまま繰り返していても年齢ばかり重ねていってしまう気がして体外受精を希望しましたが、医師からは「まだ早いのでは?」と言われています。






Doctor’s advice


●子宮鏡や腹腔鏡、子宮内フローラ検査などで問題を検索し、環境改善を。
●食生活や睡眠の乱れ、ストレスなども不妊や不育症の間接的な原因に。



 


お話を伺った先生のご紹介

永井 泰 先生(永井マザーズホスピタル)


東京医科大学医学部卒業。産婦人科・麻酔科認定医。1989年、埼玉県三郷市に開院。さらに環境を整え、よりよい医療を提供するために、2015年に診療所から病院へ改組。産科、婦人科をはじめ、不妊治療、形成・美容外科、小児科と、女性が生涯関わる総合的な医療を、温かく、優しい環境の中で提供。

≫ 永井マザーズホスピタル

このように化学流産を繰り返す方は珍しくないのでしょうか。


当院でも、年齢がお若くても繰り返してしまう方は時々いらっしゃいます。胎囊が見えないうちに流れてしまう化学流産は流産のうちには入らないともいわれますが、何度も繰り返せばご本人はつらいですよね。プラスに考えれば妊娠する力は十分あるという証拠なので、悲観せず、前向きな気持ちでいてほしいと思います。


なぜこの方は受精卵がうまく着床せず、妊娠が維持できないのですか?


一つ考えられるのは子宮内膜などに問題があり、子宮の中に妊娠しにくいということがあるかもしれません。
子宮内膜の血流が悪い、もしくは子宮の中に炎症やポリープがあって受精卵が着床しにくくなっているという可能性も。
子宮外妊娠をするのは卵管の異常があるということです。卵管のほうからよくないものが子宮内に流れ込んでいる場合もあるので、体外受精にステップアップする前に一度、子宮鏡で子宮の中に異常がないか調べてみてもいいと思いますね。


ほかに今できる有効な検査や治療はありますか。


卵管の状態がよくないと、子宮内というより腹腔内の環境が悪くなっていることがあります。気がつかないうちに子宮内膜症に罹っていて癒着を起こしているようなケースもあります。通水検査などをして、卵管の通過性を改善するというのも一つの方法だと思います。
また、このような方は腹腔鏡で治療するのも有効な手段かもしれません。残っているもう一つの卵管にまた子宮外妊娠を起こす可能性があるので、そうならないように腹腔鏡でお腹の中をきれいにする。
卵管の通水検査のように、腹腔内も生理食塩水で洗ってあげると腹腔内の環境がよくなって、その後、妊娠される方もいます。


最近、着床障害の新しい検査として「子宮内フローラ検査」も注目されていますが。


子宮内フローラの検査は当院でもご希望があれば実施しています。腸内と同様に子宮の中にも善玉菌が存在します。菌の環境やバランスが乱れて善玉菌が減ってしまうと、着床に悪影響を及ぼすと考えられているのです。腟壁から検体を採取し、異常があれば抗菌薬などを投与して、菌の環境を改善します。
腸内フローラという言葉は最近よく耳にすると思いますが、便秘や下痢をしやすいなど、腸内フローラに問題がある人は子宮内の菌のバランスも悪いことが多いんですね。病院の治療だけでなく、食生活も改善していくことが必要でしょう。
また、睡眠不足やストレスも不妊や不育症に関係するといわれているので、まずは普段の生活を見直して、乱れているようなら正していくことも妊娠への近道だと思います。


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.39 2018 Autumn
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