子宮内膜が6㎜で移植中止。厚くなる見込みはありますか?

コラム 不妊治療
子宮内膜が6㎜で移植中止。厚くなる見込みはありますか?
「過去に子宮外妊娠で流産の経験もありますが、子宮内膜を厚くする方法はありますか? 今後、子宮内膜が厚くなる見込みはあるのでしょうか。」
子宮内膜が6㎜で移植中止。厚くなる見込みはありますか?
堀川 隆 先生(高崎ARTクリニック)
相談者:まりぼーさん(38歳)
子宮内膜の厚さについて

子宮内膜が6㎜にしかならないということですが、原因はどのようなことが考えられますか?

さらにホルモン補充をして、8㎜まで厚くすることはできるのでしょうか。

まりぼーさんは担当医の判断で2回移植を見送っていますが、今後、子宮内膜が厚くなる見込みがあるケースなのか。これまでの治療経過で、普段、子宮内膜の厚さはどれくらいだったのでしょうか。エストロゲンがたくさん分泌されるような時期、もしくはタイミング療法や人工授精の治療時の厚さはどれくらいだったかによって、進め方が変わってくると思います。
もし、ずっと6㎜程度の厚さだったとしたら、エストラーナテープ®などを増量してエストロゲンをさらに補充しても、これ以上極端に厚くなるとは考えにくいですね。厚くなる子宮内膜であれば、必要な分のホルモンを補充すれば変わっていくはずですから。やはり、まりぼーさんは流産により子宮内膜にダメージを受けていて、6㎜が彼女の基準の子宮内膜ということになるのではないでしょうか。
では、今後、移植するのは難しいということですか。

もちろん厚さも重要だと思いますが、たとえば木の葉状であるとか、今は超音波での移植に適した子宮内膜の見え方や変化のほうが重要ではないか、ということも指摘されています。また、妊娠が成立するには受精卵の質的な問題のほうが影響は大きい気がしますね。
実際に何度も流産を経験し、子宮内膜が4㎜程度にしか厚くならなくても妊娠しているケースはたくさんあります。できないことに神経質になっていたらなかなか前に進めませんから、次回はぜひ移植を考えていただきたいと思いますね。本当に妊娠できる受精卵なのかどうかは、子宮内膜だけの問題ではなく、移植してみないとわからないというのが実情だと思います。
堀川先生より まとめ
●急に薄くなったのなら、ホルモン補充で厚くなる見込みも
●3回目も同程度の厚さなら、移植を考えてもいいのでは
出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.33 2017 Spring
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