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多嚢胞…クロミッドや注射でも排卵しない…
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【トモミ☆さん(40歳)】 始めまして。質問お願い致します。 現在、普通の産婦人科から不妊治療に力を入れている病院に転院し治療を進めております。 不妊専門の病院で始めて検査をしてもらった所、 LHとFSHの数値が高く『年齢のわりに卵巣が少し老化ぎみの数値』と言われました…。 それと同時に『多嚢胞性卵巣』とも言われ… 今までクロミッド+HCGの注射+前回始めてブセレキュアをしましたが卵胞は22~28㎜位と大きくなるのですが排卵には至りません(>_ 米山章子 先生 (ビッグママ治療室) 神奈川衛生学園専門学校卒 はり師灸師按摩マッサージ指圧師 日本鍼灸師会会員 不妊カウンセリング学会認定 不妊カウンセラー 一元流鍼灸術講師 東海大学大磯病院東洋医学科にて3年にわたり研修 平成9年10月 神奈川県小田原市にて、『鍼灸リラクゼーションビッグママ治療室』を開業 平成17年 師である伴先生と共に『一元流鍼灸術』を立ち上げる。 平成20年3月 「不妊!大作戦」(たにぐち書店)を発刊 平成21年 7月 山下湘南夢クリニックにて『不妊と鍼灸』一般講演 10月 徳島県鍼灸師会主催、『不妊と鍼灸治療』一般講演、専門家向け講演 平成23年 不妊カウンセリング学会にて、『鍼灸来院時の主訴から考察する不妊カウンセリングの役割』を発表、奨励賞を受賞 平成26年8月 日本中医学会雑誌 論文掲載 『東洋医学的生命観に基づく鍼灸:難治性不妊治療への取り組み』 平成27年5月 全日本鍼灸学会 松山 『女子胞の力を増やすことによって、妊娠出産に至った症例よりの考察』 平成27年12月3日 山下湘南夢クリニック主催『第2回不妊治療を考える集い』にて ~「女子胞力を磨く、鍼灸にできること」を講演 平成28年6月 不妊カウンセリング学会『東洋医学的手法による、体表観察から行う不妊カウンセリング』を発表 そのほか、一般向け、専門家向け不妊治療関連講演にて、不妊鍼灸治療についての啓蒙活動行う。 ≫ ビッグママ治療室トモミさん、 多膿疱性卵巣による排卵障害でなかなか妊娠に致らないのですね。 病院でも、いろいろと工夫して対応して下さっているのかと思いますが、 卵胞は大きくなるも、きちんと排卵していないということですね。 東洋医学では、その人の身体そのものを診ることがとても大切です。 ですので、なかなか具体的にお返事することが難しいのですが、 当院での今までの経験から申し上げると、排卵障害の方でも、体調を整え 排卵し、妊娠、出産までたどりつくことはよくあります。 確かに、体外受精を視野に入れれば、卵胞の数が出来ている方の場合は 素早く進むことも多いのですが、自然妊娠されるケースも多く 経験しておりますので、もう少し身体作りに取り組んでもよいのかなと 思います。(ただし、年齢要因的に、自然妊娠にせよ、体外顕微授精による治療にせよ、急ぐ必要がありますね) 具体的にはまず、少し体重を落とされてはいかがでしょうか? さほど太っているわけではないですが、2,3キロダウンを目安にしてください。 しっかりと体が作られる食べ物(タンパク質、脂質など)を摂取し、炭水化物などを上手にコントロールするとよいかと思います。減量そのものが目的ではなく、身体作りを心がけた食生活にしていたら結果として痩せていたという感じがよいです。 また、鍼灸もとても効果的です。挑戦してみて下さい。そして鍼灸院で、ご自身にあわせた経穴を選んでもらい、毎日自宅でもお灸をしてみてください。効果的です。 睡眠も大切です。11時までには寝て、充分な睡眠を心がけましょう。 以前に50-90日周期でしか生理が来なかった方が、9時に寝るようにしたら、 28日周期できちんと生理がくるようになった方がいらっしゃいました。 睡眠は東洋医学で言うところの腎を養います。腎は生命の土台となります。 この土台が妊娠の成立には大きく関与します。 ご主人のお考えもよくわかります、やはり子供を授かるということは それなりの覚悟もいることですからね。 ただ、せっかく目の前に素晴らしい技術があるのにという思いもあるのでは ないでしょうか。ご夫婦で体外受精、顕微授精などを含んだ不妊治療の説明会などに行かれてみることもよいかなと思います。 時間を大切に、そしてお二人にとって納得のいく治療でありますようにと願っております。
2014.1.21
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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多嚢胞性卵巣でフェマーラが効きません。漢方どうですか?
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【智さん(22歳)】 3年の不妊治療の末、1人目を初めてのフェマーラ服用の自然妊娠で授かることができました。そして9月に断乳をして即治療を始めましたが、今回は小さい卵だらけでダメでした。 『ジネコ』で話題になる多嚢胞は、「食生活を変えるとよい」のには納得です。食生活を変えて鍼灸院に通い、なるべく運動もして......。 そして漢方に興味を持ちましたが実際、多嚢胞で漢方は効果があるでしょうか? とにかく排卵までこぎつけて、治療の第一歩に進みたいです。 神薗克也 先生 (鍼灸治療室 翠明館) 当院に来院されている患者のうち9割以上は女性。しかも、その7割以上は不妊治療の方。一般に鍼灸治療は、腰痛や肩こりの治療と思われがちですが、実は、婦人科系や内科系の疾患にとても有効な治療方法なのですね。腰痛や肩こりで悩んでいる方と同じくらいに、婦人科系や内科系の症状で悩んでいる方は大勢います。内臓の不調からきている腰痛や肩こり、頭痛もありますので、そういう方には内臓の機能を整えないと、すっきりと治りません。特に、女性の場合は、ホルモンバランスによって多種多様な症状が現れます。 当院では、全身のアンバランスを整えていく治療をしていますので、体の様々な不調がすっきりとなくなっていきます。生理不順の延長線上に不妊症があり、さらにその延長線上に更年期障害があります。生理を整えることが、すなわち女性の健康を保つポイントなのですね。是非一度、体に優しい自然な治療方法の鍼灸治療をお試しください。 ≫ 鍼灸治療室 翠明館東洋医学的に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS) になりやすい体質の方は、生殖機能と密接な関係のある腎気が弱っている「腎虚」、消化機能が低下をしている「脾胃虚」、貧血やめまいがある「血虚」、月経痛がつらく肌荒れがある「瘀血」、不安感や不眠、イライラ感の強い「気滞」があると考えます。 不妊症の方は基本的に「腎虚」体質が多いので、まずは腎気を補うことが大切です。 一人目の出産で腎気がかなり消耗しているところに育児が加わり疲労が蓄積しているので、消耗した腎気を戻すことが困難な状況になっているようです。 腎気を戻すためには食事は豆類を積極的に摂ることです。 また、睡眠も大切です。育児で睡眠時間を確保するのは難しいと思いますが、夜の寝不足は30分くらいの昼寝でカバーしましょう。 PCOSの診断基準は、①月経異常、②多嚢胞性卵巣、③血中の男性ホルモン高値またはLH基礎値高値かつFSH 基礎値正常 ( 日本産婦人科学会の診断基準による) のすべてを満たす場合となります。 漢方薬で改善効果が期待できる項目は、③の男性ホルモン値やLHの値を改善し、ホルモンバランスを整えることです。 そしてその効果が一番期待できるのが、温経湯という漢方薬です。 温経湯は不妊治療でよく使用される漢方薬で、経絡を温める効果があります。 ほかにも温経湯には、脾胃の弱い体質、血液の不足している血虚、血液循環の悪い瘀血も改善してくれます。 つまりPCOSの人が持っている症状をすべてカバーする漢方薬と言えます。 また、東洋医学的な体質に当てはまらない、PCOSの人にも効果があることが実証されているので、安心して服用できます。 男性ホルモンが高いタイプの人には、芍薬甘草湯もおすすめです。 筋肉の痙けいれん攣や痛みの症状に効果があることで知られている漢方薬ですが、男性ホルモンやプロラクチンの値を下げる効果が実証されています。 智さんがどのタイプのPCOSかわかりませんが、よくタイプを検査した上で漢方薬を試してみてください。
2014.1.21
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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もう一度、漢方にチャレンジしようか迷っています。
JINEKO事務局さん(13歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【みーみと皐月さん(39歳)】 今までに2度流産を経験しています。 体質改善しようと漢方薬を内服したのですが、肝機能が悪化しました。 漢方薬は私の体に合っていないのでしょうか? それともその薬だけが合わなかったのでしょうか? もう一度チャレンジしてみたいのですが、やめた方がいいのか迷っています。 主な症状 ・体温の上下変動が激しい ・いつ排卵したかわかりにくい ・月経血の量が少なく期間が短い ・のどが渇きやすく、肌が乾燥しやすい ・足腰のだるさや冷えを感じる ・今までに排卵誘発剤などホルモン療法を行っていた 野口藤子 先生 (漢方のサツマ薬局) 不妊専門カウンセラー 子宝が授かるために、西洋・東洋の垣根を越え、「妊娠」そして「元気な赤ちゃんを授る」ことを最終目的として一緒に頑張っていきたいと思います。 西洋医学の不妊治療で精神的、身体的にもおつかれになったご夫婦も大勢いらっしゃいます。 ぜひ、ご相談下さい。 「不妊」の問題は、友達に相談する事はできるでしょうか? なかなか相談しにくい・・・という方が多いのではないでしょうか。 また、相談しても正しい不妊の知識で教えてくれる友人というのは、なかなかいないというのが現状です。 噂やインターネット上の知識に惑わされて、かえって不安になる事もあります。 漢方などは、体質によって効いたり効かなかったりします。 当店では、漢方アドバイザーや漢方カウンセラーが対応いたします。 まずは、自分のご不安を整理するために、カウンセラーにご相談されてみてはいかがですか? 自分自身でも意識していない生活習慣で、不妊になっている方もいます。 良かれと思ってやっていた事が原因だったりする事もあります。 お客様の顔色や髪、舌(舌診)、などを直接見させていただいたうえ、血流計で測定もいたしますので、ぜひ直接ご来店いただく事をお薦めします。 そしてお客様にあった漢方薬や健康食品をご提案させていただきます。 もちろん、病院で不妊治療をされている方でもご安心してご相談下さい。 病院の治療を否定するような事はございませんし、たくさんの方が病院と併用されていらっしゃいます。 お客様お一人に対し約1時間ほどお時間をお取りしております。 人に話す事によって、頭や心の中が整理される事もあります。 ゆっくり相談されて、心の荷物を下ろしてみてはいかがでしょう。 ※お一人様にしっかり時間を費やすため、予約制となっております。 ・日本統合医療学会会員 ・補完医療協会会員 薬剤師 野口藤子 漢方アドバイザー小室敏美 漢方アドバイザー 新井誠子 ≫ 漢方のサツマ薬局やっとたどり着いた妊娠が、残念な結果に終わってしまいましたが、2回も妊娠されていますので、充分妊娠力はあると思われます。 きっと受精卵の生命力不足が原因でしょう。 みーみと皐月さんの希望を叶えるためには、体質改善が先決問題だと思います。 着床した卵がどんどん成長していくためには、受精時の卵子と精子のパワーが大きく影響すると言われています。 とくに最近は、精子のエネルギーが重要視される傾向にあります。 生命力あふれる「精子」と「卵子」、そして受精卵がすくすく育つ子宮、さらに出産後の母体力を高めたいものです。 よく「妊活」といいますが、そのためには「母活」「父活」をして、しっかりした体作りを行いたいですね。 子宝を授かるには、夫婦の総合力と愛が不可欠です。 「月経不順」「妊娠力」「安胎薬」「つわりと妊娠悪阻」「微弱陣痛症」「産後のトラブル」など、漢方はそれぞれの症状にきめ細やかな対応をしていきます。 最終目的は元気な赤ちゃんをみーみと皐月さんが抱くこと。そのためにも、漢方でしっかりとした体質改善が必要です。 体質改善には漢方薬が効果的です。漢方で肝機能が悪くなったこともあり不安を感じているようですが、それは非常に稀なことだと思います。 長期服用されたのでしょうか? 食べ物でもアレルギーや肝機能障害がおこったりすることもあります。 といっても、同一の漢方薬の処方は避ける。そして漢方に詳しい病院や薬局に行って、経過をチェックしながら服用するのが望ましいと思います。処方名が違っても同一生薬が入っている可能性があるので、漢方に詳しい病院や薬局を選ぶことが重要です。 ストレスを抱えながらの治療は大変だと思いますが、いま一度、生活養生、食生活を見直しながら漢方で体質改善をすることで夢は叶うと思います。 漢方薬以外でも妊娠力を上げることは可能です。 専門の機関にご相談ください。
2013.12.20
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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妊娠してもいいかどうか不安
JINEKO事務局さん(13歳)ドクターQ&Aにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが漢方の先生に聞いてきました。 【ミルキーさん(36歳)】 極端な痩せ型でBMIが16.5ほどです。 高校生くらいからずっと同じ体重で、親が同じような体型ですので、遺伝的なものが強いと思っています。 太る努力は何度もしましたが、太りません。 先日、体調不良から食欲不振になり1週間ほど食事量が減ってしまった時に褥瘡ができかけてしまったほどです。 このような貯えのない体で妊娠して無事に赤ちゃんが成長するものなのか、不安でたまらないので、自分はもう赤ちゃんをあきらめるべきではと思っています。 最近は傷の治りも悪く、小さな白いイボのようなもの(脂漏性角化症でしょうか)も出てきており、自分の皮膚形成すらきちんとできなくなってきていることに気付き、老化をひしひしと感じています。 また、先月の生理はほとんど経血がなく、チョロチョロと4日間微量な量が出続けて終わりました。1日もしっかりした量は出ませんでした。以前より短い方ですが、30代になりより短くなり、先月より前も2日程は出て、あとはとても少ない量で終わってしまいます。 生理は順調にきます。 妊娠してもきちんと体内で成長することができるのか、教えて頂きたいです。 譚定長 先生 (中国漢方薬寿堂) 私は漢方の勉強を始めて四十数年になります。いろいろな病気について勉強してきましたが、不妊症について勉強したきっかけは28年ほど前、結婚して間もなく、私の妻が子宮外妊娠をわずらい体調をくずしたことがあったからです。 お腹を切ることなく、警友病院の甘先生にしていただいた内視鏡による手術のおかげで、術後の回復はよかったのですが、手術を受けるまでに二、三の病院で誤診され、体をこわしていた妻は、本来の体調にはほど遠い状態になっていました。 そこで故郷の中国浙江省杭州の名医、何少山先生の診察を受けに行き、それから二年間、先生の指示通りの漢方薬を服用して体の回復に努めました。そのおかげで現在健康な三人の子供に恵まれました。 そして25年ほど前に私は北京同仁堂病院主任、叢法滋先生の不妊治療を勉強する機会があり、その中で、中国医学と西洋医学をドッキングした中西医合作による最も新しい不妊治療法、周期療法を学ぶことができました。それ以来、月経周期の変化に応じて、薬の服用を変えて体を整えるこの方法を実践してきました。 私が新聞などに連載しているコーナーで、周期療法をご紹介して15年ほど経過しましたが、読者の中で沢山の方々が妊娠、出産され、お役に立てたことを本当にうれしく思っております。 ≫ 中国漢方薬寿堂妊娠は健康な女性と男性があって成り立つものです。 当店にいらっしゃる女性の方々は年齢もさまざまですし、体型もいろいろです。痩せ型の方も太っている方もいます。 全員が標準的な体型をしているわけではありません。 月経周期が30日前後で排卵し、卵管に問題がなく、男性側にも問題がなければ、月経周期の変化に合わせて月経期・低温期・排卵期・高温期と薬を飲み分け、体調を整えてから妊娠を目指すことをおすすめしています。 胃腸が弱くて太れない、疲れやすい傾向も、この中で考えていけば同時進行で改善できることだと思います。 ミルキーさんは、同じような体型をしているお母さんから生まれてきているのですから、元気な卵巣と温かい子宮を用意し、胃腸も丈夫にして少しでも健康な体に近づけば妊娠、出産と進むことができると思います。 太れない体質は漢方でいう脾胃の虚です。 胃腸が弱く消化吸収力が弱いということです。胃腸を元気にする人参や黄耆を配合した補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、六君子湯(りっくんしとう)などの漢方薬が有効です。 また、薬の服用と同時に食事の摂り方を考えるといいと思います。1日3回の食事がつらいなら、食事の回数を増やして1回の食事量を少なくし、一度の胃腸の処理量を減らします。よく噛むことも消化吸収を助けます。 食事量を増やせば太れると思いがちですが、食べ過ぎは胃腸に負担がかかり、胃腸が疲れ逆効果になります。 また、胃腸の働きが弱いので冷たい飲み物や生物、冷蔵庫で長時間冷やした物は控えて下さい。なるべく温かい食事、温かい飲み物を摂りましょう。 この季節、いろいろ具材を入れて食べられる鍋料理がおすすめです。例えば、鶏の手羽先、鶏レバー、豆腐、ネギ、きのこ類、緑野菜などを入れた鍋は、コラーゲン、タンパク質、鉄、葉酸など、体に良い栄養素が摂れます。 これに魚やカキを加えるとさらにいいですね。 飲み物は温かいお茶やコーヒーなど好みのものを飲んでください。 カフェインが多いお茶は良くないと思っている方がいますが、世界で人口の多い民族は皆、お茶やコーヒーなどを飲んでいます。 寒い毎日が続きますから、風邪をひかないように気をつけてください。
2013.12.20
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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不妊の原因を東洋医学ではどのように解釈するのですか?
JINEKO事務局さん(13歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【シュガーさん(30歳)】 不妊の原因を東洋医学ではどのように解釈するのですか? 主な症状 ・高温期に体温が高低くなる日が多く不安定 ・体温が全体的に低い ・月経が遅れがち ・月経血の量が少ない ・レバー状の塊や、粘膜のような塊が混じる ・月経がくるたびにがっかりする ・月経前はイライラしやすく、怒りっぽい。落ち込みやすい ・足のむくみがひどい 石井多鶴子 先生 (くすりの元気) 20代のかたから40代のかたまで「赤ちゃんをご希望」のかたがご相談にいらっしゃいます。 基礎体温がきれいで、毎月生理が来ているのになかなか妊娠しないというかたから、妊娠はするが流産を繰り返す、一人目は授かったが二人目がなかなか妊娠しないと言うかた。 不妊治療をしているのだが高温期が短い、高温期がない、生理周期が長い、子宮内膜が薄い、又は厚すぎる、内膜症や筋腫があるなどの原因があるかたがご来店なさっています。 早いかたは1ヵ月くらいで、遅いかたは3〜4ヵ月くらいから下記の変化が見られました。 ≫ くすりの元気シュガーさんの気になる症状から、以下のような診立てが考えられます。 漢方理論では不妊症の原因は「腎虚」を基礎と考えます。腎とは生殖能力のこと。つまり腎虚とは生殖能力の不足を意味します。 第1子不妊の方は先天的か日常生活の過労などから腎が不足して腎虚となり、第2子不妊の方は、第1子を出産された時に腎精を損耗してしまい、その後、腎精を補えなくて腎虚となるパターンが多いようです。 シュガーさんの気になる症状から、以下のような診立てが考えられます。 漢方理論では不妊症の原因は「腎虚」を基礎と考えます。 腎とは生殖能力のこと。つまり腎虚とは生殖能力の不足を意味します。 第1子不妊の方は先天的か日常生活の過労などから腎が不足して腎虚となり、第2子不妊の方は、第1子を出産された時に腎精を損耗してしまい、その後、腎精を補えなくて腎虚となるパターンが多いようです。 さらに漢方では肺、脾(消化器系)、腎のいずれかが失調すると「痰湿(水)」が停滞しやすいと考えます。 すると気血の流れがスムーズにめぐらなくなり、体が冷えたり、浮腫をおこしたりします。 基礎体温は全体的に低くなりがちで、高温期もそれに伴って上がりきらず、月経は遅れやすく、おりものが多くなりがちです。 漢方薬で代謝を高め痰湿の停滞を改善します。 最後に寒冷や長期のストレスや疲れなどから血のめぐりが悪くなり、古い血が停滞してしまう「血瘀(けつお)」です。 血瘀は卵巣や子宮の働きやリズムに影響してきます。 基礎体温は高温期が乱れやすくなり、月経の周期は安定せず、血塊がでやすくなります。 漢方薬で血液の流れを良くし、卵巣や子宮の働きを活性化させていきます。 不妊の原因は一つの場合もありますが、いくつかの原因が重なっていることもあります。 その方の体質を考えながらひとつずつ原因をとりのぞき、改善していくことを目標にしています。
2013.12.20
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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不妊の原因を東洋医学ではどのように解釈するのですか?
JINEKO事務局さん(13歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【シュガーさん(30歳)】 不妊の原因を東洋医学ではどのように解釈するのですか? 主な症状 ・高温期に体温が高低くなる日が多く不安定 ・体温が全体的に低い ・月経が遅れがち ・月経血の量が少ない ・レバー状の塊や、粘膜のような塊が混じる ・月経がくるたびにがっかりする ・月経前はイライラしやすく、怒りっぽい。落ち込みやすい ・足のむくみがひどい 原 徳子 先生 (女性専門治療院 さくら治療室) 私は十数年岡山在住の師匠に指示し、修行の時代に大勢の患者様と出会い、お話しを聞くうち、女性が本当に心から自分の身体の状態を相談できる、女性特有の症状に詳しい女性専門の治療院が少ない事が分かり、それが女性専科さくらを立ち上げるきっかけとなりました。 不妊治療やレディースケアなど、治療といいながら、その治療に対する精神的ストレスが多いのも事実で、その為に不妊治療を断念した、 というお話しをよく聞きます。不妊治療は、心穏やかな温もりに満ちた、幸せなひと時であってほしいと願っています。 「未病を治すとは」、病気になる前に病気を治す=病気になりにくい体にすることですが、実際には病気と病気でない身体との境目は とても分かりにくいもので、病気でない時期にいかにケアするかで、病気になるか健康をとり戻すかが決まってきます。 その、病気でない時期に少しでも多くの方を健康に導く事のできる鍼灸師やセラピストを育ていく事も私の使命の一つと考えています。 ≫ 女性専門治療院 さくら治療室鍼灸師の立場からお答えさせて頂きます ○シュガーさんの症状からは、「腎虚」による不妊ではないかと考えられます。 「腎」は骨や脳、耳、生殖能力、髪、排泄能力などを司っている(維持やコントロール)為,腎虚になりますと、それらに何らかの影響が出てきます。 「腎虚」はさらに、体を温めたり、機能させたりするエネルギーの大元である「腎陽」と、体をうるおわせ、栄養する「腎陰」の2つに分けられます。 ○シュガーさんの症状からは、「腎陽虚」ではないかと 思います。 腎の活動エネルギーが不足した状態で、主に寒気の症状が出てきます。 手足が冷える、夜間尿、浮腫、腰がだるい、痛む、足に力が入らない、生殖器系の方に症状が出ると精力減退(男性はインポテンツ、女性は不妊症) ○ご質問の、不妊の原因と東洋医学の関係ですが 生理は衝脈・任脈という経絡によって営まれのですが、この二脉をコントロールする司るのが腎なのです。衝脈は卵巣機能・任脈は子宮内膜に作用すると考えられています。ですので、「腎陽虚」により、衝脈や任脈に影響があり、内分泌機能の低下や、下垂体機能、甲状腺機能などに影響があり、不妊の原因になるのではと考えられています。 アドバイス・・・下腹部や臍周囲を温めましょう。衝脈・任脈が養われます 仙骨(尾骨をつくる逆三角形の骨)を温めましょう。副交感神経を助けます 足首を温めましょう。妊娠に関係する経絡が集中しています。 腎陽虚を補う食べ物は体を温め、活動を活発にします。 羊肉、鹿肉、ドジョウ、ニラ、クルミ、蓮の実、ギンナン、附子、シナモン、山椒、ウイキョウ、 黒豆、ゴマ、冬虫夏草、ナタマメ
2013.12.20
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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胃が弱い人には漢方は合わないものでしょうか。
JINEKO事務局さん(13歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【チキチキさん(41歳)】 胃が弱いのと当帰芍薬散で逆流性食道炎を発症したのでできれば漢方は使いたくないので鍼灸のみ行っているイマイチ効果が感じられません。 移植後は鍼灸はやらない方針のところなんですが、それでいいのかも不安です。 また、冷えを感じるのにのぼせとほてりにも困ってます。 主な症状 ・低温期の温度が高め ・月経前イライラし、落ち込みやすい ・低温期と高温期の差が小さい(0.3度未満) ・足腰のだるさや冷えを感じる ・卵が小さい ・排卵誘発剤を使用してもたくさん卵ができない ・のぼせやほてりがある 竹内 聡 先生 (漢方の本陣薬局) 薬剤師 国際中医専門員A級レベル 不妊カウンセラー 日本薬局協励会、日本薬局専門同志会、生態防御研究会などで自然医学を学び、日本中医薬研究会で中医学を中国中医師のもとで9年近く学んだ後、 2004年7月、中国政府認定国際中医専門員A級レベル資格取得。 同時に不妊カウンセラー学会にて、不妊婦人病の西洋医学知識を学び、2007年6月「NPO法人不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー」の資格を取得。 日本中医薬研究会不妊専門部会に所属し、不妊周期調節法の大家夏桂成老中医に師事。年1回中国南京中医薬大学付属病院で研修、日本、中国で不妊周期調節法の剣山を重ねている。 ≫ 漢方の本陣薬局帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は婦人病に使用される代表的な漢方薬で、むくみがちで、顔色が悪く、疲れやすい体質の方によく処方されます。 ただし、構成生薬中に胃にもたれる成分があるので、胃腸が弱い方には慎重に使う漢方薬でもあります。当帰芍薬散によって胃腸障害がおこり、漢方薬のイメージが悪くなったのはとても残念です。 胃腸の弱い方の漢方薬の選定はとても慎重に行います。 漢方薬を選定してから、必ず2週間ほどで様子をうかがい、必要であれば漢方薬の服用方法を調節します。 よく胃腸が弱い方の子宝相談を受けますが、先ずは漢方薬で胃腸症状の改善のために「健脾補気」の健脾散(参苓白朮散(じんりょうびゃくじゅつさん))、健胃顆粒(香砂六君子(こうしゃりっくんしとう))などの漢方薬でサポートしながら、通常の「周期調節法」をスタートするとあまり胃腸障害による苦情はなく、体調が良くなる方がほとんどです。 そして自覚症状がほとんどなくなるころに子宝に恵まれることも多いようです。 チキチキさんの場合、冷えを感じる半面、のぼせやほてりがあり、低温期の体温が高いなど双反する症状が見られます。 本来は冷え症のようですが、さまざまな治療などによって体に熱がこもっているかもしれません。 体の余分な熱を取り除き、本来の冷えを改善していくという少し複雑な漢方薬の選定が必要です。 二至丹(にしたん)、参馬補腎丸(じんばほじんがん)、双料参茸丸(そうりょうさんじょうがん)などの胃腸に優しくて「補腎」効果のある漢方薬、必要に応じて「気血」の流れを良くする芎帰調血飲第一加減(きゅきちょうけついんだいいちかげん)などのような漢方薬、体の余分な熱を取り除く働きの漢方薬を専門家のアドバイスのもと服用するといいでしょう。 先にでてきた「周期調節法」とは、女性の月経周期に合わせて漢方薬を服用する方法で、子宝を望む方に最適です。 もちろん、チキチキさんにもおすすめします。他にも気になる症状がありますが、多くは漢方薬の服用で改善可能な症状です。 漢方薬は本来、心と体に優しいお薬です。体質にあった漢方薬の服用で、今より良い状態になり、良い卵ができる可能性も増すと思います。 また体外受精の移植後も妊娠中も安心して服用していただけます。残された時間も少なくなってますので、漢方薬の専門家のアドバイスを受けながら体調を整えることが近道だと思います。
2013.12.20
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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漢方はホルモン値に影響しますか?鍼灸は着床を助けますか?
JINEKO事務局さん(13歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【ihuruさん(38歳)】 今年7月からIVFを開始しています。 9月中旬からフェマーラを内服し、現在採卵と凍結胚盤胞移植を予定しています。 3年前に子宮外妊娠と流産をしていて、PCOと判明したのは今年に入ってからになります。 体外受精専門クリニックの医師はツムラ23を内服することを拒んでいます。 ホルモン値に影響するという理由からですが、煎じ薬でもないのに本当に影響がでるのでしょうか。 また、採卵前日に鍼灸をしたら採卵当日は排卵済みで採卵できませんでした。 鍼灸との関連はありますか。 胚移植24時間以内の鍼灸は着床を助けると聞きました。効果はあるのでしょうか。 主な症状 ・低温期の体温が高め ・高温期の上昇が遅く、途中で陥落が見られる ・いつ排卵したかわかりにくい ・高プロラクチン血症である ・子宮筋腫、内膜症、卵巣膿腫、子宮ポリープ、卵管癒着などがある ・PCOS と言われている ・月経前はイライラしやすく、怒りっぽい。落ち込みやすい 大塚みどり 先生 (こだいら漢方堂) ゆったりとリラックスしていただけるサロン風の空間で、周りの人を気にせず、なんでも遠慮なくお話が出来るカウンセリングスペースが充実しています。 気持ちが少しでも軽くなってお帰り頂けるよう、初回のカウンセリングに充分時間をかけてご質問をお受けし、ご説明させていただいております。 女性の体には、もともと「妊娠する力」「産む力」が備わっています。妊娠・出産は、女性の本能。その本能を守る働きのどこかに少し問題が生じ、妊娠できないとしたら、その問題を取り除くことが大切ではないでしょうか。「結婚したらすぐ子どもが授かると簡単に考えていたのに、こんな辛い思いをしても先が見えてこないなんて。不妊治療は辛くて長い。子どもを授かるゴールが見えなくて…」初回のカウンセリングでそんな言葉をよく聞きます。 ホルモン剤や排卵誘発剤の治療、人工受精、それでも妊娠しなければ体外受精。本当にこのまま、言われるまま治療のステップアップを続けていいのだろうか?と不安になった時、あなたは誰に相談していますか?ここでもう一度立ち止まってみませんか。 妊娠する力、生む力が低下している体に受精卵だけ与えても、体は命を育むことができません。体の内側に目を向け、基本的な体づくりをすると、今までになかった妊娠力が期待できます。 日本不妊カウンセリング学会 認定カウンセラー 大塚 みどり ≫ こだいら漢方堂3年前に辛い出来事を繰り返したことでストレスを抱え、慎重になっている印象を受けました。 それが基礎体温や症状に現れているようです。 中医学では陰陽バランスの理論から、低温期は陰、高温期は陽と分類します。卵胞ホルモン、黄体ホルモンも陰と陽の関係です。 このバランスがとれていることが子宮内膜の環境を整え、妊娠の近道になると考えます。 当帰芍薬散の服用を医師が拒んでいるとのことですが、当帰芍薬散は血を補い、めぐりを良くする補血薬としてよく使われます。 ihuru さんの場合、低温期の体温が36.5℃以上と高めなので、滋陰薬との併用がおすすめです。 いつ排卵したかわからない、低温期から高温期への移行に時間がかかっている点、排卵誘発剤を繰り返し使ったことなどで、陰血不足になったことも考えられます。 この時期は、血と陰を補う当帰、熟地黄などの補血薬と滋陰薬を併用することで、月経期に失われた血液量の回復、子宮内膜の増殖と卵胞の成熟をうながします。 また、排卵期は陰が陽に変わる時期、滋陰薬を服用することで、低温期に陰が充実して卵胞の発育がよくなり、排卵がスムーズに行われ、陽に転換しやすくなります。 PMSや高プロラクチン血症があると、高温期の途中で陥落したり体温が不安定になります。 これを肝鬱気滞と考え、気のめぐりを良くする疏肝理気薬を服用すると緊張感がほぐれ、気持ちが安定し眠りの質が良くなります。 プロラクチンの分泌を抑える炒麦芽を併用すると、さらに性ホルモンの分泌が改善されやすくなります。 子宮筋腫、内膜症、卵巣膿腫、子宮ポリープ、卵管癒着など、瘀血体質が原因で起こる疾病があるために、子宮内膜の環境が悪く、着床しづらいことも考えられますので、移植まで準備期間があるなら、適切な活血薬を加えてできるだけ瘀血をとり除くことが重要です。 適度な運動をし、体を冷やすような飲食は控えましょう。 これらを総合して、ihuru さんには月経のリズムに合わせて漢方薬を飲み分ける周期調節法をおすすめします。 血を養ってめぐりを改善する補血薬、婦宝当帰膠をベースに服用されるといいでしょう。 漢方、鍼灸、どちらも専門家によく相談していただくことが大事だと思います。
2013.12.20
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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漢方はホルモン値に影響しますか?鍼灸は着床を助けますか?
JINEKO事務局さん(13歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【ihuruさん(38歳)】 今年7月からIVFを開始しています。 9月中旬からフェマーラを内服し、現在採卵と凍結胚盤胞移植を予定しています。 3年前に子宮外妊娠と流産をしていて、PCOと判明したのは今年に入ってからになります。 体外受精専門クリニックの医師はツムラ23を内服することを拒んでいます。 ホルモン値に影響するという理由からですが、煎じ薬でもないのに本当に影響がでるのでしょうか。 また、採卵前日に鍼灸をしたら採卵当日は排卵済みで採卵できませんでした。 鍼灸との関連はありますか。 胚移植24時間以内の鍼灸は着床を助けると聞きました。効果はあるのでしょうか。 主な症状 ・低温期の体温が高め ・高温期の上昇が遅く、途中で陥落が見られる ・いつ排卵したかわかりにくい ・高プロラクチン血症である ・子宮筋腫、内膜症、卵巣膿腫、子宮ポリープ、卵管癒着などがある ・PCOS と言われている ・月経前はイライラしやすく、怒りっぽい。落ち込みやすい 村上直人 先生 (さがみ鍼灸整骨院) 代表 村上直人 鍼灸師・柔道整復師 医師から逆子治療の依頼され施術の結果、逆子がなおり それ以降、関東近郊から逆子の妊婦さんが来院 毎年100名以上の逆子鍼灸に携わる。 現在、小田急線町田駅と本厚木駅に治療院を2院構え 不妊、逆子、産後の骨盤ケアを5名の鍼灸師で対応しています。 ≫ さがみ鍼灸整骨院鍼灸治療には経穴(ツボ)に刺激をあたえ、体の機能を回復させる、痛みや痙攣(けいれん)などを鎮静させる、血管に影響をおよぼして患部の血流を調節するなどさまざまな作用があります。 中でもお灸は女性疾患によく用いられる治療法です。 手足の末梢のツボを刺激することで血行を改善することで冷え性が良くなります。 ぎっくり腰や逆子などは、たった1回のお灸で治ってしまうケースもあります。 性別や年齢、症状によって、かかる時間や通院回数は変わってきます。つまり個人差があるのです。 ですから胚移植24時間以内に鍼灸治療を受けることは着床を助けることもありますが、絶対ではないのです。 鍼灸治療を定期的に受けている人は体のコンディションを整える意味で、採卵前日や胚移植前後に鍼灸治療を受けることは問題ありません。 しかし、鍼灸治療が初めて、または経験が浅い人にはおすすめできません。 鍼灸治療を受け始めて数回は好転反応といって、一時的に体が大きく反応し体調が下がることがあるからです。 定期的に鍼灸治療を受けている方でも、いつもより刺激は少なめにするのが通常です。 鍼灸治療は一人ひとりにあわせて刺激量を調整することができます。 アメリカのメリーランド大学医学部統合医療センターでは、体外受精時の胚移植の前後に鍼治療を受けると、その後の妊娠や出産にいたる確率が高くなることが研究員らの調査で明らかになっています。 伝統的な鍼治療を受けたグループはほかのグループに比べて、妊娠した割合が65%、出産にいたった割合が2倍であることが分かっています(出典: British MedicalJournal online first edition)。 採卵日や胚移植日のスケジュールをかかりつけの鍼灸師に伝え、体のコンディションを調整してもらうのがいいかと思います。 現在の治療の経過、そして今後の治療方針について納得して進めていく上でも、担当の医師との信頼関係はとても重要です。 ご自身が不安に思っていることを一度改めて相談してみることをおすすめします。
2013.12.20
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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同じ漢方薬を続けていますが、このままでいいか不安です。
JINEKO事務局さん(13歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【akochanさん(40歳)】 ずっと同じ漢方薬を半年続けていますが、このままで良いのか不安です。 主な症状 ・低温期から高温期への移行に時間がかかる(階段式の上昇) ・レバー状の塊や、粘膜のような塊が混じり、塊がでると月経痛が軽減する ・子宮筋腫、内膜症、卵巣膿腫、子宮ポリープ、卵管癒着などがある ・卵や子宮内膜の条件が良くても着床しにくい ・足腰のだるさや冷えを感じる ・着床してもすぐに流れてしまう ・排卵誘発剤を使用してもたくさん卵ができない ・稽留流産したことがある 渡邊英俊 先生 (中医学と西洋医学 自然流薬局) 薬剤師・鍼灸師・按摩マッサージ指圧師・教員免許を持つ。西洋医学を学び、中国人の中医師に師事し、北京で研修後、JR仙台駅東口から徒歩5分の地に「中医学と西洋医学の自然流薬局」を開局。 日本生殖医療心理カウンセリング学会認定「不妊相談士(不妊コンサルタント)」、日本不妊カウンセリング学会認定「不妊カウンセラー」を取得。 「周期調節法」による不妊相談、アトピーの脱ステロイド時の漢方法などで、多数の患者様から支持を受けている。(予約制) また毎週金曜日13:00~13:15から、ボクのラジオ放送「自然流スタイル」が流れます。 YouTubeにアップしてありますので、「自然流スタイル」で検索して下さいね。 「自然流スタイル」のラジオ番組をスマホで効く方法は、 無料アプリの「リスラジ」をダウンロードして、「ラジオ3」にチャンネルを合わせて下さいね。 1,スマートホンの無料アプリ「リスラジ」をダウンロード。 2,「チャンネル」→「カテゴリ」→「全国のラジオ」→「東北」→「ラジオ3」を選ぶ 3,左下の「」をクリックしてラジオを聞く。 全国どこででも聴くことが出来ます。ぜひ聞いて下さいね。 それから「誰でもできる『家庭の中医学』」をカルチャーセンターで開講しています。 詳細は下記になります。 ⚫️日程:1月〜6月の毎月第1火曜日 ⚫️会場:NHK文化センター仙台教室 (定禅寺通りのメディアテイク向かい) ⚫️問合せ・申込:022-224-4811 興味のある方は、ぜひお電話をかけて申し込んで下さいね。途中からでも参加できますよ ≫ 中医学と西洋医学 自然流薬局akochan さんが何の漢方薬を服用しているかわかりませんが、漢方薬は短いサイクルで変更することもあれば、半年以上も長く服用することもあります。 akochan さんの気になる症状には、「腎虚」の症状が多く見られます。 高温期の上昇が遅くて短い、低温期から高温期への移行が階段式の上昇であること。 さらに足腰のだるさや冷え、着床してもすぐに流れる、性欲がない、ホルモン療法を行っていた、排卵誘発剤でもたくさん卵ができない、稽留流産をしたことがあるなどです。 このようなときには「腎虚」を改善する「補腎薬」を長く服用して、足りないものを補っていきます。 また、基礎体温の上下変動が激しい、レバー状の塊や、粘膜のような塊が混じっている、月経が赤黒い色で粘りがある、子宮筋腫・内膜症・卵巣嚢腫・子宮ポリープなどがあるなどから、「瘀血(おけつ)」の症状も多く見られます。 このような症状には「瘀血」を改善する「活血薬」を服用して、症状の変化を見ながら処方を変えていきます。 さらに基礎体温の上下変動が激しい、月経前は過食気味か食欲不振などの「気鬱」の症状もあるので「行気薬」で気をめぐらすようにします。 そして月経前に足がむくんで靴がきつくなるという「水滞」の症状もありますから「利水薬」を用いて改善します。 これらを踏まえると、akochan さんの漢方治療は、生殖機能やホルモンバランスをつかさどる「腎」の働きを補う「補腎薬」をベースに、月経期、卵胞期、排卵期、黄体期のそれぞれの時期に漢方薬を使い分ける「周期調節法」を行うのも一案です。 年齢が40歳ということで、しっかり補腎をしていくことが必要ですし、瘀血を改善して「気・血・水」をスムーズにめぐらせて、卵巣や子宮内膜に栄養のある血液をたっぷり行き渡るようにすることです。 繰り返しになりますが、現在服用している漢方薬が「補腎薬」なら、半年間同じ漢方薬を服用していても大丈夫でしょう。 ただ、漢方薬を服用する目的がわからないのでしたら、担当の先生から詳しい説明を受けたり、話し合いをして、不安を解消して下さいね。
2013.12.20
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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同じ漢方薬を続けていますが、このままでいいか不安です。
JINEKO事務局さん(13歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【akochanさん(40歳)】 ずっと同じ漢方薬を半年続けていますが、このままで良いのか不安です。 主な症状 ・低温期から高温期への移行に時間がかかる(階段式の上昇) ・レバー状の塊や、粘膜のような塊が混じり、塊がでると月経痛が軽減する ・子宮筋腫、内膜症、卵巣膿腫、子宮ポリープ、卵管癒着などがある ・卵や子宮内膜の条件が良くても着床しにくい ・足腰のだるさや冷えを感じる ・着床してもすぐに流れてしまう ・排卵誘発剤を使用してもたくさん卵ができない ・稽留流産したことがある 池田諭彦 先生 (緑の風鍼灸治療院) 院長:池田 諭彦(いけだ さとひこ) 不妊の悩みは、相談しずらいし、思い込みや誤解が加わって、問題を複雑にします。 緑の風鍼灸治療院はそんな、妊娠しづらいことや不妊に悩むご夫婦に「妊娠しやすい体づくり」、そして「安産のための体調管理」、さらに「産後のケアー」をお手伝いさせていただくことによって、多くの方々にお喜びいただいています。 不妊は「体が妊娠・出産にいたる道のりに踏み出すための準備が整っていない状態」なので、いくら最先端の不妊治療を受けても、ご夫婦の体内の状態が良くないと改善されないことが多いのです。 もし、あなたがそうしたことでお悩みであれば、一度、ドアを叩いてみてください。 緑の風鍼灸治療院に来院されている方を家族だと思って治療に当たっています。 ぜひ、肩の力を抜いて、当院をご利用ください。 ただ、毎日全身全霊で治療に当たっていますので、1日5名様限定です。 なお、くつろいで治療を受けていただくためと、プライバシー保護のため完全予約制となっておりますのでご了承ください。 ■プロフィール 1968年 大阪府生まれ 長崎県育ち 【趣味】 自然散策(海・山・川)、 映画鑑賞、読書、カラオケ 韓流ドラマ(時代劇)を見る事 【出身校】 上智社会福祉専門学校 東洋鍼灸専門学校 【所有資格】 厚生労働省認定 国家資格 あんまマッサージ指圧師 鍼師、灸師 社会福祉主事 ≫ 緑の風鍼灸治療院「同じ漢方薬を半年続けていてこのままでいいか不安」とのことですが、akochan さんの不安や希望を漢方の先生にしっかり伝え、コミュニケーションをとりながら、自分にとって一番良い方法を探して、納得しながら治療を進めてください。 今の先生の方針がどうしても納得できない場合は、ほかの漢方医や医師、治療家の意見を聞く、セカンドオピニオンを選択することも必要だと思います。 漢方薬は同じ種類の組み合わせでも、服用する人の体質や症状で、配分や加減も違ってきます。 ですから、一人ひとりに合った漢方薬を処方してもらうことが、とても大切になります。 受精卵が子宮内膜に着床できない原因は、akochan さんの子宮に問題があるからです。 子宮筋腫があると、それに血をとられたり、月経の出血量が多くなったりして、体は貧血状態になります。 そのため、血流が悪くなり、良い内膜ができないのです。筋腫の原因になっている瘀血(血流の悪い状態)、気滞(気の流れが悪い状態)、痰湿(余分な水分がたまっている状態)をとり除き、気血や肝腎を補う漢方薬を服用することで妊娠しやすくなります。 漢方薬の不妊治療に「周期調節法」という改善法があることをご存知ですか? 周期調節法は数十年前から使われ始め、現在は最も頻繁に応用されている方法です。 この改善法は従来の漢方療法のように毎日同じ漢方薬を服用するのではなく、月経周期の各時期(月経期・卵胞期・排卵期・黄体期)の状態に合わせた薬を使い分けるのが特徴です。 月経の各時期に応じて薬を使い分けることにより、その時期に起るべき変化がスムーズに進むようになり、より妊娠しやすい状態を作ることができます。 この周期調節法は不妊の方だけでなく、月経痛、月経不順などの改善や予防にも役立つので、女性の健康作りにも応用されています。 当院に来院されている方でも、周期調節法の治療を行いながら鍼灸治療も受けて、妊娠されるケースがたくさんあります。
2013.12.20
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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内膜が薄くて受精卵が着床しません。漢方鍼灸で何か改善できますか。
JINEKO事務局さん(13歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【ポニーテールさん(39歳)】 内膜が薄いのが悩みです。 6〜7ミリでいつも移植しています。 不妊専門病院の先生は、内膜を重視しません。 そんな私にアドバイスをお願いします。 主な症状 ・周期が短い ・高温期が短い(10 日未満) ・低温期から高温期への移行に時間がかかる(階段式の上昇) ・月経血の量が少なく、期間が短い ・今までに排卵誘発剤などホルモン療法を行っていた ・子宮内膜が硬くて薄い 歳森三千代 先生 (福神トシモリ薬局) ~トシモリ薬局の妊娠実績~ [2004年1月~2012年12月までに合計568名が妊娠] 2009年1月~2012年12月の4年間で402名の方が妊娠しました! ・2009年 妊娠実績94名 (~29才8名、~34才32名、~39才46名、~43才5名、44才2名、45才~1名) ・2010年 妊娠実績108名 (~29才13名、~34才22名、~39才49名、~43才17名、44才4名、45才~3名) ・2011年 妊娠実績98名 (~29才4名、~34才21名、~39才44名、~43才23名、44才4名、45才~2名) ・2012年 妊娠実績102名 (~29才6名、~34才20名、~39才42名、~43才23名、44才4名、45才7名) 2012年では、44才の方が4名、45才が7名も妊娠しました! 35才以上の比率が74.5%、さらに40才~45才の方の比率は33.3%です。 妊娠された方のうち、3人に1人は40才以上の方になりました。 薬剤師 歳森三千代 以前は林原生物科学研究所の研究者 結婚後、先代について漢方を基礎から勉強。 70年続くトシモリ薬局を支える。 ≫ 福神トシモリ薬局まず結論から言えば、子宮内膜が6.4ミリ~7ミリだった方が、当局で漢方薬を服用し体作りをすることで、妊娠、出産されたケースがあります。 一般的に子宮内膜は8ミリ以上ないと妊娠しにくいと言われていますが、漢方薬で卵巣の機能を上げて着床力をつければ、6~7ミリでも妊娠、出産することが可能になるのです。 ポニーテールさんの基礎体温から、周期が短いのは「腎虚」、高温期が10日未満と短いのは黄体機能不全と言って「腎陽虚」とみます。 また、月経血の量が少ないのは「血虚」と考えます。 さらに、月経期間が短い(2~3日)またはもともと5~7日だったものが除々に短くなってきたのは「気血両虚」とみます。 そして質問にもある、子宮内膜が硬くて薄いのは「脾腎陽虚」と考えます。 これらの症状を総合的にまとめると、血を増やし「脾」の働きを高め、「補腎」していく漢方薬を服用するとよいと思います。 補腎薬の中でも動物生薬の「鹿茸」は、とくに腎補陽の効果がすぐれています。 この漢方薬で「腎」を元気にすることで、赤ちゃんが授かりやすい体作りができます。 「腎」を元気にすると以下気になる症状が改善します。 ① 卵子の質を高める ② 子宮内膜を厚くする ③ 排卵後の体温上昇を速くする ④ 高温期中の体温が下がるのを抑える(黄体機能不全) ⑤ 不正出血や流産を予防する ⑥ 月経痛や月経不順、貧血などの予防、改善 不妊専門病院の医師が内膜の厚みを重視しないのは、子宮外妊娠の場合、卵管に着床しますが卵管には内膜が存在しません。 そのため内膜の厚みを重視されないのではないかと思います。 私も子宮内膜の厚みを気にするよりも、ポニーテールさんの体質、病状にあった漢方薬を服用し、卵巣の機能を上げて卵胞の質、黄体機能を上げることが妊娠への近道だと思います。
2013.12.20
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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内膜が薄くて受精卵が着床しません。漢方鍼灸で何か改善できますか。
JINEKO事務局さん(13歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【ポニーテールさん(39歳)】 内膜が薄いのが悩みです。 6〜7ミリでいつも移植しています。 不妊専門病院の先生は、内膜を重視しません。 そんな私にアドバイスをお願いします。 主な症状 ・周期が短い ・高温期が短い(10 日未満) ・低温期から高温期への移行に時間がかかる(階段式の上昇) ・月経血の量が少なく、期間が短い ・今までに排卵誘発剤などホルモン療法を行っていた ・子宮内膜が硬くて薄い 渡邊香聖 先生 (ワタナベ鍼灸院) 桜塚高校 卒 龍谷大学 経済学部 スポーツサイエンスコース専攻 卒 京都仏眼鍼灸理療学校 鍼灸学科 卒 ≫ ワタナベ鍼灸院硬くて6~7ミリの薄さしかない子宮内膜で受精卵をしっかりと着床させるために、何とか肥厚でフカフカな子宮内膜にしたいものです。 理想は10~12ミリですが、最低でも7~8ミリはほしいところです。 少しでも子宮内膜を厚くするために、鍼灸では「腎」の働きを高めるツボを中心に治療を進めます。 「腎」は生殖機能そのものを整え、さらには生命の根源(生命力)である「命門」と言われるものも持ち合わせています。 まずはこの機能を充実させることが第一となります。 治療中は味付を薄くすることを心がけて下さい。 次に月経量が少なく、月経期間も短いということを考慮すると「肝」と「脾」への気血の補充も必要です。 「肝」は血を集め、その血を各臓器へ運ぶ役割を担っています。 子宮への血流量を増やす役割を担っているのが「肝」と考えて下さい。そして気血を作りだす役割を担っているのが「脾」です。 「肝」を補う食材は、梅干し、レモン、酢など酸味のあるものです。 「脾」を補うのは米や芋類など甘味のあるものです。 もちろん、これらばかりを食すということではなく、バランス良く食事を摂るなかで、これらの食材を意識的に加えると考えてください。 排卵誘発剤などを長期的に使用すると血がとどこおりやすくなる傾向もあるため、鍼灸治療を無理のないペース(週1回など)で上手に取り入れて、体全体のバランスを整えていくことも妊活にはとても有効です。 体質改善の観点からも治療を継続することで、基礎体温は上がりますし、月経量、月経周期も整ってきます。 さらに、一般的な肩こりや頭痛、日常の疲れなども軽減できますので、おすすめ治療だと思います。 しかし、鍼灸治療は一般的にあまり馴染みがなく、針を刺されるという恐怖心もあると思いますので、事前に希望している治療院の先生が、どのような治療をするのかしっかり聞いてから開始されるといいでしょう。 ポニーテールさんにとって1日も早く元気な赤ちゃんに恵まれるよう祈っております。
2013.12.20
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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成果が感じられるようになる平均期間
JINEKO事務局さん(13歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【しょうちんさん(35歳)】 成果が感じられるようになるまでの平均期間を教えて下さい。 主な症状 ・周期が短い ・排卵期の体温の上昇が緩やか ・高温期の途中で陥落が見られる ・レバー状の塊や、粘膜のような塊が混る ・月経血の量が少なく、期間が短い ・月経前はイライラしやすく、怒りっぽい。落ち込みやすい。 ・月経前は普段の便秘がさらに強くなる ・のぼせやほてりがある 衣川香 先生 (駅前漢方ごじょう) 健康で朗らかに過ごせることを、人生の(?)モットーにしています! 自分自身、出産を2回経験することができ、命の尊さや誕生の奇跡に感謝する毎日です。 漢方や東洋医学は、人間を自然の一部ととらえ、食養生やその季節の養生を重要として、体の根本から整えることができる、すばらしい医学だと思います。 現代人は身体を酷使している方が多いので、自分の体をよく知って、じっくりケアしていただきたいです。 特に、赤ちゃんを望まれている方は、心身のケアがとっても大切! 妊娠・出産・授乳・子育てに必要な気力と体力をしっかり養って、ママも赤ちゃんも元気で過ごしていただきたいと思っています。 薬剤師・子宝カウンセラー・不妊カウンセリング学会会員 ≫ 駅前漢方ごじょう月経前後のトラブルや、月経痛、月経量が少なく塊が多いなど、漢方的には血流が停滞し循環が悪くなる「瘀血(おけつ)」が強く、さらにホルモン治療や睡眠不足などから体内に「熱」がこもり、肌荒れや情緒不安、のぼせやほてりがでる「瘀熱」の状態だと思います。 漢方では「熱」は体が熱くなるだけでなく、交感神経を刺激し体内が興奮状態なると考えます。 その熱が悪さをして、いい卵胞を育てる力を低下させてしまいます。 「静則生水」という言葉があるのですが、卵胞の発育はゆったりと静かな環境で育てないと、いい水(卵胞ホルモンや子宮内膜)が生育できないという意味です。 卵胞ホルモン(エストロゲン)は、頸管粘液(オリモノ)を多くしたり、子宮内膜を厚くしたりと、いい卵子を育成するだけでなく、精子が卵子までしっかり泳げるための呼び水となって受精を助ける働きもあります。 しょうちんさんの場合、この「瘀熱」の症状が強いことで、基礎体温においても安定感がなく、ガタガタでメリハリがなくなってしまうのだと思います。 卵胞とは、簡単に言うと「卵子+ 黄体」で構成されています。 卵胞が充分に発育しないと黄体も未熟なままで、黄体ホルモンの分泌も弱まるため、高温期も維持しにくくなってしまいます。 のぼせやほてりを感じるのに足腰が冷えたり、月経中に冷えを感じる症状も血液の循環不良からです。 お風呂が上側から先に温まるのと同じように、熱が上半身にたまってしまうのです。 〝お風呂をかき混ぜる〟イメージで、しょうちんさんの体質改善は、「血流改善」と「瘀熱対策」からアプローチしたいですね。 漢方薬では、「松節エキス」「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」「ミンハオ」「二至丹」などの併用がおすすめです。 まず最初の1~2か月で月経前や月経中の不快症状が軽くなってくると思います。 全体的な症状改善には4か月くらいを目安にして下さい。さらに、コーヒー・飲酒・タバコは控え、卵胞が発育し始める23時までには就寝し、7時間以上の睡眠を心がけて下さい。 病院の治療との併用は、問題ありませんが、体作りをしてから臨むとさらに効果的です。相談しながら、いい時期を見計らっていきましょう。
2013.12.19
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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成果が感じられるようになる平均期間
JINEKO事務局さん(13歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【しょうちんさん(35歳)】 成果が感じられるようになるまでの平均期間を教えて下さい。 主な症状 ・周期が短い ・排卵期の体温の上昇が緩やか ・高温期の途中で陥落が見られる ・レバー状の塊や、粘膜のような塊が混る ・月経血の量が少なく、期間が短い ・月経前はイライラしやすく、怒りっぽい。落ち込みやすい。 ・月経前は普段の便秘がさらに強くなる ・のぼせやほてりがある 市川貴子 先生 (パパス東洋医療鍼灸院 / 漢方薬店・にこにこ薬唵) 副院長 市川 貴子(いちかわ たかこ) ◆経歴 大阪府立四条畷高校卒業 高知県立 高知女子大学看護学科 神戸東洋医療学院卒業 天津中医薬大学 鍼灸学科留学 両親は高知県出身。土佐のハチキンの血を受け継ぎ、大阪府立四条畷高等学校時代は生徒会副会長をして人様のお役に立つ喜びを知る。 高知女子大学で看護学を学び、西洋医学と看護の素晴らしさを教わる。 その後、自分の病と不妊、逆子では、東洋医学で救われた。 それをきっかけに、「子供の手が離れたら、東洋医学を学びたい。」と決心した。 神戸東洋医療学院にて鍼灸師の国家資格を取得。 中国に渡り、国立大学である天津中医薬大学(中国医学部)にて、本場の中国伝統医学(鍼灸・漢方・推拿)を学ぶ。 鍼灸と漢方を切り離しているのは日本だけで、本来の東洋医学は両方あって初めて一つであることを知る。 ◆資格 鍼灸師 登録販売者 裏千家 茶道 師範 ホームメイド協会 パン講師 ≫ パパス東洋医療鍼灸院 / 漢方薬店・にこにこ薬唵女性の性周期は、月経期・卵胞期・排卵期・黄体期と4つの時期に分けて考えます。 とくに着目するのは、「月経血が完全に排泄することが良い卵胞発育をうながす」「卵胞の発育状態で黄体期が決まる」ということです。 排卵後に抜け殻となった卵胞が黄体に変わり、黄体ホルモンが分泌され高温期となります。 つまり排卵期の体温上昇が緩やか、高温期に体温が安定しないのは、排卵障害と黄体機能不全( 黄体ホルモンが充分に分泌されていない) と考えます。 しょうちんさんの場合、イライラなど月経前症候群の症状があったり、月経血にレバー状の塊がでる、月経期の日数や血量も減ってきたなどから、体内に瘀血(おけつ)(血のとどこおり)があって排泄がうまくいっていないようです。 また、月経周期も短く、低温期の体温が不安定、便秘やのぼせなどがあることから、気や血のめぐりも悪いので、さらに瘀血体質になりやすくなっています。 日常生活のアドバイスは、まず、体を冷やさないこと。お灸や半身浴、また湯船の中でのツボのマッサージなどで体を温めます。食事・姿勢・服装なども見直しましょう。 充分な睡眠も必要です。睡眠中は体の疲れをとるだけではなく、色々なホルモンが分泌されます。ストレスの緩和の意味も込めて軽い運動もしましょう。 鍼灸と漢方の治療で、気をめぐらし瘀血を取り除き、体の深部の体温を上げていくことが可能です。 体の細胞が生まれ変わり、水分が入れ替わる期間の目安は3か月と言われています。 鍼灸や漢方の効果は、1、2か月で感じられます(当院の治療を受けて、1か月ちょっとで自然妊娠された方も複数おられます)。 体質が変わり、いい卵子ができて、めでたく妊娠する所までの時間となるともう少しかかります。 排卵される卵子は3か月前に原始卵胞の状態から発育してきたものです。 ということは、現在準準備されてる卵子の排卵は3か月先だからです。体質改善は一朝一夕にはいかないけれど、「継続は力なり」です。 母体が整った状態でクリニックの不妊治療を受けるのがより効果的だということです。 まずは、母体作りに専念して下さい。生活習慣の改善と不妊治療に理解のある鍼灸院の施術をぜひお試しください。
2013.12.19
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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高年齢ですが、着床しやすくなる方法はありますか?
JINEKO事務局さん(13歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【ひまわりさん(43歳)】 高年齢で受精卵の問題だとは思いますが、漢方や鍼灸によって着床しやすくなる方法はありますか? 主な症状 ・高プロラクチン血症である ・卵や子宮内膜の条件が良くても着床しにくい ・肌は脂性で吹き出物がでやすい ・寝不足の日が多い ・めまいや立ちくらみをおこしやすい ・足腰のだるさや冷えを感じる ・稽留流産したことがある かしたに陽子 先生 (漢方薬の一陽館薬局) 女性のための漢方相談専門薬局として、相談スタッフ7名は全員女性。 不妊症・月経不調など女性特有の心身のトラブルについて相談が多く寄せられます。 輝く女性の笑顔のために一陽館薬局だからできること、女性だからこそ分かり合えることがあります。 おひとりお一人お悩みの症状も生まれ持った体質も生活環境も異なるわけですから漢方相談は個別相談が基本であり、その相談自体からオーダーメイドであることは当然のことであるという考えに立ってしっかりとお客さまに寄り添い、サポートしています。 店主:かしたに 陽子 一陽館薬局 代表 管理薬剤師 漢方薬生薬認定薬剤師 不妊カウンセリング学会認定 不妊カウンセラー ≫ 漢方薬の一陽館薬局不妊治療は高度な治療により、受精卵までは実現できる可能性が高まりましたが、「なかなか着床しない」という方からの相談が、不妊治療件数の増加に伴ってますます増えていると実感しています。 受精卵が着床し妊娠が成立するには、「卵子の状態」「ホルモンバランス」「着床力」という3つの要素が大切です。 まず、ホルモンバランスが関係すると考えられるのが基礎体温のリズムです。周期が不安定であったり、高温期や排卵に不安な状態なのは、周期をつかさどる腎精(生殖のもととなる体力)の不足が考えられます。 周期的なホルモンバランスの変化によって食欲や情緒に変調をきたすのは、ホルモン活動の過不足をコントロールする体の力の余裕がなくなっているからです。 また、月経血の状態として量の減少や粘りがあるのは、受精卵のベッドである子宮内膜や卵子の栄養となる血の「めぐり」や「質」という血液のバランスが悪くなっているからです。ただ、ここでいう血液バランスとは、病院の血液検査とは異なる、漢方の概念による「瘀血(おけつ)」という状態をしめしています。 一陽館薬局では、妊娠成立に必要な条件として、「卵子の状態」、「ホルモンのはたらき」、「着床を支える力」の3つを主体に漢方薬で体作りを進めています。 漢方の概念で説明が可能な症状については、体質に合った漢方薬を服用して、一定期間体作りに取り組むことで、妊娠しやすい状態に体を整えることができるのです。 加えて治療と同じくらい大切なのが生活改善です。 ひまわりさんの場合、生活面を見直すことにより状況が好転する可能性があると思います。 お肌が脂性で吹き出物が多いのは、体の中の潤いが不足し、熱がこもりデトックスができないことの表れだと思います。 また、睡眠が慢性的に不足した状態は体力の衰退を加速させることにもつながり、足腰の弱りやだるさもおこりやすくなります。このような状態がさらに睡眠効率の低下を招くという悪循環になることも考えられます。 専門の漢方薬局で生活改善指導を受けながら、漢方薬で妊娠を迎える準備をしましょう。
2013.12.19
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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高年齢ですが、着床しやすくなる方法はありますか?
JINEKO事務局さん(13歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【ひまわりさん(43歳)】 高年齢で受精卵の問題だとは思いますが、漢方や鍼灸によって着床しやすくなる方法はありますか? 主な症状 ・高プロラクチン血症である ・卵や子宮内膜の条件が良くても着床しにくい ・肌は脂性で吹き出物がでやすい ・寝不足の日が多い ・めまいや立ちくらみをおこしやすい ・足腰のだるさや冷えを感じる ・稽留流産したことがある 河村拓躬 先生 (鍼灸 たくみ堂) 不妊の原因となっている体質を改善する為に、たくみ堂のはり治療は次ぎのような方法を用いて、施術しております。 使用するはりは、極細を用いて、心地良い刺激、そしてすべて使い捨てはりです。 ・卵巣機能回復処置法 卵巣の機能を活性化して質のよい卵ができるようにする。 ・免疫機能強化処置法 自覚症状のほとんどない、慢性扁桃炎の二次的炎症により、妊娠にとって大切な子宮や、卵巣で生じている障害を改善する。 ・血流促進処置法 腹部の瘀血(おけつ)改善と、骨盤部内、及び全身の血流を改善する。 ・内分泌系調整処置法 各種のホルモンが、バランス良く分泌されるように調整する。 ・自律神経調整処置法 交感神経と、副交感神経の働きを調整する。 以上の処置法を中心としてその他、粘膜消炎処置法、筋緊張緩和処置法(コリをほぐす)等、その人の体質に合わせた処置法を用いて、体質改善をいたします。 ≫ 鍼灸 たくみ堂妊娠が継続し、出産へと導くためには子宮、卵巣がしっかりと働いていることが第一条件です。 しかし子宮も卵巣も単独で働くわけではありません。 そのほかの内臓や自律神経などもしっかり働くことで、子宮や卵巣はともに活性化し、妊娠、出産という安定した母体が作られるのです。 鍼灸治療は表面的な症状だけにとらわれることなく、体全体を整えていく治療なので、結果として子宮、卵巣を含む内臓全体の働きを強化できるのです。 ひまわりさんの場合、不眠や寝不足・冷えが高プロラクチン血症などのホルモン分泌の障害の一因になってしまっているように思います。 冷えをとり自律神経を整えれば上手にリラックスできるようになり、不眠や寝不足も改善するでしょう。 そうなれば内臓も活性化し肌荒れやだるさなどの症状も改善していくと思われます。 子宮内膜や卵の条件が良いのに着床しにくいことがあるとのこと。 それも冷えや寝不足・体のだるさなどを解決して根本的に体調を良くすることが、着床を安定させるためには大切なのです。 当院では体質改善、母体の体調管理には週に1回の鍼治療をおすすめしています。 また、家庭でできる簡単な手当や食事のアドバイスも行い、これらを、併用していただくことで鍼の効果を持続させます。 受精卵はご夫婦二人の共同作業ですので、奥様だけでなく旦那様も鍼治療を行うことで、ストレスに左右されやすい精子の改善も期待できますし、受精卵の質が良くなる方もいます。 奥様は月経痛や月経の状態が良くなったり、AMH値が改善さる方もいます。 とくに体外受精をされている方の場合、移植日を含めた3日以内の鍼治療をおすすめしています。 移植前はホルモンや内膜を調整して受精卵の受け入れ態勢の準備をし、移植後には子宮への血流をより活発にすることで着床をうながします。 不妊治療中は、悩みを一人で抱え込んでしまったり、なかなか前に進まない状況にストレスを感じてしまうこともあるかと思います。 病院での治療内容などを含めた相談が、安心してできる鍼灸院を選びましょう。
2013.12.19
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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どれも効果がなく、疲れてしまいました。
JINEKO事務局さん(13歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【ふみすけさん(42歳)】 煎じる漢方薬を半年、鍼灸を1年年半続けてみました。 高額な費用と通院に疲れ辞めてしまいました。 玄米や豆乳、ヨガなど体質改善にも務めましたが、努力では無くて、すでに妊娠できる人と出来ない人とわかっているなら、教えてもらいたい感じです。 主な症状 ・高温期が短い(10 日未満) ・いつ排卵したか分かりにくい ・月経の量が少なくネバネバしている ・月経血の量が少なく、期間が短い ・卵や子宮内膜の条件が良くても着床しにくい ・足腰のだるさや冷えを感じる ・不眠や夢をよく見る 福田優基 先生 (福田漢方薬局) 〜女性の笑顔のために〜 漢方薬の不妊治療では、病院の検査で見つからない歪み、病気に向かっている「未病」の状態を重視し、全体の調和を大切にします。 たとえば「冷えすぎた身体は温め」「火照った身体は冷ます」お一人お一人の体調をお聞きして、体質を検討し、処方を調整します。 漢方薬を服用するうちに、 「冷えていた身体が溶けるように温かくなってきた」 「これまでの動けなくなるような生理痛がなくなった」 と体質の変化を感じる方もおられます。 こうして、からだの土台をしっかりと整えて、患者様と共に願いを叶えれたら。 笑顔で『生まれました!』と報告してもらうこと。 それを楽しみに、がんばっています。 ≫ 福田漢方薬局不妊の治療に疲れ、月経周期も短くなり、不安な日々を送っていらっしゃるとのこと。 なかなか効果が実感できない場合、治療が自分に合った効果的なものなのか、見直すことが重要になります。 体調・治療歴・年齢・環境など人それぞれ違いますし、時期により体質も変わります。 煎じ薬も続けやすいものに代用できる場合もあります。 良い処方を服用し治療を行っていても、その効果を引き出せていない方もいます。 例えば、悪い部分だけに目を向けてしまう方。「ここがまだ辛い」と話された後に、「顔色がいいですね」と声かけをすると、「そういえば、体が温かくなりました」と驚いたように答えられます。 改善しようとするあまり、悪いところを探すことに集中してしまう。集中しすぎると視野が狭くなり、少しの変動に怒りや恐れが出てきます。中医学ではこの感情が強くなると「肝・腎」を傷つけると考えます。 「肝」には血を養い、「腎」には体全体を温め、子宮や卵巣などの生殖能力を高める、つまり妊娠力と密接な働きがあります。 「肝・腎」が傷つくと、全体の妊娠力も低下するのです。 妊娠のためには「肝・腎」の働きを高める漢方薬である、杞菊地黄丸などをベースにして体の歪みを改善する、卵巣機能やホルモンバランスを整え、受精卵が着床できるような、フカフカの子宮内膜を作っていきます。 体の良い部分に目を向け、ひとつひとつ改善しているという、実感と自信が大切だと考えています。 それから、「リラックスしてください」と言われても、どうしていいのか解らないという方もいらっしゃいます。 家でゆっくりしているようでも、神経が興奮状態では頭は休まりません。 「何かしたいけど……」と、マグマのように気の流れがたまり、自律神経の乱れを引き起こして、月経不順やのぼせ、火照りといった、更年期のような症状がでることもあります。 首や肩の凝りも気の停滞から起こります。気の停滞は肝腎の働きも悪くするので、上記の処方に気の流れを整える、開気丸や逍遥散などの処方を併用します。
2013.12.19
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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どれも効果がなく、疲れてしまいました。
JINEKO事務局さん(13歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【ふみすけさん(42歳)】 煎じる漢方薬を半年、鍼灸を1年年半続けてみました。 高額な費用と通院に疲れ辞めてしまいました。 玄米や豆乳、ヨガなど体質改善にも務めましたが、努力では無くて、すでに妊娠できる人と出来ない人とわかっているなら、教えてもらいたい感じです。 主な症状 ・高温期が短い(10 日未満) ・いつ排卵したか分かりにくい ・月経の量が少なくネバネバしている ・月経血の量が少なく、期間が短い ・卵や子宮内膜の条件が良くても着床しにくい ・足腰のだるさや冷えを感じる ・不眠や夢をよく見る 湯浅 佳子 先生 (パクス・テルレーナ治療室) ■経歴 フェリス女学院大学文学部国際文化学科(現:国際交流学部)卒業後、医療系団体にて広報誌の編集・制作を担当。 その後、鍼灸専門学校へ入学、鍼灸師となる。東京衛生学園専門学校東洋医療総合学科卒業。 在宅医療研修、アロママッサージサロンなどで臨床経験を積み、 パクス・テルレーナ治療室を開院。 鍼灸専門、女性・小児専門の治療院として子どもから大人まで様々な症例の臨床に横浜にて数多く取り組む。 パクス・テルレーナ治療室 横浜本院副院長 パクス・テルレーナ治療室 岡山井原分院院長 付属施設アロマ&美容鍼灸ルーム監修・代表 1971年生まれ 一児の母 民間資格 JAA認定アロマコーディネーター JAA認定アロマインストラクター 所属団体 女性鍼灸師フォーラム 日本鍼灸師会 東京スキンタッチ会 日本不妊カウンセリング学会 日本アロマコーディネーター協会など ≫ パクス・テルレーナ治療室不妊治療はほかのこととは違って、すぐに結果がでない場合もあり、「こんなに頑張っているのに何でだろう……」と、報われない気持ちが大きくなり、疲れて果ててしまう方はたくさんいます。 ふみすけさんが質問している「妊娠できる人とできない人はわかるのか? 」ですが、非常に難しい質問です。 中国医学の古典には、女性の成長や成熟は7年ごとに節目を迎えると考えます。7歳で永久歯がはえるなど大人への成長が始まり、14歳で初潮を迎え女性として成熟が始まり、21歳で女性の体ができあがり、28歳がピークで体力もみなぎり、妊娠・出産に最も適している年齢と考えます。 35歳からは、しわや抜け毛、白髪がではじめ、42歳で顔のやつれ、白髪が目立つようになり、49歳で閉経を迎えると記されています。 中国医学だけでなく西洋医学でも、年齢を重ねるほど妊娠は難しくなります。一生の卵子の数は決まっているので、残念ながら、年齢とともに採卵可能である良好な卵子は減少していくのです。 ふみすけさんの場合、採卵や移植もできているので妊娠の可能性はあると思います。 ふみすけさんのようにスランプで悩んでいる方には「続ける気持ちがあって、それが許される環境なら、悔いのないように無理なくやれるだけやってみましょう」とアドバイスをしています。 鍼灸や漢方の治療によって生殖器の機能を整え、精神的なストレスを緩和することで、良い卵子がでる確率が高まったり、着床しやすい、妊娠の継続がスムーズにいくような体作りができます。 ふみすけさんも少し休んで、ストレスのかからない範囲でまた通われてみるのもいいかもしれません。 同じところに通うならば、今のふみすけさんの体がどのような状態なのかを、再度聞いてみてはいかがでしょう。 長い間ふみすけさんの体を診てきた先生ですから、的確な回答をしてくれるのではないでしょうか。 また、別のところに通うのもいいかもしれません。 ほかの先生の診立てや治療法でぐんと良くなる場合もありますから。 ふみすけさんの努力は必ずご自身の体に返ってきます。良い方向に進むことをお祈りしております。
2013.12.19
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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漢方と鍼灸はどちらが効果的 なのでしょうか?
JINEKO事務局さん(13歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【ゆうさん(34歳)】 私の症状から漢方と鍼灸はどちらが効果的なのでしょうか? 主な症状 ・レバー状の塊や、粘膜のような塊が混じっている ・月経前はイライラしやすく、怒りっぽい。落ち込みやすい。 ・月経前は過食気味or 食欲不振, 月経前は普段の便秘がさらに強くなる ・子宮筋腫、内膜症、卵巣膿腫、子宮ポリープ、卵管癒着などがある ・卵や子宮内膜の条件が良くても着床しにくい ・水分をあまり欲しない ・寝不足の日が多い 古村滋子 先生 (漢方の健伸堂薬局) 今日の高度生殖医療の進歩はめざましく、今や「卵の核移植」まで進み、今後いかなる状況になるのかは未知の世界です。 その影で、高度生殖医療を受けながらも希望が叶えられず不安と焦りと苛立たしさを抱え、「もう漢方しかない」「最後に漢方でも」との思いを込めて漢方薬に一筋の光を求める方が多くおられます。 「漢方薬とはどういうものなのか?」「周期調節法とはどのようなものなのか?」「興味はあるが聞く機会がない!」との声を受け、当特集では、漢方薬を使った周期調節法をわかりやすくご紹介していきます。 鍼灸も含めた漢方を自分のライフワークと決めて40年。小さなミクロの世界から1つの生命体に進化して、この世に生まれてくる生命。その神秘の世界に感動しつつ、「新しい生命の誕生」に感涙する家族の姿に心打たれ、この仕事に携われる喜びを感じています。 赤ちゃんを授かりたいと願う方たちを応援する「命を繋ぐ」仕事を、皆様とともに築いていきたいと思います。 ≫ 漢方の健伸堂薬局ゆうさんのように、漢方と鍼灸のどちらが良いかという質問をよく受けます。 どちらか一方の治療法でも体質改善は期待できますが、漢方に鍼灸を組み合わせる「鍼薬配伍」は相乗効果によって、より早い体質改善が期待できます。 ゆうさんの体質を拝見しますと、レバー状や粘膜様の塊がでる、子宮筋腫・内膜症を持っているということから、血液循環の悪い「瘀血」体質が考えられます。 「瘀血」体質とは、血液の流れがうまくいかずドロドロの血液になる状態のことです。 子宮内・卵巣内の血液循環が悪くなると、卵管も癒着しやすくなりますし、子宮内膜もフカフカの厚い状態ではなくなります。卵や子宮内膜の条件が良くても着床しにくい原因のひとつに、「瘀血」体質は密接に関係していると思われます。 フカフカで厚く着床しやすい子宮内膜を作るためには、血液循環を良くするような漢方の「活血薬」に「血海(けっかい)」「三陰交(さんいんこう)」など、活血作用のあるツボを刺激することで、内と外から気血のめぐりを調和することができます。 また、月経前にイライラしやすく怒りっぽい、落ち込みやすいなど、月経前のPMSがあることから「肝鬱」の体質もうかがえます。 「肝鬱」体質は気のめぐりをとどこおらせます。 気のめぐりが悪くなると便秘にもなりますし、血のめぐりも阻害しますので「瘀血」体質を引きおこすことにもなります。 このような方はストレスを改善する「疏肝薬(そかんやく)」と同時に「太衝(たいしょう)」「肝兪(かんゆ)」などの疏肝作用のあるツボを刺激することで、早めの体質改善が期待できます。 治療には体の内から治す「内治」と、外から治す「外治」があります。内治である漢方薬は、薬を内服することで五臓六腑の気血調和をします。 そして外治である鍼灸は、体表のツボを刺激することで気血調和をします。 それぞれの周期に合わせた漢方薬に鍼灸を組み合わせ、その方に合った治療を提案するのが周期調節法です。 つまり漢方薬に鍼灸を組み合わせた「鍼薬配伍」は、ある意味理想の治療法だと言えます。また生活習慣も重視します。 寝不足は体調不良をおこすだけでなく、卵子の質にも影響しますので、少なくとも日付の変わる前までには布団に入って下さいね。 回答 古村恵利子(薬剤師・鍼灸師)
2013.12.19
専門医Q&A 漢方・鍼灸