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転院後、移植4回で妊娠するも流産…。つらい経験を経て出産。

コラム 不妊治療

転院後、移植4回で妊娠するも流産…。つらい経験を経て出産。

「妊娠判定の結果を待つのがつらかった」
流産のショックから、夫が治療に付き添うように。
待つストレスを二人で共有し、絆を深めました―。

2018.8.23

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30歳を超え、“卵子の老化”を知って結婚後すぐ治療へ。
治療すれば、すぐ妊娠できると考えていたものの結果が出ず、
体外受精へのステップアップを機に転院。
通院も夫婦一緒。夫婦で歩んだ不妊治療のストーリー。


 


※2018年8月27日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.39 2018 Autumn」の記事です。


卵子の老化が気がかりですぐに治療をスタート


広島市にお住まいのYさんご夫婦は3年ほどおつきあいの後、35歳で結婚。
「結婚を意識している時に、ちょうどNHKで卵子の老化について扱った番組を見ました。30歳を超えていることもあって、妊娠のことを考えるとできるだけ早く結婚したほうが…と思って、彼にどちらかというと私が結婚を促した感じです」とYさん。
ハネムーン後には、友人から教えてもらった排卵検査薬で調べながら、タイミングをとってみたものの妊娠に至らず。
「実は、自分の排卵のリズムに合わせればすぐに妊娠できると思っていました」
“卵子の老化”のことが気になり、行動を起こすには早いほうがいいと県の不妊治療の助成金が対象になるクリニックを調べて、すぐ問い合わせしました。電話をすると「今日でもOK」と言われたので、すぐ出かけたそうです。検査結果は問題なく、タイミング法を6~7回、人工授精を10回ほど試みましたが妊娠しませんでした。
約1年半治療をしたYさんですが、先生が自分の話をあまり聞いてくれなかったこともあって、コミュニケーションがうまくいかず、先生への不信感と治療への不安が募ってきました。そして、その後の治療を受けることをやめて転院することに決めました。


つらい流産をきっかけに夫が通院に同行。心の支えに


転院先については、インターネットの口コミや成功率を参考に、会社からも通院しやすい絹谷産婦人科を選びました。
「治療を体外受精へとステップアップするにあたり、これまでと比べ期間も費用もかさむので、治療の成功率なども調べたりと、クリニック選びは慎重に行いました」
治療を進めるにあたり、クリニックでの夫婦で初診前説明会や体外受精説明会を受け、準備しました。しかし風疹の抗体が低かったため、2カ月間治療を待つことになりました。
採卵後、二度初期胚で移植するも妊娠せず。3カ月後に胚盤胞移植も行いましたが、いい結果にはなりませんでした。その2カ月後に行った二段階胚移植によって2個卵を戻すことができ、やっと妊娠することができました。
「私のAMH値が少し低いくらいで主人も問題なかったですし、当初は採卵できていたこともあって、体外受精をすればすぐ妊娠できるものだと思っていました」
妊娠するまでの期間、普段通りに過ごしていいと言われていたYさんは仕事も通常通りで、自転車で重い荷物を積んで走り回ったりしていたそう。またご夫婦ともに温泉巡りが趣味だったこともあり、夜中に出発するなどご夫婦にとってはいつも通りの日常を送られていたのだとか。
「なかなか妊娠できないのは、こういった行動や生活がいけなかったのだろうと考えて、残業を控えたり、移植時は会社を休むなど、できるだけ体に負担をかけないように心がけるようにしました」
そういった努力もあり妊娠したのですが、残念なことに流産となりました。胎嚢まで確認できていたため、とてもショックだったそう。流産の結果を聞いた時、看護師長に涙が枯れるまで側に居てもらったことで、気持ちを落ち着けることができ、仕事に戻ることができたのだとか。
「ここまで検査をはじめ、流産に至るまでの結果は一人で聞いて受け止めていました。結果を一人で待つ時間が心細くもあり、とても不安でした」とYさん。ご主人にこの時の心情を聞くと「LINEで連絡を取り合ってはいたのですが、その場に一緒にいなかったこともあって、妻との温度差を感じていました。そのなかでの流産だったので、その後の治療はできるだけ一緒に受診しようと決めました」とのこと。それから夫婦で不妊治療を頑張っていこうと心を一つにしました。
その後、採卵して育てた胚盤胞4個は先生にも「いい状態なんじゃない」と言われました。1個ずつ戻した卵は2回ともだめでしたが、3回目に残りの2個を戻したうちの一つが着床しました。しかし先生には、前回の流産した時よりHCGの数値が低いと言われ、半信半疑で妊娠を喜んだという感じだったそう。「あまり期待すると、だめだった時が怖いので…」とYさん。
前回の妊娠の時にはインターネットで調べたり、体験者のブログを読み漁ったことで余計に不安になったこともあり、今回はそういった行動はしなかったのだとか。情報を得るのは大切だけど、情報に踊らされないことも大事だと夫婦で話したそうです。
また、妊娠するために“できることはトライしてみよう”という気持ちで鍼治療を行ったり、葉酸や亜鉛、ビタミン類などのサプリメントを摂取するほか、近くの神社へのお詣りも欠かさなかったそうです。
「もう心がけの問題だと思って、自分たちのことだけでなく、親戚や友人など、皆さんが“幸せになりますように”と祈っていました」とご主人。
 妊娠期間はできるだけ無理はせず、おかげで体調も順調、里帰りして出産しました。駆けつけたご主人も出産に立ち会うことができ、分娩室に入室後1時間ほどで無事に男の子が生まれました。
「約3年という長い間、不妊治療をしていたのでわが子を抱いた時は人一倍喜びがこみあげました」


治療への理解があった職場寄り添ってくれた夫に感謝


治療をはじめるあたり、「これから妊娠し、出産して子育てまでを見据え、自分たちの年齢を逆算して“早いほうがいい”と考えて行動に移しました」とご主人。
「クリニックに一緒に行くようになって、不妊治療の大変さを改めて知りました。いろいろな過程で結果を聞かないといけないのですが、受験の合格発表よりもつらい重圧を毎回感じていました。あちこち出かけるたびにお守りを授けていただき、たくさんのお守りを二人で持って受診していました。またお腹にシール(エストラーナテープⓇ)を貼るのですが、これに“待ってるよ”とメッセージを書くのが私の役割でした」と優しい笑顔で話されました。特に妊娠判定日にご主人と一緒に病院に行けたことがYさんにとって心強かったのだとか。
「主人が自営業で、わりと時間の融通が利くこともあって通院も一緒でしたし、食事などの家事も手伝ってくれたりして、本当に感謝しています」とYさん。
また、正社員で働くYさんにとって職場の理解も欠かせなかったよう。治療のことは職場の女性全員と男性は上司にのみ報告。上司には不妊治療の大変さを説明して、採卵と移植日はシフトを調整してもらったり、出社前に注射に通ったり、女性陣には治療の悩みを相談したりして、治療と仕事を両立することができました。
Yさん夫婦のご両親はお孫さんの誕生をとても喜ばれているので、毎日動画や写真を送り、様子を見せているそう。1歳の誕生日に向け、準備が楽しくてたまらない様子なのだとか。
現在Yさんは、育休中。第二子出産に向け、育休中に治療を進めたいと考え、産後8カ月で不妊治療を再開したばかりです。


 



出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.39 2018 Autumn
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