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【特集】治療の時期について夫と意見が異なったら?

コラム 不妊治療

【特集】治療の時期について夫と意見が異なったら?

不妊治療ではスケジュール調整が大変です。自身の仕事と治療の調整がやっとできたと思ったら、ご主人の仕事とスケジュールが合わず、治療計画が滞ってしまうことも。夫婦でスケジュールが合わない時、どうするのがいいかを専門家に聞いてみました。

2019.10.3

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※2019年8月24日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.43 2019 Autumn」の記事です。


nyankoさん(31歳)からの相談
● IVF(ICSI)の治療時期で私と夫の希望が違ってしまいました…
元々、5月にIVFをやる予定でしたが、夫の海外出張と重なり、今周期6月(採卵は7月頭あたり)になりました。ただ、夫が海外出張から帰国したのが先週。しばらく多忙な日々が続くため、夫から「できれば8月に延期したい」と言われました。ちなみにIVFの治療歴は、夫の精子の運動率が悪く、ICSIになり、①初期胚移植→子宮外妊娠→撃沈、②胚盤胞移植→撃沈という状態で、次は採卵からです。不妊治療歴は4年で夫の精子の運動率は日によって違います。もし、今周期にやるなら生理3日目(明後日)までに決めないといけません。夫のことを考えて来周期に延期すべきか、自分の気持ちを優先すべきか悩んでいるのでアドバイスをください。

「不妊治療の流れ」まとめ
夫婦できちんと話し合って意見を
一致させてから治療に臨んでください

お話を伺った先生のご紹介

柏崎 祐士 先生(かしわざき産婦人科)


京都府立医科大学医学部卒業。2000 年まで日本大学板橋病院で主に不妊治療に従事し、その間、米国エール大学医学部産婦人科で研修。その後、「かしわざき産婦人科」副院長に。日本生殖医学会生殖医療専門医、日本産科婦人科内視鏡学会認定医。

≫ かしわざき産婦人科

今周期にIVFをするか生理3日目までに決めないといけない理由は?


体外受精のスケジュールですが、女性の生理周期に合わせて立てていきます。卵巣の刺激方法によっても異なりますが、たとえばロング法の場合、生理開始3日目から卵胞の発育を促すHMG製剤の注射をスタートさせます。恐らくnyankoさんがクリニックから「生理3日目までに今周期にIVF(ICSI)をやるかどうかを決めてください」と、言われているのもそのためでしょう。
最近では、「ランダムスタート法」という画期的な方法もあります。これは、がん患者さんが将来の妊娠に向けて、がんの治療開始前に卵子を採取して保存しておくために生まれたもので、2年ほど前から不妊治療でも行うようになりました。
「HMG注射をいつから始めても採卵できる卵子の質は変わらない」という研究から、女性の月経周期に関係なく好きな時からHMG注射を始めて卵子を育てて、採卵します。いつからでも治療をスタートできるのが大きなメリットです。ただ、採卵と同じ周期に移植はできないため、採卵した卵子はすべて凍結し、移植は次周期以降に回すことになります。


治療時期をめぐってご夫婦で意見が異なっていますが…


妊娠は一人ではできませんよね。不妊治療も同じで、夫婦で取り組むものです。今回の治療の時期をはじめ、選択する治療方法などでご夫婦の意見が異なったら、二人でよく話し合って意見を一致させてから治療をスタートさせましょう。
治療の進め方について意見が異なったまま治療を進めてしまうと、たとえ妊娠、出産することができても、わだかまりが残り、その後の子育てに支障をきたしてしまうこともあるので、二人でじっくり向き合って話すことが何よりも重要です。


夫にももっと不妊治療に積極的になってもらうには?


昔は「夫が不妊治療についてまったく理解がない」という相談を受けることは結構ありましたが、今は、ご主人がなんらかのサポートをしてくれるケースが多くなったように感じます。初診もご夫婦で来ていただけるケースがとても増えてきました。そうはいっても治療をするなかで意見が異なる、ご主人が及び腰という場面もあるでしょう。そういう場合は、医療機関のスタッフの力を借りましょう。
当院の場合は、不妊カウンセラーの資格をもつ看護師が4名いますので、治療の進め方についての相談にも対応しています。また、日曜日には私が個別にご夫婦のカウンセリングを行うこともあります。同じ説明でも奥さまからではなく、医師や看護師など医療スタッフが代わりに説明すると納得していただけることもあるので、「困ったな」と感じたら、医療機関のスタッフを頼ってみてください。


ご主人が多忙な場合の有効な治療法はありますか


ご主人に来院してほしいのは、採精日です。当日に院内で採精してもらうのがベターですが、当日の通院が難しい場合、時間のある別日に来院して採精し、凍結しておく方法があります。ただし、融解時に、凍結前の状態に100%戻るとは限らないというリスクはあります。また、ご自宅で採精したものを奥さまにお持ちいただく方法でもO Kです。質を保つために体温くらいの温度で保管して病院まで持ってきてください。
今回のnyankoさんの場合、顕微授精をすることが決まっているので、ご主人に過度なストレスをかけるのはよくありません。nyankoさんの年齢が31歳とまだ若いので、ご主人の意見を尊重して8月にICSIにトライするという選択でいいのではないかと思います。


1. ご夫婦で意見を一致させておくことが大切!
不妊治療は一人で取り組むものではありません。ご夫婦で同じ方向を向いて協力し合うことが何よりも大切です。どちらか一方がわだかまりをもったまま進めてしまうと、嬉しいことに妊娠、出産することができても、わが子の誕生を素直に喜べないなどのトラブルが生じてしまうことも。子育てしていくなかで夫婦の協力は不可欠なので、不妊治療に取り組む時からご夫婦でよく話し合うという習慣をつけておくといいでしょう。

2.解決できない時は医療スタッフを頼ろう
どうしてもご夫婦二人だけで話し合っても結論が出ない、話し合いがいつも平行線になってしまうという場合は、通院している医療機関のスタッフに相談するのも一つの方法です。同じ説明でも、奥さまやご主人から聞くよりも看護師や医師から聞いたほうが、すんなり納得できるケースもあるようです。医療機関によっては不妊カウンセラーの資格をもつスタッフが常駐しているところもあります。また、当院の場合はより高度なカウンセリングが必要となった場合、専門の臨床心理士へのご紹介も可能です。ご夫婦二人で考えても難しい問題の時は、積極的に頼ってみてください。

3.治療を一度中断してストレス発散を
今回のnyankoさんのように奥さまの年齢が若くて時間の余裕がある場合は、一度、治療をお休みしてみて、ストレスを発散するのもいいでしょう。その間に二人で近場にお出かけする、おいしいものを食べにいって二人の仲を深めると、今後の治療にもいい影響を与えてくれるかもしれません。

 


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.43 2019 Autumn
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