ジネコは７月31日、第4回目となる埼玉純真短期大学の女子学生172名を対象に、「大学生向け性教育」と「食育からの身体のケア」をテーマにしたセミナーを実施しました。助産師と、製粉メーカーで活躍する女性、二人の講義の模様をレポートします。

※2019年11月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.44 2019 Winter」の記事です。

澤部 由紀子 氏（看護師・体外受精コーディネーター）

秋山レディースクリニックで助産師＆体外受精コーディネーターとして活躍する傍ら、性教育の講演を精力的に行っている。

≫ 秋山レディースクリニック

有川 由紀子 氏

日本製粉株式会社経営企画部次長・ヘルスケア事業部主席。「ニップンのアマニ」のブランディング構策、広報・PRにかかわる。

卵子、精子、赤ちゃんを実感するデモンストレーション講義

１部のテーマは「将来に備えて女性が知っておいてほしいカラダのしくみ」です。助産師の澤部由紀子さんが妊娠、避妊、ピル、性感染症、不妊と５つの視点で解説しました。まず、妊娠の話からスタート。若い人の弾力ある卵子と、40歳の黒ずんだ弾力がない卵子をスライド写真で見比べながら、「50歳くらいまで妊娠できると思っている人もいるようですが、それは間違い。35歳くらいから卵子はお婆さんになりはじめ、妊娠しづらくなってきます」と、助産師ならではのリアルな話を盛り込んで命のはじまりを説明していきます。その後、卵子、精子、赤ちゃんを実感するためのデモンストレーション講義に。実物大の卵子が描かれたカードと、１回に射精する精子の量の水が入ったビーカーで受精の瞬間をシミュレーション。学生たちは目で確かめることで命のはじまりを実感しました。また、生まれたばかりの赤ちゃんと同じ重さの人形を抱きながら、たった0.2 mmの卵子と１匹の精子が受精卵になり、３０００ｇ近くの赤ちゃんに成長する「命の不思議さ・素晴らしさ」に感動した様子でした。
講義はさらに避妊、ピル、性感染症、不妊の話へと進み、なかでも時間を割いたのがピルのことについてです。「乳がんの家系だけどピルは大丈夫？」「生理をピルでコントロールして体に悪くない？」など学生からの質問をベースに展開するピルの話は、とてもわかりやすい内容になっていて、大きくうなずく学生もいました。また澤部さんは、将来、妊娠しづらくなる子宮内膜症と生理痛について取り上げました。「子宮内膜症の自覚症状は、生理痛がどんどんひどくなること。だから生理痛は我慢してはだめ。早めに婦人科でピルを検討して」と訴えます。現在、生理痛には鎮痛剤からピルに替える時代になっていると呼びかけます。現役プロだから伝授できるピルの新常識に、学生も真剣な表情で聞き入っていました。「今日の話を忘れずに、身近な人が喜ぶ恋愛と妊娠をしてほしい。そして自分も他者も愛せる女性になって」と力強いメッセージを学生に送りました。

毎日の食事と健康への影響をリアルに知る座学

２部のテーマは「女性の将来に向けての食育からのカラダのケア」で、有川由紀子さんが日本製粉の商品『アマニ』をベースに解説しました。
アマニは亜麻という植物の種で日本のゴマに似ているとのこと。特にオメガ３脂肪酸、食物繊維、ポリフェノールの一種リグナンの３つの栄養が優れているスーパーシードで、脳の活動や快便、女性ホルモンを安定させる栄養であることを説明しました。そして、２００６年を境に日本人はオメガ３脂肪酸がたっぷり摂れる青魚を食べなくなり、花粉症やアトピーなどアレルギーの病気が増えたことをデータで紹介。また、生理痛がひどい有川さんの大学生になる娘が、毎日の食事にアマニを摂り続けたことで生理痛が軽くなったエピソードを披露。学生たちは体をよくするも悪くするも毎日の食事がカギを握ることに気づきました。有川さんは「保育士や母親になるには健康な体が基本。食の知識を備えて夢を実現して」と、学生の背中を後押ししました。
性と食の知識は、人生をよい方向に自分でコントロールする力になることを学んだ学生たち。とても有意義なセミナーだったようです。

講義を聞いた学生の皆さんの声

★澤部さんの性についての講義を聞いて、学生の皆さんが気づいたこと、学んだことを事後アンケートから一部ご紹介いたします。

・生理のことだったり妊娠のことについて、知らないことばかりだったので良かったです。
・月経について授業のときより詳しくしれたこと。
・ピルには避妊だけでなく排卵の抑制や月経周期のリセットなどにも使われてることがわかりました。
・ピルのイメージが変わるくらいメリットがあること。
・コンドームやピルの使い方についての理解が曖昧でしたが、避妊率が１００%では無く、失敗することもあると分かりました。
・性感染症の恐ろしさを知ることができ、甘い考えで性行為をしてはいけないということが分かりました。
・大人になって子どもが欲しくなったときのちゃんとした知識。友だちに聞きづらい性についてのノウハウが聞けた。
・将来子どもが欲しいと思った時、好きな人が出来た時、避妊や性感染症についてもしっかり考えて、話し合っていくべきだと思いました。
・実際の精子の大きさには驚きました。ピルのことや避妊するためにも自分の身体も大切にしなけれ ばならないことを改めて学ぶことが出来ました。
・産婦人科に行くことは恥ずかしい事じゃないと思えました。
・産婦人科に対しあまり良くなかったイメージが変わり、将来女性は必ずお世話になると思うので、気軽に相談しにいきたいと思いました。
・女性の体についてあまり知らなかったことを知ることができました。知っておく知識だと思いました。

皆さん、知らなかったことや誤解していたこと、悩んでいたことが正しい知識や必要な情報を得たことで、今後の人生に活かしていく一歩になったようです。


★有川さんの食育については、どんな感想をもったのでしょうか。

・体の内側から整えることで薬も使わなくて済むとわかったので、やってみようと思いました。
・不足している栄養素が沢山あることを知り気をつけようと思いました。
・必須脂肪酸を効率的に取れる商品があると知りました。
・アマニを食べる事で生理痛緩和などたくさん良いことがある事が分かりました。

などなど、食の大切さ、アマニのメリットをたくさん学ぶ機会となったようです。


ジネコは今後も大学生向けのセミナーを開催していく予定です。
若い世代に向けて、自分を大切に、健康で明るい未来に繋がるよう、正しい知識を伝えていきます。

出典：女性のための健康生活マガジン jineko vol.44 2019 Winter
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