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新型コロナウイルス感染症に関する考え方【緊急インタビュー】

コラム 不妊治療

新型コロナウイルス感染症に関する考え方【緊急インタビュー】

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、不妊治療中の方々から、
治療の継続に対する心配や不安の声が上がっています。
専門家の見解について、JISART理事長・蔵本武志先生にお話を伺いました。

2020.5.25

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お話を伺った先生のご紹介

蔵本 武志 先生


久留米大学医学部卒業、山口大学大学院修了。山口県立中央病院産婦人科副部長、済生会下関総合病院産婦人科部長を経て、1990年オーストラリア・PIVETメディカルセンターへ留学。帰国後、1995年蔵本ウイメンズクリニック開院。JISART(日本生殖補助医療標準化機関)理事長。久留米大学医学部臨床教授。


新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、不妊治療中の方々から、
治療の継続に対する心配や不安の声が上がっています。
専門家の見解について、JISART理事長・蔵本武志先生にお話を伺いました。


※2020年5月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.46 2020 Summer」の記事です。


不妊治療は延期を、との声明が出されたそうですが…


日本生殖医学会による「新型コロナウイルス感染症(COVIDー19)に対する声明」(4/1)の中で、以下のような見解が発表されています。
①COVIDー19が妊娠、特に妊娠初期の胎児に及ぼす影響は明らかになっていない。
② 妊婦が感染した場合、重症化の可能性が指摘されていることや、現在治験中の抗ウイルス薬剤は妊婦には禁忌であることから、妊婦への対応に苦慮することが予想される。
③ 受診や医療行為に関連した感染の新たな発生が危惧される。
という3点から、国内でのCOVIDー19
感染の急速な拡大の危険性がなくなるまで、あるいは妊娠時に使用できる予防薬や治療薬が開発されるまでを目安として、不妊治療の延期を選択肢として患者に提示することを推奨するという内容です。この声明を知って、多くの方が治療の継続に不安を抱えていらっしゃることと思います。


JISARTとしての見解を教えてください


日本で不妊治療を受けられている方の多くは比較的年齢が高く、時間との戦いのなか治療を受けられているわけですが、この感染症の状況が収束するまで相当の期間を要することが考えられ、その間のさらなる妊孕性の低下は避けられません。
一方、厚生労働省が、妊娠中の女性の新型コロナウイルス感染対策のリーフレットを作成している(4/1)のですが、その中では感染が妊娠に与える影響について「胎児の異常や死産、流産を起こしやすいとの報告はありません。したがって、妊娠中でも過度な心配はいりません」と書かれています。
また、日本産科婦人科学会などは、新型コロナウイルス感染症への対応(第三版)」(4/7)を発表し、不妊治療については「基本的に延期できるものは延期するとする日本生殖医学会のポリシーを尊重しますが、都道府県と患者さんごとの個別対応が必要ですので、状況をご説明のうえ、安心安全な医療を提供していただくようご配慮をお願いします」としています。
以上により、 JISARTは関連学会の声明を尊重しつつ、感染拡大の状況および患者さま本人や職員の感染に注意を払いながら、現在の状況を十分に説明のうえ、体外受精、顕微授精、胚凍結保存、胚移植等の不妊治療を適切に行っていきたいと考えています。具体的な内容につきましては、各施設にお問い合わせください。


JISART(日本生殖補助医療標準化機関)とは
不妊治療を専門とするクリニックによって結成された団体。「安心と安全と満足を実感していただける生殖医療を提供する」という理念を共有する全国31施設が加盟。

出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.46 2020 Summer
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