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【Q&A】挙児希望 -浅田先生
妊娠はできるが、毎回8週前後で成長が止まってしまう。浅田レディースクリニックの浅田義正先生にお答えいただきました。
2020.5.31
専門医Q&A 不妊治療
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自然の力を味方に― 不育症と松こぶ ―
痛みやストレスを軽減するといわれる松こぶエキス。 不育症の原因の一つとされる血栓を予防する効果も期待されています。
2020.4.16
コラム 不妊治療
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不育症検査と合わせて絨毛染色体検査をすべき?
皆さんの治療に関する相談を全国のドクターにお聞きして、誌面でアドバイスをお届けする人気企画「ジネコ セカンドオピニオン」。ジネコの応援ドクターが丁寧にお答えいたします
2020.4.15
コラム 不妊治療
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【特集】病院選びの目安にも…不妊治療に必要な検査とは?【良い病院の選び方】
前号「不妊治療の実際」~2000人アンケート調査より~ では、不妊治療はクリニック選びが難しい! という実態が浮かび上がりました。いい病院を選ぶためにどんなデータや情報に注目するといいのか? 応援ドクターに取材しました!
2020.3.11
コラム 不妊治療
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【her story vol.63[後編]】繰り返す流産と、どう戦い、克服したかを話すのが私の役目
【her story vol.63[後編]】 1人目を自然に授かった私が不育症? 何度も流産を繰り返しても諦めなかったから、2人目の娘と出会うことができました。
2020.2.26
コラム 不妊治療
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初期流産後にしたほうがいい検査はありますか?
皆さんの治療に関する相談を全国のドクターにお聞きして、誌面でアドバイスをお届けする人気企画「ジネコ セカンドオピニオン」。ジネコの応援ドクターが丁寧にお答えいたします
2020.1.16
コラム 不妊治療
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【her story vol.63[前編]】何度も流産してしまう方々に、少しでも希望をもってもらえるなら
【her story vol.63[前編]】 1人目を自然に授かったから、次も当然…? 10回以上の流産を経て授かった私だからこそ、2人目不妊や不育症で苦しむ人に話したいこと。
2019.11.26
コラム 不妊治療
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【Q&A】 全身蕁麻疹を発症した後の妊婦検診で心拍停止。何か検査できることは?ー浅田先生
胚盤胞移植をして心拍を確認できたものの、次の日に全身蕁麻疹を発症し、その後の妊婦検診で心拍が止まっていました。次回の移植までに検査できることはないのでしょうか?浅田レディースクリニックの浅田義正先生にお答えいただきました。
2019.10.2
専門医Q&A 不妊治療
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【Q&A】全身蕁麻疹を発症した後の妊婦検診で心拍停止。何か検査できることは?-北村先生
胚盤胞移植をして心拍を確認できたものの、次の日に全身蕁麻疹を発症し、その後の妊婦検診で心拍が止まっていました。次回の移植までに検査できることはないのでしょうか?明大前アートクリニックの北村誠司先生に伺いました。
2019.9.20
専門医Q&A 不妊治療
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2回連続で同時期に稽留流産。不育症検査を受けたほうがよい?
皆さんの治療に関する相談を全国のドクターにお聞きして、誌面でアドバイスをお届けする人気企画「ジネコ セカンドオピニオン」。ジネコの応援ドクターが丁寧にお答えいたします
2019.9.6
コラム 不妊治療
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不育症の現状と今後
良好な胚を移植しても陰性が続く…その原因は何?不育症検査は受けるべき?気になる疑問や最新の検査や治療法などをまとめました。
2019.8.15
まとめ 不妊治療
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【医師監修】不育症について
不妊の原因の一つである不育症はどうして起こるのでしょうか。リスク因子やアプローチについて中村先生に伺いました。
2018.10.3
コラム 不妊治療
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2度流産したら「不育症」? その原因と診断された場合の対策
流産や死産をくり返す不育症。病気の概要と治療法、出産の可能性について、峯レディースクリニックの峯克也先生に伺いました。
2018.9.12
インタビュー 不妊治療
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きちんと知りたい! 不育症のこと
きちんと知りたい! 不育症のこと 奥 裕嗣 先生(レディースクリニック北浜) 妊娠はしても何度もくり返す流産…。それは不育症である可能性も。不育症の原因や検査、治療法についてレディースクリニック北浜の 奥裕嗣先生に伺いました。 流死産の多くは染色体異常が原因 不育症とは、妊娠はしても流産、死産、早期新生児死亡などを2回以上くり返す場合をいいます。化学流産を回数に入れるかどうかは意見が分かれるところですが、個人的には入れたほうがいいと考えています。 妊娠経験がある方が流産する確率は38%といわれています。流産のおもな原因として染色体異常とそれ以外の原因がありますが、実は、その多くは受精卵の染色体異常(染色体の数の異常)です(図1)。染色体異常による流産の確率は、20代で約50%、30代で60〜70%、40代では80%以上(図2)。母体の年齢が高くなるほど増加する傾向にあります。つまり流産を2回以上くり返している40代の方は、染色体異常が原因である可能性が高くなります。 「染色体異常」「不育症」を判別できる絨毛染色体検査 そこで当院では、流産を1回でも経験された方に絨毛染色体検査をおすすめしています。これは、流産手術や死産の時に得られた検体から胎盤絨毛組織や胎児組織を採取・培養し、染色体の数や構造に異常が生じていないかを調べる検査です。 この検査によって「染色体異常」、または「それ以外の原因」のどちらかを判別することができます。たとえば、流産を2回以上くり返す方に染色体異常が見つかった場合、卵子の染色体異常がたまたま続いただけで、次に染色体異常でない卵子に出会えれば妊娠する可能性は十分あります。そのためそれ以外の原因である可能性は低くなります。一方で、1回の流産で染色体異常が見つからなかった場合は、母体側になんらかの原因が隠れていると考えられます。 不育症の原因は大きく5つ。原因によって治療が異なる 不育症の頻度は2〜5%で、その多くを流産が占めています。原因と検査はさまざまで、当院では大きく5つに分けています(表1)。(1)赤ちゃんを異物と勘違いする免疫の異常(2)赤ちゃんを養う血管・血液の異常(3)母体が赤ちゃんを攻撃する抗体の異常(4)染色体の構造に問題がある染色体の異常(5)そのほか甲状腺の異常などです。 そのなかでも頻度が高いのは、血管・血液の異常による抗リン脂質抗体症候群です。また、プロテインS欠乏症は報告によると10%程度の確率といわれていますが、当院では20%の確率で見つかっています。さらに、血液の循環に影響するアンチトロンビンⅢや、ロバートソン転座型とよばれる染色体異常(染色体の構造の異常)はご夫婦のどちらかに見つかることがあり、流産の原因の10%程度あります。 治療については不育症の原因によって異なります。たとえば、血管・血液の異常にはアスピリン療法やヘパリン療法を行います。とくにプロテインS欠乏症や抗リン脂質抗体症候群の場合はアスピリン療法、ヘパリン療法を単独で行うよりも、両方を同時に行ったほうが出産の確率は高くなるといわれています。また、免疫の異常にはプレドニン®というステロイドホルモンや、免疫を抑える働きがある柴苓湯(さいれいとう)という漢方薬を用いることもあります。免疫の異常には、NK(ナチュラルキラー)細胞活性を下げる効果がある加味逍遙散(かみしょうようさん)という漢方薬も有効です。 POINT ●流産の約60%は染色体異常の可能性が ●まずは絨毛染色体検査をおすすめします ●不育症の原因に応じた治療が必要です [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 奥 裕嗣 先生(レディースクリニック北浜) 1992 年愛知医科大学大学院修了。蒲郡市民病院勤務の後、アメリカに留学。Diamond Institute for Infertility and Menopause にて体外受精、顕微授精等、最先端の生殖医療技術を学ぶ。帰国後、IVF 大阪クリニック勤務、IVFなんばクリニック副院長を経て、2010 年レディースクリニック北浜を開院。医学博士、日本産科婦人科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医。タイで英才教育を受けていたポメラニアンのイージーちゃんが来日し、初対面した先生。今年、タイとフィリピンでチャンピオンになり、次は日本と欧米のチャンピンをめざすそう。先生とお家で暮らせる日はまだ先のようです。 ≫ レディースクリニック北浜 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.36 2017 Winter≫ 掲載記事一覧はこちら きちんと知りたい! 不育症のこと 奥 裕嗣 先生(レディースクリニック北浜) 妊娠はしても何度もくり返す流産…。それは不育症である可能性も。不育症の原因や検査、治療法についてレディースクリニック北浜の 奥裕嗣先生に伺いました。 流死産の多くは染色体異常が原因 不育症とは、妊娠はしても流産、死産、早期新生児死亡などを2回以上くり返す場合をいいます。化学流産を回数に入れるかどうかは意見が分かれるところですが、個人的には入れたほうがいいと考えています。 妊娠経験がある方が流産する確率は38%といわれています。流産のおもな原因として染色体異常とそれ以外の原因がありますが、実は、その多くは受精卵の染色体異常(染色体の数の異常)です(図1)。染色体異常による流産の確率は、20代で約50%、30代で60〜70%、40代では80%以上(図2)。母体の年齢が高くなるほど増加する傾向にあります。つまり流産を2回以上くり返している40代の方は、染色体異常が原因である可能性が高くなります。 「染色体異常」「不育症」を判別できる絨毛染色体検査 そこで当院では、流産を1回でも経験された方に絨毛染色体検査をおすすめしています。これは、流産手術や死産の時に得られた検体から胎盤絨毛組織や胎児組織を採取・培養し、染色体の数や構造に異常が生じていないかを調べる検査です。 この検査によって「染色体異常」、または「それ以外の原因」のどちらかを判別することができます。たとえば、流産を2回以上くり返す方に染色体異常が見つかった場合、卵子の染色体異常がたまたま続いただけで、次に染色体異常でない卵子に出会えれば妊娠する可能性は十分あります。そのためそれ以外の原因である可能性は低くなります。一方で、1回の流産で染色体異常が見つからなかった場合は、母体側になんらかの原因が隠れていると考えられます。 不育症の原因は大きく5つ。原因によって治療が異なる 不育症の頻度は2〜5%で、その多くを流産が占めています。原因と検査はさまざまで、当院では大きく5つに分けています(表1)。(1)赤ちゃんを異物と勘違いする免疫の異常(2)赤ちゃんを養う血管・血液の異常(3)母体が赤ちゃんを攻撃する抗体の異常(4)染色体の構造に問題がある染色体の異常(5)そのほか甲状腺の異常などです。 そのなかでも頻度が高いのは、血管・血液の異常による抗リン脂質抗体症候群です。また、プロテインS欠乏症は報告によると10%程度の確率といわれていますが、当院では20%の確率で見つかっています。さらに、血液の循環に影響するアンチトロンビンⅢや、ロバートソン転座型とよばれる染色体異常(染色体の構造の異常)はご夫婦のどちらかに見つかることがあり、流産の原因の10%程度あります。 治療については不育症の原因によって異なります。たとえば、血管・血液の異常にはアスピリン療法やヘパリン療法を行います。とくにプロテインS欠乏症や抗リン脂質抗体症候群の場合はアスピリン療法、ヘパリン療法を単独で行うよりも、両方を同時に行ったほうが出産の確率は高くなるといわれています。また、免疫の異常にはプレドニン®というステロイドホルモンや、免疫を抑える働きがある柴苓湯(さいれいとう)という漢方薬を用いることもあります。免疫の異常には、NK(ナチュラルキラー)細胞活性を下げる効果がある加味逍遙散(かみしょうようさん)という漢方薬も有効です。 POINT ●流産の約60%は染色体異常の可能性が ●まずは絨毛染色体検査をおすすめします ●不育症の原因に応じた治療が必要です [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 奥 裕嗣 先生(レディースクリニック北浜) 1992 年愛知医科大学大学院修了。蒲郡市民病院勤務の後、アメリカに留学。Diamond Institute for Infertility and Menopause にて体外受精、顕微授精等、最先端の生殖医療技術を学ぶ。帰国後、IVF 大阪クリニック勤務、IVFなんばクリニック副院長を経て、2010 年レディースクリニック北浜を開院。医学博士、日本産科婦人科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医。タイで英才教育を受けていたポメラニアンのイージーちゃんが来日し、初対面した先生。今年、タイとフィリピンでチャンピオンになり、次は日本と欧米のチャンピンをめざすそう。先生とお家で暮らせる日はまだ先のようです。 ≫ レディースクリニック北浜 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.36 2017 Winter≫ 掲載記事一覧はこちら
2017.11.16
コラム 不妊治療
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34歳から4度の稽留流産。“別れ”続きで、先が見えない
34歳から4度の稽留流産。“別れ”続きで、先が見えない 岡 親弘 先生(東京HARTクリニック) 相談者:助けてくださいさん(39歳) 妊娠はするものの流産を繰り返すのはなぜ 29歳で自然妊娠、健常な女児を出産しました。しかし、その後は34歳で無脳症のため安定期で死産したのを始まりに、4回稽留流産しました。不育症を疑って検査しましたが異常は見つからず、あるとすれば「夫婦の相性的なもの」とのことでした。妊娠はするものの育たず、つらいお別れが続き、どうしていいのかわかりません。「次に妊娠反応があった場合は、不育症的な措置をしつつ、経過を見ましょう」と言われましたが、今の病院は不育症は専門外で、並行して他県の病院への通院をすすめられました。負担が大きく、先が見えません。 4度稽留流産を経験され、不育症検査でも問題はなく、あるとすれば「夫婦の相性的なもの」と告げられたそう。今後はどのようにすればいいですか。 10年前にすでに自然妊娠でお子さんを授かっているのですから、不育症の検査で告げられた、“ご夫婦の相性的なもの”が原因とは考えにくいと思いますし、万が一そうであったとしても、相性が悪いからとパートナーを変えるわけにはいきませんよね。究極の選択として精子や卵子提供を受けるといったこともできないことはありませんが、そこまでしてお子さんを望まれるかははなはだ疑問です。結論から先に言えば、これからも淡々と治療を続けるしかないと思います。検査で問題がなかったのですから、不育症の治療のためにわざわざ通院する必要もありません。 流産の原因と考えられるのは。 原因のひとつとして“卵子の老化”は否めませんが、不妊の原因はそれだけでは片づけられません。他の要因も複雑に絡み合うのが不妊で、特効薬がないのがもどかしいところです。 情報が乏しいのでわかりませんが、質問者さんの場合は体外受精といったものではなく、自然妊娠のようですよね。流産したということは、よく考えれば妊娠反応はあったということでもあります。女性にとって流産がどれほどおつらいことか想像するに難くありませんが、ある程度の確率で流産は起こるものと思ってください。質問者さんに限ったことではないのです。無脳症といった障がいがある場合は、自力で生きられないので自然淘汰されてしまうことも多い。4回の流産で諦めるのは早いですよ。5回目、6回目に授かることもあると信じ、納得がいくまでトライし続けてほしいですね。 「先が見えません」と悲観されています。先生からアドバイスを。 無脳症は葉酸不足、糖尿病、高血圧などで発症率が高まるといった報告もあるので、食生活を見直し、不足があればサプリメントなどで補充し、妊娠の妨げとなる持病がないかといったことも調べておくと安心材料になるでしょう。 ただ、文面からして、流産を繰り返したことでのストレスが強く見受けられます。ストレスは妊娠にとって大敵ですから、気持ちを切り替えて少しお休みしてはいかがかとも思います。ご主人は、「どうしてももう1人か2人、子どもが欲しい!」とおっしゃっているのでしょうか。不妊治療はどうしても女性側への負担が大きいので、ご自分はどれほど不妊で悩んでいるかなどを話し合うことも必要です。 まずはご夫婦の仲が良く、そしてそれなりに性交渉があれば、これからもいくらでもチャンスはあると思います。40歳を超えてからの妊娠・出産はリスクも増えてくるので、そういったことも踏まえ、いつまで希望をもち続けるか、体外受精に踏み切るべきか、といったことも話し合われてみてはいかがでしょうか。 岡先生より まとめ ●流産は誰にでも起こりうること。別れはつらいけれど、自分を責めないで。 ●自然妊娠を望むなら、夫婦仲良く! 性交渉が多ければチャンスも多いはず。 [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 岡 親弘 先生(東京HARTクリニック) 慶應義塾大学医学部卒業。その後、同大学産婦人科に入局。不妊症・不育症の研究治療を行い、「ローズレディースクリニック等々力」院長を経て、2000年に不妊症専門クリニック「東京HARTクリニック」を開院。2005年アメリカ生殖医学会にて、ヒト胚盤胞のガラス化保存法とASの有効性についてHARTグループとして発表し、日本人で初めて表彰される。紀元前3800年頃にメソポタミア文明を創り上げた“シュメール人”に興味津々の岡先生。「人類は、彼らが遺伝子操作してできた労働力、という説もある。他の星から来た宇宙人によって、地球人は生まれたのかも」と目を輝かせて語る様はまるで少年のよう! ≫ 東京HARTクリニック 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.35 2017 Autumn≫ 掲載記事一覧はこちら 34歳から4度の稽留流産。“別れ”続きで、先が見えない 岡 親弘 先生(東京HARTクリニック) 相談者:助けてくださいさん(39歳) 妊娠はするものの流産を繰り返すのはなぜ 29歳で自然妊娠、健常な女児を出産しました。しかし、その後は34歳で無脳症のため安定期で死産したのを始まりに、4回稽留流産しました。不育症を疑って検査しましたが異常は見つからず、あるとすれば「夫婦の相性的なもの」とのことでした。妊娠はするものの育たず、つらいお別れが続き、どうしていいのかわかりません。「次に妊娠反応があった場合は、不育症的な措置をしつつ、経過を見ましょう」と言われましたが、今の病院は不育症は専門外で、並行して他県の病院への通院をすすめられました。負担が大きく、先が見えません。 4度稽留流産を経験され、不育症検査でも問題はなく、あるとすれば「夫婦の相性的なもの」と告げられたそう。今後はどのようにすればいいですか。 10年前にすでに自然妊娠でお子さんを授かっているのですから、不育症の検査で告げられた、“ご夫婦の相性的なもの”が原因とは考えにくいと思いますし、万が一そうであったとしても、相性が悪いからとパートナーを変えるわけにはいきませんよね。究極の選択として精子や卵子提供を受けるといったこともできないことはありませんが、そこまでしてお子さんを望まれるかははなはだ疑問です。結論から先に言えば、これからも淡々と治療を続けるしかないと思います。検査で問題がなかったのですから、不育症の治療のためにわざわざ通院する必要もありません。 流産の原因と考えられるのは。 原因のひとつとして“卵子の老化”は否めませんが、不妊の原因はそれだけでは片づけられません。他の要因も複雑に絡み合うのが不妊で、特効薬がないのがもどかしいところです。 情報が乏しいのでわかりませんが、質問者さんの場合は体外受精といったものではなく、自然妊娠のようですよね。流産したということは、よく考えれば妊娠反応はあったということでもあります。女性にとって流産がどれほどおつらいことか想像するに難くありませんが、ある程度の確率で流産は起こるものと思ってください。質問者さんに限ったことではないのです。無脳症といった障がいがある場合は、自力で生きられないので自然淘汰されてしまうことも多い。4回の流産で諦めるのは早いですよ。5回目、6回目に授かることもあると信じ、納得がいくまでトライし続けてほしいですね。 「先が見えません」と悲観されています。先生からアドバイスを。 無脳症は葉酸不足、糖尿病、高血圧などで発症率が高まるといった報告もあるので、食生活を見直し、不足があればサプリメントなどで補充し、妊娠の妨げとなる持病がないかといったことも調べておくと安心材料になるでしょう。 ただ、文面からして、流産を繰り返したことでのストレスが強く見受けられます。ストレスは妊娠にとって大敵ですから、気持ちを切り替えて少しお休みしてはいかがかとも思います。ご主人は、「どうしてももう1人か2人、子どもが欲しい!」とおっしゃっているのでしょうか。不妊治療はどうしても女性側への負担が大きいので、ご自分はどれほど不妊で悩んでいるかなどを話し合うことも必要です。 まずはご夫婦の仲が良く、そしてそれなりに性交渉があれば、これからもいくらでもチャンスはあると思います。40歳を超えてからの妊娠・出産はリスクも増えてくるので、そういったことも踏まえ、いつまで希望をもち続けるか、体外受精に踏み切るべきか、といったことも話し合われてみてはいかがでしょうか。 岡先生より まとめ ●流産は誰にでも起こりうること。別れはつらいけれど、自分を責めないで。 ●自然妊娠を望むなら、夫婦仲良く! 性交渉が多ければチャンスも多いはず。 [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 岡 親弘 先生(東京HARTクリニック) 慶應義塾大学医学部卒業。その後、同大学産婦人科に入局。不妊症・不育症の研究治療を行い、「ローズレディースクリニック等々力」院長を経て、2000年に不妊症専門クリニック「東京HARTクリニック」を開院。2005年アメリカ生殖医学会にて、ヒト胚盤胞のガラス化保存法とASの有効性についてHARTグループとして発表し、日本人で初めて表彰される。紀元前3800年頃にメソポタミア文明を創り上げた“シュメール人”に興味津々の岡先生。「人類は、彼らが遺伝子操作してできた労働力、という説もある。他の星から来た宇宙人によって、地球人は生まれたのかも」と目を輝かせて語る様はまるで少年のよう! ≫ 東京HARTクリニック 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.35 2017 Autumn≫ 掲載記事一覧はこちら
2017.8.18
コラム 不妊治療
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ドクターが解説 !!生殖医療用語「GnRHアゴニスト製剤」
難しい用語がいろいろと出てくる不妊治療の現場。治療でよく聞く用語だけど、あまり正確に知らないものも多いのでは?勘違いや思い込みを防ぐためにもしっかり確認しておきましょう。クリニックの先生に用語の解説をしていただきました。 GnRHアゴニスト製剤 視床下部から分泌される性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)放出ホルモン(GnRH)に似た構造をもつ合成薬の1つで、点鼻薬と注射薬があります。脳下垂体にあるGnRHの受容体に結合し、作動薬として働きます。子宮内膜症の疼痛緩和や子宮筋腫の病変縮小を目的として、またARTにおける調節卵巣刺激の低刺激法で使われます。 体内でつくられるGnRHよりも受容体と結合する力が強く、作用も高まります。使用初期は受容体の数が増えLH、FSHも多く分泌されます。しかし長期の使用により受容体が減り、反応も弱まってLH、FSHの分泌が抑制するように働きます。そこで、調節卵巣刺激法において採卵前に排卵してしまうことを防ぐ、あるいは卵胞の発育をコントロールする目的で使われています。 点鼻薬を使用するロング法では早発排卵を抑制でき、たくさんの卵子を得られるのですが、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)がある場合には卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクが高まります。 可世木病院(愛知県名古屋市) 可世木 成明 先生名古屋大学医学部卒業。同大大学院医学研究科博士課程を経て、名古屋大学医学部産科婦人科に入局。名古屋大学医学部助教授、岡崎市立病院産婦人科部長、名古屋第一赤十字病院産婦人科部長を歴任された後、1990年、名古屋市内に医療法人格医会可世木病院を初代院長の父上と共に開業。日本産婦人科医会名誉会員。 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.34 2017 Summer≫ マガジンの記事がすべてご覧いただけます! ドクターが解説 !!生殖医療用語 一覧 難しい用語がいろいろと出てくる不妊治療の現場。治療でよく聞く用語だけど、あまり正確に知らないものも多いのでは?勘違いや思い込みを防ぐためにもしっかり確認しておきましょう。クリニックの先生に用語の解説をしていただきました。 GnRHアゴニスト製剤 視床下部から分泌される性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)放出ホルモン(GnRH)に似た構造をもつ合成薬の1つで、点鼻薬と注射薬があります。脳下垂体にあるGnRHの受容体に結合し、作動薬として働きます。子宮内膜症の疼痛緩和や子宮筋腫の病変縮小を目的として、またARTにおける調節卵巣刺激の低刺激法で使われます。 体内でつくられるGnRHよりも受容体と結合する力が強く、作用も高まります。使用初期は受容体の数が増えLH、FSHも多く分泌されます。しかし長期の使用により受容体が減り、反応も弱まってLH、FSHの分泌が抑制するように働きます。そこで、調節卵巣刺激法において採卵前に排卵してしまうことを防ぐ、あるいは卵胞の発育をコントロールする目的で使われています。 点鼻薬を使用するロング法では早発排卵を抑制でき、たくさんの卵子を得られるのですが、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)がある場合には卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクが高まります。 可世木病院(愛知県名古屋市) 可世木 成明 先生名古屋大学医学部卒業。同大大学院医学研究科博士課程を経て、名古屋大学医学部産科婦人科に入局。名古屋大学医学部助教授、岡崎市立病院産婦人科部長、名古屋第一赤十字病院産婦人科部長を歴任された後、1990年、名古屋市内に医療法人格医会可世木病院を初代院長の父上と共に開業。日本産婦人科医会名誉会員。 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.34 2017 Summer≫ マガジンの記事がすべてご覧いただけます! ドクターが解説 !!生殖医療用語 一覧
2017.5.23
コラム 不妊治療
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着床障害と不育症について
着床障害と不育症について 石川 弘伸 先生(醍醐渡辺クリニック) せっかく良好な受精卵ができても、着床障害や原因不明の流産を繰り返す不育症で出産まで至らない場合、どのように治療を進めるべきなのでしょうか。醍醐渡辺クリニックの石川先生にお話を伺いました。 不育症の定義とは?着床障害と不育症の違い 妊娠は成立するものの、流産や死産を繰り返してしまい、最終的に赤ちゃんが得られない状態を不育症といいます。受精卵が子宮内膜に着床し、妊娠はスタートするけれども、赤ちゃんが生まれてくることができない状態です。日本では連続3回以上の流産が繰り返される場合、習慣流産という用語も使われていますが、妊娠22週以降の死産や、生後1週間以内の新生児の死亡は含まれません。実際のところ、学会でも「何回の流産で不育症か?」というはっきりとした定義がないのですが、当院では2回流産を繰り返されると、検査をご提案することが多いですし、またご自身から検査を希望される方も増えています。 一方、受精卵が子宮内膜に着床することができず、妊娠そのものがスタートしないのが着床障害です。排卵誘発を行い、体外受精や顕微授精によって培養した良好な胚を移植したにもかかわらず、妊娠しない、化学流産などに終わってしまう状態が着床障害と考えられます。化学流産とは、妊娠反応が陽性となった後、超音波で診察しても子宮内に胎嚢が確認できない状態で、これは流産の回数には含めないことになっています。 では、不育症や着床障害の検査や治療に至るまでの流産の回数が、なぜ2回、3回と決められているのでしょうか。それらは単純に確率の問題であり、統計的な考え方によります。日本では自然流産の起こる頻度はだいたい全体の15%くらいとされています。妊娠しても1割以上の人が流産する確率があるということです。それが2回までなら偶発的に起こりうることと考えてもよいですが、3回以上となると、何かほかに原因があると考えたほうがよいという考え方です。 女性にとって流産はつらいものですが、その半数以上はリスク因子が不明のものです。あまりご自身を責めずに、思わぬ原因が隠れていることもありますので、まず検査を受けてみることをおすすめします。 原因を探るためのさまざまな検査 不育症や着床障害の原因を調べる検査の項目は多岐にわたり、施設によって多少異なるのが現状です。血液検査では、抗リン脂質抗体の測定、糖尿病や甲状腺など内分泌疾患の有無、あとは夫婦それぞれの染色体を調べる検査などがあります。そのほか、子宮の異常を調べるために子宮卵管造影検査や超音波検査を行うこともあります。 ご夫婦の染色体異常については、具体的な治療を受けるかどうかは十分なカウンセリングが必要です。染色体異常があっても普通に生活されている方なら大きな異常が見つかることはあまりありません。軽微な異常であれば最終的には赤ちゃんが生まれることも多いのです。統計的には5人中、4人までは正常、つまり流産は繰り返すけれども最終的には出産できるというデータとなっています。 話は少しそれますが、現在、注目されている検査の一つに着床前診断というものがあります。これはまだ日本では重い遺伝性疾患をもつ方にのみ認められている治療で、一般的には行われていません。ご夫婦に染色体異常があった場合、そのご夫婦の受精卵にも染色体異常が起こる確率が高くなりますので、それを調べて正常な受精卵だけを戻すことで流産を防ぐというものです。 流産を2度、3度と繰り返すと、女性は体だけでなく、精神的にも大きなストレスを抱えることになり、現在その解決策として議論が進んでいます。近い将来には日本でも有効な検査法となりうるでしょう。 詳しく調べても原因が特定できないケースも 検査で見つかった不育症のリスク因子に対して治療を行うことはできますが、根本的に“不育症を治療する”ということにはならないこともあります。 たとえば、子宮に着床を妨げる筋腫などの異常があれば、外科的な手術によってそれを取り除くことは可能です。免疫異常の抗リン脂質抗体症候群であれば、アスピリンの内服やヘパリン注射など、抗凝固療法がある程度は有効であることがわかっています。ですから、それらがリスク因子となっている場合には、有効な治療法となるでしょう。しかし、実際の症例では何が流産や不育症のリスク因子となっているのか、詳しく調べてもわからないケースが多く、原因を明らかにして治療することが困難なのが不育症においては実状なのです。 体外受精や顕微授精の技術が確立し、受精まではかなりサポートできるようになりましたが、移植に関してはほとんど進歩がないというのが今の生殖医療の現状です。着床そのものをサポートする有効な治療法は今のところ、まだ出現していないのです。当たり前のことではありますが、まず検査によってできるだけ着床不全や不育症の原因となりうるリスク因子を取り除いたうえで、適切な排卵誘発を行い、体外受精や顕微授精で得られた受精卵を、できるだけダメージを与えることなく移植する、そのことがよい結果につながると考えています。 石川先生より まとめ ・早めに検査を受けること ・検査で着床を妨げる可能性のある要因を少しでも明らかに ・適切な排卵誘発を行い、体外受精で良質な受精卵を移植 [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 石川 弘伸 先生(醍醐渡辺クリニック) 1991 年滋賀医科大学卒業。同大学院修了。泉大津市立病院副医長、水口市民病院産婦人科医長、野洲病院産婦人科部長を経て、2003年より醍醐渡辺クリニック副院長。電子カルテの導入が軌道に乗り、受付や先生自身の仕事がスムーズになったことを喜んでいる石川先生。「最近は手書きで文字を書く機会が減って、簡単な漢字がなかなか思い出せなかったりするのが困りものですね」と苦笑い。 ≫ 醍醐渡辺クリニック 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.33 2017 Spring≫ 掲載記事一覧はこちら 着床障害と不育症について 石川 弘伸 先生(醍醐渡辺クリニック) せっかく良好な受精卵ができても、着床障害や原因不明の流産を繰り返す不育症で出産まで至らない場合、どのように治療を進めるべきなのでしょうか。醍醐渡辺クリニックの石川先生にお話を伺いました。 不育症の定義とは?着床障害と不育症の違い 妊娠は成立するものの、流産や死産を繰り返してしまい、最終的に赤ちゃんが得られない状態を不育症といいます。受精卵が子宮内膜に着床し、妊娠はスタートするけれども、赤ちゃんが生まれてくることができない状態です。日本では連続3回以上の流産が繰り返される場合、習慣流産という用語も使われていますが、妊娠22週以降の死産や、生後1週間以内の新生児の死亡は含まれません。実際のところ、学会でも「何回の流産で不育症か?」というはっきりとした定義がないのですが、当院では2回流産を繰り返されると、検査をご提案することが多いですし、またご自身から検査を希望される方も増えています。 一方、受精卵が子宮内膜に着床することができず、妊娠そのものがスタートしないのが着床障害です。排卵誘発を行い、体外受精や顕微授精によって培養した良好な胚を移植したにもかかわらず、妊娠しない、化学流産などに終わってしまう状態が着床障害と考えられます。化学流産とは、妊娠反応が陽性となった後、超音波で診察しても子宮内に胎嚢が確認できない状態で、これは流産の回数には含めないことになっています。 では、不育症や着床障害の検査や治療に至るまでの流産の回数が、なぜ2回、3回と決められているのでしょうか。それらは単純に確率の問題であり、統計的な考え方によります。日本では自然流産の起こる頻度はだいたい全体の15%くらいとされています。妊娠しても1割以上の人が流産する確率があるということです。それが2回までなら偶発的に起こりうることと考えてもよいですが、3回以上となると、何かほかに原因があると考えたほうがよいという考え方です。 女性にとって流産はつらいものですが、その半数以上はリスク因子が不明のものです。あまりご自身を責めずに、思わぬ原因が隠れていることもありますので、まず検査を受けてみることをおすすめします。 原因を探るためのさまざまな検査 不育症や着床障害の原因を調べる検査の項目は多岐にわたり、施設によって多少異なるのが現状です。血液検査では、抗リン脂質抗体の測定、糖尿病や甲状腺など内分泌疾患の有無、あとは夫婦それぞれの染色体を調べる検査などがあります。そのほか、子宮の異常を調べるために子宮卵管造影検査や超音波検査を行うこともあります。 ご夫婦の染色体異常については、具体的な治療を受けるかどうかは十分なカウンセリングが必要です。染色体異常があっても普通に生活されている方なら大きな異常が見つかることはあまりありません。軽微な異常であれば最終的には赤ちゃんが生まれることも多いのです。統計的には5人中、4人までは正常、つまり流産は繰り返すけれども最終的には出産できるというデータとなっています。 話は少しそれますが、現在、注目されている検査の一つに着床前診断というものがあります。これはまだ日本では重い遺伝性疾患をもつ方にのみ認められている治療で、一般的には行われていません。ご夫婦に染色体異常があった場合、そのご夫婦の受精卵にも染色体異常が起こる確率が高くなりますので、それを調べて正常な受精卵だけを戻すことで流産を防ぐというものです。 流産を2度、3度と繰り返すと、女性は体だけでなく、精神的にも大きなストレスを抱えることになり、現在その解決策として議論が進んでいます。近い将来には日本でも有効な検査法となりうるでしょう。 詳しく調べても原因が特定できないケースも 検査で見つかった不育症のリスク因子に対して治療を行うことはできますが、根本的に“不育症を治療する”ということにはならないこともあります。 たとえば、子宮に着床を妨げる筋腫などの異常があれば、外科的な手術によってそれを取り除くことは可能です。免疫異常の抗リン脂質抗体症候群であれば、アスピリンの内服やヘパリン注射など、抗凝固療法がある程度は有効であることがわかっています。ですから、それらがリスク因子となっている場合には、有効な治療法となるでしょう。しかし、実際の症例では何が流産や不育症のリスク因子となっているのか、詳しく調べてもわからないケースが多く、原因を明らかにして治療することが困難なのが不育症においては実状なのです。 体外受精や顕微授精の技術が確立し、受精まではかなりサポートできるようになりましたが、移植に関してはほとんど進歩がないというのが今の生殖医療の現状です。着床そのものをサポートする有効な治療法は今のところ、まだ出現していないのです。当たり前のことではありますが、まず検査によってできるだけ着床不全や不育症の原因となりうるリスク因子を取り除いたうえで、適切な排卵誘発を行い、体外受精や顕微授精で得られた受精卵を、できるだけダメージを与えることなく移植する、そのことがよい結果につながると考えています。 石川先生より まとめ ・早めに検査を受けること ・検査で着床を妨げる可能性のある要因を少しでも明らかに ・適切な排卵誘発を行い、体外受精で良質な受精卵を移植 [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 石川 弘伸 先生(醍醐渡辺クリニック) 1991 年滋賀医科大学卒業。同大学院修了。泉大津市立病院副医長、水口市民病院産婦人科医長、野洲病院産婦人科部長を経て、2003年より醍醐渡辺クリニック副院長。電子カルテの導入が軌道に乗り、受付や先生自身の仕事がスムーズになったことを喜んでいる石川先生。「最近は手書きで文字を書く機会が減って、簡単な漢字がなかなか思い出せなかったりするのが困りものですね」と苦笑い。 ≫ 醍醐渡辺クリニック 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.33 2017 Spring≫ 掲載記事一覧はこちら
2017.4.9
コラム 不妊治療
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ドクターが解説 !!生殖医療用語「着床前診断」
難しい用語がいろいろと出てくる不妊治療の現場。治療でよく聞く用語だけど、あまり正確に知らないものも多いのでは?勘違いや思い込みを防ぐためにもしっかり確認しておきましょう。クリニックの先生に用語の解説をしていただきました。 着床前診断(Preimplantation Genetic Diagnosis : PGD) 体外受精によって得られた胚や配偶子の一部から遺伝子あるいは染色体を調べ、重い遺伝性の病気につながるものを診断します。 着床前診断には胚に対するすべての遺伝学的診断を示す広義の着床前診断と、単一の遺伝子異常、または特定の染色体異常の有無を診断する狭義のPGD があります。 PGD は遺伝子・染色体の変異をもっている人(保因者)に行われるもので、保因者でない人を対象に、胚の染色体の数的異常の有無を検出する目的で行う検査を着床前スクリーニングと呼んで区別しています。 わが国では現在、臨床研究として位置づけられており、誰でも受けられるものではありません。重篤な遺伝性の病気をもった児を出産する可能性のある、遺伝子および染色体異常の保因者、および均衡型染色体構造異常に起因すると考えられる習慣流産(反復流産を含む)が対象となります。さらに日本産科婦人科学会の倫理委員会で承認を得た症例に限り実施可能となるため、かなりの時間がかかってしまうのが現状です。 古賀文敏ウイメンズクリニック 古賀 文敏 先生大分医科大学卒業後、久留米大学産婦人科入局。久留米大学病院、国立小倉病院で産婦人科全般と麻酔管理の研修後、聖マリア病院新生児センターで出産後の母子ケアを学ぶ。国立小倉病院成育センター、久留米大学総合周産期母子センター不妊・内分泌部門主任を経て、2007 年5 月に古賀文敏ウイメンズクリニックを開院。2014 年6 月に現在地に移転し、新しく胎児ドックを中心にした出生前診断外来を開設。 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.32 2016 Winter≫ マガジンの記事がすべてご覧いただけます! ドクターが解説 !!生殖医療用語 一覧 難しい用語がいろいろと出てくる不妊治療の現場。治療でよく聞く用語だけど、あまり正確に知らないものも多いのでは?勘違いや思い込みを防ぐためにもしっかり確認しておきましょう。クリニックの先生に用語の解説をしていただきました。 着床前診断(Preimplantation Genetic Diagnosis : PGD) 体外受精によって得られた胚や配偶子の一部から遺伝子あるいは染色体を調べ、重い遺伝性の病気につながるものを診断します。 着床前診断には胚に対するすべての遺伝学的診断を示す広義の着床前診断と、単一の遺伝子異常、または特定の染色体異常の有無を診断する狭義のPGD があります。 PGD は遺伝子・染色体の変異をもっている人(保因者)に行われるもので、保因者でない人を対象に、胚の染色体の数的異常の有無を検出する目的で行う検査を着床前スクリーニングと呼んで区別しています。 わが国では現在、臨床研究として位置づけられており、誰でも受けられるものではありません。重篤な遺伝性の病気をもった児を出産する可能性のある、遺伝子および染色体異常の保因者、および均衡型染色体構造異常に起因すると考えられる習慣流産(反復流産を含む)が対象となります。さらに日本産科婦人科学会の倫理委員会で承認を得た症例に限り実施可能となるため、かなりの時間がかかってしまうのが現状です。 古賀文敏ウイメンズクリニック 古賀 文敏 先生大分医科大学卒業後、久留米大学産婦人科入局。久留米大学病院、国立小倉病院で産婦人科全般と麻酔管理の研修後、聖マリア病院新生児センターで出産後の母子ケアを学ぶ。国立小倉病院成育センター、久留米大学総合周産期母子センター不妊・内分泌部門主任を経て、2007 年5 月に古賀文敏ウイメンズクリニックを開院。2014 年6 月に現在地に移転し、新しく胎児ドックを中心にした出生前診断外来を開設。 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.32 2016 Winter≫ マガジンの記事がすべてご覧いただけます! ドクターが解説 !!生殖医療用語 一覧 【人気コラム】ユーザーストーリー~あなたに伝えたいメッセージ~ 【人気コラム】田村秀子先生の心の玉手箱 【役立つ】不妊についてもっと知ろう!不妊とは? 【おすすめ】フリーマガジン「ジネコ」各号記事一覧
2016.12.26
コラム 不妊治療