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自然の力を味方に― 不育症と松こぶ ―

コラム 不妊治療

自然の力を味方に― 不育症と松こぶ ―

痛みやストレスを軽減するといわれる松こぶエキス。
不育症の原因の一つとされる血栓を予防する効果も期待されています。

2020.4.16

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※2020年2月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.45 2020 Spring」の記事です。


お話を伺った先生のご紹介

医学博士 邵輝(しょうき)先生


予防医学に焦点をあて、東洋医学の可能性を追求する。鍼灸、漢方、ウイルス免疫学、遺伝子学、薬膳など、活動範囲は多岐にわたる。

植物のもつ力で穏やかに体質を改善


妊娠しても自然流産や死産を繰り返し、生児を得ることが困難な不育症。流産自体は6~7人に1人の割合で起こるもので、珍しいことではありません。しかし、2回以上繰り返すことは反復流産、3回以上繰り返した場合は習慣流産といい、3回以上流産する割合は100人に1~2人と考えられています。原因を調べれば、予防や治療を行うことが可能です。
不育症の原因の一つとして考えられているのが、「抗リン脂質抗体」という自己免疫の異常です。この抗体をもつ人は、全身の血管に血栓ができやすくなります。血栓は血流が速いところではできにくいのですが、妊婦の胎盤内の血液は、胎児に酸素や栄養を与えるためにゆっくり流れているので、血栓ができやすくなります。胎盤に血栓ができると、胎児に十分な酸素や栄養が届かず、流産する可能性があるとされています。
抗リン脂質抗体症候群の方によく処方するのが、松節(しょうせつ)という松こぶエキスから作られた漢方です。松こぶは、松の木自身が害虫や外傷による傷を治すために、松の成分「ピネシアコムオイル」が集中して作られたものです。松節には、抗リン脂質抗体症候群の診断基準の一つとなる抗カルジオリピン抗体を減少させ、子宮収縮物質である血清プロスタグランジンを下げる働きがあることが、臨床実験の結果で出ています。また、血栓形成予防に有効であることもわかっています。実験では、2回以上の流産経験がある女性28人に松節を3カ月間摂ってもらったところ、20人が妊娠し、15人が出産に至ったという結果が出ています。


生理痛や冷え、不眠など女性の悩みに広く対応


ポリフェノールが多く含まれる松節には、セロトニンを増加し、ビタミンCやビタミンEより強力な抗酸化作用があることがハーバード大学のシュウ博士の研究でわかっています。セロトニンは幸せホルモンともいわれ、冷え性や生理痛、偏頭痛の軽減が期待できます。睡眠ホルモンのメラトニンも増加するので、睡眠の質も高まります。松節は多くの女性が抱えている痛み・冷え・ストレスを、体の治癒力を高めて改善してくれます。


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.45 2020 Spring
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