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良い睡眠をとると妊娠力が上がるってホント?

良い睡眠をとると妊娠力が上がるってホント?

2017春 P20-21

2017.4.1

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良い睡眠をとると妊娠力が上がるってホント?


佐藤 雄一 先生(産科婦人科 舘出張 佐藤病院)




 


健康を維持するために食事とともに大切なのが睡眠だといわれています。不妊と睡眠は関係があるのか、どんな眠りが妊娠力を上げるのか、佐藤病院の佐藤雄一先生に伺いました。


睡眠不足になると排卵や卵子の質に影響が出ることも


食べることと同様に睡眠は私たちの毎日の生活に欠かせないものであり、人生の3分の1は眠ることに費やされています。

1970年代頃、日本人の平均睡眠時間は1日8時間程度だったのですが、最近はスマートフォンやパソコンなどの情報端末に触れている時間が長くなったせいか、7時間くらいと約1時間も短くなっています。

生活スタイルの変化に加え、仕事に家事や子育てなど多忙な日々を送る人も多いと思いますが、一般的には週に約50時間、1日分に換算するとだいたい7時間と少し、睡眠時間を確保できればいいといわれているんですね。

女性の場合、美容のためにもそれくらいはしっかり眠りたいものですが、実は統計的には男性より女性のほうが「眠れない」と感じる人が多いというデータがあります。妊娠初期には日中に眠気を感じていたのに、妊娠中期から後期にかけては眠れなくなったり、産後の育児で睡眠のペースが乱れたり……。ホルモンのバランスが変わる月経前や更年期にも睡眠に障害を来すことがあります。

では、睡眠を十分にとれていないと、どのような弊害が出るのでしょうか。睡眠時間が週40時間を切ってくると、仕事や家事に集中できないなど日中のパフォーマンスが下がることはもちろん、妊活中の人は妊娠にも間接的に良くない影響が出る可能性があります。

睡眠には“メラトニン”というホルモンが深くかかわっており、このホルモンは夜になって暗くなると脳から分泌されて、体に「眠りなさい」と信号を送り、朝になって明るくなるとその分泌が止まるんですね。

毎日きちんと寝ないで明るい所で起きていると分泌が悪くなり、睡眠のサイクルがさらに狂ってしまいます。また、睡眠だけでなく、このホルモンは妊娠の時にも必要だといわれています。活性酸素、いわゆる体がさびるのを抑制する抗酸化作用があることが知られており、その働きで卵子を保護したり、質を改善するという研究報告も。メラトニンのサプリメントを使用したら、妊娠率が向上したというケースもあるようです。
 このようなことを考えると、夜はしっかり眠り、朝すっきり目覚めるという生活を送ることが、妊娠への早道にもなるといえるのではないでしょうか。
 また、睡眠不足になると自律神経のバランスが崩れ、生理不順や高血圧、糖尿病などを引き起こすと考えられています。レプチンやグレリンなど食欲を調節するようなホルモンのバランスもおかしくなって、食欲が出すぎて肥満につながってしまうことも。「寝ないとやせる」といっている人もいますが、逆に寝ないと太ってしまうんですね。生理不順や糖尿病、肥満は排卵障害など、卵巣機能を低下させる原因にもなるので、睡眠不足は妊娠にとって決していい影響は与えないといえます。


週49時間を目標に不足分は昼寝や寝だめで補ってもOK


日頃睡眠不足だったり、「眠れない」という場合、どのように改善していったらいいか、ご説明していきましょう。

前述したように1日7時間の睡眠をとれれば理想ですが、毎日という形で考えると難しい人もいるかもしれないので、まずは週単位で睡眠時間を考えて調整するようにします。前日睡眠がしっかりとれなくて、次の日に眠気を感じるようなら、昼間に少し寝たり、週末に寝だめをしても構いません。眠れる時に不足分を補い、帳尻を合わせて週50時間くらいにするということですね。

ただし、夜の睡眠に支障が出ないように昼寝は午後3時までの時間に30分くらいまで。週末の寝だめは昼に寝るのではなく、夜の就寝時間を早めるなど、いつものサイクルや体内時計を大きく崩さないことがポイントです。

よく「質の良い睡眠をとろう」といわれていますが、どのような睡眠が良質なのかはっきりいえません。いびきをかく人や寝汗をかく人は睡眠が浅いといわれていますが、翌日、日中に強い眠気が出ないようであれば、それほど大きな問題はないと思います。

「午後10時から午前2時の間は眠っていたほうがいい」という説がありますが、これは細胞の新陳代謝や成長を促す成長ホルモンが、この時間帯に多く分泌されるからではないでしょうか。確かに、夜、太陽が沈んでから眠りにつき、朝、太陽の光で目覚めるという規則正しい体内リズムができている人は分泌が活発になるかもしれませんが、昼間寝ることが多い不規則な生活をしている人は当てはまらないでしょう。仕事内容などにより難しい人もいるかもしれませんが、卵子の発育などにもかかわるので、できればこの時間は眠るようにするのが理想だと思います。

良い睡眠をとるために気をつけたいことの一つとして、就寝前に体内の温度を上げすぎないということがあります。熱いお風呂に入ったり、寝る前に運動をする、食事や飲酒も体内の温度を上げるので避けること。寝つきが悪くなってしまうので、これらはできれば就寝3時間前までに済ませましょう。

また、喫煙やカフェインの入ったコーヒーやお茶などの刺激物も寝つきを妨げます。何か口にするなら牛乳がおすすめ。牛乳に含まれているトリプトファンというたんぱく質が分解されるとメラトニンになるので、適量を摂るといいかもしれません。

その睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を妨げてしまうのが光。寝る3時間前までにスマートフォンやパソコンの使用をやめて、寝室の電気やテレビは消して暗い状態で休むようにしましょう。

もう一つ、しっかり眠るためのコツとして、日中適度な運動をすることがおすすめです。

肉体がほどよく疲れることは自然な眠りを誘うし、精神的なストレスの解消にもなります。ピリピリ緊張した気持ちがリセットされることで、心地良い眠りにつけるようになると思います。

 





佐藤先生より 良い睡眠をとるためのポイント!


●就寝前の熱いお風呂や激しい運動、食事、飲酒は避けること
●スマホやパソコンなどの光を浴びず、寝室は暗くする
●適度な運動でストレスを解消して、1日を気持ちよくリセット!




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お話を伺った先生のご紹介





佐藤 雄一 先生(産科婦人科 舘出張 佐藤病院)


医学博士・産婦人科専門医・日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医・日本生殖医学会生殖医療専門医。佐藤病院院長・高崎ARTクリニック理事長を務める。専門分野だけでなく、栄養学や抗加齢医学などの知識も深く、患者さんにも積極的に生活習慣の改善を指導。


≫ 産科婦人科 舘出張 佐藤病院



出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.33 2017 Spring
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