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妊娠前から食生活で予防しておきたい! 妊娠糖尿病という病気を知っていますか?

コラム 妊娠・出産

妊娠前から食生活で予防しておきたい! 妊娠糖尿病という病気を知っていますか?

2018.2.19

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妊娠糖尿病をご存じでしょうか。一般的な糖尿病ほど重い病ではないものの、油断は禁物。放っておくと母体や胎児にさまざまな合併症を起こすリスクがあります。自身の妊娠糖尿病の経験を通して、「ロカロジ」という独自のメソッドを開発した一般社団法人ロカロジ協会 代表理事 金子洋子さんにお話を伺いました。





ロカロジとは?


低糖質(Low-Carb)×低GI(Low-GI)+運動から成る考え方が「ロカロジ」。血糖値が急上昇しないライフスタイルの実現のため、金子さんが独自に開発したメソッドです。

【問い合わせ】一般社団法人 ロカロジ協会
大阪府大阪市城東区古市2-6-63-216
☎050-5309-3220


 





妊娠前から知っておきたい妊娠糖尿病


妊娠前は糖尿病や肥満とはまったく無縁だった人でも、妊娠後、妊娠糖尿病にかかる可能性があります。妊娠糖尿病とは妊娠によって一時的に血糖値が高くなる病気です。
妊娠すると、胎盤から分泌されるホルモンが、血糖値を下げるホルモン「インスリン」の効き目を弱めてしまいます。健康な妊婦さんなら、インスリンの量が自然に通常の3倍に増えて血糖値を上げないよう調整できているのですが、高齢や肥満の方、家族に糖尿病の方がいる方、また、体質的にインスリンが増えない妊婦さんは高血糖を引き起こしてしまいます。最近は、約10人に1人が妊娠糖尿病になっているそうです。


いきなり襲いかかった妊娠糖尿病という現実


私が妊娠糖尿病を発症したのは33歳の時。初めての妊娠で、妊娠後期にさしかかった頃でした。体重は約16㎏増えていましたが、それ以外、自覚症状がなかっただけに、あまりにショックで頭の中が真っ白になりました。
管理入院から始まって分割食(1日6回食)の指導を受けました。それでもいっこうに血糖値が下がる気配がなかったのでインスリンを打つことになり、すぐに自分で注射する方法も教えてもらいました。その頃、すでに妊娠8カ月。太ももに自分で注射を打つのは初めて。血糖値測定のため、毎日指に7回も針を刺しているのに、さらに打たなくてはいけない。しかも目の前に食事を用意しておき、注射を打ってすぐに食べなければならず……。注射の痛さとストレスで泣いてばかりでした。
退院後はさらに大変でした。自宅では病院でのような食事は無理ですし、インスリンを打つ時も一人だし、倒れたらどうしようと本当に不安でした。しかも、いくらインスリンを打っても血糖値は下がりません。
妊娠糖尿病の人は出産時に合併症を起こして死亡するケースもあります。赤ちゃんも母体と一緒にずっと高血糖状態なので、出産後に低血糖を起こして昏睡状態になったり、巨大児として生まれることがあります。最も怖いのが子宮内胎児死亡を引き起こすこと。そんな想像をするだけで怖くなるし、精神的にかなり追い詰められていました。
出産中も、血糖値を測りながらブドウ糖を点滴。途中、危険な状態を繰り返し意識がもうろうとするなかで女児が生まれました。待機していた小児科医、助産師たちから拍手喝采。感謝の気持ちとともに、それほど危ないお産だったんだと改めて実感しました。


妊娠糖尿病の経験から生まれた「ロカロジ」


その後、血糖値はすぐ正常になったため、ふつうの生活に戻りました。育児に必死だったので、食事に気を使う余裕もなく、体重は16㎏増えたままでした。
娘が2歳になった頃、もう一人子どもが欲しいと思うようになりました。医師に相談したところ、妊娠糖尿病になるのは必至とのこと。そのため、1人目の時の苦しみを二度と味わいたくないと一念発起。妊娠前から糖質のコントロールと毎食後の運動にチャレンジすることにしました。まさに自分を使った人体実験です(笑)。
私が母親として直感したことが、極端な糖質制限は妊婦には大きなリスクだということ。そのため適正な糖質量を摂るために毎日、食べたものと血糖値の数値を記録。そのうち血糖値が上がる食材、上がらない食材がわかってきたので血糖値を120以下に抑えるレシピを数多く作成。赤ちゃんのためには炭水化物もある程度摂取する必要があるため、上がった血糖値を下げるように食後2時間歩くことにしました。
それも続けた甲斐があり、妊娠後期からインスリン注射を打つと予告されていたのですが、インスリンは使わず入院もなく、38週で破水から3時間で息子を無事出産! こうした妊娠糖尿病と向き合う妊娠生活で育んだノウハウをもとに開発したのが「ロカロジ」。血糖値が急上昇しない食事法と運動法から成るメソッドです。


ロカロジを広めることで妊娠する女性たちをサポートしたい


私は現在、妊娠糖尿病の方へ向けたセミナー、料理教室、食品販売を行っています。妊娠前から知っておいてほしいのは、妊娠糖尿病はふだんの食生活で十分予防できる病気だということ。私自身、お腹の赤ちゃんにとって必要な栄養をバランスよく送ってあげること。そして自分自身が食事を楽しむことをやめたくない! と考え、自分ができる最大限のリスク回避法は何か? を考えて得られたのが「ロカロジ」です。
ぜひ妊娠前から自分に合った適正な糖質量を知り、ほどよい運動をして血糖値を安定させる「ロカロジ」を取り入れて、妊娠を楽しめる体づくりを心がけてほしいと思います。


 


 


お話を伺った方のご紹介

金子 洋子 さん(一般社団法人ロカロジ協会代表理事


尿病を発症。つらい闘病生活のなかで血糖値の上昇を穏やかにする独自のメソッドを開発。15年妊娠糖尿病の会を、16年7月には一般社団法人ロカロジ協会を発足。現代表理事。12月に(株)ロカロジラボ設立、代表取締役社長就任。

出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.37 2018 Spring
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