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40代だけど妊娠したい! 妊活する際の基礎知識と注意点

インタビュー 妊活

40代だけど妊娠したい! 妊活する際の基礎知識と注意点

ライフスタイルの変化にともない、40代で妊活する人も珍しくなくなりました。そこで、40代の妊孕性(にんようせい)と妊活のポイントを小川クリニックの小川隆吉先生にご紹介いただきました。

2018.8.3

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妊孕性(妊娠する力)は加齢とともに落ちていきます




ライフスタイルの変化にともない、40代で妊活する人も珍しくなくなりました。今は、晩婚化などにともない、40代で初めて子どもを希望する方も増えてきました。ただ一般的に女性は年齢が進むにつれ、妊孕性が落ちていきます。
日本生殖医会のサイトで紹介されているデータによると、35歳を過ぎると妊孕性の低下が明らかになり、40代以降はその低下がスピードアップして進んでいく状況です。


 


 


年齢が進むと妊娠しづらくなるのは、不妊治療を行う場合も同じです。たまに「体外受精をすれば何歳でも妊娠できる」と思っている方もいますが、それは間違いです。
そのため、40歳になってから「子どもが欲しい」と思ったら、できるだけ早く妊活をすることが大切といえます。


2~3カ月経っても妊娠しない場合は不妊を診るクリニック


現在、日本産科婦人科学会では、不妊症の定義を「妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交しているにもかかわらず、1年間妊娠しない場合」としています。


 


ただし40歳以降の場合は、1年といわず2~3カ月経って妊娠しない場合には、「不妊」を専門とする医療機関に相談してみるのがいいでしょう。


 


 


30歳を過ぎると、子宮筋腫など自分では気づいていない婦人科系のトラブルを抱えている場合もあります。それが妊娠を妨げる原因になっていることもあるので、妊活スタートに当たってまず婦人科で自分の体をチェックしてみるのも方法の1つです。


 


 


最初に婦人科を受診する際には、その後に不妊治療を始める場合に続けて診察してもらえるか、同じ医療機関で不妊治療が難しければ適切な医療機関を紹介してもらえるかを事前に確認しておくと、限られた時間を有効に使えます。


不妊治療を始める際にはご夫婦一緒の受診がベスト


WHOの統計によると、不妊の原因は女性側が41%、男性側が24%、女性と男性どちらにも原因がある場合は24%、原因不明が11%です。このため、ケースに応じて男性が検査を受ける必要も出てくるので、ご夫婦一緒に受診しましょう。


 


一般的に不妊治療で男性が行う検査に精液検査があります。これは医療機関や自宅で採取した精液から精子の数や運動率、奇形率をチェックする検査です。所要時間もわずか数分で済みます。


 


そこで精液中に精子が見つからないなどの大きなトラブルが見つかった場合には、必要に応じて追加の検査や治療が行われます。


医学的な話と本人たちの希望に合わせて不妊治療の方法を決定


不妊治療は一般的に最初に下記のような検査が行われます。


【検査内容】


・基礎体温を測定し排卵日などを確認


・精液検査(上記参照)
・ヒューナーテスト(性交後、子宮頸管の精子の状態を確認)


・頸管粘液検査(子宮頸部の精子を子宮まで運ぶ粘液の状態を検査)


・子宮卵管造影(精子及び受精卵が子宮へ移動する際に通る卵管に詰まりがないかをレントゲンで確認)


・経腟超音波検査(子宮や卵巣の状態を確認)


 


また、当院では、多くの40代の方にはAMH(抗ミュラー管ホルモン)検査を行っています。


血液を採取し、卵胞が発育する際に分泌するAMH(抗ミュラー管ホルモン)の値を測定することで、卵子の在庫を推測する検査です。


検査結果は、その後の治療法を選択するうえで、大きな判断材料になります。


検査の後、下記の1~4の順に治療を進めていきます。


 


ここで2年以内に妊娠しないと、体外受精にステップアップするのが一般的です。


1) 性交指導(排卵日などを予測しタイミングなどのアドバイスを行う)



2) 薬物療法(①クロミフェン療法薬を使って排卵を誘発したり、妊娠しやすいよう子宮内の環境を整えたりする②ゴナドトロピン療法(注射で卵子を包む卵胞の成長と排卵を促す)




3)人工授精(洗浄濃縮した精子をチューブのような注入器具で子宮に送り込む方法)


 


ただし、タイムリミットが迫りつつある40代の場合は、このステップを1から順に進むのではなく、主治医と相談のうえでどのステップから治療を始めるかを決めるといいでしょう。


 


また、ご夫婦でクリニックに訪れても「どこまで治療を行うか」など、それぞれで意見が異なっているケースがあります。お2人の合意がないとと治療が中断してしまうこともあるため、ご夫婦で不妊治療の方針についてよく話し合っておくことも、短時間で妊娠するための近道です。





小川先生より まとめ



将来のことを考え25歳過ぎたら婦人科系器官の健診を


年齢が進むにつれて、子宮筋腫や子宮内膜症など、婦人科系器官のトラブルも増えてきます。それらが妊娠を妨げる原因になるケースもあるので、25歳を過ぎたら定期的に婦人科系器官の健診を行っておきましょう。

40歳を過ぎると、1年がとても大切になってきます。40歳と41歳では妊娠する力も変わるのです。自分の体を定期的にメンテナンスしておくと、「妊娠したい」と思ったとき、スムーズに妊娠できる可能性が高まります。





お話を伺った先生のご紹介

小川隆吉 先生(小川クリニック院長)



日本産科婦人科学会専門医、医学博士

日本医科大学卒業後、同産婦人科、都立築地産院産婦人科医長勤務。

1995年に小川クリニックを開設。不妊や出産についての著書も多数手がけている。

≫ 小川クリニック

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