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顕微授精で移植4回目も失敗。どうしたらいい?

コラム 不妊治療

顕微授精で移植4回目も失敗。どうしたらいい?

ユーザーの悩みのなかに「医師とのコミュニケーションがうまくいかない」と困っているケースをよく見受けます。質問するためには、どんなことを知るべきか、また、どんな質問を投げかけるとよいか、臼井医院不妊治療センターの臼井彰先生にお聞きしました。

2018.12.21

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※2018年11月22日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.40 2018 Winter」の記事です。


相談者:もも。。。さん(29歳)
● 匙を投げられた?
昨年から顕微授精を始めて、①1周期目は低刺激で5個採卵。2個初期胚で新鮮胚移植陰性、凍結初期胚移植陰性でした。2周期目はロング法で9個採卵して2個受精。胚盤胞が2個できて、そのうちグレードAAは陽性が出ましたが化学流産、BAは陰性という結果に。凍結胚がなくなったので先生に次の周期の相談をしたら、②「どうしたらいいのか、何か名案出してくださいよ」といわれました。
③子宮内膜がホルモン補充期で移植前9mm、移植後4~5日目で7.8から8.0mmと厚くなりません。「次は低刺激で新鮮胚移植でもいいんじゃないか」「高刺激で新鮮胚」「まあ、とりあえずピル始めて次回どうしたいか考えてきてください」と。④ホルモン補充はジュリナ®、プレマリン®、エストラーナ®とフルフルでやり、さらにウトロゲスタン®もしていました。それでも厚くならない内膜。先生からももはや提案はほとんどされず、考えてこいと。数をこなすしかないんですかね。

ドクターにはこう聞いてみよう!
患者側からも意見は
出していったほうがいいでしょう
「何か名案を出して」といういい方は問題ですが、意見があればどんどん出していただきたいですね。それで、なるべくご希望に沿う方法を提示して治療方針を決め、要所要所で相談しながら進めていくのがベストだと思います。

お話を伺った先生のご紹介

臼井 彰 先生(臼井医院不妊治療センター)


東邦大学医学部卒業。東邦大学大森病院で久保春海教授の体外受精グループにて研究・診察に従事。医局長を経て、1995年より現在の東京・亀有にて産婦人科医院を開業。

≫ 臼井医院不妊治療センター

誘発法を選択する幅は広いはず。2回とも正解だったと思います


①1周期目は低刺激で5個採卵。2個初期胚で新鮮胚移植陰性、
凍結初期胚移植陰性でした。2周期目はロング法で9個採卵して2個受精。

採卵に向けて卵胞を発育させるために行う排卵誘発法は低刺激法やアゴニストというお薬を使うショート法・ロング法、アンタゴニスト法などいくつかあります。これらのなかから患者さんの年齢やホルモン値、可能な来院回数などを参考にして、現状最も適切だと思われる方法を選択していくのです。
もも。。。さんはまだ年齢的にはお若く、ホルモン値などに問題がなければ、選択の幅は広いはず。担当の先生は、1回目はまずマイルドな方法で試して反応を見て、2回目は高刺激のロング法で卵子の数を採りにいこうと考えたのではないでしょうか。いずれも結果は良好で、よい胚盤胞もできているので、選択としては正解だったと思います。


誘発法や胚の戻し方を変えるなど、まだ試せることはあるのでは


②「どうしたらいいのか、何か名案出してくださいよ」

「何か名案を出してください」と本当に先生がおっしゃったかどうかわかりませんが、もし僕だったら「まだ打つ手はあります。次は作戦を変えてやっていきましょう」とお伝えしますね。実際、まだ試せることはあるのでは。前回結果はよかったけれど、排卵誘発法をまだやったことのないアンタゴニスト法に変えてみる。ホルモン補充周期で胚を戻して結果が出ていないようなら、次は自然周期で戻してみる……など。
また子宮側に着目し、子宮環境を調べて、悪かったら改善する検査や治療もあります。原因不明の場合、やり方やお薬の種類、量をちょっと変えるだけで妊娠する方もいるので、ここで匙を投げてしまうのは早いと思いますね。


子宮内の環境も着床に影響


③子宮内膜がホルモン補充期で移植前9mm、移植後4~5日目で7.8から8.0mm

子宮内膜の厚さは着床時に10 mm以上あれば理想的、8mm以下だと薄いといわれているようですが、それほど数字にとらわれることはなく、最低7mm程度あれば問題はないと考えています。もも。。。さんはその点はクリアされていますから、神経質になることはないと思いますね。
また、厚みがあっても、子宮環境が悪いと着床が阻害されることがあります。たとえば、細菌感染により子宮内で炎症が起こっていると、受精卵が着床しにくくなるという報告も。
感染しているかどうかは外来の検査で簡単に調べることができます。カテーテルを挿入して子宮内の月経血を採取し、着床の妨げになるエンドトキシンという物質の存在を調べます。子宮内に細菌が侵入しているとこの物質が検出されるので、陽性だった場合は抗生物質を内服してもらい、次の周期以降に再度検査を行って、陰性化しているかどうかを確認。子宮環境を整えてから移植に臨みます。
当院でも実施していますが、良好な胚盤胞を何度か戻してもうまくいかない方は、このような検査を受けてみてもいいと思いますね。


足りないホルモンを補充し、血流改善を


④ホルモン補充

子宮内膜はよく「受精卵のベッド」といわれています。普段は薄い状態ですが、排卵が近づくにつれて厚さを増し、受精卵が居心地よく着いてくれるように準備を始めるのですね。
この肥厚にかかわっているのが女性ホルモンの「エストロゲン」や「プロゲステロン」。内膜が厚くならない人はこれらのホルモン分泌機能が正常に働いていないと考えられ、改善するためにホルモン補充などを行います。もも。。。さんもいろいろなお薬でされていますね。
ホルモン補充のほかに運動や冷え解消も実施しているとのこと。劇的な変化はないかもしれませんが、血流をよくすることは内膜に何かしらいい影響を与えるはずです。内膜の血流量が増えれば栄養やホルモンが隅々まで行き渡り、受精卵も着床しやすい状態になるのでは。
現在、ホルモン剤を使われていますが、それと併行して、血流をうながすためにビタミンE製剤などを服用するのもおすすめです。
残念ながら現状では内膜を厚くする絶対的な方法はありませんが、後悔しないために今できることはチャレンジしていただきたいと思います。


モチベーションを維持させるのも大事
年齢がまだ若く、卵子の数がしっかり採れていて、良好な胚盤胞にもなっているのにうまくいかないーー。
 このような原因不明の反復不成功は、不妊治療のなかでも最もつらいケースかもしれません。医師にとってもこのような症例を治療するのは大変なことで、その反応に患者さんは一喜一憂しているようです。
「確かに大変ですが、まだ希望がある場合は、手を変え品を変え、できるだけいろいろな方法でチャレンジしていきます。原因不明による不妊の場合、とにかくやってみないとわからないというところがあります。ちょっと方法を変えただけで妊娠するケースも多々ありますから」(臼井先生)
前向きな提案で萎えかけた患者さんの気持ちを立て直し、モチベーションをキープしていくのも医師の役目とも。
「先生の対応が投げやりで信頼できないと感じたら、思い切って転院を考えてもいいのでは。気持ちも影響するのか、何年も妊娠できなかった人が転院して、1回目の治療で結果を出せたという例も多く聞きます」(臼井先生)

出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.40 2018 Winter
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