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冷えだけにフォーカスせず新陳代謝を高める工夫を【不妊と冷えの関係】

コラム 不妊治療

冷えだけにフォーカスせず新陳代謝を高める工夫を【不妊と冷えの関係】

体の冷えは多くの女性にとって悩みの種。冷えと不妊はどのように関係し、冷えに対してどのような対処法をとればいいのでしょうか。不妊についてさまざまな方向から治療を行う厚仁病院の松山先生にお話を聞きました。

2018.12.18

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※2018年11月22日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.40 2018 Winter」の記事です。


まとめ
体の代謝をアップさせるため、心身ともにポジティブに動こう
● 冷えへの対策で妊娠に結びつくことも。
● 新陳代謝を活発にし子宮や卵巣の血流改善
● 食事、栄養補給、運動など体の環境を整えよう

お話を伺った先生のご紹介

松山 毅彦 先生(厚仁病院 生殖医療部門)


東海大学医学部卒業。小田原市立病院産婦人科医長、東海大学付属大磯病院産婦人科勤務、永遠幸レディースクリニック副院長を経て、1996年厚仁病院産婦人科を開設。厚仁病院理事長。日本産科婦人科学会専門医。日本生殖医学会生殖医療専門医。

≫ 厚仁病院 生殖医療部門

冷え性の原因は寒さだけではありません


当院を受診される患者さんとお話をしていると、たまに「冷え性なんです」とおっしゃる患者さんに出会うことがあります。しかし「冷え性」の定義は実ははっきりしていないようです。辞書によれば、「特に手や足の先あるいは上腕部、大腿部などが温まらず、冷えているような感覚が常に自覚される状態のことである。しかし、西洋医学的には漠然とした概念として捉えられている」とあります。
したがって、その管理や治療は確立されたものは無いと言ってもよいかもしれません。しかし、妊娠を希望していてなおかつ冷え性の場合は、冷えに対する対策をとることでよい結果に結びついていることは実感しています。
当院では冷え性の対策として、遠赤外線治療、LLLT(低反応性レーザー治療)などを導入しています。ご本人の希望により行うこともありますが、胚盤胞移植を2回以上行っても妊娠に結びつかない場合に提案しています。
遠赤外線治療は、皮下深層部の体温を上昇させるもので、毛細血管を拡張させ、血液の循環を促します。結果として細胞の新陳代謝、組織再生能力の促進、機能活性化、免疫力、治癒力の促進などが期待できます。
LLLTは出力の低いレーザー光線を生体組織に照射する治療で、創傷治癒促進、血流改善、疼痛緩和、神経賦活等の効果を得る目的で臨床応用されています。


新陳代謝を活発にしましょう


遠赤外線治療やLLLTは患者さんに好評で、実際に体験した方からは、「体が温かくなった」、「リラックスできた」などのコメントを多くいただいています。
これらの治療のほかにも最近では日本生殖鍼灸標準化機関(JISRAM)会員の鍼灸師による「生殖鍼灸」も取り入れています。
いずれも、新陳代謝を活発にし、子宮や卵巣の血流改善の効果が期待できます。
不妊治療で大切なのは、排卵誘発法、採卵手技、胚の培養環境、胚盤胞移植の手技、黄体期管理などの体外受精に関わる基本的な部分のレベルアップを図ること。これに加えて冷え性の方は、バランスのよい食事、正しい栄養補給、適度な運動なども取り入れて体自身の環境を整えることも、妊娠に向かうには極めて大事なことと考えています。
新陳代謝をアップさせて妊娠のためのよりよい体づくりを心がけましょう。


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.40 2018 Winter
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