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内視鏡ってどんなもの?

インタビュー 女性の病気

内視鏡ってどんなもの?

開腹手術より術後の傷痕が軽減するという「内視鏡手術」。婦人科での内視鏡手術について、渡邊 潤一郎先生に詳しく伺いました。

2018.12.25

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最近よく耳にする「内視鏡手術」。開腹手術より術後の傷痕が軽減するということで、婦人科の領域でもさかんに行われています。そこで潤レディースクリニックの渡邊 潤一郎先生に、内視鏡手術について詳しく伺いました。




そもそも“内視鏡”とはどういったもの?


内視鏡とは小型のカメラを体の中に挿入して、内部の状態をテレビモニターに映し出して観察する医療機器のことです。もともとは単なる検査のための手段でしたが、近年急速に技術革新が進み、外科手術も行えるものへと変化しました。ここでは、婦人科で行われる内視鏡の手術についてお話しします。 


現在、婦人科で行われる内視鏡手術には腹腔鏡と子宮鏡の2種類があります。


●腹腔鏡手術


お腹の2~3カ所に小さな穴を開けて、内視鏡(カメラ)と細長い鉗子などを入れ、子宮や卵巣をテレビモニターに映し出しながら病巣の切除や癒着の剥離などを行います。全身麻酔で行うため入院が必要になります。お腹のことを医学的には腹腔というので「腹腔鏡手術」と呼びます。


●子宮鏡手術


腟から内視鏡を挿入して、子宮内をテレビモニターに映し出しながら、内視鏡付属の機器でポリープの切除や筋腫の摘出などを行います。内視鏡を腟から入れるため、体に傷がつきません。ポリープ手術は点滴の静脈麻酔で行うので日帰りですみます。


腹腔鏡手術は、従来の開腹手術に比べて手術の傷が小さく、入院期間も短縮できるため急速に普及しています。さらに婦人科では、子宮の悪性腫瘍や子宮体がんに対する腹腔鏡手術が保険適用となり、ロボット支援の内視鏡手術も登場するなど、めざましい発展を遂げています。


 


内視鏡を使うメリットは?


先述したように、内視鏡には手術の傷が小さくてすみ、患者さんの体の負担が少ないため入院期間が短いというメリットがあります。また術後は大きな傷痕が残らない美容上のメリットもあります。入院期間は、開腹手術が2週間前後であるのに対して、腹腔鏡下手術は子宮の場合6日前後、卵巣の手術はさらに短くなることもあります。


 


●内視鏡手術のメリット


・手術の傷が小さい


・術後の痛みが軽い


・術後の癒着が少ない


・入院期間が短い


・社会復帰が早い


・術後の傷跡が残らない


など


 ただしデメリットがあることも知っておいてほしいと思います。腹腔鏡手術は、メスで直接患部を切る開腹手術と違って、テレビモニターを見ながら内視鏡や鉗子を駆使して処置するため、執刀医には技術の修練が求められます。また、腸や血管を傷つけるリスクがあったり、開腹手術より手術時間が長くなったりすることがあります。


 現在、腹腔鏡手術はすべての医療機関で行えるわけではありません。腹腔鏡手術に必要な設備がない、あるいは医師のいない医療機関では、腹腔鏡という選択肢がなく開腹手術になるケースもあります。そのような時に腹腔鏡手術を希望する場合には主治医に紹介してもらうか、日本産科婦人科内視鏡学会の「技術認定医一覧」などで腹腔鏡手術が可能な医師や施設を調べてみるのも一つの方法です。私自身も技術認定医の一人として、腹腔鏡手術を行っています。


 


日本産科婦人科内視鏡学会 腹腔鏡・子宮鏡技術認定医一覧


http://service.kktcs.co.jp/smms2/c/cl_jsgoe/ws/license/List.htm?id=all&t=templates/general/medical_specialist/medical_specialist_list.tpl


 


婦人科では内視鏡手術はどんな場合に行う?


腹腔鏡手術で多いのは、卵巣嚢腫の摘出、卵巣・卵管の切除、子宮内膜症の病巣除去や癒着の剥離、子宮筋腫の摘出、子宮の全摘出などです。このなかには不妊手術や検査も含みます。また、最近では悪性腫瘍や子宮体がんの手術も行います。


 子宮鏡手術で多いのは、子宮内に筋腫が飛び出ている粘膜下筋腫や子宮内膜ポリープの切除、子宮内膜の焼灼などです。


 当院でも子宮鏡手術を積極的に行っています。腹腔鏡手術については、提携する横浜総合病院や聖マリアンナ医科大学病院をご紹介したり、患者さんからのご希望がある場合には、私が横浜総合病院で執刀することあります。


 


早期発見、早期治療するのはなぜ大切?


自治体が助成を行う婦人科検診や、勤務先の健診で子宮頸がんの検査を受けることで婦人科疾患の早期発見は可能です。さらに、超音波検査も行うとより安心でしょう。子宮や卵巣の腫れ、筋腫、ポリープなどの状態を細かに知ることができるからです。がん検査は自覚症状がなくても受けることが大切です。


 また、生理痛がひどい、不正出血が頻繁にある、生理の出血量が多くて貧血になるなど、自覚症状や心配なことがあれば、我慢し続けないで早めに婦人科を受診してください。そのぶん、治療が短くてすむことも多いのです。


 自覚症状の背後に隠れている子宮筋腫や子宮内膜症は、受精卵の着床を妨げて不妊の原因になることがあります。内視鏡手術は、薬の治療に効果がなかったり、病巣が進行していた時に行います。逆に言えば、早期発見できれば手術自体を避けて投薬治療を行うことが可能な場合もたくさんあります。ですから、早めに検査を受けてほしいと思います。そして一緒にベストな治療方法を選んで、取り組んでいきましょう。


 


お話を伺った先生のご紹介

潤レディースクリニック 渡邊 潤一郎先生


昭和62年、聖マリアンナ医科大学卒業。聖マリアンナ医科大学附属病院、総合高津中央病院、町田市民病院、横浜総合病院(副院長)に勤務。数多くの手術を執刀し、日本産婦人科内視鏡学会の技術認定医を取得。
平成25年、神奈川県横浜市あざみ野に「潤レディースクリニック」を開業。クリニックでは婦人科疾患の治療や妊婦健診のほか、若々しく元気に過ごすことを目的としたアンチエイジングにも力をいれている。
日本産婦人科学会専門医、日本産婦人科内視鏡学会技術認定医、日本アロマセラピー学会認定医。
趣味はゴルフやお酒を飲むこと。お酒はビールやハイボールを好み、最近は糖質制限のお酒を飲むようにしている。


≫ 潤レディースクリニック

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