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帝王切開した場所に血の塊が…。2人目不妊の原因でしょうか?

コラム 不妊治療

帝王切開した場所に血の塊が…。2人目不妊の原因でしょうか?

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2019.12.30

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※2019年11月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.44 2019 Winter」の記事です。


kacchanさん(34歳)からの相談
▶1人目帝王切開で出産後、生理が長引きます
5年前に帝王切開で長男を出産し、2年前から2人目が欲しいと思い、タイミングを取っています。授乳をやめて生理が再開してから毎月12日くらい生理が続くようになり、11日目くらいに排卵。産婦人科で診てもらったら、帝王切開した場所にできた血の塊が生理の時にちょこちょこ出ているのかもといわれました。妊娠にはあまり影響がないから、自然に頑張ってといわれたのですが、なかなかできず、今、別の病院へ不妊治療に通っています。そこでは、卵管造影や血液検査、卵巣年齢などを調べましたが、異常はありません。私には、その血の塊? が妊娠に影響しているのではないかと思えるのです。手術する方法もあるといわれましたが、そういうケースはあるのでしょうか?

まとめ
●1人目が自然に妊娠できても、2人目不妊は珍しくありません。
●専門医を受診して不妊の原因を明確にし、治療法を選択しましょう。

お話を伺った先生のご紹介

宇津宮 隆史 先生(セント・ルカ産婦人科)


熊本大学医学部卒業。1988年九州大学生体防御医学研究所講師、1989年大分県立病院がんセンター第二婦人科部長を経て、1992年セント・ルカ産婦人科開院。国内でいち早く不妊治療に取り組んだパイオニアの一人。開院以来、妊娠数は8,600件を超える。この秋、臨床遺伝専門医に合格。O型・おひつじ座。

≫ セント・ルカ産婦人科

帝王切開での出産後、生理周期や血の塊など気になる症状があるそうです。


帝王切開後に出血というのは、ここ最近、10〜20年前から言われるようにはなっていますが、原因はわかっていません。縫った場所に窪みができて、そこに血が溜まることはあるので、その場合は内視鏡下で切除するなどの方法はあります。それが不正出血の原因になっているとか、2人目が妊娠しづらい原因になっているなどともいわれていますが、実際のところ、本当にそうなのかは私としては疑問があります。以前は私もお産をしていて、帝王切開の出産例も多数ありましたが、その患者さんたちが2人目を妊娠しづらいという印象はまったく感じたことはありませんでした。
この方の生理周期については、とても短いのできちんと排卵できているのかが心配です。通常28周期のところ、相談者さんは4〜5日短く、生理持続期間12日で11日目に排卵しているそうですが、そのような状態で検査がすべて正常というのは信じがたいですね。不妊の原因がわかっていないのにホルモンを調整する薬を処方されていて、ご主人の精子も調べていないこと自体、不妊治療専門のクリニックではないことが窺えます。「1人目を出産できているから」という気持ちがあるのかもしれませんが、きちんと専門クリニックで受診して、精子も調べ、卵巣予備能を見極めるAMHも必ず調べたうえで、いわゆる不妊治療の方針を決めるのがベストではないでしょうか。


1人目が自然妊娠できても、2人目で不妊になるケースは多いですか?


とても多いです。1人目の時に何も問題なく妊娠出産できた人ほど、2人目で不妊になるはずがないと思いがちですが、1人目から現在まで時間は確実に経っていて、その間に環境や体質、体調などの変化があってもおかしくはありません。多囊胞性卵巣症候群の人は年齢とともに悪化しますから、前よりも今のほうが不妊になりやすい場合もあります。また、帝王切開後の悪露が長すぎて、何らかの感染症があったのかもしれません。男性は年齢が上がることで仕事の責任が増えてストレス過多になり、精子の状態が悪くなっているという場合もあります。
帝王切開した場所にできている血の塊が気になるなら、最初にお伝えした通り手術で切除することもできます。しかし、それ自体は2人目不妊の原因解消にはなりません。不妊治療専門クリニックで夫婦ともに初期段階の必要な検査を受け、血液検査は一般的なものではなく不妊治療に必要なホルモン値を調べてもらい、不妊の原因をきちんと判断してもらうこと。そして、適した治療を段階的に行うということ。年齢的にもまだ時間はありますから、専門医と相談して、しっかりと治療に取り組んでいただきたいですね。


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.44 2019 Winter
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