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卵管狭窄、卵管閉塞があっても自然妊娠できるでしょうか?

コラム 不妊治療

卵管狭窄、卵管閉塞があっても自然妊娠できるでしょうか?

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2020.3.27

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※2020年2月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.45 2020 Spring」の記事です。


れんこさん(39歳)からの相談
▶︎卵管狭窄について
前夫との間にできた子どもは、2人とも自然妊娠で出産しました。再婚して1年、できれば自然妊娠でと3人目を待ち望んでいますが、なかなかできないので検査したところ、子宮卵管造影検査で両側卵管狭窄との診断でした。2人目の出産からかなり年数が経っているので、「出産後に狭窄したのであろう」とのことでした。現在は通水治療をしていますが、体調によって経過はまちまちです。病院からは、今のところステップアップはすすめられていませんが、このままタイミング法を続けて妊娠できるか不安です。

お話を伺った先生のご紹介

佐藤 雄一 先生(高崎ARTクリニック)


医学博士・産婦人科専門医・日本生殖医学会生殖医療専門医・日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。2018年、体づくりができるフィーカレディースクリニック(東京・日本橋)を開院。佐藤病院グループ代表。佐藤病院院長・高崎ARTクリニック・Fika Ladies' Clinic理事長を務める。


≫ 高崎ARTクリニック

相談者のれんこさんは、両側が卵管狭窄の39歳です


結論から先に申し上げると、ご年齢からしても早くにステップアップされたほうがよろしいでしょう。卵管狭窄は出産経験者であっても大いに発症し得るもので、「以前に2人の子どもを自然妊娠・出産したから今回もきっと大丈夫」というわけにはいきません。どうしても自然妊娠に近い形で、とこだわるのでしたらタイミング法を続けるのもいたしかたありませんが、それもあと2、3回で結果が出なかったらそれ以上続けるのは時間がもったいない。「できるだけ早く赤ちゃんが欲しい」とお考えなら、体外受精を検討してみてはいかがでしょうか。


卵管狭窄とは?


卵管は左右にある卵巣と子宮をつなぐ管で、卵子と精子が出会う場。卵管の異常には、管が細くなる「卵管狭窄」と、完全に塞がってしまう「卵管閉塞」とがありますが、詳しくは腹腔鏡検査までしてみないと判断しかねます。もともととても細いので、造影検査だけでは正確な診断を下せないのが実状です。片方だけでもしっかり通っていれば、さほど妊娠率には影響しないと考えられていますが、両側となると不妊の可能性が高くなります。


治療法は?


現在施されているという通水治療もその一つで、卵管に生理食塩水を注入して通りをよくしようというものですが、相談者のれんこさんはこの治療をなさってもいまだ結果を得ていません。自然妊娠を希望する場合、卵管鏡下卵管形成術という、バルーンで卵管を押し広げる方法もあり、単純な“詰まり”であれば効果的なこともありますが、卵管の外側にも癒着がある場合は腹腔鏡手術が必要になります。


れんこさんにアドバイスを。


体外受精であれば、卵管狭窄でも、卵管閉塞でも妊娠は可能です。腹腔鏡、卵管鏡での手術であれば自然妊娠も望めますが年齢的なことを考えると、早めの体外受精を選択することもおすすめです。
最近は体外受精のハードルも下がり、多くの方が受けられる治療法になってきていますので、手術を選択するより体外受精の方が、体への負担や、時間的にもよいかもしれません。


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.45 2020 Spring
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