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不妊治療は女性一人で頑張るものではない。

コラム 不妊治療

不妊治療は女性一人で頑張るものではない。

不妊治療は女性一人で頑張るものではない。
忙しい仕事をセーブして二人で挑んだ期限一年の不妊治療。

2020.10.16

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結婚して5年目という三浦さんご夫婦。
ご主人の健二さんは会社員、奥様のゆかりさんは高校教師として、
忙しくも充実した日々でした。ある日、ゆかりさんの本気の一言で始まった、
二人の不妊治療の軌跡を紹介します。


※2020年8月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.47 2020 Autumn」の記事です。


忙しい妻の決意表明にあ、これは本気だなと


結婚当初から共働きだったお二人。特に教職のゆかりさん(43歳)は部活の顧問などで土日に出勤することも多く、子どもをもつということに意識を向ける余裕がありませんでした。
「正直なところ、子どもが欲しいかどうかはよくわからないけれど、年齢的に、あとから欲しいと思っても遅いとはわかっていました。でも産婦人科を受診する時間もきっかけもなかった。そんな時に、知り合いが不妊治療をして子どもができたと聞いて、急に具体的な思いが生まれて。治療に踏み出す一歩になりましたね」とゆかりさん。すぐに知り合いが通ったという地元のクリニックを受診しました。
当時のことを、健二さん(40歳)は笑いながら振り返ります。
「ある日、妻から『子どもつくるでね』と決意表明がありました(笑)。僕としては、『う、うん、わかった…』みたいな感じで始まったのですが、彼女が忙しい身のなかそう言いだしたことに『あ、本気だな』と。だったら、自分もできる限りのことをしようと思いました」


厳しい現実に直面しつつもとにかく期限は一年間!


決めたら即行動の二人でしたが、受診当初は、厳しい現実にショックを受けることも多かったとか。
「治療はいきなり体外受精、しかも顕微授精から。年齢的にも段階を踏んでいる場合ではないということでしたが、やはり驚きました。もうダメなんだ、タイミングや人工授精でできるかできないかという段階ではないんだ、急がなきゃと思いました」とゆかりさん。
同時に健二さんも「女性というのは年齢が進むにつれて妊娠率が下がり、卵子の質によって結果もわからないということを、説明会などで初めて知りました。本気で子どもが欲しいなら、どうしてすぐに来なかったの? とも言われ、知識不足を実感しましたね」。
治療が始まったのは3月。すぐに排卵誘発剤の注射を始め、5個の卵子を採取。唯一、胚盤胞になった1個を凍結し移植しますが、着床はしませんでした。
実は、治療に専念するため、4月から始まる新年度の担任を外してもらっていたゆかりさん。
「教員として、自分の都合で責任を放棄しているようで申し訳なく、この一年でなんとかしなければと強く思っていました。だから、ダメでも嘆いている暇はない。ダメなら次! とにかく期限は一年! という気持ちでした」


セカンドオピニオンへそしてついに着床!


次のことを考えていた矢先、ゆかりさんと同年齢の友人が、名古屋にあるクリニックで妊娠したという話を耳にします。同じ年齢の人に結果が出たということも大きく、二人はセカンドオピニオンを受けることで意見が一致。
しかし、そのクリニックの体外受精説明会に参加できたのは9月のこと。人気のあるクリニックということもあって、説明会の予約がなかなか取れず、一年間というタイムリミットのうちのすでに半年を過ぎていました。
その当時のAMHは0・35。最初から顕微授精を希望しました。早く結果を出さなければという気持ちが強く、正直、焦っていたと言います。ゆかりさんがジネコを初めて見たのは、そんな時期。
「いろいろな人がいて、本当にたくさんのケースがあるのだなあと思いました。養子をもらった人の体験談では、ああ、たとえダメでも子どもをもつ方法はいくらでもあるのだなと、気持ちが少し楽になりましたね」
そんな気持ちの変化も功を奏したのでしょうか。1回の採卵で採れた5個の卵はすべて受精卵となり、胚盤胞になる前に凍結。2回目の融解胚移植で、ついに着床したのです。
「でも、その時は、喜びよりも、まだ油断はできないという気持ちのほうが強かった。すでに43歳で、流産も心配でした」
健二さんも「当時は、無事に成長してくれるかという心配のほうが大きかった」と言います。


一人ではなく二人で頑張ったから授かった


そして、妊娠6カ月を越えた今ーー。ようやく少しほっとしているという健二さんは、ゆかりさんの本気の想いに寄り添ったなかで感じたことを語ってくれました。
「不妊治療というのは、女性一人が頑張るものではないと思います。僕たちの場合は、妻の職場の方々のご理解やご協力も非常に大きく、おかげで一年間、治療に専念できました。とても感謝しています。
治療において、夫の立場で物理的にできることは少ないですが、これだけは協力できたと胸を張って言えるようなことであればそれでよいのかなと思います。 
たとえば僕は、薬を飲むことを忘れないように覚えててねと言われたので、毎回『薬飲んだ?』と声をかけるのだけは欠かさなかった(笑)。ああしてこうしてという妻からのリクエストも結構あって、それに応えることでケアしたつもり。相手がどうというよりも、自分がそう思えることが大事だなと思います」
「え? そんなにリクエストあった? ごめんね(笑)」と笑うゆかりさん。「本当はまだ心配。妊娠できて100%安心しきっているわけではありません。でも、今の気持ちをここで話すことで、何より主人の気持ちを改めて聞けたことが嬉しいし、二人で頑張ったから授かったと感じています」
お腹の中で時折感じる、ムニュムニュッ(笑)という胎動、それを味わえているだけでも今はありがたいというゆかりさんと健二さん。一人ではない二人で経験した不妊治療は、きっとどこかのご夫婦の希望になるはずです。


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.47 2020 Autumn
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