HOME > 不妊治療 > 治療デビュー > 糖尿病薬の 「メトホルミン塩酸」 を処方されました 不妊治療なのに どうして?
HOME > 不妊治療 > 治療デビュー > 糖尿病薬の 「メトホルミン塩酸」 を処方されました 不妊治療なのに どうして?

糖尿病薬の 「メトホルミン塩酸」 を処方されました 不妊治療なのに どうして?

コラム 不妊治療

糖尿病薬の 「メトホルミン塩酸」 を処方されました 不妊治療なのに どうして?

2013漢方

2015.4.23

あとで読む




相談者

大豆のイソフラボン さん(22歳)


月経不順を学生時代から悩んでいました。婦人科医から多嚢胞性卵巣で排卵確認がとれず、不妊症と言われました。不妊の原因としてインスリン抵抗性があるとのこと。糖尿病用薬の「メトホルミン塩酸 」と漢方の「テイコク芍薬甘草」を処方されました。身長150cm 体重43kg なので平均的だと思っていたのですが、糖尿病になっているのでしょうか?この薬を飲み続けなければいけないのでしょうか?テイコク芍薬甘草とは多嚢胞性卵巣に効く漢方ですか?運動や食事制限など、日常生活で気を付けることはありますか?初めての診断で戸惑っていますが、旦那さんとの子どもが欲しいので不妊治療に励みたいと思います。




弁証に沿った漢方薬をじっくり服用することが元気な赤ちゃんを出産することにつながります


「メトホルミン塩酸」が処方されたからといって、糖尿病ということではありません。PCO(多嚢胞性卵巣)においてメトホルミン塩酸が治療に有効であることがわかっており、そのため処方されたのだと思います。


メトホルミン塩酸を服用しながら卵の状態を確認して服用を続けるか判断を


メトホルミン塩酸は、どちらかといえば肥満タイプのPCOの方に効果が高く、あなたのようにBMIが低めの方には効果が低いかもしれません。薬を服用されながら超音波で卵の状態をチェックし、先生と相談しなが
ら検討されることをおすすめします。基礎体温、血液検査の詳しい数値はわかりませんが、学生時代から月経不順があるということから、性腺軸という生殖をつかさどる機能がもともと低い体質だと思われます。その上、過去にダイエットや大きなストレスを抱えた経験などがあれば、さらに生殖能力を傷つけてホルモンバランスを崩し、PCOになったと考えられます。そして、PCOの方はテストステロン(男性ホルモンの一種)の値が高いので、それを抑制する目的で「テイコク芍薬甘草」が処方されたようですが、これだけでは不充分だと思われます。


PCOは生活習慣と密接に関係生活養生は欠かせない大切なこと


治療方針としては、卵巣内にたまった小さな卵胞をアポトーシスさせる事、あなたの生殖能力を高めてしっかりとした成熟卵胞を作りだすことです。しっかりとした成熟卵胞ができると、小さな卵胞はできなくなります。また、ストレスを強く感じる場合にはストレスを和らげ、血流が悪く生殖能力を生かしきれていない場合は血液の流れをよくする漢方薬が必要です。いずれにしても、じっくりとお話をうかがう必要があります。そして、弁証に沿った漢方薬をきちんと服用していただくことが、しっかりとした成熟卵胞を作り、自力の排卵をうながすことにつながり、それは、自然妊娠や元気な赤ちゃんを出産することにもつながります。また、PCOは生活習慣病とも言われていますので、生活養生も大切なことです。「早寝早起き」は基本です。適度な運動でよい汗をかくのは、体力作りとともにストレス解消にもなります。食事は和食でシンプルに。あなたはまだ若いのですから、あせることなくまずはきちんとした体作りをしましょう。元気な赤ちゃんに恵まれますように。




岡村 芳子先生


福岡大学薬学部卒。卒業後同大学研究室にて助手として勤務。結婚を機に地域密着の薬局で勤務し始め、中医学に深い感銘を受ける。10年ほど前より不妊症の相談を専門的に受け始め、沢山のベビー誕生の喜びを共有。中国・南京の夏桂成先生の元で、不妊症・周期療法についての研鑽を深める一方で、長期にわたり地方紙への執筆も続けている。




あとで読む

この記事に関連する記事

この記事に関連する投稿

女性のためのジネコ推薦商品

最新記事一覧

Page
top