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性交障害で人工授精へ。でも、診察痛が我慢できず…

性交障害で人工授精へ。でも、診察痛が我慢できず…

2017春 P45

0217.4.25

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性交障害で人工授精へ。でも、診察痛が我慢できず…


内田 昭弘 先生(内田クリニック)







相談者:アイダさん(32歳)


診察時の痛みと病院の対応について


結婚して2年。夫が性交障害です。人工授精にのぞもうと、地元の病院に通い始めました。2カ月間の検査でAIHの段階まできましたが、病院の対応に不信感をもっています。問診で、夫が性交障害と告げているにもかかわらず、「普通はタイミングで様子を見るので、最初から人工授精は……」のようなことを言われ、また私自身、あまり経験がないため、器具を入れられる際に体がこわばってしまいます。すると、「普通はこんなに痛がらない」「痛がるならドクターは人工授精しません」とも。女性の性器は、濡れてない状態で器具を入れて痛くないのですか? 地元で人工授精をしているのは、そこと総合病院しかありません。転院しようか悩んでいます。



 



アイダさんは、夫の性交障害で人工授精に踏み切ったようですが、診察の時に痛みがあるようです。


確かに診察できないと人工授精はできないので、工夫が必要です。不妊の原因はセックスができていないことなので、これまでの性交体験から、うまい具合に処女膜が破られていないのかもしれませんね。当院のやり方では、まずは痛みのない状況で診察できることに慣れてもらうことが大切なので、診察の前に表面に局所麻酔のゼリーを塗ってから超音波検査の器具を腟に挿入したり、診察器具であるクスコを使ったりします。クスコが入れば人工授精ができますから。それで人工授精ができた患者さんもいらっしゃいます。個人差はあっても、多くの人は痛みを伴うと思うので、今後そのような対処を考えてみてもいいのではないでしょうか。


アイダさんの痛みは、特に強いのでしょうか?


もしかすると、アイダさんにも性交障害があるかもしれないですね。なかには、女性が痛がるから射精まで至らないパターンもあると思います。痛いのを無理にはできないですからね。これから先、セックスについてどう考えていくのかがポイントの一つではないでしょうか。妊娠を目指す治療としての人工授精と、セックスできるようになる治療が別という方向で進めてみてもいいのかなと思います。


性交障害には、どのような治療がありますか?


ご主人には泌尿器科で性交障害に関する相談をされるようおすすめします。アイダさんは、慣れるしかないのかもしれません。診察でも、超音波検査の器具が入ったりすることで、だんだんと腟の入り口の痛みが軽減して麻酔薬も要らなくなることが多いですから。また、ご夫婦でそういう話ができるようになると、セックスをする状況が今までと変わるかもしれません。自分たちで取り組む延長線上で、自然とセックスができるようになっていけばいいなと僕は思いますね。


人工授精で子どもさえできればいい、という考えではないのですね。


セックスレスでも仲のいいカップルはあるのですが、カップルの関係性には医療者としては少し不安も感じます。生殖目的でないセックスができるのは人間だけで、ほかの動物は発情期があってセックスをします。そうであれば、妊娠のためだけではないセックスもできるようになることを考えてもいいと思いますよ。


アイダさんは、今かかっている病院に不信感を抱き、地元の総合病院へ転院するべきかどうかを悩んでいるようです。


今の施設では診察もままならないくらい痛くて、人工授精もできないような対応をされているのであれば、とりあえず総合病院へ行き、「こちらでは、このような状態でしたら、どのようにしているのですか?」と、相談することから始めるべきだと思いますね。転院しても同じ対応かもしれないし、もっとひどいと思えるかもしれませんから。そういう意味で、まずは相談することをおすすめします。




内田先生より まとめ


●性交障害の治療でセックスができるようになることを考えてみては?
●いきなり転院するのではなく、まずは相談をするところから。



 



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お話を伺った先生のご紹介





内田 昭弘 先生(内田クリニック)


島根医科大学医学部卒業。同大学の体外受精チームの一員として、1987年、島根県の体外受精による初の赤ちゃん誕生に携わる。1997年に内田クリニック開業。生殖医療中心の婦人科、奥様が副院長を務める内科、大阪より月1回来院の荒木先生による心理カウンセリングをもって現在のクリニックの完成形としている。


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出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.33 2017 Spring
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