超音波で診断されたのに排卵自体がないってあり得る?

コラム 不妊治療
超音波で診断されたのに排卵自体がないってあり得る?
「超音波で排卵しそうだと診断されたにもかかわらず、タイミングが合う以前に排卵自体がないということはあり得るのでしょうか?」
超音波で診断されたのに排卵自体がないってあり得る?
生田 克夫 先生(いくたウィメンズクリニック)
相談者:ホーリーさん(34歳)
排卵の超音波診断について

まずは超音波診断について教えてください。

クロミッド®の場合は、そこの誤差が大きいのですが、平均的に、飲み始めてから8日目から14~15日くらいまでで排卵する確率が非常に高いので、そのあたりを目安にしてみていきます。ちょうどいい時に排卵しなければ、注射で排卵を起こすのが一般的です。
ただ、数日後に排卵の可能性が高いといわれたとしても、ご自分の脳から性腺刺激ホルモンが出なければ、排卵しないまま卵胞がどんどん大きくなってしまうこともあり得ます。卵胞は卵胞刺激ホルモンと黄体化ホルモンの2つによって、成長し、排卵するわけですが、卵胞が大きくなっても実際に排卵するかどうかは、排卵を指示する黄体化ホルモンにかかっているので、それを分泌させる中枢が思うように働かなければ、いつまでたっても排卵せずに卵胞が30㎜を超してしまうということも起き得ます。そうなりそうな場合は、注射で排卵を起こすことになります。
排卵するまで育つ卵子がなくて、3カ月ほど排卵はないということはあり得ますか?

性交障害には、どのような治療がありますか?

ホーリーさんのような場合、クロミッド®以外にどんな排卵誘発法がありますか?

なかにはどう転んでも排卵しない場合もありますが、その時はHMGの注射やゴナールエフ®の自己注射を使います。これで卵胞が大きくならないということは卵巣に卵子がある程度存在すればめったにありません。要は、今までクロミッド®しか使っていないのならまだ方法はあるということです。
また、もともと生理を司る中枢というのは、精神的・身体的なストレスでもうまく働かなくなってしまうものです。今までの通院でストレスが溜まり、余計に排卵がうまく起こらなくなってしまっているなら、気分を変える意味でセカンドオピニオンを行うのもおすすめです。
生田先生より まとめ
●排卵予測がずれることはあるが、3カ月排卵しないはあり得ない
●クロミッド®以外にも排卵誘発の方法はある。ストレス緩和も大切
出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.33 2017 Spring
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